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第12話 身体の準備はできているぞっ!! ♡ (陛下の視点)

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 欲しい。
 今すぐ貫きたい。

 そう思わせるほどに、女は色っぽかった。
 初めて会った日は、そこまで美しいとは思わなかった。南の人間によくある黒髪。艶やかに手入れされてはいたが、それだけだ。身体だって、胸は大きいと思ったが、それ以上の魅力を感じていなかった。
 それが、今はどうだ。
 オレの口づけに、手に翻弄され、白かった身体がほんのり色づき汗ばんでいる。潤んだ目の下が赤く染まり、唇も赤くポッテリと濡れて、煽情的だ。
 大きく息を吸うたびに上下する胸は、先を尖らせ、触れられるのを期待しているかのよう。脚の間からは甘い香りが漂い、しとどに濡れている。
 これだけ濡れて乱れていれば、すぐに挿れても大丈夫か?
 こんな乱れ切った女を前にガマンなど出来るものか。 
 それでなくても、ルシアンたちの情事を見て興奮してしまっているのだ。張り詰めた陰茎が、下穿きの中で痛いほど主張している。
 早く女のなかにぶち込んで、すべてを吐き出したい。
 性急に上着を脱ぎ捨て、下穿きに手をかけて……止まる。

 ――たっぷり愛撫してあげて。それでなくても処女の孔は硬いんだから、指や舌でほぐしてあげなきゃ。

 ふと、ルシアンの言葉を思い出す。
 そうだ。指では確認したが、舌ではやってない。それに、孔の上の突起。いじりはしたものの、ふくらんでいるのか、感じているのか見てみなければわからない。
 先日のような失敗はしたくない。
 挿れたい欲求をグッとこらえ、女の脚をグイッと持ち上げる。

 「あっ……!」

 軽く悲鳴じみた声が上がったが、気にせずに観察する。
 濡れては……いる。月明りをあびて、テラテラと光っている。陰毛まで濡れぼそり、陰唇を指で開けば、新たな蜜が孔からあふれ出た。
 その孔の上、花芽といったか。そこは、ポッテリと膨らんでいるようにみえるが。

 ――どれ。

 「あああっ!」

 口に含めば、甘く酸っぱい。舌を使えとのルシアンの忠告どおり、舌の先でその突起を押してみる。

 「あっ、やあっ、あっ、ああっ……!」

 女の腰がビクビクと震える。
 これが感じているということなのだろうか。
 その昔、戦場にいた娼婦たちも、こんな風に腰を震わしていたが。

 「ああっ、へっ、陛下ぁっ……」

 こちらを呼ぶ声に余裕がない。オレの与える感覚に、いっぱいいっぱいなのだろう。
 そのまま下の孔がほぐれているか確認するために、舌を尖らせ、挿しこんでみる。

 「あああっ! あっ……つい」

 朦朧とした声。孔のなかが大きくうねる。その動きに、舌が奥に引っ張られるような感じがした。

 これは……、かなりいい。

 この孔に陰茎を突き込めば、必ず気持ちよくなれる。
 そう確信したオレは、もっとうねらせようと、舌を抽送する。
 グチュグチュと音をたて、孔だけじゃなく、もう一度突起も舐めてやる。

 「あっ、あっ、あっ、いいっ、んあっ、ああっ!」

 髪を振り乱し、女が悶える。イヤイヤと顔をふり、ベンチの端を掴んで、必死に何かに耐えている。
 もっと乱れさせたい。そのいじらしさに、もっとイジメてみたくなる。

 もっと。もっとだ。

 「ああっ、そっ、れはぁっ……! ひいっ……!」

 女が息を呑む。突起をしゃぶりつつ、下の孔に指を突き込んだからだ。
 指がキュウキュウと締め付けられる。それに抵抗するように動かせば、ジュップジュップと蜜があふれ出てくる。
 その蜜を絡めて、突起を舐める。

 「い、あっ……、あっ、ああっ、もうっ、あああっ!」

 女の全身が突っ張る。身体が小刻みに震え、孔からは大量の蜜が噴き出す。
 指を抜き、舐めるのをやめても、女の震えは止まらない。ビクン、ビクンと軽い痙攣をくり返している。

 これが、感じているということなのか?

 わからない。わからないが、悪い状況ではないだろう。
 そう思ったオレは、残る下穿きを脱ぎ捨て、女の身体に覆いかぶさる。

 「あ……、うあ……」

 言葉もまともに紡げなくなっているその唇をふさぐように口づけ、陰茎を孔の入り口に押しつける。

 グチュ。

 「んんっ……!」

 濡れきった孔は、簡単に陰茎を呑み込む。先端だけだが、それでも、ニュルッと挿いる感覚がオレの腰を震わせた。

 このまま押し進めても大丈夫か?

 口づけを離し、その表情を確かめる。
 赤く上気した頬。ギュッと何かをこらえるように目をつむってはいるが、痛いと言わないのだから、問題ないのだろう。
 ゆっくりと、腰を進める。孔はとても狭く、濡れているとはいえ、進めるのは容易ではない。

 「あっ、ああっ、あっ……」

 一気に貫きたい衝動と戦いながら、奥まで進める。互いの恥骨がぶつかり、陰茎の先端が、コリッとした肉を押し上げる。

 「ああっ……!」

 その衝撃は女にも伝わったらしい。ひときわ大きな嬌声を上げ、身を捩った。

 「クッ……!」

 孔のなか、肉襞が大きくうねり竿にまとわりつく。身体をいたわってやろうと、動くのをこらえているのに、女の方はそれがガマンできないのか、グイグイとなかに引きずり込むように蠢く。
 そのうねりに合わせて、陰茎の先に熱が集まり始める。

 出したい。というか、出る。

 もう、ガマン出来そうにない。

 「あっ、ああっ、あっ、あっ……!」

 余裕などない。ガツガツと奥まで貫き、抽送をくり返す。

 「あひっ、い、あっ、あっ、あっ……!」

 オレの動きに合わせて、胸が大きく揺れる。
 さらに奥を穿ちたくて、脚を広げ、持ち上げる。上から叩きつけるような抽送。

 「ああっ、もっ、もうっ、あっ! 陛下ぁっ……!」

 女が叫ぶ。これまでで一番激しく収縮する膣。

 「クッ、ウッ……!」

 搾り取られるような感覚に逆らわず、貫いた先で、欲望を弾けさせる。

 「あっ、ああ――――っ!」

 オレの子種を受け止めた女が絶叫した。
 背中をのけ反らせ、足先まで強張る。
 その身体を押さえつけ、ドクドクと最後まで子種を注ぎ込む。

 「あっ、ああっ……!」

 子種が噴き出すたびに、女が喘ぐ。
 最後まで吐き出したそれを受け止めると、一気に身体が弛緩する。
 グッタリとした身体からは、濃厚な汗の匂いと、甘い官能の香りがした。

 ……この身体、悪くないな。

 金のための結婚であったが、女としても、悪くない相手だった。個人的な意見として言わせてもらえば、持参金の15万ポンドより価値がありそうだ。
 最初にみせた不遜な態度も、なにもかも、今ならすべて許せそうな気がする。

 「愛してるぞ、マリア」

 そうだ。愛を囁けと、ルシアンが言っていたな。
 額に張りついた黒髪を払ってやりながら、そんなことを思い出していた。
 言われたから口にしてみたが、まんざらでもない気がしていた。
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