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父の暗躍
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sideブルーワ
シエルが私セレスティア学園の入学試験を受けるのかと聞いてきた
我が家は公爵家だ
もし入試試験を受ければ、お金が無いからだと舐められ貴族派に付け入る隙を与える事になる
それをシエルに話すと
「そっかわかったお父さん」と少しここに来た時より気分が下がったような気がした
まさかシエルは…
「試験を受けたいのか?」
その質問にシエルは頷き
「でも大丈夫!ただ私が何か"ズル"しているみたいで嫌だなぁって思っただけだから」
と申し訳なさそうに話すシエルを見て決めた
『入学方法とルールを変えよう』と
「じゃあ戻るねお父さん」
「あぁいつでも来てくれていいからなシエル」
「わかった」
シエルはキラキラな天使の笑みで頷いて去っていった
「…尊い」
「何馬鹿なこと言ってるんです?」
「うおっ…居たのかセバス」
「えぇ結構前から」
セバスはこの屋敷の使用人の中で一番強いメイド長と並ぶほど強く、執事長と言う立場に付いている
それと同時に執務室では私の秘書として働いてもいる
そしてセバスは元暗殺者だ
気配を消すのがとても上手く私でも度々分からない事がある
「言ってくれればよかったのに」
「シエルお嬢様は気づいておられましたよ」
「……え?」
私が気づけなかったのにシエルは気づいてた…?
「えぇ私が部屋に入ってきてすぐ、こちらに手を振っていたので」
「すごいな」
「それにしても旦那様…まさかとは思いますけど、セレスティア学園の入学方法やお金で全て解決できるなどのルールを変えようなど思っていませんよね?」
「変えるが?」
「そうですか仕事が増え…いやでも確かにいい機会ですね。最近学園が随分と腐ってきてたので一掃しましょう」
仕事が増えるって言いかけたな
ていうか相変わらず黒いな
腹の中がブラックホール並に深そうだ
でも確かにいい機会だ
シエルを腐っている人がいるところに放り込むなんて真似はできない
「あぁそうだなシエルが入学するのが3年後なら今いる腐った人間は、シエルと会う事がないな」
「社交界に出たら嫌でも会いますよ?」
ボキッと音を立てて持っていた万年筆が折れた
「それは言うなセバス」
社交界デビューは15歳それまでは考えたくもない
「そんな事で私に圧をかけないでください。ていうか旦那様...今この調子だとシエルお嬢様が好きな人や交際相手を連れてきた時どうするんですか?」
「殺す」
は?そんなの決まってるだろ?爪と皮を剥いで三枚に下ろしてやる
「物騒すぎません?」
「それくらいがちょうどいいだろう?それにシエルの交際相手ならそれぐらいは覚悟してもらわなきゃな?」
「はぁ、そうですか…」
なんか遠い目をされたのだが…ついでにため息も
「まぁとりあえずどうします?学園の件は」
「まず国王に手紙で許可をとる」
「分かりました。書いたら送るので貸してください」
「あぁ」
本題だけでいいか
ルシアスの事だから私の性格はわかってるだろう
拝啓 ベグニアス国王陛下
学園のルールを一から変える許可を頂きたい
ブルーワ・スファルニア
「…本題だけじゃないですか」
「ルシアスの事だから大丈夫だろ」
「国王陛下を"ルシアス"と呼ぶのは旦那様だけですよ」
「まぁ幼なじみだからな」
ルシアス・A・ベグニアス現ベグニアス王国国王
愛妾に溺れきっていた先代国王を僅か18歳で落とし即位した天才
一見冷たそうに見える漆黒の髪に黒い瞳は愛しの妻の前では、それはそれは甘い眼差しを向け周りにいる者(特にブルーワ)がよく「他所でやれ」とキレていた
ブルーワとは幼い頃からの親友であり幼い頃は悪知恵を働かせてブルーワの母に仲良く怒られていた
「まぁ確かにそうですね。では送りますね」
「あぁ」
「風鳥」
風鳥とはその名の通り風の鳥だ
私の得意魔法が水と土と炎で唯一風魔法が使えないので、毎回手紙の配送はセバスに行ってもらっている
「送り終わりました」
「相変わらず早いな」
この魔法での手紙の配送は数秒で終わる
「得意魔法ですから」
数時間後バサッという音と共に手紙が届いた
「相変わらず早いですね…」
「まぁルシアスだからな。手紙にはなんて書いてあるんだ……」
拝啓 ブルーワ・スファルニア公爵家当主殿
セレスティア学園については好きに変えてもらって構わない
ついでに気に入らない奴の処遇もね
そういえば話は変わるが娘は見つかったかい?
見つかったのなら早く見せて欲しいのだが
どうせなら我が息子の妻…ボワッ
「…何燃やしてるんですか?」
「此奴…シエルを自分の息子の妻にとか言いやがった」
何言ってるんだ此奴は寝言は寝て言えよ...
