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本編
25.「び、白狐くん……!?なんて格好で寝て……!?」
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―――夢を見ていた。
懐かしい…と言える程の月日は経っていないはずなのに、酷く昔の出来事のように感じる。
それはきっと、私の中の時間が止まっていたから。あの日からずっと、時間の流れは緩やかだった。
そしてそれは私の罪。私が犯してしまった過ち。
それを償う為にも、これから先も永遠に生き続けなければならない。
だから、私は―――
―――――――――
蒼鷲地方のとある小領主の武家屋敷にて、戦支度をしている女がいた。
女の名は鈴華。蒼鷲地方の現在の守護大名、織波家に代々仕える家臣の家系に生まれた娘だ。
今から戦場へ赴くとは思えない程落ち着いており、まるで自分の死期を悟ったかのような面持ちをしていた。
「準備は出来たかい?」
襖が開かれて一人の女が入ってくる。女は全身を蒼い甲冑に身を包んでいた。兜は被っておらず、美しい顔立ちが露になっている。
「はい、母上」
彼女こそが織波家譜代の臣であり、鈴華の母でもある東城彩音だ。東城家は蒼鷲地方の二つの小領を支配する有力家老である。
「お供の方々はお待ちですか」
「ああ、既に門の外で待機している」
「分かりました」
鈴華は立ち上がると部屋の外へ出た。すると、そこには十名ばかりの女武士達が立っている。
彼女らは皆、鈴華と同じく甲冑姿であった。
「皆さん、待たせました」
「鈴華様の初陣ですもの。当然の事ですよ」
彼女達は東城家に仕える忠臣達で、今回の戦で共に戦う仲間達でもあった。この戦が初陣である鈴華とは違い、歴戦の勇士達だ。
そして鈴華の後ろから当主である東城彩音が現れる。
「待たせたな、皆の者」
武士達は膝を付き、頭を垂れる。鈴華も彼女達に続き母である彩音に頭を下げた。
「物見の報告によると敵方は総勢1200。我が方の半分にも満たぬ数だ。だが油断するな。敵の兵力が少ないからといって侮って良い相手ではない」
蒼鷲地方の東に位置する静玉地方。現在、そこを治めているのは空川家という大名家であった。
蒼鷲地方の守護大名、織波家と空川家は長年に渡り対立してきた。
特に空川家が静玉地方を実質的な支配下に置いてからは領地が隣接したのもあり互いの領民が小競り合いを起こす事も多々あった。
しかし近年は目立った争いもなく平和が続いていたのだが、最近になって空川の者達が不穏な動きを見せているという情報が入ったのだ。
それらの国境に位置する場所を支配する東城家は静玉地方からの侵略を阻止する役であり、今回の戦ではその防衛戦となる。
「それじゃあ、行こうか」
彩音の言葉で出陣式が始まった。
まずは馬に乗り、門の前に立つ。そこから見える景色はいつもと同じ蒼鷲地方の風景だ。
「何の変わりもない風景ですね」
「はい」
隣にいる女の言葉に鈴華は静かに返事をする。その表情からは感情を読み取る事は出来ない。
やはり初陣だからか、緊張しているのだろう。そう思った女は優しく微笑みかける。
「大丈夫ですよ。我らが織波家に勝利をもたらせばいいだけの事」
「そうですね」
「そうそう、何か不安があるならお腹でも撫でれば落ち着くと思いますよ」
女がおどけた口調で言うと他の女達はクスリと笑った。
「ふっ、やってみましょうかね…」
鈴華も口元に手を当てながら笑う。
流石に何回も戦を経験してきた猛者達である。場の空気を和ませようとしてくれているのだとすぐに分かった。
心の中で礼を言いつつ、お腹をさする。確かに少しだけ気分が落ち着ついた気がした。
鈴華がお腹をさすっていると、遠くから太鼓の音が聞こえてくる。どうやら出発の時間が来たようだ。
「では、行くぞ!」
彩音の号令で軍勢は動き出した。
総勢3000の軍勢は一路、空川家からの侵攻を防ぐ砦へと向かっていく。
そして、この時はまだ誰も知らなかった。
これから待ち受けている戦いが鈴華にとって過酷な戦場になる事を。
―――――――――
ちゅんちゅんと雀の鳴き声が聞こえる。
「う~ん…」
碧波村の村長は目を覚ますと身体を起こし、大きく伸びをした。
昨日は色々な事があった。綾子がいなくなり、帰ってきたかと思えば半化生の美少年を連れて帰ってきて……。
最初は驚いたものの、結果的には良い方向に転んだのかもしれない。狐の少年…白狐は綾乃を連れ戻してくれたし、妖怪も退治してくれた。更には薫の薬草を大量に採取してきてくれたのだ。
「それにしても……」
白狐は一体どこから来たのか? 村長は首を傾げる。
本人は狸山から来たとは言っていたが、何故そんな所にいたのかは分からない。まぁ、そこは別に追求しなくてもいいだろう。
