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四、モノグサ蔵人捕物帖
(一)
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都には市が立つ。
東市と西市。
月の初めから中頃までは東市、後半は西市が開かれる。
だけど、西市は右京の湿地に近いこともあって、あまり活気がない。というか、そんなヌチョヌチョジメジメしたところでの市は難しいのか、オレが都に来た時には、西市は形骸化していて、東市が年がら年中開かれてる。そんなかんじだった。(それでも一応、西市はある)
市には、さまざまな文物、食べ物、なんだこれな物が並ぶ。
墨とか紙とか、仏像とか、地方からもたらされた食い物ならわかるんだけど、牛車の長柄一本だけとか、バラけた檜扇の板一橋だけってのを見た時には、「これ、買う人いるのか?」と本気で心配になった。(長柄は二本なければ意味がないし、檜扇は八橋そろってやっと扇になる)
舞や不思議な技を見せる俳優なんかも場を賑わせ、市の端っこに行けば、牛馬なんかも売られ、なんなら、春を売る女もいる。
当然、盗人、物乞い、浮浪児なんかもいるわけで。
ジーッと注がれる視線。
ジーッと、ジーッと。オレの一挙手一投足、そして、オレが手を伸ばすその先へも視線は注がれ続ける。それも複数。
虎視眈々と狙われてる――のならまだマシ。警戒と反発心が生まれるから。
けど、ただのジーッとは正直堪える。そこに、グゥゥ~なんて腹の虫の音までついたら、もう。
「――お前ら、腹減ってんのか?」
彩子のため、買い求めに来た瓜に伸ばした手を引っ込め、背を伸ばす。店の前、物色していたオレの脇に立っていた浮浪児数人。オレや店からかっぱらおうとしているのなら警戒するんだけど、そこに居たのは口をポカンと開けてたり、指を咥えてるだけの、薄汚く小さい子供だけだった。「いいなあ」「腹減ったなあ」ってのは伝わってくるんだけど、それを奪おうなんて気概は感じられない。
オレの問いかけにも、「あー」と呻くような気の抜けた返事をしただけ。中には、ウンと頷いただけのもいる。
「オレの家の掃除をしてくれたら、メシぐらい食わせてやるが、どうだ?」
「坊っちゃん!!」
売り物を盗まれたらたまらんと、警戒心丸出しだった店主が叫んだ。
「こんな奴らを屋敷に入れたら、ロクなことになりませんぜ」
一応の親切心だろう。だけど。
「オレんち、そんな大層なもん置いてねえから。盗まれるようなものはないよ」
というか、ガッリガリに痩せてるのに、店先のものに手を伸ばそうとしないコイツらが、オレの家で盗みを働くとは思えない。
「ま、盗まれたらオレの不徳ってことで。来世のために少しだけ善行を積んでおきたいんだよ」
「まったく、どうなっても知りませんぜ」
忠告に感謝して、瓜を一つ購入。金を受け取った店主が、大きく息を吐き出して――。
「なら、このお代の釣りも、善行ってことで、あっしにくれるってことは……」
「ない」
お釣り返せ。
瓜を片手に市を離れる。お供はゾロゾロ浮浪児たち……ってあれ? なんか増えてる?
