このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。

若松だんご

文字の大きさ
上 下
4 / 23
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。

第4話 花束には、愛を込めて。

しおりを挟む
 切れ味のいい、清潔なハサミを用意する。それから、広めの器に入れた水に花の茎を浸し、元あった切り口より指の第一関節分ぐらい上で斜めに切る。バラやアジサイなどは、切り口から白い綿のようなものが見えるので、それを取り除く。切り口から白い樹液が出る花もあるので、その場合はキレイに取り除き、水を吸い上げやすいようにしてあげる。
枝ものは、縦に切り込みを入れて水に接する面を増やすと水をよく吸収するようになる。
水に葉っぱが浸かっていると傷みやすいので、下の方の葉っぱは取り除いておく。
 ラナンキュラスやチューリップなどの球根植物は、水が濁りやすいので、こまめに水を変えるようにする。水位も、他の植物より少な目で。
 どれだけ気をつけていても、飾って数日もすれば花に元気がなくなる。
 切り戻して元気を取り戻すことはできるけど、それでもやはり限界があって。最初は大きめの花瓶で楽しめた花も、最後は首にちょっとだけ茎がついてるだけになったりする。そうなったら、小さなカップのような器に浮かべればいいし、バラのような香りのいい花なら、ポプリにしてもいい。
 いずれにしたって、花は最後まで楽しめるし、キチンとお世話すれば、長く咲き誇ってくれる。
 
 「ところで。エディルとはうまくいってる?」

 「え!? は!? ええっ!?」

 花の手入れをしていたわたしにかかった、王妃さまの言葉。
 
 「エディルったら、『同居いたしましたー』って報告はしてくれたけど、それ以上は何にも話してくれなくって」

 「……はあ」

 「で!? どうなの!? エディルとの同居は。うまくいってる!?」

 興味津々な王妃さま。ぐいっとソファからこちらへ、身を乗り出してくる。

 「あ、はい。うまく行ってると言えば、まあ、……はい」

 「キスとか、したの!?」

 「うええええっ!? キッ、キスッ!?」

 ワタワタするわたし。あやうく、花が首のところで切り取られて、花人生を強制終了させられるところだった。
 王妃さまの後ろで、侍女頭のベネットさんが「ンンッ」と軽く咳ばらいをした。

 「そうよ~、一緒に暮らしてるんだから、そういうの、ないの?」

 ベネットさんの咳払い、効果ナシ。
 王妃さま、恋愛談義、やめる気ナシ。
 
 「ありませんよ、そういうのはっ!! 普通に暮らしてるだけです」

 「なーんだ。つまんないの」

 深くソファに身を沈めた王妃さま。「なーんだ」って。「つまんない」って。やっぱりわたしとエディルさまをからかって、遊んでたんじゃ……。

 「……やはりこの結婚、なかったことにして――」
 「アリスッ!!」

 バァンッ!!と勢いよく開かれた扉。
 花鋏を手に、意を決して話し出したわたしの声に被さった、別の声。

 「まあ、陛下」

 「時間が出来たのでな。会いに来た」

 小さな花束を手に、入ってきたのは国王陛下。足早に近づいてくると、王妃さまの前で膝を折り、花束を差し出す。

 「まあ、ありがとうございます、陛下」

 ちょっとだらしなくソファに沈み込んでいた王妃さまが、いつの間にか背を伸ばして気品漂う座り方になっていた。陛下から贈られた花束の香りを嗅ぐその姿は、まさしく“愛され貴婦人”。
 渡された花束は、バラみたいな派手なものだけじゃなく、ラベンダーとかセージとか、ちょっと控え目だけど、キレイ目の花も一緒に構成されていた。ミントやラムズイヤーなんかの葉も使って、ちょっと手の込んだ“タッジー・マッジー”。ゼラニウムやカモミールなど、香りのいい花も混ぜてあるあたり、かなりセンスがいい。
 庭師さんが作ったんだろうか。
 バラの花言葉は、「アナタを愛しています」。
 ラベンダーの花言葉は、「献身的な愛」。
 セージの花言葉は、「幸せな家庭」。
 ゼラニウムの花言葉は、「君ありて幸福」。
 色とか香りだけじゃなく、そのあたりにも配慮して作ったのなら、かなりのものだと思う。

 (でもそれなら、千日紅とかミニバラも入れたいわね~)
 
