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平安☆セブン!!
平安☆セブン!!
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「あら、これ美味しい……」
いつものようにいつもの承香殿の東の廂……ではなく、弘徽殿の西の廂。そこでオレの持参したお菓子を頬張った彩子が言った。
「これも、兄さまが考えたものなの?」
「まあ、な。思いつきで作ったんだが、お口に合ったのなら何より何より」
行き当たりばったり、思いついままに作った菓子。
砕いた胡桃を蜂蜜で固めたもの。
こっちの世界、甘味って言ったら甘葛と蜂蜜しかない。砂糖がない。
なので、作れるお菓子のレパートリーが少ない。というか、オレもそんなにレパートリーを持ってない。前世でお菓子なんて作ったことないし。
兄妹の語らいの場が弘徽殿の西の廂に変更になったのは、彩子のお仕えする女御が中宮になったから。弘徽殿は中宮、帝の正妻(?)が暮らす場所。
なんとあの事件の直後、帝は愛する女御さまを内裏に呼び戻したんだ。それも、中宮として。
驚天動地の大事件だったよ。
麗景殿の女御を殺したって噂されてた女御が、永遠に里下がりさせられそうだった女御が「中宮!!」だぜ?
それもさ。戻ってきた途端、「ご懐妊!!」って報も入るし。
どうやら、あの〝雑色、隼男〟さまは、里下がりしてた中宮のもとにセッセとお通いあそばしてたみたいで。戻ってくるなり妊娠発覚。
いやあ、なにがどこでどうなるか。わかったもんじゃありませんなあ。
来年の春には出産ということで、その後見人になる雅顕は、年の初めの除目でその位を引き上げられるであろうって、もっぱらの噂。
本当なら、お産は穢れだから、すぐにでも中宮は実家にUターンなんだけど、そこはあの帝だし? 「長く離れていたのに、これ以上別れるのは我慢ならん」ということで、もうしばらくは内裏に住まうことになった。なんというのか、破天荒、常識破りな帝だよ。
ということで、彩子もここ、弘徽殿にいる。後数ヶ月もしたら、中宮に従って雅顕の屋敷に行くのかもしれないけど、今はここでオレの作った菓子を食ってる。
「ねえ、兄さま。少し訊いてもいいかしら?」
「おう。なんだ。なんでも訊け」
「兄さまって、蓮の花の上に生まれ変わりそこねたの?」
「へ? なんだそりゃ」
蓮の花? なんでそんな不安定な上に生まれ変わらにゃいかんのだ?
「ほら、よく言うじゃない。人は死んだら極楽で、蓮の花の上に生まれ変わるって」
「あー、それか」
「あの少将との会話で、なんとなく思ったんだけど。兄さまと少将って、他の六道のどこかで死んで、こちらの世界に生まれ変わったの? 極楽に生まれそびれたの? 御仏に、もう一回修行し直してこいって送り返されたの?」
なんか、扱いヒドくないか?
「少将の場合は知らねえけど。オレは、あっちで大学の帰りに雷に打たれてこっちに来たんだ」
「大学? 兄さま、大学寮で学ぶ学生だったの?」
「……まあ、そんなもんだ。文学とか史学を中心に習ってた」
そんなに真面目に習ってなかったけど。あの日だって、普通に「レポートダリィ」とか「腹減った。ラーメン食いてえ」とか思って自転車漕いでただけだし。大学だって、偏差値と家からの距離を鑑みて選んだだけだし。
「雷に打たれて、死んだのかどうかはわからない。気づいたら、鳴海の里で暮らしてた〝真魚〟という子どもの中にいた。オレが真魚に憑依したんだよ」
〝成海〟って名前は、オレを引き取った親父どのが名付けたもの。前世の名前でもなければ、この体の本当の名前でもない。
