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無駄だとはわかっていますが、どうしても疲れている心は藁にもすがってしまうもので、お父様とお母様との夕食のときに
「もうクロエ様に関わるのは嫌でございます…!」
と漏らしてしまいました。
お父様とお母様は困ったように眉を下げて
「マリオン伯爵家はアリーリア公爵家に昔かなりお世話になったからね…アリーリア公爵様にクロエのことを頼むと言われているんだよ。」
ええ…分かっていましたとも…!
こうして今日もまたクロエからは逃げられませんでした。
どうすればいいのですか!?
「ねぇっ、どうすればいいのですか!?リュカ!」
「ハイハイ、エマは今日も頑張ったね。」
と言ってリュカははしたなくも机に突っ伏した私の髪を優しく撫でてくれます。
あぁ、彼はリュカ=グロスハイツ侯爵子息。
チャールズ王子の側近にしてエミリー嬢に傾倒していない唯一の人物で、わたくしとクロエの幼馴染でごさいます。
しかし彼はわたくしを置いてクロエから逃げた裏切り者ゆえに、わたくしの愚痴聞き係であり慰め要員なのです。
「これも、わたくし…わたくしの所為なのですよ…」
「それ、毎日言ってるけど、どういう事?確かに今のクロエは昔のエマに少し似ているけどさ。」
そうなのです。実は今のクロエを作ってしまった原因の1つは実はわたくしなのです。
わたくし、昔は今のクロエのように高飛車で、偏った正義感に溢れた少女でしたの。逆にクロエは大人しく、人形のようでした。
しかも、幼馴染が侯爵子息に公爵令嬢…まさに公爵侯爵家の威光を借りる伯爵令嬢でした…。
そのような偽りの権力を振りかざしてクロエやリュカに近づく下心のある者たちを排除してきました。
特にリュカに近づく令嬢達は徹底的に排除致しました。
丁度、今のクロエがエミリー嬢にやっているように…
そう、わたくし、幼い頃、リュカに恋をしていたのです。
あぁ、今は恋なんて抱いていませんよ。
とある令嬢に「凄いのは貴方ではないでしょう?貴方では釣り合わないわ。」と言われて愚かだという事に気づきましたから…
「もうクロエ様に関わるのは嫌でございます…!」
と漏らしてしまいました。
お父様とお母様は困ったように眉を下げて
「マリオン伯爵家はアリーリア公爵家に昔かなりお世話になったからね…アリーリア公爵様にクロエのことを頼むと言われているんだよ。」
ええ…分かっていましたとも…!
こうして今日もまたクロエからは逃げられませんでした。
どうすればいいのですか!?
「ねぇっ、どうすればいいのですか!?リュカ!」
「ハイハイ、エマは今日も頑張ったね。」
と言ってリュカははしたなくも机に突っ伏した私の髪を優しく撫でてくれます。
あぁ、彼はリュカ=グロスハイツ侯爵子息。
チャールズ王子の側近にしてエミリー嬢に傾倒していない唯一の人物で、わたくしとクロエの幼馴染でごさいます。
しかし彼はわたくしを置いてクロエから逃げた裏切り者ゆえに、わたくしの愚痴聞き係であり慰め要員なのです。
「これも、わたくし…わたくしの所為なのですよ…」
「それ、毎日言ってるけど、どういう事?確かに今のクロエは昔のエマに少し似ているけどさ。」
そうなのです。実は今のクロエを作ってしまった原因の1つは実はわたくしなのです。
わたくし、昔は今のクロエのように高飛車で、偏った正義感に溢れた少女でしたの。逆にクロエは大人しく、人形のようでした。
しかも、幼馴染が侯爵子息に公爵令嬢…まさに公爵侯爵家の威光を借りる伯爵令嬢でした…。
そのような偽りの権力を振りかざしてクロエやリュカに近づく下心のある者たちを排除してきました。
特にリュカに近づく令嬢達は徹底的に排除致しました。
丁度、今のクロエがエミリー嬢にやっているように…
そう、わたくし、幼い頃、リュカに恋をしていたのです。
あぁ、今は恋なんて抱いていませんよ。
とある令嬢に「凄いのは貴方ではないでしょう?貴方では釣り合わないわ。」と言われて愚かだという事に気づきましたから…
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