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……何?この家庭教師
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私は学園に行った日以降、毎日3時間勉強しその他の時間を家の図書室で気になる本を読んだり、お忍びで遊びに行ったりする生活をしていた
けれど最近私の"ストレス"となる存在が現れた
淑女になるためのマナーを教える先生だ
最初から苦手ではいた
ほんの少し礼をする時の頭の角度が違かっただけで練習や宿題を5倍にしてくるので、スパルタ過ぎて嫌だったが、授業の"基準"を知らなかったので我慢していた
けれど最近は、完璧に出来ているのに言われる
それも理不尽な事を
例えば「完璧過ぎるのはパートナーを不快にさせます」とか「可愛げがなさすぎます。確かに完璧な笑顔ですがそれが帰って不気味です」とか
ついにはやっと本性を現したのかこんな事まで言ってきた
「御当主様も何でこんな"出来損ない"の養子をとったのかしら?」
などと色々と勘違いをしているのか言ってくる
最近では私が笑顔を向けるだけで何も反抗しないと思ったのか、体罰まで加えてきたからそろそろお父さんに言おうと考えている
そんな家庭教師の名前はセイント・カーマインと言う。セイントは聖人を意味する名前だが...何処が?と一回聞きたいものだ
そして…何より彼女は、お父さんにはバレていないようだが実家がアーシアナ公爵家派の人間、所謂貴族派だ
そんな彼女が私のお家庭教師になった理由。それは私のお父さんに恋をしたから、名前を変え私の家庭教師になった...らしい
それならその娘である私に危害を加えるなと言いたい所だが…
彼女は前世で言う"メンヘラ女子"と言うもので何故かとてもお父さんに執着していて、私がお父さんの子供だとしても近くにいること自体が許せないらしい
まぁ、そもそも私がそこら辺から拾われた養子だと勘違いしているので、関係無いのかもしれないが…
けれど私が一番そんな事関係がない
そもそも実子だから養子ではないのだから
なので私はコツコツと証拠を集め、セイントを完璧に辞めさせる証拠が出来るまで我慢することにした
そうして今日
セイントが私の家庭教師になって半年...お父さんにセイントが私の事を虐待していた証拠を渡しに行く
コンコンコンコン
「誰だ?」
お父さんは誰だかわかるまで扉の向こうから少量の威圧を出して返事をする
最初は怖かったが最近では慣れていて普通に返事を返せるようにはなった
「シエルです!」
「!?」
「いいよ入っておいで」
「はい」
入って来た私の表情を見て察したのか単刀直入に聞いてきた
「何かあったか?」
「コレを見て!」
「魔道具?わかった」
そうして見終わったお父さんの手は震えていた
何なら見ている途中に万年筆を5本ほど折っていた
その度にセバスさんが注意していたが、今まで体罰が手だけだったのに、鞭を使ったことで2人共キレて、最終的に執務室の机が真っ二つに砕いた
「……ありがとうシエル。怪我はもう大丈夫か?」
「ありがとうございます。シエルお嬢様。お怪我は大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ!」
「そうか良かった」
「良かったです」
そう言って2人は暫し考え私に言った
「今日はもう授業をしなくていいよ」
「図書室で本でも読んでください」
「わかった」
いつもの私なら聞き返すが…空気が読めない訳じゃない
何となく私の本能が「逃げろ」「変に踏み込むな」と言っていた
そうして次の日から私の視界にセイントが映ることはなかった
私は思った。あの時の勘は間違っていなかったと
セイント・カーマインの結末sideブルーワ
私はシエルが執務室から出てすぐに、セイント・カーマインを捕まえるよう騎士に命令した
「何で私を呼んだんですか?御当主様」
そう言いながら女が上目遣いをしてくる
正直に言って気持ち悪い…つい殴り飛ばしそうだ
というか両手を縄で縛られているのに、どこをどう見たら「呼んだ」という解釈になるんだ!?
私はそんな気持ちとは裏腹に笑顔を向けて言った
「私の娘に手を挙げただろう?」
そう言うと目の前の女は分かりやすく体を強ばらせた
「な、何のことでしょう?私はそんなことしてませんよ」
「……そうか、これを見ても言えるか?」
そうして映像の魔道具を流すと、女は顔色を変え般若のような形相で小さく呟いた
「あの糞ガキが」
……こいつシエルを馬鹿にしやがって
私が本当にキレている事に気づいたセバスが、この目の前の女を私がどうこうする前に私の前に出た
「これが証拠です。言い逃れできませんよ?それでどうしてこんなことしたんですか?」
「……逆恨み。憎かったからよ」
「憎い?」
「シエル嬢は…私が教えられる事が、ほぼないくらいマナーは完璧だった。後は、何でこんな子が御当主様の近くにいるのかが理解出来なかったからよ」
この女は、何を言っているんだ?
自分の娘なのだから、子が親の近くにいるのは当たり前だろう?
「何を言っているんだ?子が親の近くにいるのは当たり前だろう?」
「養子でしょう?」
は?
