46 / 53
課外授業一日目〜二日目(もう私の知る彼はいない)
しおりを挟む
ユリカside
「??アメリアさ…………ッッ」
目の前でアメリアさんの体が傾いた
ユリカは、手を伸ばして掴もうとしたが、その手は空を切り、アメリアさんの体は、『トプンッ』と静かに音を鳴らし、地面に文字どうり吸い込まれて行った
その瞬間、ユリカは周りに気配を巡らせた
そうして写った影……その顔が見えてすぐ、ユリカは顔を歪めた
それは、困惑と憤怒、それでいて泣きたいそんな複雑な感情を表に出した表情
するとツゥーと頬に水が伝う感覚がした
そこでユリカは初めて自分が泣いている事に気づいた
私は今、静かに涙を流しながら、怒っているのだと
けれどそれに対して、私の頭の中は、どうして?なんで?ねぇ?そんな言葉で溢れていた
ユリカが泣きながら顔を歪め、困惑しているところに、前の人物が私を呼んだ
「ユリカ」そう言った声は、声色は、ユリカが知っている彼と変わっていなかった
いや、記憶より少し低くなった成人した男性の声だった
「な、に?」
ユリカは、正直目の前の人物が会えた喜びと怒りと共に怖かった
何故なら、彼は、彼は、全てユリカの知っている彼だけれど彼では無いから
これは、ユリカの直感でしかない
見た目も話し方も声も行動も癖も気配も全て全て私の記憶の中にいる彼
けれどユリカは彼は記憶の彼と違うと訴えている
直感……私は、ユリカは、直感が時に記憶や知識より役に立つことを知っている
だって、それをユリカ教えてくれたのは───今、目の前にいる彼なのだから
私ユリカ・サリーナは、特殊な家元で育った少し泣き虫な少女である
小さな頃から魔物と魔獣の戦闘に明け暮れ、家族……いや村人全員で村を守っていた
そんな日常が崩れたのは、一人の人間のくだらないプライドだった
くだらない……本当にくだらない一人の人間のプライド
そんなプライド故に誰も気にしなかった
それが数年後に大きく大きく膨れ上がるなんて───当時の私達には予想も出来なかった
ユリカには、当時村で唯一張り合う事の出来る程の強さを持った十個上の幼なじみの男の子がいた
名前は、クルス・アルスーナ
ユリカは、この十個上の幼なじみに恋していたし、憧れていた
そうしてユリカが五歳、クルスが十五歳まで楽しく、時に厳しく、そして幸せに暮らしていた
ユリカは、こんな穏やかで楽しい暮らしが一生続くと思っていた
けれどある日、本当に突然私の幸せが崩れた
一人の人間が暴走したことによって起こった大きな事件だった
それは、時期村長を決める時に起きた
時期村長を決める時、継ぐ、継ぎたいと宣言した人は二人いた
村長の長男と長女だ
二人は、掟に倣い武力での戦闘で決めようとした
けれど何がなんでも勝ちたかった長男は、ある魔法具……いや呪具を使った
それは、呪った相手の意識……いや命を奪うもの
そうして決戦前日に発動した
それが間違いだった
その呪具には、願いに代償を要求する呪具だった
そして代償は、魔物を引き寄せる事……正確には、魔物の幾万とする大量の命
命を集めるため魔物や魔獣を寄せ集め───村を襲った
何万とも言える大量の魔物と魔獣
村人は、すぐさま散り散りに別れ駆除して行った
結果、魔物と魔獣の駆除は成功したが……その代わり一人の青年が行方不明になり、村長の長女は呪いにより亡くなった
そしてその行方不明になった青年が彼、
クルス・アルスーナ
ユリカの初恋であり、憧れだった男の子だ
その話は、誘拐と決まった
痕跡も遺体もなく消えたクルス
その代わり、村の近くに落ちていた薬の瓶
後にその呪具を発動した長男は、反省をすることなくついには……「妹……兄が女である妹に負けるなんて許されない!」とのたまった
その後長男は、その後人知れず消え死んだ。他殺だった
そしてその他殺は、ユリカは犯人がクルスだと疑っていた
何故なら太刀筋が、ユリカのよく知っているクルスそのものだったから
そんな彼とクルスと今、10年ぶりに再開した
それも最悪の形で
今、目の前にいる彼は、私の敵だ
ユリカはそう判断し、いつも太腿に巻いて持ち歩いているナイフを取り出し構えた
初恋がなに?憧れがなに?
私達の村の心得は、【味方でも敵なら全力で】
私は、もうあの時の泣き虫だった私じゃない
私は誰?私は、クルスの幼なじみであり、友達を大切にする女の子
それが私、ユリカ・サリーナ
「絶対に負けない」
目の前の彼は、私の固い意思に気づいたのか
「はぁ……あまり傷をつけたくなかったんだが」と呟き
その瞬間ユリカの視界は揺れた瞬殺だ
「ごめんねクルス……」
その言葉が目の前の彼に届いたのかは、彼にしか分からない
✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿
前の???sideの人とクルス・アルーナは、同一人物です。
「??アメリアさ…………ッッ」
目の前でアメリアさんの体が傾いた
ユリカは、手を伸ばして掴もうとしたが、その手は空を切り、アメリアさんの体は、『トプンッ』と静かに音を鳴らし、地面に文字どうり吸い込まれて行った
その瞬間、ユリカは周りに気配を巡らせた
そうして写った影……その顔が見えてすぐ、ユリカは顔を歪めた
それは、困惑と憤怒、それでいて泣きたいそんな複雑な感情を表に出した表情
するとツゥーと頬に水が伝う感覚がした
