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「てか、クリスティーナには婚約者居るよ?」
「お、俺以外の婚約者か?」
「やだな~。兄上とは元々婚約者じゃないでしょ~。そうだよ。兄上以外の男とクリスティーナは婚約してるよ。お、やっと来たみたいだね。」
そして中央にある会場の扉が開いた。
「ティナ!?」
「セシル様!」
「ティナ。遅れてごめんよ。大丈夫だったか?大丈夫じゃないよな… 本当にごめん…」
「ふふ、このぐらい平気よ。心配性なんだから。」
「こんなので挫けてたら、クリスティーナじゃないもんね~。」
(ジェレミー余計な一言よ!)
「えええええ!!!隣国の王太子のセシル様じゃん!きゃあ//// 素敵♡」
今まで黙ってたラナ様が急に叫び出した。
「いやー虐められたの嘘ってバレた時はどうなると思ったけど、隠しキャラで私の推しのセシル様が出て来たら文句ないわ///」
(やっぱり嘘だったのね!?)
そう言いながらラナ様はセシル様の腕に抱きついた。
「「「!?」」」
だがしかしセシル様はすぐラナの手を振り解いた。
「私は君に私の名前を呼ぶ事を許した覚えがないのだが… そして、気安く触らないで頂きたい。非常に不愉快だ。」
「え!絶対私と打ち解けますって!だって私可愛いですし♡ 絶対クリスティーナよりいい女で・す・よ♡」
ラナ様は上目遣いでそう言った。
(ラナ様はナルシストだった!?)
「いや、私が可愛いと思ういい女性はティナだけだ。私の婚約者呼び捨てしないで貰いたい。なにせ未来の王妃だからね。」
「え、じゃあクリスティーナの婚約者っていうのは…」
「ええ、私です。ヘンリー。お久しぶりですね。」
私の婚約者は隣国の王太子のセシル様。彼らは漆黒の髪と濃い青の瞳の持ち主だ。実は彼も小さい頃この国の王宮に居て私達と過ごしてた仲だ。何故こっちの国に居たかって?実は隣国ではその時内乱が起こってた。隣国の国王陛下とこの国の国王陛下は親友だったのもあり、隣国の王妃と一緒にセシル様はこの国に一時期避難をしてた。
だが、いつか別れが来る。内乱は終わり、彼が国に帰る日に彼に求婚された。
「実は会った時に一目惚れしたんだ!立派な王太子になって戻って来るからね!そしてティナの事を迎えに来るね!」
私は嬉しかった。なにせ私も彼と過ごしてるうちに彼の事が好きになってたのだ。彼が彼の名前を言う事許してくれた日にはもうこのまま死んでもいいと思ってしまったぐらい幸せだった。だから、私はこう返した。
「私もセシル様をお慕いしております。私はセシルに似合う女性になれるように、日々努力してお待ちしております!」
私の返事を聞いた途端、彼は嬉しそうに笑ってくれた。
その日から私は王妃教育のような勉強を王宮でした。ヘンリー殿下は彼の嫌がらせの為に王宮に滞在して、いい成績を見せびらかしてると思ってるみたいだけど。
別に彼は勉強出来ない人ではなかった。ただセシル様やジェレミー殿下みたいに誰かの為に努力をしなかっただけ。ただ勉強してたのは私達よりいい成績を取りたかっただけ。ただの幼児みたいな理由だ。だからそれ以上の知識を得ようとは思ってなかったのだろう。そして彼は実体験が少な過ぎたのだ。だから人の感情、そして思いやる感情が他に比べて圧倒的に低かったのだ。
ちなみに私が留学した国はもちろんセシル様の国だ。結婚するまでこの国に滞在してたら、彼の国を理解しないまま王妃になる。個人的にそれはいかがなものだと思い、セシル様にお願いした。セシル様は了承してもらった。彼の国に留学すると同時に私達は婚約した。
しかし、ヘンリー殿下だけは知らなかった。いや、知ろうとしなかったのだ。なにせ興味ないのだから。
「お、俺以外の婚約者か?」
「やだな~。兄上とは元々婚約者じゃないでしょ~。そうだよ。兄上以外の男とクリスティーナは婚約してるよ。お、やっと来たみたいだね。」
そして中央にある会場の扉が開いた。
「ティナ!?」
「セシル様!」
「ティナ。遅れてごめんよ。大丈夫だったか?大丈夫じゃないよな… 本当にごめん…」
「ふふ、このぐらい平気よ。心配性なんだから。」
「こんなので挫けてたら、クリスティーナじゃないもんね~。」
(ジェレミー余計な一言よ!)