重要なのは…彼が極めて友好的な存在であるという事だ。妖怪を一蹴出来る程の力を持つ半化生が…しかも男だというのに女を嫌がる素振りも見せずにいてくれる。
これは村にとって非常に有益だ。彼が村にいてくれるだけで、妖怪が襲撃してきても安心できる。
出来るならば長くこの村に留まって欲しかった。あわよくば、最近出没した妖怪を退治して欲しい…だが、下手な事を言って彼の機嫌を損ねては困る。
だから村長は白狐の機嫌を取る為にお菓子やお茶、豪勢なご飯を振る舞い続けた。その結果、彼は満足そうな顔をしていたので良かったと思う。
「……」
ふと、自分のしている事が利己的ではないかと考える。あんな無邪気な…裏表が無さそうないたいけな少年相手に自分は一体何をしているのだろうかと。
だが、白狐がいなければ村は壊滅してしまう可能性があるのだ。だから仕方がない、と自分に言い聞かせた。
「さて…白狐くんを起こしにいきましょうか」
布団から出て、寝間着を脱ぎ捨てると普段着に着替え始める。
どうやら彼はまだ眠っているようだ。忍者(自称)なのに意外に眠りが深いらしい。
「白狐くん、失礼しますよ……」
部屋の障子を開ける。その瞬間、むわぁっとしたむせ返るような濃厚な匂いが漂ってきた。
「!?」
なんだ、この匂いは…?悪臭ではないが、どこか甘酸っぱく脳髄を刺激するような香りだ。
そして部屋の中を見渡す。するとそこには信じ難い光景が広がっていた。
「……」
部屋の中に敷かれた一枚の布団。そこに全裸になった白狐が横になっていた。
「び、白狐くん……!?なんて格好で寝て……!?」
村長は慌てて目を手で覆う。だが、指の隙間からチラリと見えてしまった。
白く艶やかな肌に細い手足、そして小さく可愛らしい男の子の象徴が目に入る。
「な、なんで裸で……!?」
まさか自分が寝ている間に何かあったのでは……そう思い、恐る恐る手を退けてマジマジと見る。
別に少年の身体を見たいからではない。強盗かなにかに入られてないか確認する為だ。そう、決して見たいからではない。
しかし特に変わった様子はなかった。ただ、相変わらず強烈な芳香が辺りに立ち込めている。
なんだか床も濡れているような気がするし…
「むにゃ……あれぇ……?」
「!」
そうこうしている内に白狐が起きたようだ。眠け眼を擦りながら上半身を起こす。
まずい、と村長は思った。これでは全裸の少年を襲おうとしている変態おばさんではないか。
村長は慌てて弁明をする。
「び、白狐くん……!わ、私はただ貴方を起こしに来ただけで……!」
「お姉さん……?あー…お姉ちゃん…♡」
白狐はまだ寝惚けているようで何やらよくわからない事を呟いている。
だが、その瞳にはハートマークが浮かんでいて、明らかに尋常じゃない状態だった。
「お姉ちゃ~ん……♡」
白狐は抱きついてくると、村長の顔に向かってキスをする。
「んぐっ……!?」
柔らかい唇の感触と共に、口の中に広がる甘い味。
それはまるで蜂蜜のように甘く、濃厚だった。ちゅぱっという音を立てて、口が離れる。
「び、白狐くん!?一体なにを…!?」
「ぐぅ……♡」
白狐は眠っていた。どうやら今の行動は無意識のものらしい。
村長はゴクリと唾を飲み込む。寝惚けているとはいえ、まさか接吻をされるとは思わなかった。
しかもこんな少年に…
「うっ……」
下半身が熱くなるのを感じる。子宮が疼き、頭がクラクラとした。
こんなに歳の離れた少年を性の対象として見ているわけではない。これは生理現象なのだ。
だからこれは仕方のない事であって……決してやましい気持ちがあるわけじゃなくて……
そう自分に言い聞かせるが、やはり少年の愛らしさは破壊力がありすぎた。
「白狐くん……?」
もう一度、少年の顔を覗き見る。少年は幸せそうな顔でスヤスヤと寝息を立てていた。
白狐の寝姿は淫靡であり、美しかった。これ以上側にいると理性が崩壊してしまうかもしれない。
部屋に漂う謎の香りもそれに拍車をかけていた。
「う……うぅ……」
この場は一旦、退散した方がいいかもしれない。このままだと自分を抑える自信がなかった。
村長は急いでその場を後にした。顔を火照らせながら……
その後、村長が朝御飯の支度をしていると白狐が起きてきた。
「むにゃ……村長さん、おはようございます」
「えぇ、おはよう……」
村長は白狐の顔をまともに見れなかった。先程のキスが頭から離れないのだ。
白狐はそんな村長を見て首を傾げていたが、特に何も言わなかった。彼は本当に何も覚えてないらしい。
「あの……その……昨日はよく眠れましたか?白狐くん」
村長はなるべく平静を装って話しかけた。
その言葉に対し、白狐は満面の笑みを浮かべる。
「うん!凄い気持ち良くてぐっすり寝れたよ!」
……気持ち良い?布団が気持ち良かったという意味だろうか?