そこでユリカは初めて自分が泣いている事に気づいた
私は今、静かに涙を流しながら、怒っているのだと
けれどそれに対して、私の頭の中は、どうして?なんで?ねぇ?そんな言葉で溢れていた
ユリカが泣きながら顔を歪め、困惑しているところに、前の人物が私を呼んだ
「ユリカ」そう言った声は、声色は、ユリカが知っている彼と変わっていなかった
いや、記憶より少し低くなった成人した男性の声だった
「な、に?」
ユリカは、正直目の前の人物が会えた喜びと怒りと共に怖かった
何故なら、彼は、彼は、全てユリカの知っている彼だけれど彼では無いから
これは、ユリカの直感でしかない
見た目も話し方も声も行動も癖も気配も全て全て私の記憶の中にいる彼
けれどユリカは彼は記憶の彼と違うと訴えている
直感……私は、ユリカは、直感が時に記憶や知識より役に立つことを知っている
だって、それをユリカ教えてくれたのは───今、目の前にいる彼なのだから
私ユリカ・サリーナは、特殊な家元で育った少し泣き虫な少女である
小さな頃から魔物と魔獣の戦闘に明け暮れ、家族……いや村人全員で村を守っていた
そんな日常が崩れたのは、一人の人間のくだらないプライドだった
くだらない……本当にくだらない一人の人間のプライド
そんなプライド故に誰も気にしなかった
それが数年後に大きく大きく膨れ上がるなんて───当時の私達には予想も出来なかった
ユリカには、当時村で唯一張り合う事の出来る程の強さを持った十個上の幼なじみの男の子がいた
名前は、クルス・アルスーナ
ユリカは、この十個上の幼なじみに恋していたし、憧れていた
そうしてユリカが五歳、クルスが十五歳まで楽しく、時に厳しく、そして幸せに暮らしていた
ユリカは、こんな穏やかで楽しい暮らしが一生続くと思っていた
けれどある日、本当に突然私の幸せが崩れた
一人の人間が暴走したことによって起こった大きな事件だった
それは、時期村長を決める時に起きた
時期村長を決める時、継ぐ、継ぎたいと宣言した人は二人いた
村長の長男と長女だ
二人は、掟に倣い武力での戦闘で決めようとした
けれど何がなんでも勝ちたかった長男は、ある魔法具……いや呪具を使った
それは、呪った相手の意識……いや命を奪うもの
そうして決戦前日に発動した
それが間違いだった
その呪具には、願いに代償を要求する呪具だった
そして代償は、魔物を引き寄せる事……正確には、魔物の幾万とする大量の命
命を集めるため魔物や魔獣を寄せ集め───村を襲った
何万とも言える大量の魔物と魔獣
村人は、すぐさま散り散りに別れ駆除して行った
結果、魔物と魔獣の駆除は成功したが……その代わり一人の青年が行方不明になり、村長の長女は呪いにより亡くなった
そしてその行方不明になった青年が彼、
クルス・アルスーナ
ユリカの初恋であり、憧れだった男の子だ
その話は、誘拐と決まった
痕跡も遺体もなく消えたクルス
その代わり、村の近くに落ちていた薬の瓶
後にその呪具を発動した長男は、反省をすることなくついには……「妹……兄が女である妹に負けるなんて許されない!」とのたまった
その後長男は、その後人知れず消え死んだ。他殺だった
そしてその他殺は、ユリカは犯人がクルスだと疑っていた
何故なら太刀筋が、ユリカのよく知っているクルスそのものだったから
そんな彼とクルスと今、10年ぶりに再開した
それも最悪の形で
今、目の前にいる彼は、私の敵だ
ユリカはそう判断し、いつも太腿に巻いて持ち歩いているナイフを取り出し構えた
初恋がなに?憧れがなに?
私達の村の心得は、【味方でも敵なら全力で】
私は、もうあの時の泣き虫だった私じゃない
私は誰?私は、クルスの幼なじみであり、友達を大切にする女の子
それが私、ユリカ・サリーナ
「絶対に負けない」
目の前の彼は、私の固い意思に気づいたのか
「はぁ……あまり傷をつけたくなかったんだが」と呟き
その瞬間ユリカの視界は揺れた瞬殺だ
「ごめんねクルス……」
その言葉が目の前の彼に届いたのかは、彼にしか分からない
✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿
前の???sideの人とクルス・アルーナは、同一人物です。
69
お気に入りに追加
362
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は頑張らない 〜破滅フラグしかない悪役令嬢になりましたが、まぁなるようになるでしょう〜
弥生 真由
恋愛
料理が好きでのんびり屋。何をするにもマイペース。そんな良くも悪くも揺らがない少女、
陽菜は親友と共に事故にあい、次に目覚めたら乙女ゲームの悪役令嬢になっていた。
この悪役令嬢、ふわふわの銀髪に瑠璃色の垂れ目で天使と見紛う美少女だが中身がまぁとんでも無い悪女で、どのキャラのシナリオでも大罪を犯してもれなくこの世からご退場となる典型的なやられ役であった。
そんな絶望的な未来を前に、陽菜はひと言。
「お腹が空きましたねぇ」
腹が減っては生きてはいけぬ。逆にお腹がいっぱいならば、まぁ大抵のことはなんとかなるさ。大丈夫。
生まれ変わろうがその転生先が悪役令嬢だろうが、陽菜のすることは変わらない。
シナリオ改変?婚約回避?そんなことには興味なし。転生悪役令嬢は、今日もご飯を作ります。

