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第三章 許婚

-part41-壁ドン

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 「私をなめてるのか?お前」
 
 放課後の教室。

 「おい。聞いてるか?」

 ドン!

 俺は、今、咲良さんから壁ドン受けている。
 この壁ドンには、一切の好意はない。あるのは敵意だけだろ。その証拠に明らかに殺意の目がこちらに向けられていた。
    *    *    *    *
 数時間前。
 
 「祐翔。悪い、今日は一緒に帰れない。父に呼び出されたんだ」

 「あぁ。そうなのか」

 別に晴人と帰りたいから、いつも一緒に帰っている訳ではない。勝手に晴人が俺の元へと来ている。ただ、それだけ。
 
 「だから、芽里。お前がしっかり、家まで祐翔を見送れよ」

 何故、そうなるのだ?
 俺は小学生か?

 「委員会があるから。祐翔、委員会が終わるまで、教室で待ってられる?」
 
 だから、俺は小学生なのか?!
 当然、芽里さんの委員会を待つなどせずに、俺は帰宅した。

 帰宅後。
 部屋で課題をしようと思い鞄を漁っていた。

 俺はグレた。だが、進学はするつもりだ。
 留年した方が、よりツッパリになれるかもしれないが、世間体もあるし、流石に一つ下の後輩と一緒の教室で学ぶなんてのは、嫌だ。
 ・・・そんな事を気にしている時点で、ツッパリとして、まだまだなんだろうな。

 「あれ?課題がない」

 鞄に入れ忘れたのか、いくら鞄を漁ろうとも課題は見つからなかった。

 「はぁ。教室かな」

 仕方なく、俺は本日二度目の学校へ。
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