 千日紅は、「色褪せぬ愛」。ミニバラは、「果てなき愛」。
 どちらもこのご夫婦に相応しい気がする。
 
 「どうだろう。今日は天気もいいことだし、庭で一緒に茶でも飲まないか? ちょうど今、庭の花が見ごろなんだそうだ」

 「ええ、喜んで。陛下」

 王妃さまが立ち上がり、陛下の腕に手を絡ませる。花を観に行くなら、花を持ってこなくてもいいのに……なんて野暮なことを思ってはいけない。
 庭で花に囲まれた王妃さまも素晴らしいだろうけど、小さな花束を手にほほ笑まれる王妃さまも趣があってお美しい。
 
 (ホント、絵になるなあ)

 さっきまで、人の恋愛(というか夫婦生活)をネタに楽しんでいらした王妃さまだけど、陛下と並んでいらっしゃるお姿は、完璧なまでにお美しく、愛らしい。陛下も、美丈夫な方なので、お二人が一緒にいらっしゃるだけで、「ほぅ……」と、ウットリため息しか出てこない。

 「リリー、この花、お願いね」

 「あっ、はいっ!!」

 部屋を出ていく直前、王妃さまから花束を預けられる。そうだ、ウットリ見てるんじゃなくって、わたし、お花の世話をしなくちゃいけないんだった。

 「リリー? するとお前が、あのエディルの……」

 王妃さまと並んで歩いていた陛下が足を止め、こちらを見た。

 「あ、はいっ!! エディルさまのお宅でごやっかいになってます。リリー・フォレットと申すますっ!!」

 あ、噛んだ。
 
 「そうか。お前が、あのエディルの……。話は聞いているぞ。エディルと一緒に暮らしてるそうだな」

 「はいっ!!」

 「なかなか気難しいヤツだが、よろしく頼む。一見、堅物に見えるが、あれで意外と甘いところもあってな。惚れた相手にはトコトン尽くすタイプだ」

 え!? そうなの!?
 
 「それとな、これは実は秘密なんだが――」
 「――陛下」
 
 こそっとわたしに耳打ちしようとした陛下に声がかかる。

 「くだらないことを話すヒマがあるようでしたら、執務室に大臣をお呼びいたしますが? 妃殿下と過ごしたいとおっしゃって、無理矢理時間を設けたのはどなたでしたか」

 え!? あ!? エディルさま!?

 思わず、陛下のお話しに身を乗り出しかけてたわたし。陛下の舌打ち直前のお顔と、ムスッとしたエディルさまのお顔に、小さく首をすくめた。
 
 「陛下、そんな貴重なお時間なのでしたら、早く庭に参りましょう?」

 「あ、ああ。そうだな、行こう」

 場をサラッと和ませるように、王妃さまが陛下にほほ笑みかける。陛下も、これ以上エディルさまに何か言われたくないのか、渡りに船とばかりに、王妃さまの提案に乗って歩き出す。

 そのお二人の後ろ姿を見送るわたし……と、エディルさま。――気まずい。
 
 (っていうか、いつからエディルさま、いたの?)

 ぜんっぜん気がつかなかった。
 でも、冷静に考えたら、エディルさまは国王陛下付きの護衛騎士なんだもん。すぐおそばにいたっておかしくないのよね。護衛だから、喋ったりしないし、気配を感じさせないようにしてるけど、いつだって陛下のそばで、御身を守るために付いてるわけなんだし。颯爽とした陛下の登場に目がいって気づかなかっただけで、多分、ずっとそばに立っていたんだろう。

 (ってことは、もしかして、さっきの会話、聞かれてた?)

 わたしが、「結婚をなかったことにしてほしい」と言ったこと。陛下の登場で、ちょっと尻切れ気味になっちゃったけど、「なかったことに~」って部分はちゃんと声に出して言ったし。言っちゃったし。
 ドサクサに紛れて聞こえてなかった、聞かれてなかったのならいいんだけど。
 
 (大丈夫……かな?)

 おそるおそる、隣に立つエディルさまを見上げる。
 ――怒ってる? 悲しんでる? 喜んでる? それとも、傷ついてる?
 陛下たちを見送って、軽くため息を吐き出されたことはわかるけど、完璧な騎士としての顔を崩さないその姿からは、感情を読み取ることはできない。

 「……女性は、そのようなものを貰うとうれしいのでしょうか?」

 へ?

