26 / 26
26.とまどいウサギは、溺愛オオカミの腕のなか
しおりを挟む
「うわあ……」
広いバルコニーから一望できる景色に、思わず息を飲む。
壮大で、圧巻で、雄大で……ええい。とにかく、すっごい迫力ある自然で、すっごいキレイ。
真っ青な、遠くの水平線まで青い海。同じ青でも海といっしょには染まらない空。景色を縁取るのは、建物近くに植わってる木々。(松多し)
潮の香りはしないけど、代わりにザザンと波の音だけここまで届く。
ただ一つ難を言うなら、バルコニーの手すり壁が強化ガラスでスッケスケだってこと。景色を余すことなく楽しめるようにってことでチョイスされてるんだろうけど。うん。高所恐怖症のあたしには、この上ないミスチョイス。足元までスケスケは、できれば近くに寄りたくない。怖い。手のひらピリピリする。
「どうした。気に入ったか?」
「えっと……はい」
景色だけは。
ここに連れてきてくれたのは課長。
おそらくだけど、いい景色が見えるだろうからで選んでくれた旅館だ。怖いなんて言っちゃいけない。
――旅行にいかないか?
課長の金沢出張トンボ帰りの翌週。
突然そう提案され、出勤することなく、強引に有休を言い渡された。
たまには二人でゆっくりしたい。そういうことらしいんだけど。
「あの……、本当に良かったんですか?」
「なにが」
「こんな平日に、それも二人そろって有休取るなんて」
ツツツと、会話をしながら、さり気なく手すりから離れ、課長にすり寄る。
「構わん。この旅行は、山科からのプレゼントだからな」
「へ? 社長から?」
「ああ。金沢出張と、仕事での迷惑料だ」
迷惑料って。
「社長のお仕事を扶けるのは、部下として当然なのでは?」
課長と社長は学生時代からのお友だち。でも役職に差があるのだから、そのへんはわきまえたほうが……。
「仕事は別に構わんが。アイツの色恋にまでつき合わされて、迷惑したのは本当だ」
ブスッとした課長。
ってか。
「色恋?」
社長の色恋ってナニ?
「金沢への出張は、アイツが恋人を追っかけるための口実だ」
「ほへ?」
「アイツの恋人が、金沢の実家に逃げてしまったのでな。それを追いかけるのにつき合された」
な、なんと!
「色恋のために金沢まで行ったとなると、その恋人に叱られる。だからついでに、金沢支社を隠れ蓑にして専務が行ってた横領を暴いてきた」
なななんと!
「それって、仕事メインで、恋人がサブではなく?」
「違う。山科は、彼女にいいカッコするために、専務の行いを処分しただけだ。専務の悪事は、彼女の家にも影響を及ぼしてたから」
ほげえ。
「恋人との再会<専務の悪事」ではなく、「恋人との再会>専務の悪事」とは。
サラッと言うけど、悪事の暴露って大変なんじゃないの?
「アイツは、専務の所業を調べるために、ワザと庶務課の人間のフリをして色々探ってたしな。今頃は、彼女とヨロシクやってるだろう。しばらくは金沢から帰ってこない」
ほげげえ。
そうなのか。
あのチャラい庶務課社員は、そういう内偵のためのフリだったのか。
なんか、越後のちりめん問屋爺さんとか、貧乏旗本三男坊みたい。
「俺としても、お前とこうして両思いになれたのに、アイツの都合に振り回されて、いい迷惑だったからな。この旅行程度じゃ埋め合わせにもならん」
「うぎゃっ!」
グイッと、体を抱き上げ――訂正。抱えられて、部屋に連れ戻される。
「あ、あのっ!?」
「お前、高いところ、苦手だろ」
ぐ。
み、見透かされてる。
丸見えなのが怖くてすり寄ったこと、バレてる。
「ここなら怖くないぞ」
「だっ、だからって、ベベ、ベッドって! 真っ昼間からなにするつもりなんですかっ!」
降ろされたのはベッドの上。そして眼前に迫る課長の顔。お天道さんがあるうちから、そんなっ! あひゃあ!
