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4.さよなら平穏、ようこそ不穏
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「ちょ、ちょっとウサギちゃん! アンタいったいどうしたのよ!」
翌朝。
出勤するなり、数人の先輩たちに囲まれた。
「アンタ、やっぱり課長とそういう仲だったわけ?」
「いつから、そういう関係になったの? 教えなさい!」
うん。まあ、そうなるよね。
先輩たちが驚き、詰め寄るのもよくわかる。
だって。
(いきなりの恋人宣言に、車でご一緒出勤だもんねえ)
昨日のお昼、課長が専務のお嬢さんを断るために演じた、「将来を誓う人がいる」。これだけなら、「ああ、そういう修羅場に憐れなウサギが巻き添え食らったのかな。かわいそうに」だけど。そこに、「次の日、仲良く出勤してきた」となれば。
あたしだって、そんなの見たら、「なにがあったの?」って知りたくなるもん。「あれは巻き添え事故じゃなくて、本当のことなの?」って、ミーハーしちゃうもん。
それにさ。
「あの課長とだなんて。ウサギちゃん、なんか脅されてたりするの?」
「困ったこととか、助けてほしいことがあるなら、言いなさいよ。力になるから」
……うん。まあ、そうなっちゃうよね。
だって、お相手はあの課長だもん。
――オオカミ課長。
苗字が「大神」だからついた二つ名っていうより、その容貌と中身がオオカミのように、おっそろしいからついたあだ名。
目つきが鋭くて、仕事に関して妥協、容赦は一切しない。低くていい声なんだけど、その声で凄まれると、誰もが震え上がっちゃう。
長身でイケメンなんだけど、近づくのは恐ろしい。まさしく「オオカミ」を体現したような人。
だから、あたしみたいなチビでどんくさい、「春のコンペの景品でウサ耳カチューシャが当たった」だけで「ウサギちゃん」扱いされるヤツは、当然のように、こうして心配されてしまう。
脅されて、弱みを掴まれてるんじゃないかって。
普通に恋愛して、つき合ってるというふうには見てもらえない。
「ありがとうございます。先輩方」
その心配には、キチンとお礼を述べる。
会社ってのは、みんなそれぞれの仕事だけこなして、誰も話しかけてこないとか、誰かが困ってても助けてくれないとか。お兄ちゃんが教えてくれたけど。
この会社、とてもいい職場だ。こんなふうに心配してくれる先輩がいる。
「でも心配されるようなことはありませんし。これでもちゃんとおつき合いさせていただいてますから」
そして、お役目は忘れずに。
アパート水浸し事件で、借りた宿泊先。朝ご飯と合わせて、一宿一飯のお礼、頼まれた恋人役はキチンとこなします。
上司の命令は絶対。上意下達、上命下服、上が黒だって言ったら白いものも黒なんだって、お兄ちゃん言ってたし。命じられたことに従うのが、デキる社会人ってもんでしょ。
「――お前ら、いつまでおしゃべりしているつもりだ」
あ、そうそう。
喋ってる暇があったら手を動かせ。
暇を持て余してるなら、こなすノルマを増やしてやるぞ。――って。
「課長……」
蜘蛛の子を散らすように去っていた先輩たちに代わって、現れたのは仁王立ちの課長。メッチャ不機嫌顔で、後ろに「ズヌヌヌン」って音を背負ってそう。
「真白、頼んでおいた新しい備品のリストは?」
「あ、できてます」
「出来上がってるなら、早く俺のところに持ってこんか」
「すすっ、すみません! で、でも、課長、お忙しそうでしたし……」
だから、もうちょっと頃合い見計らって持っていこうって思ってたんですけど。なけなしの勇気を出しての反論。
「忙しくても、部下の作ったリストを見るぐらいの時間はある!」
「ぴゃい!」
うう。やっぱ、オオカミ課長。(仮)恋人になっても、お世話になっても、怖いもんは怖い!
「――で。リストは?」
「ああ、えっと。そこのメモリーに入れておいたんですが……」
えっと。メモリー、どこ行った?
ガサガサと机の上を捜索。
「どうして、紙でプリントしない! それか、共通のファイル! お前のメモリーだとチェックしにくいだろうが!」
「ひゃいっ! すすす、すみません! ――あっ!」
その怒声に、せっかく見つけたUSBがポロッと落ちる。おむすびコロリンよろしく、コロロロロッと回転をかけながら、床を滑ったUSB。
「あああ、す、すみませんっ! すみません!」
スットントンしたのは、机の下。
USBを探して、急いで自分の机の下に潜るけど。
「仕方ない……」
なぜか、次いで課長までしゃがみ始める。――なにゆえに?