私が本気でキレる前にセバスが割って入った
「シエルお嬢様は正真正銘のスファルニア公爵家長女です。なので貴方…覚悟した方がいいですよ?」
そう言いセバスは圧をかけた
「ひっ」
その言葉と圧に女は腰を抜かしガクガクと震えている
「覚悟していろ」
私も最後にとっておきの圧をかけて、執務室から女を追い出した
後日 セイント・カーマインは、世界一厳しい西の修道院へと送られる予定となった
まぁたどり着く前に…な
けれど最近私の"ストレス"となる存在が現れた
淑女になるためのマナーを教える先生だ
最初から苦手ではいた
ほんの少し礼をする時の頭の角度が違かっただけで練習や宿題を5倍にしてくるので、スパルタ過ぎて嫌だったが、授業の"基準"を知らなかったので我慢していた
けれど最近は、完璧に出来ているのに言われる
それも理不尽な事を
例えば「完璧過ぎるのはパートナーを不快にさせます」とか「可愛げがなさすぎます。確かに完璧な笑顔ですがそれが帰って不気味です」とか
ついにはやっと本性を現したのかこんな事まで言ってきた
「御当主様も何でこんな"出来損ない"の養子をとったのかしら?」
などと色々と勘違いをしているのか言ってくる
最近では私が笑顔を向けるだけで何も反抗しないと思ったのか、体罰まで加えてきたからそろそろお父さんに言おうと考えている
そんな家庭教師の名前はセイント・カーマインと言う。セイントは聖人を意味する名前だが...何処が?と一回聞きたいものだ
そして…何より彼女は、お父さんにはバレていないようだが実家がアーシアナ公爵家派の人間、所謂貴族派だ
そんな彼女が私のお家庭教師になった理由。それは私のお父さんに恋をしたから、名前を変え私の家庭教師になった...らしい
それならその娘である私に危害を加えるなと言いたい所だが…
彼女は前世で言う"メンヘラ女子"と言うもので何故かとてもお父さんに執着していて、私がお父さんの子供だとしても近くにいること自体が許せないらしい
まぁ、そもそも私がそこら辺から拾われた養子だと勘違いしているので、関係無いのかもしれないが…
けれど私が一番そんな事関係がない
そもそも実子だから養子ではないのだから
なので私はコツコツと証拠を集め、セイントを完璧に辞めさせる証拠が出来るまで我慢することにした
そうして今日
セイントが私の家庭教師になって半年...お父さんにセイントが私の事を虐待していた証拠を渡しに行く
コンコンコンコン
「誰だ?」
お父さんは誰だかわかるまで扉の向こうから少量の威圧を出して返事をする
最初は怖かったが最近では慣れていて普通に返事を返せるようにはなった
「シエルです!」
「!?」
「いいよ入っておいで」
「はい」
入って来た私の表情を見て察したのか単刀直入に聞いてきた
「何かあったか?」
「コレを見て!」
「魔道具?わかった」
そうして見終わったお父さんの手は震えていた
何なら見ている途中に万年筆を5本ほど折っていた
その度にセバスさんが注意していたが、今まで体罰が手だけだったのに、鞭を使ったことで2人共キレて、最終的に執務室の机が真っ二つに砕いた
「……ありがとうシエル。怪我はもう大丈夫か?」
「ありがとうございます。シエルお嬢様。お怪我は大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ!」
「そうか良かった」
「良かったです」
そう言って2人は暫し考え私に言った
「今日はもう授業をしなくていいよ」
「図書室で本でも読んでください」
「わかった」
いつもの私なら聞き返すが…空気が読めない訳じゃない
何となく私の本能が「逃げろ」「変に踏み込むな」と言っていた
そうして次の日から私の視界にセイントが映ることはなかった
私は思った。あの時の勘は間違っていなかったと
セイント・カーマインの結末sideブルーワ
私はシエルが執務室から出てすぐに、セイント・カーマインを捕まえるよう騎士に命令した
「何で私を呼んだんですか?御当主様」
そう言いながら女が上目遣いをしてくる
正直に言って気持ち悪い…つい殴り飛ばしそうだ
というか両手を縄で縛られているのに、どこをどう見たら「呼んだ」という解釈になるんだ!?
私はそんな気持ちとは裏腹に笑顔を向けて言った
「私の娘に手を挙げただろう?」
そう言うと目の前の女は分かりやすく体を強ばらせた
「な、何のことでしょう?私はそんなことしてませんよ」
「……そうか、これを見ても言えるか?」
そうして映像の魔道具を流すと、女は顔色を変え般若のような形相で小さく呟いた
「あの糞ガキが」
……こいつシエルを馬鹿にしやがって
私が本当にキレている事に気づいたセバスが、この目の前の女を私がどうこうする前に私の前に出た
「これが証拠です。言い逃れできませんよ?それでどうしてこんなことしたんですか?」
「……逆恨み。憎かったからよ」
「憎い?」
「シエル嬢は…私が教えられる事が、ほぼないくらいマナーは完璧だった。後は、何でこんな子が御当主様の近くにいるのかが理解出来なかったからよ」
この女は、何を言っているんだ?
自分の娘なのだから、子が親の近くにいるのは当たり前だろう?
「何を言っているんだ?子が親の近くにいるのは当たり前だろう?」
「養子でしょう?」
は?
私が本気でキレる前にセバスが割って入った
「シエルお嬢様は正真正銘のスファルニア公爵家長女です。なので貴方…覚悟した方がいいですよ?」
そう言いセバスは圧をかけた
「ひっ」
その言葉と圧に女は腰を抜かしガクガクと震えている
「覚悟していろ」
私も最後にとっておきの圧をかけて、執務室から女を追い出した
後日 セイント・カーマインは、世界一厳しい西の修道院へと送られる予定となった
まぁたどり着く前に…な
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