裏切りのその後 〜現実を目の当たりにした令嬢の行動〜

AliceJoker

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本編(別視点)

アイリーン視点 ⑤

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夜会から帰って来た後、お父様が玄関の前で待っていた。


お父様は私に一発殴った後、応接室に入るように言った。


入った時、そこには顔色が悪いお母様と呆れてるお兄様が居た。


はい、私にはお兄様が居ます。
だけど、つい最近まで隣国に留学していた。
お兄様は小さい頃から勉強ばっかしてたから、私達は良くも悪くもない。
感覚的には他人に近い。
でも好きか嫌いって言ったら嫌いだね。
だって完璧過ぎる兄弟が居たら、私の存在が薄くなってしまうじゃない?



私が応接室に入った途端、お父様はお母様と私に怒鳴った。

お母様は完全に怯えていた。

お父様は何故私を夜会に出したと聞いていた。

他に色々話してたが、私は話についていけなかった。




そんな事を思った時、お兄様がお父様に声をかけた。

「父さん、そんな事はいいから、例の話の事話そう。」

「あ、ああ、そうだな…」

そしたらお父様が怒鳴る事を辞めた。


ひゅー、お兄様ナイスですわ!
今回ほどお兄様を感謝した事ありませんわ!


「アイリーン、お前に縁談だ。」

「え!?」

こんな私に縁談!?
お父様は私が王子様を見つかるまで婚約者作らないって!



「相手はオルコット子爵だ。」



はぁ!?
あんなデブスで、ロリコンと!?
私はお父様と同じ歳の人と結婚しなきゃいけないの!?


「オルコット子爵って私より格下じゃないですか!」

「アイリーン!口答えするな!お前に口答えする権利はない!?」


急に大きい声で怒鳴ったお父様に私は黙ってしまった。


「オルコット子爵は確かに侯爵家より下かもしれない、だが彼は商業に長けている。お前が今着てる生地も彼のおかげで手に入ってたもんだ。お前はこの縁談を喜んで受けるべきだ。」

私は絶望した。
あんなのと結婚しなきゃいけないの…


「お父様!嫌だわ!あんなデブスでロリコンおやじと結婚しなくないわ!私は王子様と結婚したいのよ!お父様だって知ってるでしょ?」
「そうよ。貴女。こんなのあんまりだわ。」


私は自分の本音をお父様に言い、お母様も代弁してくれた。

これでお父様も考えてくれる!

そう思ってた…

だけど、現実は違かった…




「お前らに口答えする権利はないと何度言えばわかる!こうなったのはお前達のせいだろ!」

お父様はそう言って来たのだ…


「嫁よ… お前とは離婚する。」

「え、なんでなの!?」

「お前はアイリーンが生まれてから今まで何をして来た!常識を教えなかったのかい?お洒落ばっか気を取られてただろ!お姫様なんて子供までにしてくれ。はぁ、自由を与え過ぎてしまったか…。」

そう言いながらお父様は頭を抱えた。


「それだけの事で離婚するの!?アイリーンの事だって貴方にも責任はあるわ!」

「ああ、それは勿論だよ。だからこうやって縁談を持って来てるんじゃないか。でも本当の理由は違うぞ?お前、愛人居ただろ?お前が自由に使えるお金では無く、家のお金まで手に出してその男に貢いでたな?」

「あ…、あ…」

「はっ、バレないと思ったのか?さっさと離婚届にサインして、明日にはもう屋敷から出ろ。私はもうお前とは1秒たりとも一緒に居たくないのだよ。今まで使ったお金をチャラにしてやる。だからさっさとあの男のとこへ行け。」

「っ!?」

お母様は強制的にサインするよう言われ、応接室から追い出された。


え?お母様?
え、浮気?
どういう事なの?


私は疑問に思った事をお父様に聞いた。


「お父様!愛人が居るってだけで、お母様と離婚するなんてあんまりです!貴族では愛人を持つなんて普通でしょ?」

「はぁ、もしやあいつの入れ知恵か?アイリーン、勘違いするな。もしお互いが了承したなら、いい。だが、私は一切許可してない。お金の件もそうだ。お前のお母様が勝手に使ってはいけない金を使ったのだ。責任を取るのは当然だろ?私もシルヴィア嬢と同じ意見だ。私は身内でも信頼出来ないやつをそばに置かん。」

「で、ですが!?」

「まだ言い訳する気か!ちなみにお前の縁談を受ける事になったのは慰謝料を払う為だ!」

「で、でもお父様はそれぐらい払えるでしょ?」

「ああ、払える。だが、お前の為に払う金などない。お前も責任持って嫁ぐ準備に専念してろ!」

そう言った後、お父様は応接室から出て行った。


そしてお兄様は私の近くに来て小声でこう言った。


「あーあ、自業自得だよねー。俺も君のような妹が居るなんて災難だよ… あ、俺に何も聞くなよ。オルコット子爵を逃れる為に俺の友達を紹介しろって言うつもりだっただろ。答えは一つだ。無理だ。」

「っ!?」

私は驚いた。
図星だったのだから。
もしここに私の王子様が居ないなら、隣国に居るかもしれないとお兄様にお願いしようとしてたのだ。


「俺は父様のように優しくないからさ。まぁこれから頑張りなよー。」


そう言ったお兄様は私を置いて応接室から出た。
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