 「毎回のように、陛下が用意させてる花束ですが。ご迷惑ではないですか?」

 え? ああ、これのことか。

 一瞬、わからなかった、エディルさまのおっしゃってること。
 
 「そうですね。一概には言えませんが、それでも、好きな方から頂いて嫌がる女性はいないと思いますよ」

 キョトンとしていた感情が、戻ってくる。

 「花じゃなくてもなんだって、自分を想って贈り物を用意してくださったのだとしたら、うれしいと思います」

 手にしていた花束に視線を落とす。
 別にその辺に咲いてた花一輪でもかまわない。「似合うだろうな~」とか、「こういうの好きそうだよな~」とか思って用意してくれたのなら、なんだってうれしい。うれしいのはその物じゃなく、それを見て自分のことを想ってくれた気持ちのほう。物にこもった想いがじんわりと伝わってくるようで、幸せな気分になれる。

 「そういうものなのですね」

 「はい。ですから、こうして陛下が王妃さまに贈り物をなさることを、迷惑だなんて思ったことはありませんよ」

 「迷惑」という発想すらなかった。
 自分の主が相思相愛で幸せそうにしてるのを見るのは喜ばしいことだし、こうしていろんな花に触れるのは、王妃さま付き侍女兼花師としてうれしいかぎりだ。

 「そうか。ならよかった。陛下が妃殿下を大事になさるのはよいことだが、花の贈りすぎで、アナタの迷惑になってないか心配だったんだ」

 言って、わずかに口角を緩めたエディルさま。
 うわあ、メッチャ珍しい貴重な笑顔っ!!

 「いただいた花をどう飾るか、それが花師として腕の見せ所ですのでっ!!」

 そう答えるのが精一杯。
 エディルさま、その笑顔、反則すぎますっ!!
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

大好きなあなたを忘れる方法

山田ランチ
恋愛
あらすじ  王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。  魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。 登場人物 ・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。 ・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。 ・イーライ 学園の園芸員。 クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。 ・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。 ・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。 ・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。 ・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。 ・マイロ 17歳、メリベルの友人。 魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。 魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。 ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。

王女を好きだと思ったら

夏笆(なつは)
恋愛
 「王子より王子らしい」と言われる公爵家嫡男、エヴァリスト・デュルフェを婚約者にもつバルゲリー伯爵家長女のピエレット。  デビュタントの折に突撃するようにダンスを申し込まれ、望まれて婚約をしたピエレットだが、ある日ふと気づく。 「エヴァリスト様って、ルシール王女殿下のお話ししかなさらないのでは?」   エヴァリストとルシールはいとこ同士であり、幼い頃より親交があることはピエレットも知っている。  だがしかし度を越している、と、大事にしているぬいぐるみのぴぃちゃんに語りかけるピエレット。 「でもね、ぴぃちゃん。私、エヴァリスト様に恋をしてしまったの。だから、頑張るわね」  ピエレットは、そう言って、胸の前で小さく拳を握り、決意を込めた。  ルシール王女殿下の好きな場所、好きな物、好みの装い。  と多くの場所へピエレットを連れて行き、食べさせ、贈ってくれるエヴァリスト。 「あのね、ぴぃちゃん!エヴァリスト様がね・・・・・!」  そして、ピエレットは今日も、エヴァリストが贈ってくれた特注のぬいぐるみ、孔雀のぴぃちゃんを相手にエヴァリストへの想いを語る。 小説家になろうにも、掲載しています。  

私の容姿は中の下だと、婚約者が話していたのを小耳に挟んでしまいました

山田ランチ
恋愛
想い合う二人のすれ違いラブストーリー。 ※以前掲載しておりましたものを、加筆の為再投稿致しました。お読み下さっていた方は重複しますので、ご注意下さいませ。 コレット・ロシニョール 侯爵家令嬢。ジャンの双子の姉。 ジャン・ロシニョール 侯爵家嫡男。コレットの双子の弟。 トリスタン・デュボワ 公爵家嫡男。コレットの婚約者。 クレマン・ルゥセーブル・ジハァーウ、王太子。 シモン・ノアイユ 辺境伯家嫡男。コレットの従兄。 ルネ ロシニョール家の侍女でコレット付き。 シルヴィー・ペレス 子爵令嬢。 〈あらすじ〉  コレットは愛しの婚約者が自分の容姿について話しているのを聞いてしまう。このまま大好きな婚約者のそばにいれば疎まれてしまうと思ったコレットは、親類の領地へ向かう事に。そこで新しい商売を始めたコレットは、知らない間に国の重要人物になってしまう。そしてトリスタンにも女性の影が見え隠れして……。  ジレジレ、すれ違いラブストーリー

つかぬことをお伺いいたしますが、私はお飾りの妻ですよね?