「なにって。真白、お前、なにを想像してる?」
ほへ?
「俺はただ、お前をベッドの上に降ろしただけだぞ? ソファは遠いし、床に降ろすわけにはいかんからな」
へ?
「そ、そうだったんですか?」
「ああ。だが、ご要望とあらば、期待に応えることもできるが?」
どうする?
あたしの髪を一房すくい取った課長。その目がとてもいたずらっぽく光る。
「い、いじわるです」
ものすっごくいじわる。課長のバカ。
「ハハッ」
真っ赤になったあたしを見て、課長が笑う。そして。
「うぉぎゃあっ!」
課長があたしを抱きかかえ、ベッドに寝っ転がった。
……驚くのはわかるけど、あたし、もっとかわいい声を上げられんもんかね。さっきもそうだったけど、「うぉぎゃあっ」って。かわいさの欠片もない。
「真白」
あたしの葛藤なんて気にもせず、課長があたしの乱れた髪をかき上げる。
「俺はお前が好きだ。どうしようもなく惹かれている。あの日、お前と離れていることが耐えられなくて、仕事を急いだ。一秒でも早くお前のもとに帰りたくて必死だった」
「そ、そうなんですか?」
一泊二日だったはずの金沢行き。それが日帰りになったのは、そういう理由?
「ああ。山科に、こんなスケジュール鬼畜過ぎる、鬼だ悪魔だと涙目になって嘆かれた。俺としては、サッサと専務の一件を済ませたおかげで、恋人との時間が長くなったと、泣いて喜ばれると思ったんだがな」
鬼畜過ぎるって。
どんだけ無理なスピードでことを終わらせたんだろう。社長、恋人さんのもとで、ぶっ倒れてなければいいけど。社長の無事の帰還を切に祈る。
「――真白、手を出せ」
手? はい、どうぞ。――って。え? 指輪?
差し出した手。戻ってきた右手中指にくっついてきたもの。銀色の指輪。シンプルな台座には、透き通り輝く宝石。ダイヤモンド?
「プロミスリングだ」
「プロミス……リング?」
「恋人同士がその愛情を約束して身につけるものらしい。右手中指は『恋人がいます』という、ムシ避けにもなるそうだ」
「らしい」、「そうだ」って。
社長からの入れ知恵かな。あのチャラい社長なら、そういうこと、詳しそうだし。
反対に、課長はそういうことから一番疎そうな気がする。
「お前は、これを俺にはめてくれないか?」
渡されたもう一つの指輪。同じ意匠の、少し大きな指輪。こちらの台座には透き通るように青い石。これって――
「サファイア。お前の誕生石だ」
「えっと。あたし、誕生日なんてお教えしましたっけ」
記憶にないんですが。
「それぐらい調べた。血液型も身長も、なんなら体重も体脂肪も知っている」
「どっ、どっから調べたんですか、その情報っ!」
あたしのプライバシーはどこっ!?
「卯野真白。山科商事、経理課所属。9月26日生まれの22歳。O型。身長153センチの体重48キロ。体脂肪り――」
「うわわっ、言わなくていいですっ!」
あわててその口を手で塞ぐ。まったく。油断も隙もない。
――ブフッ。
「なんですか」
手のひらに感じる、吹き出した息に、ムッとする。
「いや。やはりお前は面白いなって」
クククッ。手の下から、相好を崩し、喉を鳴らして笑い続ける課長が現れる。肩まで揺らして。愉快そうなのはわかるけど、笑われるあたしとしては、そこまで面白くもない。
「――真白」
課長が笑うのを止め、あたしに手を伸ばす。サファイアの指輪のついた課長の手。
「俺はお前が好きだ。お前の、そのクルクル変わる表情が好きだ。仕事に一生懸命なところが好きだ。誰かのために頑張ろうとする姿が好きだ。大判焼きを頬張ってヘニャっと笑うのが好きだ。酒に弱いところも好きだ。辛いことも飲み込んで頑張ろうとするのはいただけないが、だが、そんな健気なところは好きだ。俺を心配して家を飛び出すその無鉄砲さと優しさが好きだ」
「将吾さん……」
「そうやって名前を呼んでくれる声がいい。その柔らかい肌も、俺を見てくれる目も。なにもかもが好きだ」
どうしよう。
うれしくて、胸がキュンとして、目が熱くなってくる。
「どんな卑怯な手を使っても手に入れたかった。他の男と話してるのを見るだけで、嫉妬でどうにかなりそうだった」
他の男?