別に普通の布団だったが……まぁ、寝心地が良いというのは悪い事では無い。
「そうですか……それは良かったです」
何故か彼は上機嫌なようだ。余程、布団が気に入ったらしい。
これは重畳。彼の機嫌が良いと色々とお願いを聞いてくれるかもしれない。だが、事を急いては駄目だ。
焦らずゆっくりと……少しずつ信頼関係を築いていこう。妖怪退治を頼むのはそれからだ。
決して直接的に頼んではいけない。あくまで自然な流れで……
「それではご飯にしましょう。今日は白狐くんの大好きな納豆汁ですよ」
「わぁ!ありがとう!」
白狐は嬉しそうな声を上げると、食卓に座った。
村長も席に着くと、二人で朝食を食べ始める。
「ねぇ、村長さん。今日は僕、村の中を見て周りたいな」
「村を?」
「うん。村の人達に挨拶しておきたいし、どんな所か見てみたいんだ」
「成る程……分かりました。私が一緒に行って案内しますね」
村長は少し悩んだが了承した。村人が白狐に失礼な態度を取らないか心配ではあったが自分が横について睨みを効かせていれば安心だろう。
それに彼が村に興味を持ってくれるのはこの上なく有益だ。
上手くいけば彼も村人に好意的になってくれるかもしれない。そうすれば村に長居してくれる筈だ。
そうして白狐と村長は朝御飯を食べた後、一緒に村の中を歩いて回る事になったのであった。
―――――――――
「あ、白狐でねか!昨日は…そのぉ…」
「稔お姉ちゃん!昨日は楽しかったね!」
白狐と村長が村を散策し始めてからすぐに第一村人と遭遇した。彼女は鍬を持って畑仕事をしている最中だったようだ。
だが、様子がおかしい…。もじもじと顔を赤らめ、内股気味になっている。
いや……それよりも……二人は知り合いだったのか、と村長は疑問に思った。
「二人はお知り合いだったんですか?」
「うん!昨日遊んで貰ったんだ!」
昨日遊んで貰った?そんな時間があっただろうか。いや、村長とて白狐の行動全てを把握している訳ではないが…
「……怒ってないだか?」
「怒る?なんで?僕すっごい気持ち良かったし、楽しかったよ!」
「そ、そっか……!そんならいいけども…」
どうやら二人の間には何かあったらしい。しかし、白狐は特に気にした様子もなく、ニコニコとしているだけだ。
一体何があったというのだろうか?村長は不思議に思った。
「お姉ちゃんは畑作業中?お仕事頑張ってね」
「う、うん……ありがと……♡」
白狐が優しく微笑むと、女は顔を真っ赤にして俯いた。
村長は訝しんだ。明らかにただの村民の反応ではないからだ。
「そうだ白狐、これ持ってってけろ!オラの畑で取れた野菜だべ」
「え!?いいの!?」
「もちろんさ。白狐が食べてくれれば嬉しいだよ」
「わーい!ありがとう!」
白狐は嬉しそうに女の手を握ると、野菜が入った籠を受け取る。
そして村長に聞こえないように彼女の耳元で囁く。
「また遊びに来てね♡」
「……!う、うん……!♡」
それだけ言うと、稔は手を振ってその場を去った。村長はそんな二人の様子を見て怪訝な表情を浮かべる。
―――なんだ?この雰囲気は…
距離が近すぎるような気がする。まるで恋人同士のような……
いや、白狐はこの村に来てまだ間もない筈。二人がそんな関係になる筈がない。
「村長さん、次行こ!」
「あ……はい」
白狐は元気よく歩き出した。そんな彼の後を村長は無言でついて行く。
やはり気のせいだろうか……
そうこうしている間に第二村人に遭遇した。今度もまた若い女である。まぁ、この村はほぼ若い女しか居ないのだが。
「あ!白狐くん!」
「真奈お姉ちゃん、こんにちは!」
白狐が親しげに声をかけると、女性は頬を紅潮させた。
「えへ……来てくれたんだ……嬉しぃ……♡」
「うん!昨日はありがとう!僕…楽しかったよ!♡」
「うん……私も……凄い気持ち良かった……♡」
真奈と呼ばれた女性は恥ずかしそうにモジモジとした。
その仕草を見て、村長は何とも言えない気持ちになった。
あの子は何を言っているんだ……気持ち良かったってどういう意味だ……?まさか昨日、彼女と白狐の間に何かあったというのだろうか……
さっきの稔もそうだが、村の女達は皆、白狐に対して妙な反応を示している。
これは流石に異常だ。
一体何故…?