世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。

異世界に来ちゃったよ!?
いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。
しかし、現在森の中。
「とにきゃく、こころこぉ?」
から始まる異世界ストーリー 。
主人公は可愛いです!
もふもふだってあります!!
語彙力は………………無いかもしれない…。
とにかく、異世界ファンタジー開幕です!
※不定期投稿です…本当に。
※誤字・脱字があればお知らせ下さい
(※印は鬱表現ありです)

辺境伯令嬢に転生しました。
織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。
アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。
書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。
前世持ち公爵令嬢のワクワク領地改革! 私、イイ事思いついちゃったぁ~!
Akila
ファンタジー
旧題:前世持ち貧乏公爵令嬢のワクワク領地改革!私、イイ事思いついちゃったぁ〜!
【第2章スタート】【第1章完結約30万字】
王都から馬車で約10日かかる、東北の超田舎街「ロンテーヌ公爵領」。
主人公の公爵令嬢ジェシカ(14歳)は両親の死をきっかけに『異なる世界の記憶』が頭に流れ込む。
それは、54歳主婦の記憶だった。
その前世?の記憶を頼りに、自分の生活をより便利にするため、みんなを巻き込んであーでもないこーでもないと思いつきを次々と形にしていく。はずが。。。
異なる世界の記憶=前世の知識はどこまで通じるのか?知識チート?なのか、はたまたただの雑学なのか。
領地改革とちょっとラブと、友情と、涙と。。。『脱☆貧乏』をスローガンに奮闘する貧乏公爵令嬢のお話です。
1章「ロンテーヌ兄妹」 妹のジェシカが前世あるある知識チートをして領地経営に奮闘します!
2章「魔法使いとストッカー」 ジェシカは貴族学校へ。癖のある?仲間と学校生活を満喫します。乞うご期待。←イマココ
恐らく長編作になるかと思いますが、最後までよろしくお願いします。
<<おいおい、何番煎じだよ!ってごもっとも。しかし、暖かく見守って下さると嬉しいです。>>

乙女ゲームのモブに転生していると断罪イベント当日に自覚した者ですが、ようやく再会できた初恋の男の子が悪役令嬢に攻略され済みなんてあんまりだ
弥生 真由
恋愛
『貴女との婚約は、たった今をもって解消させてもらう!!』
国のこれからを背負う若者たちが学院を卒業することを祝って開かれた舞踏会の日、めでたい筈のその席に響いた第一皇子の声を聞いた瞬間、私の頭にこの場面と全く同じ“ゲーム”の場面が再生された。
これ、もしかしなくても前世でやり込んでた乙女ゲームの終盤最大の山場、“断罪イベント”って奴じゃないですか!?やり方間違ったら大惨事のやつ!!
しかし、私セレスティア・スチュアートは貧乏領地の伯爵令嬢。容姿も社交も慎ましく、趣味は手芸のみでゲームにも名前すら出てこないザ・モブ of the モブ!!
何でよりによってこのタイミングで記憶が戻ったのか謎だけど、とにかく主要キャラじゃなくてよかったぁ。……なんて安心して傍観者気取ってたら、ヒロインとメインヒーローからいきなり悪役令嬢がヒロインをいじめているのを知る目撃者としていきなり巻き込まれちゃった!?
更には、何でかメインヒーロー以外のイケメン達は悪役令嬢にぞっこんで私が彼等に睨まれる始末!
しかも前世を思い出した反動で肝心の私の過去の記憶まで曖昧になっちゃって、どっちの言い分が正しいのか証言したくても出来なくなっちゃった!
そんなわけで、私の記憶が戻り、ヒロイン達と悪役令嬢達とどちらが正しいのかハッキリするまで、私には逃げられないよう監視がつくことになったのですが……それでやって来たのが既に悪役令嬢に攻略され済みのイケメン騎士様でしかも私の初恋の相手って、神様……これモブに与える人生のキャパオーバーしてませんか?

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。
みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる