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その1 入学式にて
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とうとうこの日がやってきた!
わたしの第二の人生をかけた学園生活が始まるわ。
さあ!たのもう~。
この学園は政科、武科、魔科に分かれる。
わたしは当然魔科。
だって調合師希望です。
幼なじみのルースは政科。
まあ公爵家子息なら当然のことだ。
それぞれの科でタイ、リボンの色が違う。
政科は青、武科は緑、魔科は赤。
「ルースはやっぱり青が似合うわね。瞳が青で綺麗だからね。」
「ありがとう。ん…でも、ごめん。シャーリーにはあまり赤は似合わないね。政科にすればよかったのに。それなら一緒にいれるんだけど。」
「無理!わたしの夢は調合師なの!魔科じゃないとなれないじゃない。」
「そうだったね。」
確かに赤は合わない。だって薄い金髪(明るい茶色?)に茶色の瞳…赤のタイだからね。
全体がぼんやりしてる。仕方ない。仕方ない。
更にタイは赤なのに髪にはルースから入学祝いでもらった青のリボンが靡く。
やはり赤のリボンにすればよかった?
ん…でもやっぱりルースがせっかくくれたんだからしないと駄目ね。
まあ、ルースが喜んでくれるからいいや。
でも中学、高校はセーラー服だったからブレザーの可愛い制服着たかったのねー!かわゆい。かわゆい。
さあ!ヒロインを探さなきゃ。彼女はどこかしら?
キョロキョロあたりを見渡すがそのような子は見かけない。
すぐには見つからないかな。
ん?転校とかで途中からくるのかな?ひとまずもう少し探そう!
「シャーリー!遅れるよ。行こう。」
式の時間になるからわたしはひとまず講堂に急いだ。
どん!
「いっ、いたっ」
途中誰かとぶつかった。
「シャーリー!大丈夫?」
わたしはぶつかった勢いで尻餅を付いた。
「きゃっ!ごめんなさい…」
ぶつかったのは女の子だった。彼女はすっと手を差し出した。
「ありがとう。大丈夫よ」
私は差し出された手を掴んだ。
ぎゅっと手を引かれわたしは立ち上がった。
「シャーリー!大丈夫かい?スカートが砂だらけだ。」
私はスカートをパンパンと叩きながら答えた。
「私は大丈夫よ。あなたは大丈夫だった?ん?」
ふわふわの銀色の髪。緑の瞳。
かわいい!ちょっとかわいいじゃないこの子!
わたしより少し背が低い。目がくりくりしてる。
あ!なんてかわいいのかしら!
…はっ!
もしかしてこの子がヒロイン!?
「申し訳ありませんでした。わたしはルピアです。
道に迷ってしまって急いでいたのですみません。」
?家名を言わなかった?もしかして!
「あら?どこのルピスさんですか?」
ちょっと上から目線で言ってみる?
「…あ、あの平民なので家名はないです…」
ビンゴ!!彼女がヒロインよ!彼女よ!
この学校は基本貴族の子息が通うのだが一部平民が難しい試験を受けて通うこともある。
彼女は平民ながら試験を受けてこの学校に通うのだ!
青のタイ、政科ね。
「ルース、あなたと同じ政科みたいね。講堂まで一緒に行ってあげて。」
「シャーリーも急がないと間に合わないよ。魔科はここから右だよ。急いで」
まあ、冷静な。
ん?痛い。さっきので足を捻ったらしいわ。
「あ…大丈夫で「シャーリー!!大丈夫?足挫いたの?」
「ルピスさん、申し訳ないんだけど僕は彼女を医務室に連れて行くから一人で行けるかな?道は…」
ルースが丁寧に彼女に道を教えている。少しすると彼女は頭を深々下げてルースに教えられた道を走って行った。
!もしかして!もしかするとこれは出会いイベント!!
ルースにフラグが立つの!!
ちょっと、それなら簡単じゃない。ルースはわたしの幼なじみだから悪役令嬢のグッド立ち位置。
王太子ルートより楽にざまぁされるんじゃない!
やだやだ。わたしの自由ライフが近いわ!
「シャーリー、大丈夫かい?立てる?」
目の前に整った顔が覗ききんできた。
「ひゃっ!」
「また別の世界に行ってたの?」
「あ、ごめんなさい。」
「それより、医務室に行くよ。」
「えっ?あっ!ルース!」
わたしはあっと言う間にルースに抱きかかえられた。お姫様抱っこだ。恥ずかしい…
顔が熱い。きっと赤い…。
わたしはルースのブレザーの袖を掴んで顔を下に向すけた。
途中、ルースに聞いた。
「彼女はどう?」
「かわいいんじゃない。」
ルースは淡々と答えた。
…その答えにすこし胸がチクッとした。
これは何?
私は前世でも同じ思いを感じたことがあったわよね?
