乙女ゲームで唯一悲惨な過去を持つモブ令嬢に転生しました

雨夜 零

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図書館とアルフィーと覗き魔(リリー)

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 悲報、今ヒロインリリー凄い目で見られています

 最初はアルフィーの一言によって始まった
「もしよろしければ、貴方のおすすめの本を教えてくれませんか?」
 今までシエルには、同じ本好きの友達がいなかったのでつい頷いてしまった、リリーの存在を忘れて
 途中までは、普通に本を紹介しあっていた
 けれどある一言「私はラーリエの書いた〈理性〉という本が好きですね。特に名言の、"人は感情に支配されずに理性に支配されるべきだ"という言葉が特に共感できます」
 そこで唐突に思い出した━━の言葉

『この世界何故か"本"の内容などがリアルなの!し か も全員が全員好きな本の名言と性格がマッチしてるの。因みにBADENDだと性格真逆ねそこ注意』
『名言?』
 普通そこは好きな言葉とかでは?
『そう名言!!例えばアルフィーだと、題名〈理性〉"人は感情に支配されずに理性に支配されるべきだ"なんだけどBADENDは、感情の赴くままに大 暴 走』
 なるほど……ん、なら…え?
『何かBADENDそうとうヤバそうだけど?』
 感情赴くままに暴走したら終わりでしょそれ
 その言葉に━━はジュルリと音を鳴らし、飢えた獣のような顔で言い切った
『そこがまたいい。何なら監禁ルートや快楽堕ちルート…軟禁、洗脳……あぁどれでも推せる』
『暗いブラックホール並に暗い…』
 呆れを含めた虚ろな顔で言った
 けれど━━は、対象的なキラッキラな笑顔で言った
『いやーだって良くない?重いけど絶対に浮気しないし?年中無休で愛してくれるよ物理で』
『あ~そういや最近浮気されたんだっけ?』
『………死ね』
『!?酷い』
『まぁそれは置いといて、皆の本には1つ共通している事があって───』

 そう思い出に浸っていると、突然前から凄い視線を感じた
 それはもう殺気まがいの…いや普通に殺気を向けられた
 反射的に視線を上げると、そこには本棚の一角から、眼光鋭く睨め付けている般に…美少女が
「………私は何も見ていない」
 そう呟き本棚から目を離すと、不自然に思ったのかアルフィーが首を傾げ、振り向き納得した表情をした
「あれは………場所移動します?」
「いえ、今日はもう帰ります」
「そうですか。また今度話しましょうね」
 話してて思った。まだ私のオススメの本を言っていないな…と
「楽しみにしてるねアルフィー。そういえば私のオススメの本はラーリエの〈自由〉という本だよ。名言は…"人は自由に人生と言う限りある時間を謳歌するべきだ"かな」
 ラーリエ作〈自由〉この本に出会ったのは、とても運命のようだった
「それはシエルにピッタリですね」
「ありがとうじゃあまたね」
「はい。また明日」

 私はまだ知らない
 後日ヒロインと悪役令嬢のコンビに絡まれる事も、二人がシエルを失落させる為に手を組んだ事も、闇に潜む人物の存在も知らない


                  ✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿

……………そういえば自由の反対って束縛や統制ですよね

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