あたし、そんな誰かと話したっけ? ――って。
「もしかして、社長のこと、言ってるんですか?」
「お前が山科のことを話すのが気に食わん」
んがっ!
「将吾さんの友だちじゃないですか!」
彼女さんだっている人だし! ヤキモチ対象外でしょうが!
「それでもだ」
んな、メチャクチャな。
「俺がこれ以上誰かに嫉妬しなくてもいいように。真白、いつか俺と結婚してくれないか」
真摯な課長の眼差し。
「今すぐにとは言わない。こんな俺でもお前がいいと思ってくれるなら。その時は、俺と結婚してほしい」
「将吾さん……」
「お前がそばにいてくれないと、俺は嫉妬で狂うか、寂しさで死んでしまいそうだ」
寂しくて死ぬのはウサギの役目では?
でも、案外誇張でもなさそう。だって、金沢からあたし会いたさであんなに早く帰ってくるんだもん。
まあ、会いたさ具合では、あたしも負けてないけど。
「じゃあ、あたしも言わせてもらいますけど――」
のしっと、課長を仰向けに倒して、その上にのしかかる。
「あたしの前以外で、笑ったりしないでください」
「笑う?」
「そうですよ。普段、オオカミさんみたいに、すごーく怖い顔してるのに。笑うとその落差がすごすぎて、胸がキュンってなっちゃうんです。こっちの理性を打ち砕く、ものすごい破壊力を秘めてるんです。それでなくてもすっごいイケメンだし」
「そ、そうか」
「そ、れ、と! あたし以外には優しくしたりしないでくださいね? 将吾さんが誰かに優しくして、その誰かをキュンってさせたら。あたし、将吾さんに噛みついちゃいますからね?」
ガオー! ガブっ! って。ウサギだけど、ライオンさんみたいに噛みつきますよ?
「善処する……」
「はい!」
グリグリ頬ずりしてあたしの匂い、マーキング♪
課長の笑顔は、課長の優しさはあたしだけのものです。他の誰にも渡しません。優しいオオカミさんは、このウサギのものです♪
「そうだ。あたし、結婚したら、『大神真白』になるんですよね?」
「一般的にはそう……だなって。なにがおかしい?」
「いえ。あたし、ウサギからオオカミへ大出世だなって」
クスクス笑うあたしに、課長が少し目を丸くする。
もう皆さんの、カワイイカワイイ愛玩動物じゃないですよ。月夜にワオーンと吠えるオオカミさんです。
――申し訳ありませんが、俺には将来を誓った相手がいるんです。
あの時、一階ロビーにこだました、課長の大きな声。
――この人です。この人と結婚を前提におつき合いしています。ですから、お嬢さまの申し出は、お断りさせていただきます。
あの時は、ていのいいお断り材料にされたって思ったけど。
「真白」
グルンと、あたしを抱きしめたまま課長が転がり直す。あたしの上に覆いかぶさった課長の体。
「このままセックスするぞ」
――――は?
なんですかその宣言。
「ちょっ、えっ、あのっ、アァン♡」
驚くあたしから、スルスルと服を剥ぎ取り、愛撫を始める課長。
その指が、その唇があたしの上を這うたび、なぞるたび。あたしのなかの「スケベスイッチ」がオンになっていく。
「このままお前の中に出して、お前を孕ませる。ちょっと順番は違うが、お前を俺のものにするためには仕方ない」
「し、仕方ないって。アッ、ンあっ……」
「マーキングだ。諦めて、俺のものになれ」
囁かれる声に、どうしようもなくゾクゾクする。
「時間はたっぷりある。お前が孕むまで、何度でも抱くぞ」
ヒイッ。
なんか、メッチャ恐ろしいこと宣言された。あたし、本気のオオカミさんに、食べられちゃう。
でも。
あたしも腕を伸ばして、課長を捕まえる。
姑息で卑怯な手段であたしを絡め取って。でも、あたしをとっても優しく扱ってくれる。誰より何より、あたしを想ってくれる。
とっても怖いオオカミなのに。とっても甘いオオカミさん。
あたしだけのとっても素敵なオオカミさん。
あたしだって、アナタのこと、食べちゃいたいって思ってるんですよ? アナタのすべてを、あたしのものにしたいって。だって。
「将吾さん大好き」
訪れた熱くとろける優しいキスに、うっとりと身を委ねた。
広いバルコニーから一望できる景色に、思わず息を飲む。
壮大で、圧巻で、雄大で……ええい。とにかく、すっごい迫力ある自然で、すっごいキレイ。
真っ青な、遠くの水平線まで青い海。同じ青でも海といっしょには染まらない空。景色を縁取るのは、建物近くに植わってる木々。(松多し)
潮の香りはしないけど、代わりにザザンと波の音だけここまで届く。
ただ一つ難を言うなら、バルコニーの手すり壁が強化ガラスでスッケスケだってこと。景色を余すことなく楽しめるようにってことでチョイスされてるんだろうけど。うん。高所恐怖症のあたしには、この上ないミスチョイス。足元までスケスケは、できれば近くに寄りたくない。怖い。手のひらピリピリする。
「どうした。気に入ったか?」
「えっと……はい」
景色だけは。
ここに連れてきてくれたのは課長。
おそらくだけど、いい景色が見えるだろうからで選んでくれた旅館だ。怖いなんて言っちゃいけない。
――旅行にいかないか?
課長の金沢出張トンボ帰りの翌週。
突然そう提案され、出勤することなく、強引に有休を言い渡された。
たまには二人でゆっくりしたい。そういうことらしいんだけど。
「あの……、本当に良かったんですか?」
「なにが」
「こんな平日に、それも二人そろって有休取るなんて」
ツツツと、会話をしながら、さり気なく手すりから離れ、課長にすり寄る。
「構わん。この旅行は、山科からのプレゼントだからな」
「へ? 社長から?」
「ああ。金沢出張と、仕事での迷惑料だ」
迷惑料って。
「社長のお仕事を扶けるのは、部下として当然なのでは?」
課長と社長は学生時代からのお友だち。でも役職に差があるのだから、そのへんはわきまえたほうが……。
「仕事は別に構わんが。アイツの色恋にまでつき合わされて、迷惑したのは本当だ」
ブスッとした課長。
ってか。
「色恋?」
社長の色恋ってナニ?
「金沢への出張は、アイツが恋人を追っかけるための口実だ」
「ほへ?」
「アイツの恋人が、金沢の実家に逃げてしまったのでな。それを追いかけるのにつき合された」
な、なんと!
「色恋のために金沢まで行ったとなると、その恋人に叱られる。だからついでに、金沢支社を隠れ蓑にして専務が行ってた横領を暴いてきた」
なななんと!
「それって、仕事メインで、恋人がサブではなく?」
「違う。山科は、彼女にいいカッコするために、専務の行いを処分しただけだ。専務の悪事は、彼女の家にも影響を及ぼしてたから」
ほげえ。
「恋人との再会<専務の悪事」ではなく、「恋人との再会>専務の悪事」とは。
サラッと言うけど、悪事の暴露って大変なんじゃないの?
「アイツは、専務の所業を調べるために、ワザと庶務課の人間のフリをして色々探ってたしな。今頃は、彼女とヨロシクやってるだろう。しばらくは金沢から帰ってこない」
ほげげえ。
そうなのか。
あのチャラい庶務課社員は、そういう内偵のためのフリだったのか。
なんか、越後のちりめん問屋爺さんとか、貧乏旗本三男坊みたい。
「俺としても、お前とこうして両思いになれたのに、アイツの都合に振り回されて、いい迷惑だったからな。この旅行程度じゃ埋め合わせにもならん」
「うぎゃっ!」
グイッと、体を抱き上げ――訂正。抱えられて、部屋に連れ戻される。
「あ、あのっ!?」
「お前、高いところ、苦手だろ」
ぐ。
み、見透かされてる。
丸見えなのが怖くてすり寄ったこと、バレてる。
「ここなら怖くないぞ」
「だっ、だからって、ベベ、ベッドって! 真っ昼間からなにするつもりなんですかっ!」
降ろされたのはベッドの上。そして眼前に迫る課長の顔。お天道さんがあるうちから、そんなっ! あひゃあ!
「なにって。真白、お前、なにを想像してる?」
ほへ?
「俺はただ、お前をベッドの上に降ろしただけだぞ? ソファは遠いし、床に降ろすわけにはいかんからな」
へ?
「そ、そうだったんですか?」
「ああ。だが、ご要望とあらば、期待に応えることもできるが?」
どうする?
あたしの髪を一房すくい取った課長。その目がとてもいたずらっぽく光る。
「い、いじわるです」
ものすっごくいじわる。課長のバカ。
「ハハッ」
真っ赤になったあたしを見て、課長が笑う。そして。
「うぉぎゃあっ!」
課長があたしを抱きかかえ、ベッドに寝っ転がった。
……驚くのはわかるけど、あたし、もっとかわいい声を上げられんもんかね。さっきもそうだったけど、「うぉぎゃあっ」って。かわいさの欠片もない。
「真白」
あたしの葛藤なんて気にもせず、課長があたしの乱れた髪をかき上げる。
「俺はお前が好きだ。どうしようもなく惹かれている。あの日、お前と離れていることが耐えられなくて、仕事を急いだ。一秒でも早くお前のもとに帰りたくて必死だった」
「そ、そうなんですか?」
一泊二日だったはずの金沢行き。それが日帰りになったのは、そういう理由?
「ああ。山科に、こんなスケジュール鬼畜過ぎる、鬼だ悪魔だと涙目になって嘆かれた。俺としては、サッサと専務の一件を済ませたおかげで、恋人との時間が長くなったと、泣いて喜ばれると思ったんだがな」
鬼畜過ぎるって。
どんだけ無理なスピードでことを終わらせたんだろう。社長、恋人さんのもとで、ぶっ倒れてなければいいけど。社長の無事の帰還を切に祈る。
「――真白、手を出せ」
手? はい、どうぞ。――って。え? 指輪?
差し出した手。戻ってきた右手中指にくっついてきたもの。銀色の指輪。シンプルな台座には、透き通り輝く宝石。ダイヤモンド?
「プロミスリングだ」
「プロミス……リング?」
「恋人同士がその愛情を約束して身につけるものらしい。右手中指は『恋人がいます』という、ムシ避けにもなるそうだ」
「らしい」、「そうだ」って。
社長からの入れ知恵かな。あのチャラい社長なら、そういうこと、詳しそうだし。
反対に、課長はそういうことから一番疎そうな気がする。
「お前は、これを俺にはめてくれないか?」
渡されたもう一つの指輪。同じ意匠の、少し大きな指輪。こちらの台座には透き通るように青い石。これって――
「サファイア。お前の誕生石だ」
「えっと。あたし、誕生日なんてお教えしましたっけ」
記憶にないんですが。
「それぐらい調べた。血液型も身長も、なんなら体重も体脂肪も知っている」
「どっ、どっから調べたんですか、その情報っ!」
あたしのプライバシーはどこっ!?
「卯野真白。山科商事、経理課所属。9月26日生まれの22歳。O型。身長153センチの体重48キロ。体脂肪り――」
「うわわっ、言わなくていいですっ!」
あわててその口を手で塞ぐ。まったく。油断も隙もない。
――ブフッ。
「なんですか」
手のひらに感じる、吹き出した息に、ムッとする。
「いや。やはりお前は面白いなって」
クククッ。手の下から、相好を崩し、喉を鳴らして笑い続ける課長が現れる。肩まで揺らして。愉快そうなのはわかるけど、笑われるあたしとしては、そこまで面白くもない。
「――真白」
課長が笑うのを止め、あたしに手を伸ばす。サファイアの指輪のついた課長の手。
「俺はお前が好きだ。お前の、そのクルクル変わる表情が好きだ。仕事に一生懸命なところが好きだ。誰かのために頑張ろうとする姿が好きだ。大判焼きを頬張ってヘニャっと笑うのが好きだ。酒に弱いところも好きだ。辛いことも飲み込んで頑張ろうとするのはいただけないが、だが、そんな健気なところは好きだ。俺を心配して家を飛び出すその無鉄砲さと優しさが好きだ」
「将吾さん……」
「そうやって名前を呼んでくれる声がいい。その柔らかい肌も、俺を見てくれる目も。なにもかもが好きだ」
どうしよう。
うれしくて、胸がキュンとして、目が熱くなってくる。
「どんな卑怯な手を使っても手に入れたかった。他の男と話してるのを見るだけで、嫉妬でどうにかなりそうだった」
他の男?
あたし、そんな誰かと話したっけ? ――って。
「もしかして、社長のこと、言ってるんですか?」
「お前が山科のことを話すのが気に食わん」
んがっ!
「将吾さんの友だちじゃないですか!」
彼女さんだっている人だし! ヤキモチ対象外でしょうが!
「それでもだ」
んな、メチャクチャな。
「俺がこれ以上誰かに嫉妬しなくてもいいように。真白、いつか俺と結婚してくれないか」
真摯な課長の眼差し。
「今すぐにとは言わない。こんな俺でもお前がいいと思ってくれるなら。その時は、俺と結婚してほしい」
「将吾さん……」
「お前がそばにいてくれないと、俺は嫉妬で狂うか、寂しさで死んでしまいそうだ」
寂しくて死ぬのはウサギの役目では?
でも、案外誇張でもなさそう。だって、金沢からあたし会いたさであんなに早く帰ってくるんだもん。
まあ、会いたさ具合では、あたしも負けてないけど。
「じゃあ、あたしも言わせてもらいますけど――」
のしっと、課長を仰向けに倒して、その上にのしかかる。
「あたしの前以外で、笑ったりしないでください」
「笑う?」
「そうですよ。普段、オオカミさんみたいに、すごーく怖い顔してるのに。笑うとその落差がすごすぎて、胸がキュンってなっちゃうんです。こっちの理性を打ち砕く、ものすごい破壊力を秘めてるんです。それでなくてもすっごいイケメンだし」
「そ、そうか」
「そ、れ、と! あたし以外には優しくしたりしないでくださいね? 将吾さんが誰かに優しくして、その誰かをキュンってさせたら。あたし、将吾さんに噛みついちゃいますからね?」
ガオー! ガブっ! って。ウサギだけど、ライオンさんみたいに噛みつきますよ?
「善処する……」
「はい!」
グリグリ頬ずりしてあたしの匂い、マーキング♪
課長の笑顔は、課長の優しさはあたしだけのものです。他の誰にも渡しません。優しいオオカミさんは、このウサギのものです♪
「そうだ。あたし、結婚したら、『大神真白』になるんですよね?」
「一般的にはそう……だなって。なにがおかしい?」
「いえ。あたし、ウサギからオオカミへ大出世だなって」
クスクス笑うあたしに、課長が少し目を丸くする。
もう皆さんの、カワイイカワイイ愛玩動物じゃないですよ。月夜にワオーンと吠えるオオカミさんです。
――申し訳ありませんが、俺には将来を誓った相手がいるんです。
あの時、一階ロビーにこだました、課長の大きな声。
――この人です。この人と結婚を前提におつき合いしています。ですから、お嬢さまの申し出は、お断りさせていただきます。
あの時は、ていのいいお断り材料にされたって思ったけど。
「真白」
グルンと、あたしを抱きしめたまま課長が転がり直す。あたしの上に覆いかぶさった課長の体。
「このままセックスするぞ」
――――は?
なんですかその宣言。
「ちょっ、えっ、あのっ、アァン♡」
驚くあたしから、スルスルと服を剥ぎ取り、愛撫を始める課長。
その指が、その唇があたしの上を這うたび、なぞるたび。あたしのなかの「スケベスイッチ」がオンになっていく。
「このままお前の中に出して、お前を孕ませる。ちょっと順番は違うが、お前を俺のものにするためには仕方ない」
「し、仕方ないって。アッ、ンあっ……」
「マーキングだ。諦めて、俺のものになれ」
囁かれる声に、どうしようもなくゾクゾクする。
「時間はたっぷりある。お前が孕むまで、何度でも抱くぞ」
ヒイッ。
なんか、メッチャ恐ろしいこと宣言された。あたし、本気のオオカミさんに、食べられちゃう。
でも。
あたしも腕を伸ばして、課長を捕まえる。
姑息で卑怯な手段であたしを絡め取って。でも、あたしをとっても優しく扱ってくれる。誰より何より、あたしを想ってくれる。
とっても怖いオオカミなのに。とっても甘いオオカミさん。
あたしだけのとっても素敵なオオカミさん。
あたしだって、アナタのこと、食べちゃいたいって思ってるんですよ? アナタのすべてを、あたしのものにしたいって。だって。
「将吾さん大好き」
訪れた熱くとろける優しいキスに、うっとりと身を委ねた。
24
お気に入りに追加
70
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(5件)
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
駆け引きから始まる、溺れるほどの甘い愛
玖羽 望月
恋愛
雪代 恵舞(ゆきしろ えま)28歳は、ある日祖父から婚約者候補を紹介される。
アメリカの企業で部長職に就いているという彼は、竹篠 依澄(たけしの いずみ)32歳だった。
恵舞は依澄の顔を見て驚く。10年以上前に別れたきりの、初恋の人にそっくりだったからだ。けれど名前すら違う別人。
戸惑いながらも、祖父の顔を立てるためお試し交際からスタートという条件で受け入れる恵舞。結婚願望などなく、そのうち断るつもりだった。
一方依澄は、早く婚約者として受け入れてもらいたいと、まずお互いを知るために簡単なゲームをしようと言い出す。
「俺が勝ったら唇をもらおうか」
――この駆け引きの勝者はどちら?
*付きはR描写ありです。
エブリスタにも投稿しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
禁断溺愛
流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
おぉ~そんな今後の展開まで考えていらっしゃるのですね!
エッチ持ち込み、大歓迎です(笑)
前に読ませていただいた他の作品もそうですが、若松様のテンポあるコメディタッチの文章は、私にはとても書けるものではなく、脱帽ものです。こんな文章が自分でも書けたら…と思っていますが、う~ん、無理そうです(笑)
テンションが戻られて、読者としては嬉しい限りです(^^)
次の作品も楽しみにしています(でも無理せずご自分のペースで書いてくださいね)!
