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[01]お姉様と婚約者
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わたくしはソフィア=グロスハイツ。今年で6歳になりますの。
今日は屋敷の薔薇園で大好きなイザベラお姉様とかわいい妹のリリー(妹と言っても年齢は同じですが)と三人姉妹でお茶会です。
わたくしはどちらも大好きなのですが、お姉様はリリーとは少し距離を置いているみたいです。
リリーはお父様の元愛人で現後妻の娘ですから。わたくしはお母様のことは全く覚えて居ないので特に何も思わないのですが、お姉様は覚えているようなので思うところがあるのかもしれません。
でもお姉様がお母様にそっくりだというわたくしを可愛がってくれる分、わたくしがリリーを可愛がれば問題は無いでしょう。あ、もちろん、お姉様も大好きですわ。
「ベラ!ここにいるかい?」
あら、この声はお父様ですわ。
声に反応してお姉様がカップを置きます。
「えぇ、お父様、わたくしならこちらに居ますわ。」
「あぁ、ベラ。いい知らせだよ。」
お父様はそう言いながらも全く嬉しそうではありません。
いい知らせ、ですの?何でしょうか。お姉様にとって、良いことなら良いのですが…
わたくしはリリーと顔を合わせて首を傾げます。
「ベラ、。君の婚約者が決まったんだ。」
「婚約者…ですの?」
お姉様は少し困ったように眉をひそめます。
お父様…お姉様が困るような婚約はダメですわ。うちは侯爵家ですし、お父様は宰相なのですから、婚約者を無理に選ぶことも無いでしょうに。
第一、喜ばしいことならもっと嬉しそうにしてくださいませ。
「ベラ…うん。やっぱりこの婚約は取りやめにしよう。」
お父様は少しすっきりしたように言います。
「お父様良いんですの?」
「あぁソフィー。もちろんだよ。ベラが気に入らなければ白紙に戻して良いって向こうも言っていたからね。」
「お父様。わたくし、まだ婚約者が誰か聞いておりませんのに…嫌だとは…」
お父様が「まだ婚約なんて早いだろう?」とか「ベラ、嫁には行かないでくれ。」とか言っていますが、お姉様は「とりあえず名前だけでも教えてくださいませ。」と言っております。これに関してはお姉様の方が正しいと思いますわ。
「お父様。お姉様の婚約者とは、誰ですの?」
仕方が無いのでわたくしが話を促します。リリーはお姉様のことでは口を出しませんから、わたくしがやるしか無いのです。
「ソフィー…ソフィーまで私とベラを引き裂くのかい?」
「お父様!お父様がそんなではわたくしもソフィーも、いつまでたっても結婚できませんわ!」
「そうです。お父様、教えてくださいませ。」
お父様はしぶしぶといった感じでお姉様の前に手に持っていた紙を差し出します。
お姉様はさっとその紙を読みました。
「まぁ、レオンハルト様ですの!?」
お姉様が珍しく大きな声をあげます。ほんの少しですが頬も赤くなっていると思います。
お姉様の表情を見る限り悪い話ではない…むしろ嬉しいものの様ですね。
「お父様、お姉様、レオンハルト様とは誰ですの?」
リリーも気になるようでわたくしの言葉にコクコクと頷いています。
お姉様の反応によってすっかり再起不能になっているお父様の代わりにお姉様が教えてくれました。
「ソフィー、レオンハルト様はね。この国の第一王子よ。」
「まぁ、第一王子様…?」
聞いたことがある気がします。
思い出せそうなのに思い出せずに頭がいたくなってきました…。
『イザベラ…リリー…イザベラの婚約者は第一王子のレオンハルト!?この世界…知っているわ!』
突如頭の中に響く強い声とともに激しい頭痛に襲われ、わたくしは…いえ、わたしは意識を失いました。
今日は屋敷の薔薇園で大好きなイザベラお姉様とかわいい妹のリリー(妹と言っても年齢は同じですが)と三人姉妹でお茶会です。
わたくしはどちらも大好きなのですが、お姉様はリリーとは少し距離を置いているみたいです。
リリーはお父様の元愛人で現後妻の娘ですから。わたくしはお母様のことは全く覚えて居ないので特に何も思わないのですが、お姉様は覚えているようなので思うところがあるのかもしれません。
でもお姉様がお母様にそっくりだというわたくしを可愛がってくれる分、わたくしがリリーを可愛がれば問題は無いでしょう。あ、もちろん、お姉様も大好きですわ。
「ベラ!ここにいるかい?」
あら、この声はお父様ですわ。
声に反応してお姉様がカップを置きます。
「えぇ、お父様、わたくしならこちらに居ますわ。」
「あぁ、ベラ。いい知らせだよ。」
お父様はそう言いながらも全く嬉しそうではありません。
いい知らせ、ですの?何でしょうか。お姉様にとって、良いことなら良いのですが…
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「ベラ、。君の婚約者が決まったんだ。」
「婚約者…ですの?」
お姉様は少し困ったように眉をひそめます。
お父様…お姉様が困るような婚約はダメですわ。うちは侯爵家ですし、お父様は宰相なのですから、婚約者を無理に選ぶことも無いでしょうに。
第一、喜ばしいことならもっと嬉しそうにしてくださいませ。
「ベラ…うん。やっぱりこの婚約は取りやめにしよう。」
お父様は少しすっきりしたように言います。
「お父様良いんですの?」
「あぁソフィー。もちろんだよ。ベラが気に入らなければ白紙に戻して良いって向こうも言っていたからね。」
「お父様。わたくし、まだ婚約者が誰か聞いておりませんのに…嫌だとは…」
お父様が「まだ婚約なんて早いだろう?」とか「ベラ、嫁には行かないでくれ。」とか言っていますが、お姉様は「とりあえず名前だけでも教えてくださいませ。」と言っております。これに関してはお姉様の方が正しいと思いますわ。
「お父様。お姉様の婚約者とは、誰ですの?」
仕方が無いのでわたくしが話を促します。リリーはお姉様のことでは口を出しませんから、わたくしがやるしか無いのです。
「ソフィー…ソフィーまで私とベラを引き裂くのかい?」
「お父様!お父様がそんなではわたくしもソフィーも、いつまでたっても結婚できませんわ!」
「そうです。お父様、教えてくださいませ。」
お父様はしぶしぶといった感じでお姉様の前に手に持っていた紙を差し出します。
お姉様はさっとその紙を読みました。
「まぁ、レオンハルト様ですの!?」
お姉様が珍しく大きな声をあげます。ほんの少しですが頬も赤くなっていると思います。
お姉様の表情を見る限り悪い話ではない…むしろ嬉しいものの様ですね。
「お父様、お姉様、レオンハルト様とは誰ですの?」
リリーも気になるようでわたくしの言葉にコクコクと頷いています。
お姉様の反応によってすっかり再起不能になっているお父様の代わりにお姉様が教えてくれました。
「ソフィー、レオンハルト様はね。この国の第一王子よ。」
「まぁ、第一王子様…?」
聞いたことがある気がします。
思い出せそうなのに思い出せずに頭がいたくなってきました…。
『イザベラ…リリー…イザベラの婚約者は第一王子のレオンハルト!?この世界…知っているわ!』
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