6 / 23
巻の六、命短し、遊ぶぜ乙女!
しおりを挟む
遊ぶ。遊ぶ。遊ぶ。
とことん遊び尽くす。
寝て起きて。遊んで食べてまた遊ぶ。
遊びすぎ?
いいのよ。他にやることないんだから。
遊ぶって決めてから。
とことん遊び尽くすわたしの前に、あのクソガキ皇帝が現れる――なんてことはなかった。
だからわたしも、「もしかして今夜こそ?」みたい期待もしないし、「いつだって準備万端!」にもならない。
「うおお、長い~」と自分で自賛したくなった髪は、邪魔なのでグリグリっと適当に巻いて結わえておく。化粧も面倒だからすっぴん。衣装も「あ~れ~、お代官様ぁ~」しやすい絹のヤツじゃなくて、質素に飾り気なくて解けにくい綿の衣。
どこからどう見ても、「ハニトラ行きます!」って格好じゃない。
その上。
ジャジャジャラジャ、ジャジャン、ジャララララン♪ ジャジャラララララン、ジャラララランラン♪
琴で思い出した前世の曲をかき鳴らす。
ジャジャジャジャラン♪ ジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャ、ジャラララララ、ジャジャジャジャララララン♪ トテテテテテテン♪
うーん。やっぱ箏だとイマイチな部分もあるなあ。
同じ弦楽器なら、ギターが欲しい。それとリズム打ってくれるドラム。
現世でしっかり楽器も仕込まれたから、弾けるには弾けるんだけど、どこか物足りない。
箏以外には、笙とか琵琶もあるけど。笙だと、どっか神前結婚式の曲みたいになっちゃうし、琵琶だと……、ベベンベンっと『平家物語』唄い始めそう。ここはやはり、二胡の出番かな。
「――里珠さま」
「あ、おかえり尚佳」
開いた扉に、箏から顔を上げる。
「どう? なんか美味しいお菓子あった?」
さっきまで膳夫司に行ってた尚佳。わたしの代わりに、お菓子をいくつか取りに行ってもらってたんだけど。
「美味しいお菓子じゃありません! 里珠さま、今、とんでもない噂になってるの、ご存知ないんですか!」
ダン!
尚佳が、手にしてた箱を、力任せに卓に置く。
「噂って……」
ご存知になりたくても、わたしここから出られないし? ここにいて、尚佳以外、誰とも話せないから、知りようがないんだけど? ――なんてことは黙っておく。今の尚佳、なんか怖いし。
「里珠さまが、あまりにおかしな曲をお弾きになるから! 皎錦国では、あんな恐ろしげな曲を好むのかって言われてるんですよ!」
ダン、ダン、ダン!
お、お願い尚佳、それ以上、箱で卓を叩かないで。中のお菓子と卓が心配。
「大きなお声で、変な曲ばっかり歌われるから」
ああ。あれね。
悲しみには優しい調べを~ぉ♪ 企む悪には怒りの調べを~ぉ♪ 奏でる調べで世界を守る~ぅ♪ クインテット! こうきょ~ぉせんたぁい ムジークファイブ♪
前世で覚えてた曲。『交響戦隊ムジークファイブ』のオープニング。
小さい頃にお兄ちゃんといっしょに観てたせいか、他の歌よりもよく覚えていた。ポイントは「クインテット!」っていう合いの手。子供の頃に聴いた曲って、案外キチンと覚えてたりするものなのねえ。転生しても覚えてるとは思わなかったけど。
戦隊ヒーローの曲は、アップテンポでノリがよく、口ずさみやすいメロディなのがいい。
「いいじゃん。どう思われたって」
「よくありません!」
ダン、ダン、ダン、ダン!
ちょっ、それ以上叩かないで! お菓子が粉末になっちゃう! 卓がベコベコになっちゃう!
「このままだと、皎錦の民の沽券にかかわります! 里珠さまがおかしな人扱いされるのは構いませんが、同じ程度の民なんだと思われるのはイヤです!」
それ、なんかヒドくない?
「だ、大丈夫よ。これも作戦なんだから」
「作戦んん~~?」
メッチャうろんげな尚佳の目。信じてないな?
