妻子持ち、JKの彼女が出来ました。

ステルススター

文字の大きさ
上 下
9 / 107
第一章 誘惑

8話

しおりを挟む
 「あなた。おかえりなさい」

 リビングの扉を開けると妻の沙苗さなえが出迎えてくれた。

 「ただいま」
 
 俺が仕事から帰って来たものだと思っていると心が痛い。

 「あれ。美喜みきは?」

 美喜とは、中学生になる娘の名だ。
 いつものならこの時間はリビングのソファに座って、「おし」?と言うやつを見るため、テレビにかじりつく様にしているのだが、今日はその様子もなくテレビの画面は真っ黒のままだった。

 「美喜は私の実家で今日は泊まるそうよ」

 「えっ?!急にどうしたの?」

 少し驚いた。
 美喜と沙苗のご両親―特にお義母さんとは、はっきり言って良い関係と言い難い。
 その理由は、お義母さんの性格。孫にとても過干渉で美喜が小学校や中学校に上がる際、受験のある私立の学校へと進めてきた。美喜自身は友達と別れたくないと言っているのに、美喜の為になると言って、勝手に受験の申請書を提出したりて学校から電話がかかってきた事が何度もあった。きわめつけは、美喜の友達に対して「あなたと一緒にいると美喜が駄目になるから二度と顔を合わせないで頂戴」と言い放って、美喜の友達の親御さんを怒らせて話し合いにまでなってしまった事がある。
 だから、そんな実家に美喜が一人で、ましてや泊まりに行くなんて。

 「たまには、私の親にも顔を見せてあげたいと思ったんだって」

 「そうなのか」

 美喜がそう言っているならいいのだが。後でこっそり美喜に連絡を取る事にした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

はずれのわたしで、ごめんなさい。

ふまさ
恋愛
 姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。  婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。  こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。  そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

アリーチェ・オランジュ夫人の幸せな政略結婚

里見しおん
恋愛
「私のジーナにした仕打ち、許し難い! 婚約破棄だ!」  なーんて抜かしやがった婚約者様と、本日結婚しました。  アリーチェ・オランジュ夫人の結婚生活のお話。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

王太子の愚行

よーこ
恋愛
学園に入学してきたばかりの男爵令嬢がいる。 彼女は何人もの高位貴族子息たちを誑かし、手玉にとっているという。 婚約者を男爵令嬢に奪われた伯爵令嬢から相談を受けた公爵令嬢アリアンヌは、このまま放ってはおけないと自分の婚約者である王太子に男爵令嬢のことを相談することにした。 さて、男爵令嬢をどうするか。 王太子の判断は?

不倫するクズ夫の末路 ~日本で許されるあらゆる手段を用いて後悔させる。全力で謝ってくるがもう遅い~

ネコ
恋愛
結婚してもうじき10年というある日、夫に不倫が発覚した。 夫は不倫をあっさり認め、「裁判でも何でも好きにしろよ」と開き直る。 どうやらこの男、分かっていないようだ。 お金を払ったら許されるという浅はかな誤解。 それを正し、後悔させ、絶望させて、破滅させる必要がある。 私は法律・不動産・経営・その他、あらゆる知識を総動員して、夫を破滅に追い込む。 夫が徐々にやつれ、痩せ細り、医者から健康状態を心配されようと関係ない。 これは、一切の慈悲なく延々と夫をぶっ潰しにかかる女の物語。 最初は調子に乗って反撃を試みる夫も、最後には抵抗を諦める。 それでも私は攻撃の手を緩めず、周囲がドン引きしようと関係ない。 現代日本で不倫がどれほどの行為なのか、その身をもって思い知れ!

処理中です...