「これ…私の畑で取れたトマトなんだけど……あげるね……!♡」
しかも皆、白狐に好意的なのである。
勿論それは白狐が男だからというのもあるのだが、それにしても皆、白狐に対しては異常な程の好意を寄せていた。
まるで肌を重ねた事があるかのような接し方だ。
「え?くれるの?ありがとう!」
白狐も特に警戒することなく女性からトマトを受け取った。
「ま、また遊んでね…♡」
「勿論!♡」
そう言って彼女は走り去っていった。一人目と同じような反応をしている。
「ねぇ、村長さん!次行こうよ!」
「あ……はい……」
村長は釈然としない気持ちのまま、白狐の後をついていくのであった。
その後も村長は白狐と共に村内を歩いて回った。だが、どこに行っても白狐に対する村人達の態度は同じだった。
皆、彼に好意的で、どこか熱っぽい視線を向けているのだ。
中には明らかに誘っているような言動をする女も居た。
――一体何なのだ……?
そうして何人かの村人と出会った後…白狐の両手に持ちきれない程の農作物を抱えた頃、三人の女性が井戸の側に立って話をしていた。
彼女達は白狐に気付くと笑顔を浮かべて駆け寄ってくる。
「白狐!村長さんとお散歩かい?」
「お姉ちゃん達、こんにちは!」
「こんにちは。昨日の晩はどうだった?気持ち良く眠れた?」
「うん!ぐっすり寝れたよ!」
「そっか……良かったね……♡」
三人の女性は白狐を取り囲むようにして話しかけてきた。白狐は嬉しそうな笑みを浮かべて答えている。
例の如く既に顔見知りのようだ…。
「ところでみんな、何してたの?」
白狐が尋ねると、真ん中に立っていた女性が答える。
「いやね…。森に山菜を摘みに行きたいんだけど妖怪が現れたっていうじゃないか。だからどうしようかと思って……」
ピクリと村長の眉が動いた。デリケートな話題に入ったからだ。妖怪退治の件についてはもう少し信頼関係を築いてから話すつもりなので今話される訳にはいかない。
「皆さん、その話は……」
「妖怪がいて困ってるの?じゃあ僕、全部退治してあげる!」
白狐の言葉を聞いて村長は噴き出しそうになった。
今、この子はなんて…?
「えぇ?嬉しいけど…大丈夫なのかい?相手は妖怪だよ……?」
「平気だよ!僕強いもん!」
白狐は胸を張って言った。
「それに…みんなの為に何かしたいんだ!僕ならきっと役に立てると思う!」
白狐の力強い言葉に三人の女性は嬉しそうに目を輝かせた。
「白狐、あんたって奴は!」
「うぅ……白狐!やっぱり優しい子だね!」
「ありがと!白狐!大好きだよ……!♡」
三人は感極まった様子で白狐に抱き着いた。白狐は照れくさそうにしている。
その様子を村長は唖然とした表情で見ていた。
いつの間に彼女達はこの少年と強い信頼関係で結ばれていたのだろう?いや、勿論喜ばしい事なのだ。だが……どうしても解せなかった。
「村長さん!」
考え込む村長であったが、いつの間にか横にいた白狐に声をかけられハッとする。
見ると白狐はニコニコと笑みを浮かべながら村長を見上げていた。
「村長さんの"お礼"のお陰でみんなと仲良くなれたよ!ありがとう!」
「え?」
そう言うと白狐はルンルンと楽しそうに歩き出した。そんな彼の背を村長は呆然と眺める。
……今、彼はなんと言った?お礼?