「桃園に居た時に書で見たのよ。こうやって好き放題、皇帝陛下なんて知らないわ~ってやってるとね。なぜか皇帝陛下ホイホイ出来るんだって」
ウソです。前世で読んだラノベ知識です。
『後宮の嫌われ冷遇妃、放ったらかしにされたので、好き放題させていただきます。~そしたら、なぜか陛下に寵愛されちゃったんですが?~』みたいな。(長いタイトル)
普通後宮でやらないでしょっていう、「陛下なんて興味ないね。ハッ」みたいなことをしてるとさ、なぜか陛下に「おもしれーやつ」認定されて。「わたくし、寵愛なんてされたくないですの。モフモフとスローライフさせてくださいですの」ってジタバタあがくと、さらに「おもしれーやつ」度が上がって。最終的に「物珍しい」程度の興味が、「溺愛!」に変化する展開。そして、「わたくし、そんなつもりじゃなかったのよぉ!」までがお約束。
まあその場合、陛下の脳みそがとっても柔軟で、規律とか規範にとらわれない、革新的な思考を持ってなきゃダメなんだけど。
「とにかく。押してダメなら引いてみな作戦っての? 興味ないの~ってのがいいらしいわよ」
「へえ。そうなんですねぇ。これ、作戦だったんですねぇ」
説明しても、尚佳のジト目は直らない。
「あたし、てっきり里珠さまがヤケを起こして、好き放題してるだけだと思ってたんですが。作戦だったんですねえ。ヘエェェ……」
やっぱ、ウソを見抜かれてる?
百パーセント遊びたかっただけです、皇帝なんてホイホイするつもりなんて、毛ほどもありませんでしたって。
「まあ、どうでもいいですけどね。里珠さまのお気持ちがそれで慰められるのなら」
へ?
「こうやってよくわからない遊びをされて、お気持ちが落ち着かれるのなら」
「尚佳?」
「――宰相さまのこと、お忘れになりたいんでしょう?」
う。
そ、それは……。
「でしたら、やけ食いでも変な曲でも。おつき合い致しますよ。里珠さまのお気持ちが済むまで」
「尚佳……」
その優しい言葉が不意打ちすぎて。目のあたりが一気に熱くなって、ボロっと涙がこぼれた。
そう。
わたしは、慈恩さまのことを忘れたかった。
思いっきりバカやって、思いっきり楽しんで。
恋心にサヨナラしたかった。
――失恋には、お菓子よ! カラオケよ!
前世の友だちが言ってたこと。
お菓子を食べて、歌を歌って。
悔しいこと、悲しいこと、辛いことをふっとばす。他にも、ボウリングやバッティングでかっ飛ばしたり。
そうやって、楽しいことをいっぱいやれば、悲しいことを少しだけ忘れられる。ふさぎ込みそうな気持ちが少しだけ浮上できる。辛い時には、それが一番。
「うわぁあん、尚佳ぁ~」
泣きながら尚佳に抱きつく。
わたしのこと、よくわかってくれてるじゃぁん。うぇ~ん。わたし、ホントは悲しかったんだよぉ。慈恩さまと別れたまま生きていかなきゃいけないって、辛かったんだよお。
不自由なく生きられたとしても、寂しいもんは寂しいんだよぉ。
「はいはい。お辛いですね、里珠さま」
ポンポンと、あやすようにわたしの背中を叩く尚佳。これじゃあ、どっちが年上かわかんないけど、今はその優しさに甘えて泣く。
「――ねえ、尚佳」
涙も収まってきた頃。
「もう少しだけ、ワガママきいてもらえないかな?」
「なにを、ですか?」
わたしのお願いに、少し警戒した顔になった尚佳。
「あのね。これぐらいの重めの木の棒を十本ばかりと、毬を用意してほしいの」
「――は?」
「それと、毬を打てるだけの棒。こっちの毬は少し小さめ、手のひらに収まるぐらいがいいわ」
ボーリングとバッティング。
ストレス解消には、かっ飛ばすのがいいのよ。
「それがダメなら、こう、蹴っ飛ばすことのできる毬!」
「――里珠さま」
「だ、ダメかな?」
おずおず。
「ダメに決まってます! そんなことして、自ら進んで名を貶めにいくつもりですか!」
プンスカ尚佳。
「皇帝に冷遇されてるんじゃなくて、奇抜すぎて皇帝に敬遠される姫になっちゃいますよ?」
ゔぐ。
それは、なんとなくだけど嫌だ。
とことん遊び尽くす。
寝て起きて。遊んで食べてまた遊ぶ。
遊びすぎ?
