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課外授業最終日 三日目(私は戦闘が得意じゃ無いから)
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上から降って来た人物
全身が真っ黒で、そこにいるだけで辺りを真っ黒な感情で侵す様な底が見えない強い闇の魔力を纏った男性だった
その男性は、キョロキョロと誰かを探すように周りを見渡し、ツェリーシアとシエルを視界に捉えると「見つけた」と、呟きニヤリと口角を上げた
シエルが口角を上げたことに気づいたその一瞬、気づいたらシエルの首元にファルカタが突きつけられていた
ほんの一瞬、瞬き一回にも満たない時間で目の前の男は私に近づいた
更に驚く事に魔力も魔法も何も使わずに、生まれ持ったフィジカルのみで近づいた
ついでと言うようにファルカタをシエルに突きつける前に、ツェリーシアを気絶させて
シエルは、直感的に思った
これは、流石に私でも───無理だ。真正面からでは私の手に負える相手じゃないと
それこそ……
「まるで猫VS虎…だね」
「今更か?」
彼がそう首を傾げるのにも納得ができる
だって、気配から魔力の錬度、体重に身体捌き……どれをとっても、今まで会った人の中で、生き物の中で一番強い人だから
立っているだけで皮膚から感じる空気は、明らかに格が違うと教えてくる
恐らく神であったツェリーシアよりも強い
「……つっ」
シエルは、初めてその時【吃驚】という感情に襲われた
後は元神、前は神をも上回る強者
どう考えても絶体絶命に瀕していると言えるだろう
では、なぜ吃驚なのか
普通なら絶望や恐怖、諦めなどの負の感情に苛まれると思うが、シエルは自分が負けるとは思っていない
そう、真正面からでは負けるけど変化球……反則技なら勝てると確信しているから
「私は、武士ではないから変化球を使ってもいいよね?」
シエルは、淑女教育で学んだ鉄面皮で感情を隠し、小さく呟いた
それに私は……
「猫は猫でも化け猫だから。それに───私は、戦闘が得意じゃ無いから。」
その言葉に目の前の男性は、首を傾げた
けれどシエルはそれを無視し、作戦を脳裏に巡らせた
シエルの人より魔力量が多い
対して目の前の男性は、魔力こそ研ぎ澄まされているが、量は平均より少ない
そして魔力は、使い方によっては、無味無臭無色の毒となる
そんな魔力中毒は、陥る症状が一酸化炭素中毒に近い
臭いも色もなく少し吸い込むだけで中毒になる可能性があり、短時間で死に至らしめる
ひとつ違う事は、皮膚から毒が入る……経皮毒かどうか
そんな魔力中毒は、一酸化炭素中毒よりは、たちが悪く
魔力量の多い人間なら誰でも起こすことが出来る
やり方は魔力を身体から放出し、付近の魔力濃度をあげるだけ
それによって、魔力量の差によって魔力酔いという状態になり、それを更に続けて魔力濃度を強くすると魔力中毒になり倒れる
分かりやすく言うと、空気中の酸素によって生き物は、生きている
けれど、酸素だけの場所で生きることは、不可能
元々空気は、窒素が78%で酸素が21%そしてその他が1%
そして人間が耐えられる酸素の量が約30%まで
魔力中毒は、これを利用して起こす
何より魔力は、酸素と同じようにそこらかしこにあるから人々は、強くなったところで気にしない
というか気づかない
それは、魔力が研ぎ澄まされていて洗練されている人だと尚のこと
なぜなら魔力に慣れているから
慣れというのは、人の警戒心を簡単に掻い潜る事が出来る
この国……というか、大体の地域の魔力濃度は、26%前後
そして人間の耐えられる量は、魔力量にもよるが、平均だと大体が38%を超えると死ぬ
そして目の前の男性は、魔力量が平均より少ない
流石に慣れていても魔力濃度を一気に上げると重苦しくなりバレる
けれどあの男性の魔力量なら……
「70%……で大丈夫かな?」
魔力濃度を70%まで上げればすぐに倒すことが出来る
魔力濃度を上げた瞬間
男性は、即座に気づきファルカタを振りかぶり突進してきた
その様子にシエルは、笑顔を浮かべた
「Checkmate」
頭脳VS物理は、勝敗を決めた
綺麗な神殿の床には、赤い血と黒い髪が散っていた
✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿
ファルカタ:古代にイベリア半島で使われていた刀
全身が真っ黒で、そこにいるだけで辺りを真っ黒な感情で侵す様な底が見えない強い闇の魔力を纏った男性だった
その男性は、キョロキョロと誰かを探すように周りを見渡し、ツェリーシアとシエルを視界に捉えると「見つけた」と、呟きニヤリと口角を上げた
シエルが口角を上げたことに気づいたその一瞬、気づいたらシエルの首元にファルカタが突きつけられていた
ほんの一瞬、瞬き一回にも満たない時間で目の前の男は私に近づいた
更に驚く事に魔力も魔法も何も使わずに、生まれ持ったフィジカルのみで近づいた
ついでと言うようにファルカタをシエルに突きつける前に、ツェリーシアを気絶させて
シエルは、直感的に思った
これは、流石に私でも───無理だ。真正面からでは私の手に負える相手じゃないと
それこそ……
「まるで猫VS虎…だね」
「今更か?」
彼がそう首を傾げるのにも納得ができる
だって、気配から魔力の錬度、体重に身体捌き……どれをとっても、今まで会った人の中で、生き物の中で一番強い人だから
立っているだけで皮膚から感じる空気は、明らかに格が違うと教えてくる
恐らく神であったツェリーシアよりも強い
「……つっ」
シエルは、初めてその時【吃驚】という感情に襲われた
後は元神、前は神をも上回る強者
どう考えても絶体絶命に瀕していると言えるだろう
では、なぜ吃驚なのか
普通なら絶望や恐怖、諦めなどの負の感情に苛まれると思うが、シエルは自分が負けるとは思っていない
そう、真正面からでは負けるけど変化球……反則技なら勝てると確信しているから
「私は、武士ではないから変化球を使ってもいいよね?」
シエルは、淑女教育で学んだ鉄面皮で感情を隠し、小さく呟いた
それに私は……
「猫は猫でも化け猫だから。それに───私は、戦闘が得意じゃ無いから。」
その言葉に目の前の男性は、首を傾げた
けれどシエルはそれを無視し、作戦を脳裏に巡らせた
シエルの人より魔力量が多い
対して目の前の男性は、魔力こそ研ぎ澄まされているが、量は平均より少ない
そして魔力は、使い方によっては、無味無臭無色の毒となる
そんな魔力中毒は、陥る症状が一酸化炭素中毒に近い
臭いも色もなく少し吸い込むだけで中毒になる可能性があり、短時間で死に至らしめる
ひとつ違う事は、皮膚から毒が入る……経皮毒かどうか
そんな魔力中毒は、一酸化炭素中毒よりは、たちが悪く
魔力量の多い人間なら誰でも起こすことが出来る
やり方は魔力を身体から放出し、付近の魔力濃度をあげるだけ
それによって、魔力量の差によって魔力酔いという状態になり、それを更に続けて魔力濃度を強くすると魔力中毒になり倒れる
分かりやすく言うと、空気中の酸素によって生き物は、生きている
けれど、酸素だけの場所で生きることは、不可能
元々空気は、窒素が78%で酸素が21%そしてその他が1%
そして人間が耐えられる酸素の量が約30%まで
魔力中毒は、これを利用して起こす
何より魔力は、酸素と同じようにそこらかしこにあるから人々は、強くなったところで気にしない
というか気づかない
それは、魔力が研ぎ澄まされていて洗練されている人だと尚のこと
なぜなら魔力に慣れているから
慣れというのは、人の警戒心を簡単に掻い潜る事が出来る
この国……というか、大体の地域の魔力濃度は、26%前後
そして人間の耐えられる量は、魔力量にもよるが、平均だと大体が38%を超えると死ぬ
そして目の前の男性は、魔力量が平均より少ない
流石に慣れていても魔力濃度を一気に上げると重苦しくなりバレる
けれどあの男性の魔力量なら……
「70%……で大丈夫かな?」
魔力濃度を70%まで上げればすぐに倒すことが出来る
魔力濃度を上げた瞬間
男性は、即座に気づきファルカタを振りかぶり突進してきた
その様子にシエルは、笑顔を浮かべた
「Checkmate」
頭脳VS物理は、勝敗を決めた
綺麗な神殿の床には、赤い血と黒い髪が散っていた
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ファルカタ:古代にイベリア半島で使われていた刀
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