村長は先程聞いた白狐の言葉を思い出し、一人首を傾げるのであった。
懐かしい…と言える程の月日は経っていないはずなのに、酷く昔の出来事のように感じる。
それはきっと、私の中の時間が止まっていたから。あの日からずっと、時間の流れは緩やかだった。
そしてそれは私の罪。私が犯してしまった過ち。
それを償う為にも、これから先も永遠に生き続けなければならない。
だから、私は―――
―――――――――
蒼鷲地方のとある小領主の武家屋敷にて、戦支度をしている女がいた。
女の名は鈴華。蒼鷲地方の現在の守護大名、織波家に代々仕える家臣の家系に生まれた娘だ。
今から戦場へ赴くとは思えない程落ち着いており、まるで自分の死期を悟ったかのような面持ちをしていた。
「準備は出来たかい?」
襖が開かれて一人の女が入ってくる。女は全身を蒼い甲冑に身を包んでいた。兜は被っておらず、美しい顔立ちが露になっている。
「はい、母上」
彼女こそが織波家譜代の臣であり、鈴華の母でもある東城彩音だ。東城家は蒼鷲地方の二つの小領を支配する有力家老である。
「お供の方々はお待ちですか」
「ああ、既に門の外で待機している」
「分かりました」
鈴華は立ち上がると部屋の外へ出た。すると、そこには十名ばかりの女武士達が立っている。
彼女らは皆、鈴華と同じく甲冑姿であった。
「皆さん、待たせました」
「鈴華様の初陣ですもの。当然の事ですよ」
彼女達は東城家に仕える忠臣達で、今回の戦で共に戦う仲間達でもあった。この戦が初陣である鈴華とは違い、歴戦の勇士達だ。
そして鈴華の後ろから当主である東城彩音が現れる。
「待たせたな、皆の者」
武士達は膝を付き、頭を垂れる。鈴華も彼女達に続き母である彩音に頭を下げた。
「物見の報告によると敵方は総勢1200。我が方の半分にも満たぬ数だ。だが油断するな。敵の兵力が少ないからといって侮って良い相手ではない」
蒼鷲地方の東に位置する静玉地方。現在、そこを治めているのは空川家という大名家であった。
蒼鷲地方の守護大名、織波家と空川家は長年に渡り対立してきた。
特に空川家が静玉地方を実質的な支配下に置いてからは領地が隣接したのもあり互いの領民が小競り合いを起こす事も多々あった。
しかし近年は目立った争いもなく平和が続いていたのだが、最近になって空川の者達が不穏な動きを見せているという情報が入ったのだ。
それらの国境に位置する場所を支配する東城家は静玉地方からの侵略を阻止する役であり、今回の戦ではその防衛戦となる。
「それじゃあ、行こうか」
彩音の言葉で出陣式が始まった。
まずは馬に乗り、門の前に立つ。そこから見える景色はいつもと同じ蒼鷲地方の風景だ。
「何の変わりもない風景ですね」
「はい」
隣にいる女の言葉に鈴華は静かに返事をする。その表情からは感情を読み取る事は出来ない。
やはり初陣だからか、緊張しているのだろう。そう思った女は優しく微笑みかける。
「大丈夫ですよ。我らが織波家に勝利をもたらせばいいだけの事」
「そうですね」
「そうそう、何か不安があるならお腹でも撫でれば落ち着くと思いますよ」
女がおどけた口調で言うと他の女達はクスリと笑った。
「ふっ、やってみましょうかね…」
鈴華も口元に手を当てながら笑う。
流石に何回も戦を経験してきた猛者達である。場の空気を和ませようとしてくれているのだとすぐに分かった。
心の中で礼を言いつつ、お腹をさする。確かに少しだけ気分が落ち着ついた気がした。
鈴華がお腹をさすっていると、遠くから太鼓の音が聞こえてくる。どうやら出発の時間が来たようだ。
「では、行くぞ!」
彩音の号令で軍勢は動き出した。
総勢3000の軍勢は一路、空川家からの侵攻を防ぐ砦へと向かっていく。
そして、この時はまだ誰も知らなかった。
これから待ち受けている戦いが鈴華にとって過酷な戦場になる事を。
―――――――――
ちゅんちゅんと雀の鳴き声が聞こえる。
「う~ん…」
碧波村の村長は目を覚ますと身体を起こし、大きく伸びをした。
昨日は色々な事があった。綾子がいなくなり、帰ってきたかと思えば半化生の美少年を連れて帰ってきて……。
最初は驚いたものの、結果的には良い方向に転んだのかもしれない。狐の少年…白狐は綾乃を連れ戻してくれたし、妖怪も退治してくれた。更には薫の薬草を大量に採取してきてくれたのだ。
「それにしても……」
白狐は一体どこから来たのか? 村長は首を傾げる。
本人は狸山から来たとは言っていたが、何故そんな所にいたのかは分からない。まぁ、そこは別に追求しなくてもいいだろう。
重要なのは…彼が極めて友好的な存在であるという事だ。妖怪を一蹴出来る程の力を持つ半化生が…しかも男だというのに女を嫌がる素振りも見せずにいてくれる。
これは村にとって非常に有益だ。彼が村にいてくれるだけで、妖怪が襲撃してきても安心できる。
出来るならば長くこの村に留まって欲しかった。あわよくば、最近出没した妖怪を退治して欲しい…だが、下手な事を言って彼の機嫌を損ねては困る。
だから村長は白狐の機嫌を取る為にお菓子やお茶、豪勢なご飯を振る舞い続けた。その結果、彼は満足そうな顔をしていたので良かったと思う。
「……」
ふと、自分のしている事が利己的ではないかと考える。あんな無邪気な…裏表が無さそうないたいけな少年相手に自分は一体何をしているのだろうかと。
だが、白狐がいなければ村は壊滅してしまう可能性があるのだ。だから仕方がない、と自分に言い聞かせた。
「さて…白狐くんを起こしにいきましょうか」
布団から出て、寝間着を脱ぎ捨てると普段着に着替え始める。
どうやら彼はまだ眠っているようだ。忍者(自称)なのに意外に眠りが深いらしい。
「白狐くん、失礼しますよ……」
部屋の障子を開ける。その瞬間、むわぁっとしたむせ返るような濃厚な匂いが漂ってきた。
「!?」
なんだ、この匂いは…?悪臭ではないが、どこか甘酸っぱく脳髄を刺激するような香りだ。
そして部屋の中を見渡す。するとそこには信じ難い光景が広がっていた。
「……」
部屋の中に敷かれた一枚の布団。そこに全裸になった白狐が横になっていた。
「び、白狐くん……!?なんて格好で寝て……!?」
村長は慌てて目を手で覆う。だが、指の隙間からチラリと見えてしまった。
白く艶やかな肌に細い手足、そして小さく可愛らしい男の子の象徴が目に入る。
「な、なんで裸で……!?」
まさか自分が寝ている間に何かあったのでは……そう思い、恐る恐る手を退けてマジマジと見る。
別に少年の身体を見たいからではない。強盗かなにかに入られてないか確認する為だ。そう、決して見たいからではない。
しかし特に変わった様子はなかった。ただ、相変わらず強烈な芳香が辺りに立ち込めている。
なんだか床も濡れているような気がするし…
「むにゃ……あれぇ……?」
「!」
そうこうしている内に白狐が起きたようだ。眠け眼を擦りながら上半身を起こす。
まずい、と村長は思った。これでは全裸の少年を襲おうとしている変態おばさんではないか。
村長は慌てて弁明をする。
「び、白狐くん……!わ、私はただ貴方を起こしに来ただけで……!」
「お姉さん……?あー…お姉ちゃん…♡」
白狐はまだ寝惚けているようで何やらよくわからない事を呟いている。
だが、その瞳にはハートマークが浮かんでいて、明らかに尋常じゃない状態だった。
「お姉ちゃ~ん……♡」
白狐は抱きついてくると、村長の顔に向かってキスをする。
「んぐっ……!?」
柔らかい唇の感触と共に、口の中に広がる甘い味。
それはまるで蜂蜜のように甘く、濃厚だった。ちゅぱっという音を立てて、口が離れる。
「び、白狐くん!?一体なにを…!?」
「ぐぅ……♡」
白狐は眠っていた。どうやら今の行動は無意識のものらしい。
村長はゴクリと唾を飲み込む。寝惚けているとはいえ、まさか接吻をされるとは思わなかった。
しかもこんな少年に…
「うっ……」
下半身が熱くなるのを感じる。子宮が疼き、頭がクラクラとした。
こんなに歳の離れた少年を性の対象として見ているわけではない。これは生理現象なのだ。
だからこれは仕方のない事であって……決してやましい気持ちがあるわけじゃなくて……
そう自分に言い聞かせるが、やはり少年の愛らしさは破壊力がありすぎた。
「白狐くん……?」
もう一度、少年の顔を覗き見る。少年は幸せそうな顔でスヤスヤと寝息を立てていた。
白狐の寝姿は淫靡であり、美しかった。これ以上側にいると理性が崩壊してしまうかもしれない。
部屋に漂う謎の香りもそれに拍車をかけていた。
「う……うぅ……」
この場は一旦、退散した方がいいかもしれない。このままだと自分を抑える自信がなかった。
村長は急いでその場を後にした。顔を火照らせながら……
その後、村長が朝御飯の支度をしていると白狐が起きてきた。
「むにゃ……村長さん、おはようございます」
「えぇ、おはよう……」
村長は白狐の顔をまともに見れなかった。先程のキスが頭から離れないのだ。
白狐はそんな村長を見て首を傾げていたが、特に何も言わなかった。彼は本当に何も覚えてないらしい。
「あの……その……昨日はよく眠れましたか?白狐くん」
村長はなるべく平静を装って話しかけた。
その言葉に対し、白狐は満面の笑みを浮かべる。
「うん!凄い気持ち良くてぐっすり寝れたよ!」
……気持ち良い?布団が気持ち良かったという意味だろうか?