いいのよ。他にやることないんだから。
遊ぶって決めてから。
とことん遊び尽くすわたしの前に、あのクソガキ皇帝が現れる――なんてことはなかった。
だからわたしも、「もしかして今夜こそ?」みたい期待もしないし、「いつだって準備万端!」にもならない。
「うおお、長い~」と自分で自賛したくなった髪は、邪魔なのでグリグリっと適当に巻いて結わえておく。化粧も面倒だからすっぴん。衣装も「あ~れ~、お代官様ぁ~」しやすい絹のヤツじゃなくて、質素に飾り気なくて解けにくい綿の衣。
どこからどう見ても、「ハニトラ行きます!」って格好じゃない。
その上。
ジャジャジャラジャ、ジャジャン、ジャララララン♪ ジャジャラララララン、ジャラララランラン♪
琴で思い出した前世の曲をかき鳴らす。
ジャジャジャジャラン♪ ジャジャジャジャジャジャジャジャジャジャ、ジャラララララ、ジャジャジャジャララララン♪ トテテテテテテン♪
うーん。やっぱ箏だとイマイチな部分もあるなあ。
同じ弦楽器なら、ギターが欲しい。それとリズム打ってくれるドラム。
現世でしっかり楽器も仕込まれたから、弾けるには弾けるんだけど、どこか物足りない。
箏以外には、笙とか琵琶もあるけど。笙だと、どっか神前結婚式の曲みたいになっちゃうし、琵琶だと……、ベベンベンっと『平家物語』唄い始めそう。ここはやはり、二胡の出番かな。
「――里珠さま」
「あ、おかえり尚佳」
開いた扉に、箏から顔を上げる。
「どう? なんか美味しいお菓子あった?」
さっきまで膳夫司に行ってた尚佳。わたしの代わりに、お菓子をいくつか取りに行ってもらってたんだけど。
「美味しいお菓子じゃありません! 里珠さま、今、とんでもない噂になってるの、ご存知ないんですか!」
ダン!
尚佳が、手にしてた箱を、力任せに卓に置く。
「噂って……」
ご存知になりたくても、わたしここから出られないし? ここにいて、尚佳以外、誰とも話せないから、知りようがないんだけど? ――なんてことは黙っておく。今の尚佳、なんか怖いし。
「里珠さまが、あまりにおかしな曲をお弾きになるから! 皎錦国では、あんな恐ろしげな曲を好むのかって言われてるんですよ!」
ダン、ダン、ダン!
お、お願い尚佳、それ以上、箱で卓を叩かないで。中のお菓子と卓が心配。
「大きなお声で、変な曲ばっかり歌われるから」
ああ。あれね。
悲しみには優しい調べを~ぉ♪ 企む悪には怒りの調べを~ぉ♪ 奏でる調べで世界を守る~ぅ♪ クインテット! こうきょ~ぉせんたぁい ムジークファイブ♪
前世で覚えてた曲。『交響戦隊ムジークファイブ』のオープニング。
小さい頃にお兄ちゃんといっしょに観てたせいか、他の歌よりもよく覚えていた。ポイントは「クインテット!」っていう合いの手。子供の頃に聴いた曲って、案外キチンと覚えてたりするものなのねえ。転生しても覚えてるとは思わなかったけど。
戦隊ヒーローの曲は、アップテンポでノリがよく、口ずさみやすいメロディなのがいい。
「いいじゃん。どう思われたって」
「よくありません!」
ダン、ダン、ダン、ダン!
ちょっ、それ以上叩かないで! お菓子が粉末になっちゃう! 卓がベコベコになっちゃう!
「このままだと、皎錦の民の沽券にかかわります! 里珠さまがおかしな人扱いされるのは構いませんが、同じ程度の民なんだと思われるのはイヤです!」
それ、なんかヒドくない?
「だ、大丈夫よ。これも作戦なんだから」
「作戦んん~~?」
メッチャうろんげな尚佳の目。信じてないな?
「桃園に居た時に書で見たのよ。こうやって好き放題、皇帝陛下なんて知らないわ~ってやってるとね。なぜか皇帝陛下ホイホイ出来るんだって」
ウソです。前世で読んだラノベ知識です。
『後宮の嫌われ冷遇妃、放ったらかしにされたので、好き放題させていただきます。~そしたら、なぜか陛下に寵愛されちゃったんですが?~』みたいな。(長いタイトル)
普通後宮でやらないでしょっていう、「陛下なんて興味ないね。ハッ」みたいなことをしてるとさ、なぜか陛下に「おもしれーやつ」認定されて。「わたくし、寵愛なんてされたくないですの。モフモフとスローライフさせてくださいですの」ってジタバタあがくと、さらに「おもしれーやつ」度が上がって。最終的に「物珍しい」程度の興味が、「溺愛!」に変化する展開。そして、「わたくし、そんなつもりじゃなかったのよぉ!」までがお約束。
まあその場合、陛下の脳みそがとっても柔軟で、規律とか規範にとらわれない、革新的な思考を持ってなきゃダメなんだけど。
「とにかく。押してダメなら引いてみな作戦っての? 興味ないの~ってのがいいらしいわよ」
「へえ。そうなんですねぇ。これ、作戦だったんですねぇ」
説明しても、尚佳のジト目は直らない。
「あたし、てっきり里珠さまがヤケを起こして、好き放題してるだけだと思ってたんですが。作戦だったんですねえ。ヘエェェ……」
やっぱ、ウソを見抜かれてる?