多分、「コイツについて行くといいことがある」って気づいたヤツがいたんだろう。二、三人だったはずの浮浪児が、いつの間にか七人ほどに増えていた。中には、赤子を抱いた女の子もいて、掃除とかとてもじゃないけどできないだろって幼子もいる。
まあ、いいかあ。
屋敷の留守居役から色々お小言くらいそうだけど。
「キャーッ!!」
突然、人混みの中から女性の叫び声が響いた。
「盗人ー!! 誰かっ、誰か、捕まえてー!!」
声のした方から自然と人混みが割れていく。その中から走り出てきたのは痩せた薄汚い男。抱えているのは赤い布に包まれた何か。人混みの奥、男の後ろには、地面に倒れた中年の女。あの包みは女のもので、男はそれを奪った盗人。
「どけっ!!」
盗人が、オレの連れてた浮浪児の最後尾、赤子を抱いた女の子にぶつかって、跳ね飛ばす。赤子をかばいながら転んだ女の子。そして――。
「ヨッ」
そのままこちらに走ってきた盗人に向けてヒョイっと足を出す。足首にガツッとぶつかった衝撃。
ズザッと、派手に砂埃を立てて盗人が地面に転がる。
「なにしやがっ……、グギャッ」
「――お返しだ、コノヤロ」
男の背中をこれでもかと踏みにじってやる。そしてそのまま、腕を後ろに引っ張り上げ、全体重をかけた膝で背中を押さえつけ、制圧完了。
「おい、お前ら。その荷物をあのオバちゃんに渡してきてやれ」
近くに突っ立っていた浮浪児に声をかける。
地面に転がった赤い包み。
軽く頷いた浮浪児の一人が、それを転んだままのオバちゃんに持っていった。
「おっ、来たみたいだな」
人混みをかき分けやって来た人物。
市にはそれを監督する市司がいる。東市なら左京職、西市なら右京職の配下。基本は度量衡の監視、物価の調整を行うのが仕事だが、こういった犯罪の取り締まりも行う。
だから、やって来たのはその市司か、その配下の武士かと思ったんだが。
「――検非違使?」
深縹色の水干、括袴に脛巾、そして派手な菊綴つき。どこからどう見ても市司ではなく、都の警固を請け負う検非違使。多分、彩子と同じぐらいの年格好。若い検非違使。
「お、兄ちゃん、捕り物協力ありがとな」
その検非違使が、二カッと笑った。
* * * *
その検非違使は、坂上史人と名乗った。やはり、オレの推察通り、歳は彩子と同じ十七なのだという。
「いやあ、最初は、浮浪児を引き連れてく怪しい男がいるって聞いてさ。それで駆けつけたんだけどよ」
浮浪児を引き連れてく怪しい男って、――オレのことか?
「まさか、アンタが盗人を捕まえてくれるなんてなあ」
ハッハッハッと笑う検非違使。
盗人はコイツの手で検非違使の詰め所に連行され、オレたちも軽く聴取だけ受けた。けど。
(コイツ、オレを捕まえる気満々だったんだよな)
話せばわかってくれたかもしれないが、それでも面倒なことにならずによかった。
「で、兄ちゃんはコイツら連れてどこに行くつもりだったんだよ」
転んだ女の子を背負ってくれた史人。
「オレん家だよ。腹空かせてるみたいだったから、家の掃除を手伝ってくれたらメシをやるって約束したんだ」
答えるオレも女の子が連れてた赤子を抱く。女の子は大したケガをしたわけじゃないけど、それでも歩くのは大変そうだったからそうした。
史人と二人、浮浪児を連れて家路を歩く。
「ふうん。店で買って、そのまま恵んでやるんじゃないんだな」
「それはしない。メシは労働の対価だ」
「可哀想に」で買った瓜を与えたりすると、ああやって買い物客を見ていたら哀れんでもらえると勘違いしてしまう。働いた、労働の対価にメシをもらう。何もしないで物をもらうことを覚えたらロクなものにならない。最悪、あの男のように盗んで物を得ることを覚えてしまう。