別に普通の布団だったが……まぁ、寝心地が良いというのは悪い事では無い。
「そうですか……それは良かったです」
何故か彼は上機嫌なようだ。余程、布団が気に入ったらしい。
これは重畳。彼の機嫌が良いと色々とお願いを聞いてくれるかもしれない。だが、事を急いては駄目だ。
焦らずゆっくりと……少しずつ信頼関係を築いていこう。妖怪退治を頼むのはそれからだ。
決して直接的に頼んではいけない。あくまで自然な流れで……
「それではご飯にしましょう。今日は白狐くんの大好きな納豆汁ですよ」
「わぁ!ありがとう!」
白狐は嬉しそうな声を上げると、食卓に座った。
村長も席に着くと、二人で朝食を食べ始める。
「ねぇ、村長さん。今日は僕、村の中を見て周りたいな」
「村を?」
「うん。村の人達に挨拶しておきたいし、どんな所か見てみたいんだ」
「成る程……分かりました。私が一緒に行って案内しますね」
村長は少し悩んだが了承した。村人が白狐に失礼な態度を取らないか心配ではあったが自分が横について睨みを効かせていれば安心だろう。
それに彼が村に興味を持ってくれるのはこの上なく有益だ。
上手くいけば彼も村人に好意的になってくれるかもしれない。そうすれば村に長居してくれる筈だ。
そうして白狐と村長は朝御飯を食べた後、一緒に村の中を歩いて回る事になったのであった。
―――――――――
「あ、白狐でねか!昨日は…そのぉ…」
「稔お姉ちゃん!昨日は楽しかったね!」
白狐と村長が村を散策し始めてからすぐに第一村人と遭遇した。彼女は鍬を持って畑仕事をしている最中だったようだ。
だが、様子がおかしい…。もじもじと顔を赤らめ、内股気味になっている。
いや……それよりも……二人は知り合いだったのか、と村長は疑問に思った。
「二人はお知り合いだったんですか?」
「うん!昨日遊んで貰ったんだ!」
昨日遊んで貰った?そんな時間があっただろうか。いや、村長とて白狐の行動全てを把握している訳ではないが…
「……怒ってないだか?」
「怒る?なんで?僕すっごい気持ち良かったし、楽しかったよ!」
「そ、そっか……!そんならいいけども…」
どうやら二人の間には何かあったらしい。しかし、白狐は特に気にした様子もなく、ニコニコとしているだけだ。
一体何があったというのだろうか?村長は不思議に思った。
「お姉ちゃんは畑作業中?お仕事頑張ってね」
「う、うん……ありがと……♡」
白狐が優しく微笑むと、女は顔を真っ赤にして俯いた。
村長は訝しんだ。明らかにただの村民の反応ではないからだ。
「そうだ白狐、これ持ってってけろ!オラの畑で取れた野菜だべ」
「え!?いいの!?」
「もちろんさ。白狐が食べてくれれば嬉しいだよ」
「わーい!ありがとう!」
白狐は嬉しそうに女の手を握ると、野菜が入った籠を受け取る。
そして村長に聞こえないように彼女の耳元で囁く。
「また遊びに来てね♡」
「……!う、うん……!♡」
それだけ言うと、稔は手を振ってその場を去った。村長はそんな二人の様子を見て怪訝な表情を浮かべる。
―――なんだ?この雰囲気は…
距離が近すぎるような気がする。まるで恋人同士のような……
いや、白狐はこの村に来てまだ間もない筈。二人がそんな関係になる筈がない。
「村長さん、次行こ!」
「あ……はい」
白狐は元気よく歩き出した。そんな彼の後を村長は無言でついて行く。
やはり気のせいだろうか……
そうこうしている間に第二村人に遭遇した。今度もまた若い女である。まぁ、この村はほぼ若い女しか居ないのだが。
「あ!白狐くん!」
「真奈お姉ちゃん、こんにちは!」
白狐が親しげに声をかけると、女性は頬を紅潮させた。
「えへ……来てくれたんだ……嬉しぃ……♡」
「うん!昨日はありがとう!僕…楽しかったよ!♡」
「うん……私も……凄い気持ち良かった……♡」
真奈と呼ばれた女性は恥ずかしそうにモジモジとした。
その仕草を見て、村長は何とも言えない気持ちになった。
あの子は何を言っているんだ……気持ち良かったってどういう意味だ……?まさか昨日、彼女と白狐の間に何かあったというのだろうか……
さっきの稔もそうだが、村の女達は皆、白狐に対して妙な反応を示している。
これは流石に異常だ。
一体何故…?
