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第一章 誘惑

62話

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 卓也さんに自宅の近くまで送ってもらって、今は一人で歩いている。
 
 終わり良ければ総て良し!
 今日は最悪の一日になると思っていた。が、最悪だと思っていた気持ちも吹き飛んだ。 
  
 「ありがとう」初めて、卓也さんに感謝されたのだ。
 私はそれがうれしくてたまらなかった。
 きっと、今、私の顔は、にやけて気持ち悪い事になっているであろう。
 家に入る前に、立ち止まり。冷静に顔を整えた。

 「ただいま」

 「「・・・・」」

 気分が良くて、普段はしない「ただいま」を言ったのに対して、リビングにいた両親は黙っていた。
 いつもとは逆であった。
 いつもなら、親が「おかえり」と声をかけてきて、私が無視をしている。

 「緩奈。話がある。写真がポストに入っていたんだが」
 
 久しぶりに父と話をすることになった。
 
 まだ、最悪の一日は終わっていなかった。
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