百パーセント遊びたかっただけです、皇帝なんてホイホイするつもりなんて、毛ほどもありませんでしたって。
「まあ、どうでもいいですけどね。里珠さまのお気持ちがそれで慰められるのなら」
へ?
「こうやってよくわからない遊びをされて、お気持ちが落ち着かれるのなら」
「尚佳?」
「――宰相さまのこと、お忘れになりたいんでしょう?」
う。
そ、それは……。
「でしたら、やけ食いでも変な曲でも。おつき合い致しますよ。里珠さまのお気持ちが済むまで」
「尚佳……」
その優しい言葉が不意打ちすぎて。目のあたりが一気に熱くなって、ボロっと涙がこぼれた。
そう。
わたしは、慈恩さまのことを忘れたかった。
思いっきりバカやって、思いっきり楽しんで。
恋心にサヨナラしたかった。
――失恋には、お菓子よ! カラオケよ!
前世の友だちが言ってたこと。
お菓子を食べて、歌を歌って。
悔しいこと、悲しいこと、辛いことをふっとばす。他にも、ボウリングやバッティングでかっ飛ばしたり。
そうやって、楽しいことをいっぱいやれば、悲しいことを少しだけ忘れられる。ふさぎ込みそうな気持ちが少しだけ浮上できる。辛い時には、それが一番。
「うわぁあん、尚佳ぁ~」
泣きながら尚佳に抱きつく。
わたしのこと、よくわかってくれてるじゃぁん。うぇ~ん。わたし、ホントは悲しかったんだよぉ。慈恩さまと別れたまま生きていかなきゃいけないって、辛かったんだよお。
不自由なく生きられたとしても、寂しいもんは寂しいんだよぉ。
「はいはい。お辛いですね、里珠さま」
ポンポンと、あやすようにわたしの背中を叩く尚佳。これじゃあ、どっちが年上かわかんないけど、今はその優しさに甘えて泣く。
「――ねえ、尚佳」
涙も収まってきた頃。
「もう少しだけ、ワガママきいてもらえないかな?」
「なにを、ですか?」
わたしのお願いに、少し警戒した顔になった尚佳。
「あのね。これぐらいの重めの木の棒を十本ばかりと、毬を用意してほしいの」
「――は?」
「それと、毬を打てるだけの棒。こっちの毬は少し小さめ、手のひらに収まるぐらいがいいわ」
ボーリングとバッティング。
ストレス解消には、かっ飛ばすのがいいのよ。
「それがダメなら、こう、蹴っ飛ばすことのできる毬!」
「――里珠さま」
「だ、ダメかな?」
おずおず。
「ダメに決まってます! そんなことして、自ら進んで名を貶めにいくつもりですか!」
プンスカ尚佳。
「皇帝に冷遇されてるんじゃなくて、奇抜すぎて皇帝に敬遠される姫になっちゃいますよ?」
ゔぐ。
それは、なんとなくだけど嫌だ。
10
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ゆるふわな可愛い系男子の旦那様は怒らせてはいけません
下菊みこと
恋愛
年下のゆるふわ可愛い系男子な旦那様と、そんな旦那様に愛されて心を癒した奥様のイチャイチャのお話。
旦那様はちょっとだけ裏表が激しいけど愛情は本物です。
ご都合主義の短いSSで、ちょっとだけざまぁもあるかも?
小説家になろう様でも投稿しています。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
偏屈な辺境伯爵のメイドに転生しましたが、前世が秋葉原ナンバーワンメイドなので問題ありません
八星 こはく
恋愛
【愛されスキルで溺愛されてみせる!伯爵×ぽんこつメイドの身分差ラブ!】
「私の可愛さで、絶対ご主人様に溺愛させてみせるんだから!」
メイドカフェ激戦区・秋葉原で人気ナンバー1を誇っていた天才メイド・長谷川 咲
しかし、ある日目が覚めると、異世界で別人になっていた!
しかも、貧乏な平民の少女・アリスに生まれ変わった咲は、『使用人も怯えて逃げ出す』と噂の伯爵・ランスロットへの奉公が決まっていたのだ。
使用人としてのスキルなんて咲にはない。
でも、メイドカフェで鍛え上げた『愛され力』ならある。
そう決意し、ランスロットへ仕え始めるのだった。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる