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第三章 許婚

-part42-婚約者は変態?

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 教室に入ると、ガサガサとしている人がいた。

 「はぁはぁはぁ。晴人の匂いがするぅぅ!!」

 「何してるの?咲良さん」

 「・・・・・別に何もしてませんけど」

 「いや、見てたんだけど」

 咲良さんは、晴人の席に自身の頬を擦り付けていた。
 なんというか。腹黒じゃなくて、変態じゃないか?

 「・・・チっ」
 
 舌打ちした?!

 「なんだよ。私が晴人の席で頬っぺたスリスリした駄目なのかよ」

 いつものオドオドした口調の咲良さんではなかった。

 「そもそも、なんでなんだよ。私がせっかく色々と手を回して、晴人との婚約までこぎつけたのに。なんで、私じゃなくて、男のお前が晴人に選ばれるんだよ」

 床をバンバンと蹴って怒る、咲良さん。 

 「べ、別に好きで、今の状況になった訳じゃない。俺だって晴人から離れたいと思ってる」

 自分の意志ではなかった。晴人が勝手に俺に付きまとってくるんだ。
 だから・・・。
 
 「私をなめてるのか?お前」

 「はい?」

 何故、なめているのかと聞かれたのか分からなかった。
 
 「おい。聞いてるのか?」

 ドン!
 
 咲良さんから、壁ドンを受けた。

 「よく聞け。お前が本当に晴人から、離れたいと思ってるなら、もっと何でも出来たはずだ。イメチェンするだけではなく、例えば引っ越すとか、晴人と口を絶対に聞かないとか。なのに「離れたいと思ってる」なんて本気で思ってない事を言われて、私はなめられているとしか感じない」

 「・・・・・・」

 「都合が悪くなったら、だんまりかよ」

 「何してるんだい?」

 芽里さんが現れて、咲良さんの腕を掴み、俺から引き離した。
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