しかし、彼は一目惚れしなかったのかしら?
わたしの第二の人生をかけた学園生活が始まるわ。
さあ!たのもう~。
この学園は政科、武科、魔科に分かれる。
わたしは当然魔科。
だって調合師希望です。
幼なじみのルースは政科。
まあ公爵家子息なら当然のことだ。
それぞれの科でタイ、リボンの色が違う。
政科は青、武科は緑、魔科は赤。
「ルースはやっぱり青が似合うわね。瞳が青で綺麗だからね。」
「ありがとう。ん…でも、ごめん。シャーリーにはあまり赤は似合わないね。政科にすればよかったのに。それなら一緒にいれるんだけど。」
「無理!わたしの夢は調合師なの!魔科じゃないとなれないじゃない。」
「そうだったね。」
確かに赤は合わない。だって薄い金髪(明るい茶色?)に茶色の瞳…赤のタイだからね。
全体がぼんやりしてる。仕方ない。仕方ない。
更にタイは赤なのに髪にはルースから入学祝いでもらった青のリボンが靡く。
やはり赤のリボンにすればよかった?
ん…でもやっぱりルースがせっかくくれたんだからしないと駄目ね。
まあ、ルースが喜んでくれるからいいや。
でも中学、高校はセーラー服だったからブレザーの可愛い制服着たかったのねー!かわゆい。かわゆい。
さあ!ヒロインを探さなきゃ。彼女はどこかしら?
キョロキョロあたりを見渡すがそのような子は見かけない。
すぐには見つからないかな。
ん?転校とかで途中からくるのかな?ひとまずもう少し探そう!
「シャーリー!遅れるよ。行こう。」
式の時間になるからわたしはひとまず講堂に急いだ。
どん!
「いっ、いたっ」
途中誰かとぶつかった。
「シャーリー!大丈夫?」
わたしはぶつかった勢いで尻餅を付いた。
「きゃっ!ごめんなさい…」
ぶつかったのは女の子だった。彼女はすっと手を差し出した。
「ありがとう。大丈夫よ」
私は差し出された手を掴んだ。
ぎゅっと手を引かれわたしは立ち上がった。
「シャーリー!大丈夫かい?スカートが砂だらけだ。」
私はスカートをパンパンと叩きながら答えた。
「私は大丈夫よ。あなたは大丈夫だった?ん?」
ふわふわの銀色の髪。緑の瞳。
かわいい!ちょっとかわいいじゃないこの子!
わたしより少し背が低い。目がくりくりしてる。
あ!なんてかわいいのかしら!
…はっ!
もしかしてこの子がヒロイン!?
「申し訳ありませんでした。わたしはルピアです。
道に迷ってしまって急いでいたのですみません。」
?家名を言わなかった?もしかして!
「あら?どこのルピスさんですか?」
ちょっと上から目線で言ってみる?
「…あ、あの平民なので家名はないです…」
ビンゴ!!彼女がヒロインよ!彼女よ!
この学校は基本貴族の子息が通うのだが一部平民が難しい試験を受けて通うこともある。
彼女は平民ながら試験を受けてこの学校に通うのだ!
青のタイ、政科ね。
「ルース、あなたと同じ政科みたいね。講堂まで一緒に行ってあげて。」
「シャーリーも急がないと間に合わないよ。魔科はここから右だよ。急いで」
まあ、冷静な。
ん?痛い。さっきので足を捻ったらしいわ。
「あ…大丈夫で「シャーリー!!大丈夫?足挫いたの?」
「ルピスさん、申し訳ないんだけど僕は彼女を医務室に連れて行くから一人で行けるかな?道は…」
ルースが丁寧に彼女に道を教えている。少しすると彼女は頭を深々下げてルースに教えられた道を走って行った。
!もしかして!もしかするとこれは出会いイベント!!
ルースにフラグが立つの!!
ちょっと、それなら簡単じゃない。ルースはわたしの幼なじみだから悪役令嬢のグッド立ち位置。
王太子ルートより楽にざまぁされるんじゃない!
やだやだ。わたしの自由ライフが近いわ!
「シャーリー、大丈夫かい?立てる?」
目の前に整った顔が覗ききんできた。
「ひゃっ!」
「また別の世界に行ってたの?」
「あ、ごめんなさい。」
「それより、医務室に行くよ。」
「えっ?あっ!ルース!」
わたしはあっと言う間にルースに抱きかかえられた。お姫様抱っこだ。恥ずかしい…
顔が熱い。きっと赤い…。
わたしはルースのブレザーの袖を掴んで顔を下に向すけた。
途中、ルースに聞いた。
「彼女はどう?」
「かわいいんじゃない。」
ルースは淡々と答えた。
…その答えにすこし胸がチクッとした。
これは何?
私は前世でも同じ思いを感じたことがあったわよね?
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