「あぁなるほど。それで許可は取れました?」
「あぁ好きにしていいらしい。ついでに気に入らない奴の処遇もな」
「相変わらずそういう所は気が合うんですね」
「無駄に長い付き合いだしな」
こうして他の貴族を抑えてブルーワとセバスは、設立以降一回も変えることのなかったセレスティア学園のルールを1から変え、後に平民に「学問の先行者」と呼ばれ歴史に乗る事になるのだがそれはまだ知らぬが仏である
✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿
変わったルール
旧ルール
お金さえ積めば大体の事は許される
新ルール
入学するには入試試験を突破しなければならない
お金では何も解決できない
実質学園内平等権力の使用は許さない
シエルが私セレスティア学園の入学試験を受けるのかと聞いてきた
我が家は公爵家だ
もし入試試験を受ければ、お金が無いからだと舐められ貴族派に付け入る隙を与える事になる
それをシエルに話すと
「そっかわかったお父さん」と少しここに来た時より気分が下がったような気がした
まさかシエルは…
「試験を受けたいのか?」
その質問にシエルは頷き
「でも大丈夫!ただ私が何か"ズル"しているみたいで嫌だなぁって思っただけだから」
と申し訳なさそうに話すシエルを見て決めた
『入学方法とルールを変えよう』と
「じゃあ戻るねお父さん」
「あぁいつでも来てくれていいからなシエル」
「わかった」
シエルはキラキラな天使の笑みで頷いて去っていった
「…尊い」
「何馬鹿なこと言ってるんです?」
「うおっ…居たのかセバス」
「えぇ結構前から」
セバスはこの屋敷の使用人の中で一番強いメイド長と並ぶほど強く、執事長と言う立場に付いている
それと同時に執務室では私の秘書として働いてもいる
そしてセバスは元暗殺者だ
気配を消すのがとても上手く私でも度々分からない事がある
「言ってくれればよかったのに」
「シエルお嬢様は気づいておられましたよ」
「……え?」
私が気づけなかったのにシエルは気づいてた…?
「えぇ私が部屋に入ってきてすぐ、こちらに手を振っていたので」
「すごいな」
「それにしても旦那様…まさかとは思いますけど、セレスティア学園の入学方法やお金で全て解決できるなどのルールを変えようなど思っていませんよね?」
「変えるが?」
「そうですか仕事が増え…いやでも確かにいい機会ですね。最近学園が随分と腐ってきてたので一掃しましょう」
仕事が増えるって言いかけたな
ていうか相変わらず黒いな
腹の中がブラックホール並に深そうだ
でも確かにいい機会だ
シエルを腐っている人がいるところに放り込むなんて真似はできない
「あぁそうだなシエルが入学するのが3年後なら今いる腐った人間は、シエルと会う事がないな」
「社交界に出たら嫌でも会いますよ?」
ボキッと音を立てて持っていた万年筆が折れた
「それは言うなセバス」
社交界デビューは15歳それまでは考えたくもない
「そんな事で私に圧をかけないでください。ていうか旦那様...今この調子だとシエルお嬢様が好きな人や交際相手を連れてきた時どうするんですか?」
「殺す」
は?そんなの決まってるだろ?爪と皮を剥いで三枚に下ろしてやる
「物騒すぎません?」
「それくらいがちょうどいいだろう?それにシエルの交際相手ならそれぐらいは覚悟してもらわなきゃな?」
「はぁ、そうですか…」
なんか遠い目をされたのだが…ついでにため息も
「まぁとりあえずどうします?学園の件は」
「まず国王に手紙で許可をとる」
「分かりました。書いたら送るので貸してください」
「あぁ」
本題だけでいいか
ルシアスの事だから私の性格はわかってるだろう
拝啓 ベグニアス国王陛下
学園のルールを一から変える許可を頂きたい
ブルーワ・スファルニア
「…本題だけじゃないですか」
「ルシアスの事だから大丈夫だろ」
「国王陛下を"ルシアス"と呼ぶのは旦那様だけですよ」
「まぁ幼なじみだからな」
ルシアス・A・ベグニアス現ベグニアス王国国王
愛妾に溺れきっていた先代国王を僅か18歳で落とし即位した天才
一見冷たそうに見える漆黒の髪に黒い瞳は愛しの妻の前では、それはそれは甘い眼差しを向け周りにいる者(特にブルーワ)がよく「他所でやれ」とキレていた
ブルーワとは幼い頃からの親友であり幼い頃は悪知恵を働かせてブルーワの母に仲良く怒られていた
「まぁ確かにそうですね。では送りますね」
「あぁ」
「風鳥」
風鳥とはその名の通り風の鳥だ
私の得意魔法が水と土と炎で唯一風魔法が使えないので、毎回手紙の配送はセバスに行ってもらっている
「送り終わりました」
「相変わらず早いな」
この魔法での手紙の配送は数秒で終わる
「得意魔法ですから」
数時間後バサッという音と共に手紙が届いた
「相変わらず早いですね…」
「まぁルシアスだからな。手紙にはなんて書いてあるんだ……」
拝啓 ブルーワ・スファルニア公爵家当主殿
セレスティア学園については好きに変えてもらって構わない
ついでに気に入らない奴の処遇もね
そういえば話は変わるが娘は見つかったかい?
見つかったのなら早く見せて欲しいのだが
どうせなら我が息子の妻…ボワッ
「…何燃やしてるんですか?」
「此奴…シエルを自分の息子の妻にとか言いやがった」
何言ってるんだ此奴は寝言は寝て言えよ...
「あぁなるほど。それで許可は取れました?」
「あぁ好きにしていいらしい。ついでに気に入らない奴の処遇もな」
「相変わらずそういう所は気が合うんですね」
「無駄に長い付き合いだしな」
こうして他の貴族を抑えてブルーワとセバスは、設立以降一回も変えることのなかったセレスティア学園のルールを1から変え、後に平民に「学問の先行者」と呼ばれ歴史に乗る事になるのだがそれはまだ知らぬが仏である
✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿
変わったルール
旧ルール
お金さえ積めば大体の事は許される
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入学するには入試試験を突破しなければならない
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