「えええええ!!!隣国の王太子のセシル様じゃん!きゃあ//// 素敵♡」
今まで黙ってたラナ様が急に叫び出した。
「いやー虐められたの嘘ってバレた時はどうなると思ったけど、隠しキャラで私の推しのセシル様が出て来たら文句ないわ///」
(やっぱり嘘だったのね!?)
そう言いながらラナ様はセシル様の腕に抱きついた。
「「「!?」」」
だがしかしセシル様はすぐラナの手を振り解いた。
「私は君に私の名前を呼ぶ事を許した覚えがないのだが… そして、気安く触らないで頂きたい。非常に不愉快だ。」
「え!絶対私と打ち解けますって!だって私可愛いですし♡ 絶対クリスティーナよりいい女で・す・よ♡」
ラナ様は上目遣いでそう言った。
(ラナ様はナルシストだった!?)
「いや、私が可愛いと思ういい女性はティナだけだ。私の婚約者呼び捨てしないで貰いたい。なにせ未来の王妃だからね。」
「え、じゃあクリスティーナの婚約者っていうのは…」
「ええ、私です。ヘンリー。お久しぶりですね。」
私の婚約者は隣国の王太子のセシル様。彼らは漆黒の髪と濃い青の瞳の持ち主だ。実は彼も小さい頃この国の王宮に居て私達と過ごしてた仲だ。何故こっちの国に居たかって?実は隣国ではその時内乱が起こってた。隣国の国王陛下とこの国の国王陛下は親友だったのもあり、隣国の王妃と一緒にセシル様はこの国に一時期避難をしてた。
だが、いつか別れが来る。内乱は終わり、彼が国に帰る日に彼に求婚された。
「実は会った時に一目惚れしたんだ!立派な王太子になって戻って来るからね!そしてティナの事を迎えに来るね!」
私は嬉しかった。なにせ私も彼と過ごしてるうちに彼の事が好きになってたのだ。彼が彼の名前を言う事許してくれた日にはもうこのまま死んでもいいと思ってしまったぐらい幸せだった。だから、私はこう返した。
「私もセシル様をお慕いしております。私はセシルに似合う女性になれるように、日々努力してお待ちしております!」
私の返事を聞いた途端、彼は嬉しそうに笑ってくれた。
その日から私は王妃教育のような勉強を王宮でした。ヘンリー殿下は彼の嫌がらせの為に王宮に滞在して、いい成績を見せびらかしてると思ってるみたいだけど。
別に彼は勉強出来ない人ではなかった。ただセシル様やジェレミー殿下みたいに誰かの為に努力をしなかっただけ。ただ勉強してたのは私達よりいい成績を取りたかっただけ。ただの幼児みたいな理由だ。だからそれ以上の知識を得ようとは思ってなかったのだろう。そして彼は実体験が少な過ぎたのだ。だから人の感情、そして思いやる感情が他に比べて圧倒的に低かったのだ。
ちなみに私が留学した国はもちろんセシル様の国だ。結婚するまでこの国に滞在してたら、彼の国を理解しないまま王妃になる。個人的にそれはいかがなものだと思い、セシル様にお願いした。セシル様は了承してもらった。彼の国に留学すると同時に私達は婚約した。
しかし、ヘンリー殿下だけは知らなかった。いや、知ろうとしなかったのだ。なにせ興味ないのだから。
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