「なあ、兄ちゃんよ。アンタ、とんでもない〝坊っちゃん〟だったんだな」
家の門にたどり着いた途端、史人がアングリと口を開けた。
門の前には警固の武士。
門の中からは数人の下人。
「〝オレん家〟なんて言うからよ。もっとその……。すまねえ、坊っちゃん!!」
女の子を背負ったまま史人が頭を下げる。
「気にすんなって」
これはあくまで親父どのの屋敷だし。オレ、〝坊っちゃん〟って柄じゃないし。
「それより、どうだ。お前も一緒になんか食ってくか?」
「え? いや、俺は……」
「食ってけよ。ここまでその子を背負ってきてくれた礼だ」
労働にはそれにふさわしいだけの対価を。
「後で、この子らを家に送り届けてやってほしいしな」
「わかった。そういうことなら。俺、ちょうど腹減ってたんだ」
史人が、二カッと笑って自分の腹をさする。
東市と西市。
月の初めから中頃までは東市、後半は西市が開かれる。
だけど、西市は右京の湿地に近いこともあって、あまり活気がない。というか、そんなヌチョヌチョジメジメしたところでの市は難しいのか、オレが都に来た時には、西市は形骸化していて、東市が年がら年中開かれてる。そんなかんじだった。(それでも一応、西市はある)
市には、さまざまな文物、食べ物、なんだこれな物が並ぶ。
墨とか紙とか、仏像とか、地方からもたらされた食い物ならわかるんだけど、牛車の長柄一本だけとか、バラけた檜扇の板一橋だけってのを見た時には、「これ、買う人いるのか?」と本気で心配になった。(長柄は二本なければ意味がないし、檜扇は八橋そろってやっと扇になる)
舞や不思議な技を見せる俳優なんかも場を賑わせ、市の端っこに行けば、牛馬なんかも売られ、なんなら、春を売る女もいる。
当然、盗人、物乞い、浮浪児なんかもいるわけで。
ジーッと注がれる視線。
ジーッと、ジーッと。オレの一挙手一投足、そして、オレが手を伸ばすその先へも視線は注がれ続ける。それも複数。
虎視眈々と狙われてる――のならまだマシ。警戒と反発心が生まれるから。
けど、ただのジーッとは正直堪える。そこに、グゥゥ~なんて腹の虫の音までついたら、もう。
「――お前ら、腹減ってんのか?」
彩子のため、買い求めに来た瓜に伸ばした手を引っ込め、背を伸ばす。店の前、物色していたオレの脇に立っていた浮浪児数人。オレや店からかっぱらおうとしているのなら警戒するんだけど、そこに居たのは口をポカンと開けてたり、指を咥えてるだけの、薄汚く小さい子供だけだった。「いいなあ」「腹減ったなあ」ってのは伝わってくるんだけど、それを奪おうなんて気概は感じられない。
オレの問いかけにも、「あー」と呻くような気の抜けた返事をしただけ。中には、ウンと頷いただけのもいる。
「オレの家の掃除をしてくれたら、メシぐらい食わせてやるが、どうだ?」
「坊っちゃん!!」
売り物を盗まれたらたまらんと、警戒心丸出しだった店主が叫んだ。
「こんな奴らを屋敷に入れたら、ロクなことになりませんぜ」
一応の親切心だろう。だけど。
「オレんち、そんな大層なもん置いてねえから。盗まれるようなものはないよ」
というか、ガッリガリに痩せてるのに、店先のものに手を伸ばそうとしないコイツらが、オレの家で盗みを働くとは思えない。
「ま、盗まれたらオレの不徳ってことで。来世のために少しだけ善行を積んでおきたいんだよ」
「まったく、どうなっても知りませんぜ」
忠告に感謝して、瓜を一つ購入。金を受け取った店主が、大きく息を吐き出して――。
「なら、このお代の釣りも、善行ってことで、あっしにくれるってことは……」
「ない」
お釣り返せ。
瓜を片手に市を離れる。お供はゾロゾロ浮浪児たち……ってあれ? なんか増えてる?