もたもたしてたら、また叱られる? 早くしろって。
「あ、ありました、ありましたよ!」
ちょうど、机の脚のわき、ホコリまみれのコードに引っかかってました! ――って。
ゴンッ。
「か、課長っ!?」
経理課に響いた、鈍い衝撃音。
「だだだ、大丈夫ですかっ!?」
「大丈夫だ。少しぶつけただけだ」
後頭部をさすりながら、課長が立ち上がる。
さっきの音、課長が後頭部をぶつけた音だ。間違いない。
「ちゃんと印刷して、それから俺の所にもってこい」
先に立ち上がった課長。
心なしか、その頬が赤いよう……な?
頭をぶつけたのが、そんなに恥ずかしいんだろうか。あたしなら日常、当たり前のハプニングなんだけど。
机の下から見上げてたら、なぜか、プイッと顔を背けられた。やっぱ恥ずかしいのかな。
「どれだけ忙しくても、必ずチェックしてやるから。気にせず声をかけてこい」
それだけ言って、自分のデスクへと戻っていった課長。
「ちょっ、大丈夫なの、ウサギちゃん!」
課長に散らされたはずの先輩たちが戻ってくる。
「大丈夫って。なにがですか?」
落としたUSBもちゃんと拾えましたし。データが壊れてないかチェックしなきゃですけど、特に問題ないですけど?
「アンタ、あのオオカミに食われるのかと思ったわ」
へ? 食われる?
「巣穴に潜って身を隠したウサギと、ウサギを食おうと追いかけるオオカミって感じだったわね」
ほへ?
あたし、オオカミに追いかけられてたの? そして食べられそうになってたの?
あたしと課長。
そんなふうにしか見られないのかってのと、そんなので恋人役なんて務まるのかなってのが、頭のなかでグルグルする。
あたしなんかが恋人役務めたって、「はん。そんなのウソだろ」ってな感じで、アッサリ見破られるんじゃない。その後の「プークスクス」つき。
「大丈夫ですよ。ほら、どこも食べられてませんか――アダッ!」
ゴンッと二発目の鈍い音がフロアに響く。
(アタタタ……)
課長に続いて、あたしも頭ぶつけちゃった。こんなの日常であったとしても、痛いもんはやっぱり痛い。ちょっとだけ泣きそう。涙出ちゃう。
「大丈夫? 気をつけなさいよ、ウサギちゃん」
「相変わらずのドジっぷりね」
「アハハハ……」
頭をさすりながら、曖昧に笑う。
ほんの一瞬、デスクに戻った課長がこっちを見てた気がしたけど。
(こんなどんくさいやつ、選んで失敗だなとか思ってるのかな)
だとしたら、ちょっと悲しい。
翌朝。
出勤するなり、数人の先輩たちに囲まれた。
「アンタ、やっぱり課長とそういう仲だったわけ?」
「いつから、そういう関係になったの? 教えなさい!」
うん。まあ、そうなるよね。
先輩たちが驚き、詰め寄るのもよくわかる。
だって。
(いきなりの恋人宣言に、車でご一緒出勤だもんねえ)
昨日のお昼、課長が専務のお嬢さんを断るために演じた、「将来を誓う人がいる」。これだけなら、「ああ、そういう修羅場に憐れなウサギが巻き添え食らったのかな。かわいそうに」だけど。そこに、「次の日、仲良く出勤してきた」となれば。
あたしだって、そんなの見たら、「なにがあったの?」って知りたくなるもん。「あれは巻き添え事故じゃなくて、本当のことなの?」って、ミーハーしちゃうもん。
それにさ。
「あの課長とだなんて。ウサギちゃん、なんか脅されてたりするの?」
「困ったこととか、助けてほしいことがあるなら、言いなさいよ。力になるから」
……うん。まあ、そうなっちゃうよね。
だって、お相手はあの課長だもん。
――オオカミ課長。
苗字が「大神」だからついた二つ名っていうより、その容貌と中身がオオカミのように、おっそろしいからついたあだ名。
目つきが鋭くて、仕事に関して妥協、容赦は一切しない。低くていい声なんだけど、その声で凄まれると、誰もが震え上がっちゃう。
長身でイケメンなんだけど、近づくのは恐ろしい。まさしく「オオカミ」を体現したような人。
だから、あたしみたいなチビでどんくさい、「春のコンペの景品でウサ耳カチューシャが当たった」だけで「ウサギちゃん」扱いされるヤツは、当然のように、こうして心配されてしまう。
脅されて、弱みを掴まれてるんじゃないかって。
普通に恋愛して、つき合ってるというふうには見てもらえない。
「ありがとうございます。先輩方」
その心配には、キチンとお礼を述べる。
会社ってのは、みんなそれぞれの仕事だけこなして、誰も話しかけてこないとか、誰かが困ってても助けてくれないとか。お兄ちゃんが教えてくれたけど。
この会社、とてもいい職場だ。こんなふうに心配してくれる先輩がいる。
