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7.デキる女の見せ所?
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「――うん。これで悪くないと思う」
インフルエンザから復活復帰をした課長。
手渡したインテリア案をめくるその様子。仕草。
緊張して見守っていたけど、その「悪くない」という一言に、ホッと力が抜ける。
それは、隣に立つ朝比奈さんも同じだったようで、様子を見ようと視線を向けたら、目を細め、ニコッと笑い返してくれた。クッソ、イケメン。
先日の店舗見学、インテリア勉強会は、あの後、普通に店を出て、駅で「じゃあ」でサヨナラした。「この後、ディナーでも」とかそういう甘いお誘いは一切ナシ。
仕事熱心なことでと喜ぶべきか。それとも、「これって脈ナシ?」と落胆するべきか。
よくわからないまま、目をつむり、軽く息を吐く。
「ただねえ、ここの部分なんだけど……」
安心しかけた私達に向かって、課長がパシンと書類を叩く。
「この、柊くんの部屋なんだけど。少し、殺風景すぎないかい?」
机の上に置かれたモデル案の写真を、三人で覗き込む。
「――殺風景、ですか」
写真にある部屋。
マンション特有の白い壁、木の質感を味わえる家具。ミルクガラスのペンダントシェード。所々にガラスやスチール素材の家具も配したことで、スッキリしながらも甘さを感じられない、シンプルナチュラルな成人男性の部屋を作ったつもりだけど。
「う~ん。俺がオッサンなせいもあるのか。なんていうのか、寒々しく感じられるんだよねえ」
寒々しい?
あの柊深雪のコンセプトは「冬」なんだから、それでいいんじゃない? と思うけど、意見は心の奥にグッと押し込める。
「それに、彼の推し色? がねえ。少ないんだよね、ちょっと。整ったステキな部屋だとは思うけど」
やっぱり、そこを指摘されたか。
ここはグッと息を飲む。
柊深雪のイメージカラー、推し色は、スモークカラー。スモーキーブルーが最適解なんだけど、それって多用しすぎると本気で「寒っ!」って部屋になっちゃう。だから、ソファに置いたクッションをスモーキーブルーのストライプが入ったものにして、ワンポイント的に使ったものにしたんだけど。
(少なかったか)
その点を突かれるとちょっと痛い。
でも。
「では、こちらのプランBはいかがですか?」
そこでめげないのが私。
「こちらは、インテリアのコンセプトは同じ。ただ、ベッド横の壁をスモーキーブルーに変更しているプランです」
「ほう……」
「へえ……」
机の上に提示した書類を見た、課長と朝比奈さんが声を上げる。
「でも、壁を塗り替えるとなると、大変なんじゃないですか?」
朝比奈さんからの、当然の質問。
あの部屋は、撮影用に借りただけの賃貸。そこで壁に色をつけるなんて。朝比奈さんでなくても誰もが引っかかる疑問だと思う。
「大丈夫です。これは、貼ってはがせるタイプの壁紙ですから」
「壁紙?」
「はい。朝比奈さん、我が社に、リフォーム部門があること、ご存知ですか?」
「ええ。水回りとか、壁紙の張替えなど、住まいのリフォーム事業も展開されているんですよね」
我が大鳥家具は、家具を売るだけの会社じゃない。望みのインテリアを実現するために、リフォームで、お客様の望む部屋をご提案するって事業も展開している。(そして、部屋に似合う家具を買ってもらおうって魂胆)
「リフォーム事業部に確認しましたが、現在、この色の壁紙はリフォームとして提案されています」
「でも、それだと、彼らが作った部屋という趣旨から外れないかね?」
口を挟んできた課長。だから、最後まで聞けって。
「商品開発部にも問い合わせましたが、そのリフォーム事業部で取り扱ってる壁紙。はってはがせるタイプの壁紙にすることも可能らしく。今回のテレビ企画で紹介していただけるのなら、商品として展開させてもいいと許諾を頂いてます」
今のところ、店舗で貼ってはがせる壁紙なんて取り扱ってないけど、もしこの企画で人気がでるなら商品として取り扱ってもいいと、あちらには話をつけてある。
「他にも、山咲椿さんのカフェインテリアで使うカフェ風メニューボードや、榎原涼太郎さんのマリンスタイルのヴィンテージ感ある木材風フロアシートなども。企画で取り上げてくださるなら、新商品も悪くないと、前向きなお返事をいただいてます」
商品がない? なら作ればいいじゃない。
あのQUARTETTO!の人気がどれだけのものかは知らないけど、彼らが人気だというのなら、彼らと同じ部屋を作るのに、絶対欠かせないアイテムを、ウチの会社で展開すればいいじゃない。ウチの会社なら、安価な上に全国展開。ネット通販もやってる。全国どこにいたって、彼らのファンだろうがそうじゃなかろうが、誰でもできるステキなインテリア作りの助けになれば、それでいい。
「なるほど。この企画をきっかけに、新たな商品展開。いいんじゃないですか、課長。ウチでならできる、ウチでしかできないことだと思いますよ」
「ふむ。そうだな。一度あちらと検討してみるか」
朝比奈さんの意見に、課長が乗っかる。
「ありがとうございます!」
やた! 提案通った!
「それにしても。さすがです、壬生さん。インテリアだけじゃなく、新たな商品展開まで提案するとは」
「いえいえ。たまたまあちら、商品開発課に同期がいたもので。ちょっと相談に乗ってもらっただけです」
「ちょっと」じゃなくて、「たっぷり」「ウザく」「しつこく」相談に乗ってもらったけど。「できる。できるけどそんなポンポン、昼夜関係なしに質問してくるなあ!」と嘆かれたけど。それは笑って秘密にしておく。
「でも、このままだと、僕の仕事ことが無くなっちゃいそうだなあ」
え?
立ち上がった課長の背中を見送りながら、朝比奈さんのセリフに驚く。
私、なんかやりすぎた?
「それほど、完璧な仕事っぷりだってことですよ。『さすが』以外の言葉が出てきません。僕も同じ企画に携わってる者として、頑張らなくては」
驚く私に、ニッコリ笑いかけてくださる朝比奈さん。
「そうだ、壬生さん。今日の帰り、お時間ありますか?」
へ? 帰り? お時間?
「もしよかったら、一緒に夕飯、食べに行きませんか? ちょっと気になってるイタリアンのお店があるんです」
ええーっと。
それは、「気になるお店=インテリアの勉強場所として」ってこと? それとも「仕事が上手くいくことを祈念して、乾杯!」ってこと? それとも、それとも、それともっ!?
期待しちゃいけない。期待したって、この間みたいな展開ガックリだってある。
慎重に。なんでもないふりして、慎重に。
「私で、よければ……」
どういうお誘いか見当がつかなくて、おずおずと答える。イタリアンっていったら、そんなシャレオツなところでゴハンっていったら。でもでもでも……!
「よかった。なら、終業後に。楽しみですね、イタリアン」
ホッとしたように、うれしそうに笑った朝比奈さん。
「となったら、僕も頑張らないと」
言い置いて、その場を去っていくけど。
(カッコよすぎでしょうがぁぁっ!)
サラリと誘ってみたり、うれしそうに笑ってみたり。
その一挙手一投足にドキドキバクバクする心臓。時折キュンっとギュギュ~っと、苦しいほどに締め付けられて。
(いつか、朝比奈さんに殺されそう)
心拍乱高下する胸を押さえ、本気でそう思う。
インフルエンザから復活復帰をした課長。
手渡したインテリア案をめくるその様子。仕草。
緊張して見守っていたけど、その「悪くない」という一言に、ホッと力が抜ける。
それは、隣に立つ朝比奈さんも同じだったようで、様子を見ようと視線を向けたら、目を細め、ニコッと笑い返してくれた。クッソ、イケメン。
先日の店舗見学、インテリア勉強会は、あの後、普通に店を出て、駅で「じゃあ」でサヨナラした。「この後、ディナーでも」とかそういう甘いお誘いは一切ナシ。
仕事熱心なことでと喜ぶべきか。それとも、「これって脈ナシ?」と落胆するべきか。
よくわからないまま、目をつむり、軽く息を吐く。
「ただねえ、ここの部分なんだけど……」
安心しかけた私達に向かって、課長がパシンと書類を叩く。
「この、柊くんの部屋なんだけど。少し、殺風景すぎないかい?」
机の上に置かれたモデル案の写真を、三人で覗き込む。
「――殺風景、ですか」
写真にある部屋。
マンション特有の白い壁、木の質感を味わえる家具。ミルクガラスのペンダントシェード。所々にガラスやスチール素材の家具も配したことで、スッキリしながらも甘さを感じられない、シンプルナチュラルな成人男性の部屋を作ったつもりだけど。
「う~ん。俺がオッサンなせいもあるのか。なんていうのか、寒々しく感じられるんだよねえ」
寒々しい?