多分、「コイツについて行くといいことがある」って気づいたヤツがいたんだろう。二、三人だったはずの浮浪児が、いつの間にか七人ほどに増えていた。中には、赤子を抱いた女の子もいて、掃除とかとてもじゃないけどできないだろって幼子もいる。
まあ、いいかあ。
屋敷の留守居役から色々お小言くらいそうだけど。
「キャーッ!!」
突然、人混みの中から女性の叫び声が響いた。
「盗人ー!! 誰かっ、誰か、捕まえてー!!」
声のした方から自然と人混みが割れていく。その中から走り出てきたのは痩せた薄汚い男。抱えているのは赤い布に包まれた何か。人混みの奥、男の後ろには、地面に倒れた中年の女。あの包みは女のもので、男はそれを奪った盗人。
「どけっ!!」
盗人が、オレの連れてた浮浪児の最後尾、赤子を抱いた女の子にぶつかって、跳ね飛ばす。赤子をかばいながら転んだ女の子。そして――。
「ヨッ」
そのままこちらに走ってきた盗人に向けてヒョイっと足を出す。足首にガツッとぶつかった衝撃。
ズザッと、派手に砂埃を立てて盗人が地面に転がる。
「なにしやがっ……、グギャッ」
「――お返しだ、コノヤロ」
男の背中をこれでもかと踏みにじってやる。そしてそのまま、腕を後ろに引っ張り上げ、全体重をかけた膝で背中を押さえつけ、制圧完了。
「おい、お前ら。その荷物をあのオバちゃんに渡してきてやれ」
近くに突っ立っていた浮浪児に声をかける。
地面に転がった赤い包み。
軽く頷いた浮浪児の一人が、それを転んだままのオバちゃんに持っていった。
「おっ、来たみたいだな」
人混みをかき分けやって来た人物。
市にはそれを監督する市司がいる。東市なら左京職、西市なら右京職の配下。基本は度量衡の監視、物価の調整を行うのが仕事だが、こういった犯罪の取り締まりも行う。
だから、やって来たのはその市司か、その配下の武士かと思ったんだが。
「――検非違使?」
深縹色の水干、括袴に脛巾、そして派手な菊綴つき。どこからどう見ても市司ではなく、都の警固を請け負う検非違使。多分、彩子と同じぐらいの年格好。若い検非違使。
「お、兄ちゃん、捕り物協力ありがとな」
その検非違使が、二カッと笑った。
* * * *
その検非違使は、坂上史人と名乗った。やはり、オレの推察通り、歳は彩子と同じ十七なのだという。
「いやあ、最初は、浮浪児を引き連れてく怪しい男がいるって聞いてさ。それで駆けつけたんだけどよ」
浮浪児を引き連れてく怪しい男って、――オレのことか?
「まさか、アンタが盗人を捕まえてくれるなんてなあ」
ハッハッハッと笑う検非違使。
盗人はコイツの手で検非違使の詰め所に連行され、オレたちも軽く聴取だけ受けた。けど。
(コイツ、オレを捕まえる気満々だったんだよな)
話せばわかってくれたかもしれないが、それでも面倒なことにならずによかった。
「で、兄ちゃんはコイツら連れてどこに行くつもりだったんだよ」
転んだ女の子を背負ってくれた史人。
「オレん家だよ。腹空かせてるみたいだったから、家の掃除を手伝ってくれたらメシをやるって約束したんだ」
答えるオレも女の子が連れてた赤子を抱く。女の子は大したケガをしたわけじゃないけど、それでも歩くのは大変そうだったからそうした。
史人と二人、浮浪児を連れて家路を歩く。
「ふうん。店で買って、そのまま恵んでやるんじゃないんだな」
「それはしない。メシは労働の対価だ」
「可哀想に」で買った瓜を与えたりすると、ああやって買い物客を見ていたら哀れんでもらえると勘違いしてしまう。働いた、労働の対価にメシをもらう。何もしないで物をもらうことを覚えたらロクなものにならない。最悪、あの男のように盗んで物を得ることを覚えてしまう。
「なあ、兄ちゃんよ。アンタ、とんでもない〝坊っちゃん〟だったんだな」
家の門にたどり着いた途端、史人がアングリと口を開けた。
門の前には警固の武士。
門の中からは数人の下人。
「〝オレん家〟なんて言うからよ。もっとその……。すまねえ、坊っちゃん!!」
女の子を背負ったまま史人が頭を下げる。
「気にすんなって」
これはあくまで親父どのの屋敷だし。オレ、〝坊っちゃん〟って柄じゃないし。
「それより、どうだ。お前も一緒になんか食ってくか?」
「え? いや、俺は……」
「食ってけよ。ここまでその子を背負ってきてくれた礼だ」
労働にはそれにふさわしいだけの対価を。
「後で、この子らを家に送り届けてやってほしいしな」
「わかった。そういうことなら。俺、ちょうど腹減ってたんだ」
史人が、二カッと笑って自分の腹をさする。
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