恋愛
少しネガティブな天然鈍感辺境伯令嬢と目つきが悪く恋愛に関してはポンコツコミュ障公爵令息のコミュニケーションエラー必至の爆笑(?)すれ違いラブコメ! ランツベルク辺境伯令嬢ローザリンデは優秀な兄弟姉妹に囲まれて少し自信を持てずにいた。そんなローザリンデを夜会でエスコートしたいと申し出たのはオルデンブルク公爵令息ルートヴィヒ。そして複数回のエスコートを経て、ルートヴィヒとの結婚が決まるローザリンデ。しかし、ルートヴィヒには身分違いだが恋仲の女性がいる噂をローザリンデは知っていた。 エーベルシュタイン女男爵であるハイデマリー。彼女こそ、ルートヴィヒの恋人である。しかし上級貴族と下級貴族の結婚は許されていない上、ハイデマリーは既婚者である。 ローザリンデは自分がお飾りの妻だと理解した。その上でルートヴィヒとの結婚を受け入れる。ランツベルク家としても、筆頭公爵家であるオルデンブルク家と繋がりを持てることは有益なのだ。 しかし結婚後、ルートヴィヒの様子が明らかにおかしい。ローザリンデはルートヴィヒからお菓子、花、アクセサリー、更にはドレスまでことあるごとにプレゼントされる。プレゼントの量はどんどん増える。流石にこれはおかしいと思ったローザリンデはある日の夜会で聞いてみる。 「つかぬことをお伺いいたしますが、私はお飾りの妻ですよね?」 するとルートヴィヒからは予想外の返事があった。 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

愛しているだなんて戯言を言われても迷惑です

風見ゆうみ
恋愛
わたくし、ルキア・レイング伯爵令嬢は、政略結婚により、ドーウッド伯爵家の次男であるミゲル・ドーウッドと結婚いたしました。 ミゲルは次男ですから、ドーウッド家を継げないため、レイング家の婿養子となり、レイング家の伯爵の爵位を継ぐ事になったのです。 女性でも爵位を継げる国ではありましたが、そうしなかったのは、わたくしは泣き虫で、声も小さく、何か言われるたびに、怯えてビクビクしていましたから。 結婚式の日の晩、寝室に向かうと、わたくしはミゲルから「本当は君の様な女性とは結婚したくなかった。爵位の為だ。君の事なんて愛してもいないし、これから、愛せるわけがない」と言われてしまいます。 何もかも嫌になった、わたくしは、死を選んだのですが…。 「はあ? なんで、私が死なないといけないの!? 悪いのはあっちじゃないの!」 死んだはずのルキアの身体に事故で亡くなった、私、スズの魂が入り込んでしまった。 今のところ、爵位はミゲルにはなく、父のままである。 この男に渡すくらいなら、私が女伯爵になるわ! 性格が変わった私に、ミゲルは態度を変えてきたけど、絶対に離婚! 当たり前でしょ。 ※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。 ※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観です。 ※ざまぁは過度ではありません。 ※話が気に入らない場合は閉じて下さいませ。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので

モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。 貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。 ──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。 ……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!? 公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。 (『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)

私を運命の相手とプロポーズしておきながら、可哀そうな幼馴染の方が大切なのですね! 幼馴染と幸せにお過ごしください

迷い人
恋愛
王国の特殊爵位『フラワーズ』を頂いたその日。 アシャール王国でも美貌と名高いディディエ・オラール様から婚姻の申し込みを受けた。 断るに断れない状況での婚姻の申し込み。 仕事の邪魔はしないと言う約束のもと、私はその婚姻の申し出を承諾する。 優しい人。 貞節と名高い人。 一目惚れだと、運命の相手だと、彼は言った。 細やかな気遣いと、距離を保った愛情表現。 私も愛しております。 そう告げようとした日、彼は私にこうつげたのです。 「子を事故で亡くした幼馴染が、心をすり減らして戻ってきたんだ。 私はしばらく彼女についていてあげたい」 そう言って私の物を、つぎつぎ幼馴染に与えていく。 優しかったアナタは幻ですか? どうぞ、幼馴染とお幸せに、請求書はそちらに回しておきます。

処理中です...