エッチ持ち込み……、も、妄想だけですが。たいてい、作品を仕上げ終えると、妄想だけ繰り広げてます。一人「大人気だったので続編できましたー」みたいな感じです。『ガンダムSEED』に『ガンダムSEEDDESTINY』があるようなもんです。(どんなもんなんだよ)
文章に関しては、別サイトのコンテストで、審査員だった花衣沙久羅先生から「テンポのいい一人称小説」とお褒めいただいたので、以来ずっと一人称を貫いております。(先生が「言わなきゃよかった」と後悔されてないことを祈る) だんごにゃ、三人称が書けませぬ。(だから、宮里さまの小説、マジでうらやましい) まあ、花衣先生の講評には「体言止めが多い」との指摘もあったのですが。(未だに、「体言止め」がよくわかってません! エヘン!←いばるな)
テンションに関しては完全復活です。家族に気晴らしドライブで彦根に連れてってもらったし。琵琶湖見たし、ひこにゃん見たし。読んでいただけただけじゃなく、こうして感想もいただけたし。
この先、いろんなコンテストに参加するため、出走前の馬のように、ブルルンと鼻を鳴らし、前蹄で地面を掻いております。(それか、F1とかのブォンブォンエンジン鳴らしてる状態)
しばらくは、R18を離れますが(少しだけ封印します)、書き続けていきます。ありがとうございます。
完結、おめでとうございます!
素敵なエンディングでした!
何だかんだで暴走しているのはオオカミ課長の方ですね(笑)
でも二人はこれからもずっとこんな感じで楽しく幸せに暮らしていくのでしょうね(^^)
最初から最後までとても楽しく読ませていただきました。
ありがとうございました!
感想ありがとうございます!
オオカミですから。ちゃんとウサギを最後まで美味しくいただきますわよ。
オオカミは子をお望みですが、しばらくはデキない方向でいようかな、と。(エッチはするけど)
ウサギがママになるのが想像できないから、なんですけど。
社長が凱旋(?)して連れてきた婚約者さん。メッチャ美人で、ウサギが自分に自信を失くしてみたりとか(で、エッチして励ますオオカミ)、その婚約者さんとメッチャ仲良くなったりとか(で、嫉妬してエッチするオオカミ)。そういう未来は想像してるんですけど。(なんだかんだでエッチに持ち込むオオカミ)
この作品、コンテストとか色々あって、ちょっとメンタルやられかけてたので、「気楽に好きなモン書いてみるかぁ」で始めたものでしたが。ここまでお読みいただけて、本当にうれしいです。なんていうのかな。「書いてるだんごに、伴走していただけたおかげで、ラスト、ゴールを迎えられた」気分。ついでに、気分上々↑↑メンタル復活です。テンション戻りました。
最後まで、おつき合いいただき、ありがとうございました!
あぁ、やっとですね~。よかった、よかった!(特にオオカミ課長)
そして、甘々な雰囲気の中でも相変わらず何かしらやらかしてしまうウサギちゃん、これからも変わらずこのキャラを貫いてください(笑)
さあこれからオオカミ課長の溺愛ぶりがどう加速していくのか、ますます激しくなるのか、ウサギちゃんはちゃんとついて行けるのか、逆にウサギちゃんの方が暴走してしまうのか、色々想像してしまいます(笑)
(またまたまた)感想、ありがとうございます!
ウサギはウサギですので、ウサギなりに頑張ってみても、やっぱりウサギなんだなと思わせる、ウサギなことしかできないウサギなのです。(ウサギ連呼で、文章意味不明)
やっと。やっと本懐を遂げましたです、課長。
よかったねえ、課長。そして、ウサギちゃん。たぶん、おそらくですね、ここからは大、大、大、大、大溺愛ですよ。ウサギちゃん、次の日の朝、立てなくなることを覚悟したほうがいいっすよ。それか、朝も抱かれて、仕事に遅刻するとか。あ、でも遅刻は課長が許さないかも。オオカミ課長に引きずられてのご出勤ヨレヨレヘロヘロウサギ。(あわれ)
ということで、ラスト一話となりました。え? これからガンガンエッチが続くんじゃないの?(byウサギ) もっと真白を溺愛したいのに。あと一話……だと?(byオオカミ)
あと一話ですが、最後までおつき合いいただけると幸いです。