「じゃあ、その真魚って子どもは?」
「わからん。もしかすると、あっちの世界で抜け殻になったオレの体に憑依してるのかもしれねえし、オレが入ったことで死んだのかもしれない。どうなったのか、確かめようがないからな」
あっちの世界で、オレの体、落雷で感電死してなければいい。真魚の魂が入り込んでくれていれば、残った家族が悲しむことはないだろう。いきなりの中身幼児化に驚くだろうけど。
「中身が入れ替わっちまったんだから、性格も喋り方も何もかもが違う。真魚の両親はオレを嫌ったよ。この子は真魚じゃない。真魚を、息子を返せってね」
嫌うだけならいい。存在すら認めてもらえず、メシも服も居場所すら与えてくれなかった。あっちの世界の知恵を使うたびに、両親はオレを恐れた。オレを殺せば真魚が戻ってくる。そんな考えに取り憑かれた母親に、首を絞められたこともある。
「そんな時だったんだ。親父どのがオレを引き取ってくれたのは」
オレの知恵が欲しい。
それでもよかった。
知恵を与えることで、存在を許してもらえるなら。
望んで憑依、転生したわけじゃないのに、理不尽にくびり殺されそうになる現実から逃れることができるなら。
そう思ってたのに。
親父どのや、北の方さまから与えられたのは、限りない愛情だった。
親父どのは、多少はオレの知恵を使うけど、それはあくまで尾張を良くするためであって、それ以上は求めようとしなかった。北の方さまも、オレを本当の息子のように接してくださって、彩子と分け隔てることなく愛情を注いでくださった。
そんな二人の子だから。だから彩子のためと、今まで頑張ってきたんだが。
「気持ち悪いか? こんなのが兄ちゃんで」
得体のしれない憑依者。
この世界の人間からしてみれば、鬼や怨霊と同じ。不気味な生霊。
「お前が嫌なら、もうここを訪れねぇけ――ヘブッ」
「なにバカなこと言ってるのよ兄さま」
彩子の両手がべシンとオレの頬をビンタ。そのまま押しつぶす。
「わたしが、いったい何年兄さまの妹をやってると思ってるの? 兄さまが転生者? 真魚って子どもに憑依した? だから何? そんなぐらいで兄妹やめるとでも?」
「しょんなこひょ、ひっひゃふぇにゃあ~」
「うるさい。それ以上文句を言うなら、この口押しつぶすわよ」
「ひゃい……」
押しつぶされたくないです。
「わたしが訊きたかったのはそういう言葉じゃないの。兄さまが抱えてる事情。少しぐらい分けてくれたっていいじゃないって思ったからなの。悩んでるなら一緒に悩む。困ってるのなら、一緒に解決策を探す。それが、兄妹ってもんでしょ?」
「彩子……」
オレの頬から手を離した彩子。ニッコリ笑ったその顔がとても眩しく感じられる。――日ざしのせいか?
「まったく、兄さまは、どうしてそういう後ろ向きな考えばっかりするのかしら」
彩子が深々とため息を吐く。
「こんなんだから、わたしがついてなきゃいけないのよねえ」
こら待て。お目付け役、お守りをさせられてるのはオレの方だぞ?
「いーい、兄さま。これから、中宮さまはお子をご出産なさるし、なにかと大変なの。内裏だって色々異動があったりで忙しいんだから、変なこと考える暇があったら、そのたいして役にも立たない知恵を振り絞って、しっかり働きなさい」
「へい」
ってかなんで、オレが説教受ける立場なんだ?
「この先も、中宮さまと帝がお幸せに暮らせるように手を尽くすの。お二人の幸せをお守りして、都の平安を守るのよ」
「なんだそりゃ」
「守る」「守る」って。まるで戦隊ヒーロー。
都の平和はオレたちが守る――ってか?