「でも心配されるようなことはありませんし。これでもちゃんとおつき合いさせていただいてますから」
そして、お役目は忘れずに。
アパート水浸し事件で、借りた宿泊先。朝ご飯と合わせて、一宿一飯のお礼、頼まれた恋人役はキチンとこなします。
上司の命令は絶対。上意下達、上命下服、上が黒だって言ったら白いものも黒なんだって、お兄ちゃん言ってたし。命じられたことに従うのが、デキる社会人ってもんでしょ。
「――お前ら、いつまでおしゃべりしているつもりだ」
あ、そうそう。
喋ってる暇があったら手を動かせ。
暇を持て余してるなら、こなすノルマを増やしてやるぞ。――って。
「課長……」
蜘蛛の子を散らすように去っていた先輩たちに代わって、現れたのは仁王立ちの課長。メッチャ不機嫌顔で、後ろに「ズヌヌヌン」って音を背負ってそう。
「真白、頼んでおいた新しい備品のリストは?」
「あ、できてます」
「出来上がってるなら、早く俺のところに持ってこんか」
「すすっ、すみません! で、でも、課長、お忙しそうでしたし……」
だから、もうちょっと頃合い見計らって持っていこうって思ってたんですけど。なけなしの勇気を出しての反論。
「忙しくても、部下の作ったリストを見るぐらいの時間はある!」
「ぴゃい!」
うう。やっぱ、オオカミ課長。(仮)恋人になっても、お世話になっても、怖いもんは怖い!
「――で。リストは?」
「ああ、えっと。そこのメモリーに入れておいたんですが……」
えっと。メモリー、どこ行った?
ガサガサと机の上を捜索。
「どうして、紙でプリントしない! それか、共通のファイル! お前のメモリーだとチェックしにくいだろうが!」
「ひゃいっ! すすす、すみません! ――あっ!」
その怒声に、せっかく見つけたUSBがポロッと落ちる。おむすびコロリンよろしく、コロロロロッと回転をかけながら、床を滑ったUSB。
「あああ、す、すみませんっ! すみません!」
スットントンしたのは、机の下。
USBを探して、急いで自分の机の下に潜るけど。
「仕方ない……」
なぜか、次いで課長までしゃがみ始める。――なにゆえに?
もたもたしてたら、また叱られる? 早くしろって。
「あ、ありました、ありましたよ!」
ちょうど、机の脚のわき、ホコリまみれのコードに引っかかってました! ――って。
ゴンッ。
「か、課長っ!?」
経理課に響いた、鈍い衝撃音。
「だだだ、大丈夫ですかっ!?」
「大丈夫だ。少しぶつけただけだ」
後頭部をさすりながら、課長が立ち上がる。
さっきの音、課長が後頭部をぶつけた音だ。間違いない。
「ちゃんと印刷して、それから俺の所にもってこい」
先に立ち上がった課長。
心なしか、その頬が赤いよう……な?
頭をぶつけたのが、そんなに恥ずかしいんだろうか。あたしなら日常、当たり前のハプニングなんだけど。
机の下から見上げてたら、なぜか、プイッと顔を背けられた。やっぱ恥ずかしいのかな。
「どれだけ忙しくても、必ずチェックしてやるから。気にせず声をかけてこい」
それだけ言って、自分のデスクへと戻っていった課長。
「ちょっ、大丈夫なの、ウサギちゃん!」
課長に散らされたはずの先輩たちが戻ってくる。
「大丈夫って。なにがですか?」
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へ? 食われる?
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ほへ?
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あたしと課長。
そんなふうにしか見られないのかってのと、そんなので恋人役なんて務まるのかなってのが、頭のなかでグルグルする。
あたしなんかが恋人役務めたって、「はん。そんなのウソだろ」ってな感じで、アッサリ見破られるんじゃない。その後の「プークスクス」つき。
「大丈夫ですよ。ほら、どこも食べられてませんか――アダッ!」
ゴンッと二発目の鈍い音がフロアに響く。
(アタタタ……)
課長に続いて、あたしも頭ぶつけちゃった。こんなの日常であったとしても、痛いもんはやっぱり痛い。ちょっとだけ泣きそう。涙出ちゃう。
「大丈夫? 気をつけなさいよ、ウサギちゃん」
「相変わらずのドジっぷりね」
「アハハハ……」
頭をさすりながら、曖昧に笑う。
ほんの一瞬、デスクに戻った課長がこっちを見てた気がしたけど。
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