「これ…私の畑で取れたトマトなんだけど……あげるね……!♡」
しかも皆、白狐に好意的なのである。
勿論それは白狐が男だからというのもあるのだが、それにしても皆、白狐に対しては異常な程の好意を寄せていた。
まるで肌を重ねた事があるかのような接し方だ。
「え?くれるの?ありがとう!」
白狐も特に警戒することなく女性からトマトを受け取った。
「ま、また遊んでね…♡」
「勿論!♡」
そう言って彼女は走り去っていった。一人目と同じような反応をしている。
「ねぇ、村長さん!次行こうよ!」
「あ……はい……」
村長は釈然としない気持ちのまま、白狐の後をついていくのであった。
その後も村長は白狐と共に村内を歩いて回った。だが、どこに行っても白狐に対する村人達の態度は同じだった。
皆、彼に好意的で、どこか熱っぽい視線を向けているのだ。
中には明らかに誘っているような言動をする女も居た。
――一体何なのだ……?
そうして何人かの村人と出会った後…白狐の両手に持ちきれない程の農作物を抱えた頃、三人の女性が井戸の側に立って話をしていた。
彼女達は白狐に気付くと笑顔を浮かべて駆け寄ってくる。
「白狐!村長さんとお散歩かい?」
「お姉ちゃん達、こんにちは!」
「こんにちは。昨日の晩はどうだった?気持ち良く眠れた?」
「うん!ぐっすり寝れたよ!」
「そっか……良かったね……♡」
三人の女性は白狐を取り囲むようにして話しかけてきた。白狐は嬉しそうな笑みを浮かべて答えている。
例の如く既に顔見知りのようだ…。
「ところでみんな、何してたの?」
白狐が尋ねると、真ん中に立っていた女性が答える。
「いやね…。森に山菜を摘みに行きたいんだけど妖怪が現れたっていうじゃないか。だからどうしようかと思って……」
ピクリと村長の眉が動いた。デリケートな話題に入ったからだ。妖怪退治の件についてはもう少し信頼関係を築いてから話すつもりなので今話される訳にはいかない。
「皆さん、その話は……」
「妖怪がいて困ってるの?じゃあ僕、全部退治してあげる!」
白狐の言葉を聞いて村長は噴き出しそうになった。
今、この子はなんて…?
「えぇ?嬉しいけど…大丈夫なのかい?相手は妖怪だよ……?」
「平気だよ!僕強いもん!」
白狐は胸を張って言った。
「それに…みんなの為に何かしたいんだ!僕ならきっと役に立てると思う!」
白狐の力強い言葉に三人の女性は嬉しそうに目を輝かせた。
「白狐、あんたって奴は!」
「うぅ……白狐!やっぱり優しい子だね!」
「ありがと!白狐!大好きだよ……!♡」
三人は感極まった様子で白狐に抱き着いた。白狐は照れくさそうにしている。
その様子を村長は唖然とした表情で見ていた。
いつの間に彼女達はこの少年と強い信頼関係で結ばれていたのだろう?いや、勿論喜ばしい事なのだ。だが……どうしても解せなかった。
「村長さん!」
考え込む村長であったが、いつの間にか横にいた白狐に声をかけられハッとする。
見ると白狐はニコニコと笑みを浮かべながら村長を見上げていた。
「村長さんの"お礼"のお陰でみんなと仲良くなれたよ!ありがとう!」
「え?」
そう言うと白狐はルンルンと楽しそうに歩き出した。そんな彼の背を村長は呆然と眺める。
……今、彼はなんと言った?お礼?
村長は先程聞いた白狐の言葉を思い出し、一人首を傾げるのであった。
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