となると、熱血レッドは史人だな。変わり者イエローは晴継。寡黙なブラックは忠高。彩子は女の子だから紅一点のピンク。チャラそうで実は情に厚い雅顕はグリーンか。帝というか雑色・隼男は司令塔ホワイト。となると、オレって……。
「――ブルー?」
麹塵色だし。
クールで知的かどうかは知らねえけど、余ってるポジションはそこしかない。
ブルー。ブルーか。麹塵色、カビ色だけど、「ブルー」と言われると悪い気はしない。
「なにブツブツ言ってるの、兄さま」
「いや、なんでもない」
軽く目を閉じる。
「仕方ねえ。彩子があまりに役に立たなさ過ぎて、お役御免になるまでここに居てやるよ」
「ヒドい!! これでもわたし、中宮さまに気に入られてるんだからね!!」
プンスカ。
彩子が頬を膨らます。
「どうだかなあ。お前が飽きられるまで、それまで何度でも鷁退して蔵人として居残ってやるよ」
彩子がいる限り。
オレはここで蔵人ブルーを勤める。
「でないと、彩子が何かしでかさないか心配で、オレの胃がねじ切れちまうからな」
いつものようにいつもの承香殿の東の廂……ではなく、弘徽殿の西の廂。そこでオレの持参したお菓子を頬張った彩子が言った。
「これも、兄さまが考えたものなの?」
「まあ、な。思いつきで作ったんだが、お口に合ったのなら何より何より」
行き当たりばったり、思いついままに作った菓子。
砕いた胡桃を蜂蜜で固めたもの。
こっちの世界、甘味って言ったら甘葛と蜂蜜しかない。砂糖がない。
なので、作れるお菓子のレパートリーが少ない。というか、オレもそんなにレパートリーを持ってない。前世でお菓子なんて作ったことないし。
兄妹の語らいの場が弘徽殿の西の廂に変更になったのは、彩子のお仕えする女御が中宮になったから。弘徽殿は中宮、帝の正妻(?)が暮らす場所。
なんとあの事件の直後、帝は愛する女御さまを内裏に呼び戻したんだ。それも、中宮として。
驚天動地の大事件だったよ。
麗景殿の女御を殺したって噂されてた女御が、永遠に里下がりさせられそうだった女御が「中宮!!」だぜ?
それもさ。戻ってきた途端、「ご懐妊!!」って報も入るし。
どうやら、あの〝雑色、隼男〟さまは、里下がりしてた中宮のもとにセッセとお通いあそばしてたみたいで。戻ってくるなり妊娠発覚。
いやあ、なにがどこでどうなるか。わかったもんじゃありませんなあ。
来年の春には出産ということで、その後見人になる雅顕は、年の初めの除目でその位を引き上げられるであろうって、もっぱらの噂。
本当なら、お産は穢れだから、すぐにでも中宮は実家にUターンなんだけど、そこはあの帝だし? 「長く離れていたのに、これ以上別れるのは我慢ならん」ということで、もうしばらくは内裏に住まうことになった。なんというのか、破天荒、常識破りな帝だよ。
ということで、彩子もここ、弘徽殿にいる。後数ヶ月もしたら、中宮に従って雅顕の屋敷に行くのかもしれないけど、今はここでオレの作った菓子を食ってる。
「ねえ、兄さま。少し訊いてもいいかしら?」
「おう。なんだ。なんでも訊け」
「兄さまって、蓮の花の上に生まれ変わりそこねたの?」
「へ? なんだそりゃ」
蓮の花? なんでそんな不安定な上に生まれ変わらにゃいかんのだ?
「ほら、よく言うじゃない。人は死んだら極楽で、蓮の花の上に生まれ変わるって」
「あー、それか」
「あの少将との会話で、なんとなく思ったんだけど。兄さまと少将って、他の六道のどこかで死んで、こちらの世界に生まれ変わったの? 極楽に生まれそびれたの? 御仏に、もう一回修行し直してこいって送り返されたの?」
なんか、扱いヒドくないか?
「少将の場合は知らねえけど。オレは、あっちで大学の帰りに雷に打たれてこっちに来たんだ」
「大学? 兄さま、大学寮で学ぶ学生だったの?」
「……まあ、そんなもんだ。文学とか史学を中心に習ってた」
そんなに真面目に習ってなかったけど。あの日だって、普通に「レポートダリィ」とか「腹減った。ラーメン食いてえ」とか思って自転車漕いでただけだし。大学だって、偏差値と家からの距離を鑑みて選んだだけだし。
「雷に打たれて、死んだのかどうかはわからない。気づいたら、鳴海の里で暮らしてた〝真魚〟という子どもの中にいた。オレが真魚に憑依したんだよ」
〝成海〟って名前は、オレを引き取った親父どのが名付けたもの。前世の名前でもなければ、この体の本当の名前でもない。
「じゃあ、その真魚って子どもは?」
「わからん。もしかすると、あっちの世界で抜け殻になったオレの体に憑依してるのかもしれねえし、オレが入ったことで死んだのかもしれない。どうなったのか、確かめようがないからな」
あっちの世界で、オレの体、落雷で感電死してなければいい。真魚の魂が入り込んでくれていれば、残った家族が悲しむことはないだろう。いきなりの中身幼児化に驚くだろうけど。
「中身が入れ替わっちまったんだから、性格も喋り方も何もかもが違う。真魚の両親はオレを嫌ったよ。この子は真魚じゃない。真魚を、息子を返せってね」
嫌うだけならいい。存在すら認めてもらえず、メシも服も居場所すら与えてくれなかった。あっちの世界の知恵を使うたびに、両親はオレを恐れた。オレを殺せば真魚が戻ってくる。そんな考えに取り憑かれた母親に、首を絞められたこともある。
「そんな時だったんだ。親父どのがオレを引き取ってくれたのは」
オレの知恵が欲しい。
それでもよかった。
知恵を与えることで、存在を許してもらえるなら。
望んで憑依、転生したわけじゃないのに、理不尽にくびり殺されそうになる現実から逃れることができるなら。
そう思ってたのに。
親父どのや、北の方さまから与えられたのは、限りない愛情だった。
親父どのは、多少はオレの知恵を使うけど、それはあくまで尾張を良くするためであって、それ以上は求めようとしなかった。北の方さまも、オレを本当の息子のように接してくださって、彩子と分け隔てることなく愛情を注いでくださった。
そんな二人の子だから。だから彩子のためと、今まで頑張ってきたんだが。
「気持ち悪いか? こんなのが兄ちゃんで」
得体のしれない憑依者。
この世界の人間からしてみれば、鬼や怨霊と同じ。不気味な生霊。
「お前が嫌なら、もうここを訪れねぇけ――ヘブッ」
「なにバカなこと言ってるのよ兄さま」
彩子の両手がべシンとオレの頬をビンタ。そのまま押しつぶす。
「わたしが、いったい何年兄さまの妹をやってると思ってるの? 兄さまが転生者? 真魚って子どもに憑依した? だから何? そんなぐらいで兄妹やめるとでも?」
「しょんなこひょ、ひっひゃふぇにゃあ~」
「うるさい。それ以上文句を言うなら、この口押しつぶすわよ」
「ひゃい……」
押しつぶされたくないです。
「わたしが訊きたかったのはそういう言葉じゃないの。兄さまが抱えてる事情。少しぐらい分けてくれたっていいじゃないって思ったからなの。悩んでるなら一緒に悩む。困ってるのなら、一緒に解決策を探す。それが、兄妹ってもんでしょ?」
「彩子……」
オレの頬から手を離した彩子。ニッコリ笑ったその顔がとても眩しく感じられる。――日ざしのせいか?
「まったく、兄さまは、どうしてそういう後ろ向きな考えばっかりするのかしら」
彩子が深々とため息を吐く。
「こんなんだから、わたしがついてなきゃいけないのよねえ」
こら待て。お目付け役、お守りをさせられてるのはオレの方だぞ?
「いーい、兄さま。これから、中宮さまはお子をご出産なさるし、なにかと大変なの。内裏だって色々異動があったりで忙しいんだから、変なこと考える暇があったら、そのたいして役にも立たない知恵を振り絞って、しっかり働きなさい」
「へい」
ってかなんで、オレが説教受ける立場なんだ?
「この先も、中宮さまと帝がお幸せに暮らせるように手を尽くすの。お二人の幸せをお守りして、都の平安を守るのよ」
「なんだそりゃ」
「守る」「守る」って。まるで戦隊ヒーロー。
都の平和はオレたちが守る――ってか?
となると、熱血レッドは史人だな。変わり者イエローは晴継。寡黙なブラックは忠高。彩子は女の子だから紅一点のピンク。チャラそうで実は情に厚い雅顕はグリーンか。帝というか雑色・隼男は司令塔ホワイト。となると、オレって……。
「――ブルー?」
麹塵色だし。
クールで知的かどうかは知らねえけど、余ってるポジションはそこしかない。
ブルー。ブルーか。麹塵色、カビ色だけど、「ブルー」と言われると悪い気はしない。
「なにブツブツ言ってるの、兄さま」
「いや、なんでもない」
軽く目を閉じる。
「仕方ねえ。彩子があまりに役に立たなさ過ぎて、お役御免になるまでここに居てやるよ」
「ヒドい!! これでもわたし、中宮さまに気に入られてるんだからね!!」
プンスカ。
彩子が頬を膨らます。
「どうだかなあ。お前が飽きられるまで、それまで何度でも鷁退して蔵人として居残ってやるよ」
彩子がいる限り。
オレはここで蔵人ブルーを勤める。
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