あの柊深雪のコンセプトは「冬」なんだから、それでいいんじゃない? と思うけど、意見は心の奥にグッと押し込める。
「それに、彼の推し色? がねえ。少ないんだよね、ちょっと。整ったステキな部屋だとは思うけど」
やっぱり、そこを指摘されたか。
ここはグッと息を飲む。
柊深雪のイメージカラー、推し色は、スモークカラー。スモーキーブルーが最適解なんだけど、それって多用しすぎると本気で「寒っ!」って部屋になっちゃう。だから、ソファに置いたクッションをスモーキーブルーのストライプが入ったものにして、ワンポイント的に使ったものにしたんだけど。
(少なかったか)
その点を突かれるとちょっと痛い。
でも。
「では、こちらのプランBはいかがですか?」
そこでめげないのが私。
「こちらは、インテリアのコンセプトは同じ。ただ、ベッド横の壁をスモーキーブルーに変更しているプランです」
「ほう……」
「へえ……」
机の上に提示した書類を見た、課長と朝比奈さんが声を上げる。
「でも、壁を塗り替えるとなると、大変なんじゃないですか?」
朝比奈さんからの、当然の質問。
あの部屋は、撮影用に借りただけの賃貸。そこで壁に色をつけるなんて。朝比奈さんでなくても誰もが引っかかる疑問だと思う。
「大丈夫です。これは、貼ってはがせるタイプの壁紙ですから」
「壁紙?」
「はい。朝比奈さん、我が社に、リフォーム部門があること、ご存知ですか?」
「ええ。水回りとか、壁紙の張替えなど、住まいのリフォーム事業も展開されているんですよね」
我が大鳥家具は、家具を売るだけの会社じゃない。望みのインテリアを実現するために、リフォームで、お客様の望む部屋をご提案するって事業も展開している。(そして、部屋に似合う家具を買ってもらおうって魂胆)
「リフォーム事業部に確認しましたが、現在、この色の壁紙はリフォームとして提案されています」
「でも、それだと、彼らが作った部屋という趣旨から外れないかね?」
口を挟んできた課長。だから、最後まで聞けって。
「商品開発部にも問い合わせましたが、そのリフォーム事業部で取り扱ってる壁紙。はってはがせるタイプの壁紙にすることも可能らしく。今回のテレビ企画で紹介していただけるのなら、商品として展開させてもいいと許諾を頂いてます」
今のところ、店舗で貼ってはがせる壁紙なんて取り扱ってないけど、もしこの企画で人気がでるなら商品として取り扱ってもいいと、あちらには話をつけてある。
「他にも、山咲椿さんのカフェインテリアで使うカフェ風メニューボードや、榎原涼太郎さんのマリンスタイルのヴィンテージ感ある木材風フロアシートなども。企画で取り上げてくださるなら、新商品も悪くないと、前向きなお返事をいただいてます」
商品がない? なら作ればいいじゃない。
あのQUARTETTO!の人気がどれだけのものかは知らないけど、彼らが人気だというのなら、彼らと同じ部屋を作るのに、絶対欠かせないアイテムを、ウチの会社で展開すればいいじゃない。ウチの会社なら、安価な上に全国展開。ネット通販もやってる。全国どこにいたって、彼らのファンだろうがそうじゃなかろうが、誰でもできるステキなインテリア作りの助けになれば、それでいい。
「なるほど。この企画をきっかけに、新たな商品展開。いいんじゃないですか、課長。ウチでならできる、ウチでしかできないことだと思いますよ」
「ふむ。そうだな。一度あちらと検討してみるか」
朝比奈さんの意見に、課長が乗っかる。
「ありがとうございます!」
やた! 提案通った!
「それにしても。さすがです、壬生さん。インテリアだけじゃなく、新たな商品展開まで提案するとは」
「いえいえ。たまたまあちら、商品開発課に同期がいたもので。ちょっと相談に乗ってもらっただけです」
「ちょっと」じゃなくて、「たっぷり」「ウザく」「しつこく」相談に乗ってもらったけど。「できる。できるけどそんなポンポン、昼夜関係なしに質問してくるなあ!」と嘆かれたけど。それは笑って秘密にしておく。
「でも、このままだと、僕の仕事ことが無くなっちゃいそうだなあ」
え?
立ち上がった課長の背中を見送りながら、朝比奈さんのセリフに驚く。
私、なんかやりすぎた?
「それほど、完璧な仕事っぷりだってことですよ。『さすが』以外の言葉が出てきません。僕も同じ企画に携わってる者として、頑張らなくては」
驚く私に、ニッコリ笑いかけてくださる朝比奈さん。
「そうだ、壬生さん。今日の帰り、お時間ありますか?」
へ? 帰り? お時間?
「もしよかったら、一緒に夕飯、食べに行きませんか? ちょっと気になってるイタリアンのお店があるんです」
ええーっと。
それは、「気になるお店=インテリアの勉強場所として」ってこと? それとも「仕事が上手くいくことを祈念して、乾杯!」ってこと? それとも、それとも、それともっ!?
期待しちゃいけない。期待したって、この間みたいな展開ガックリだってある。
慎重に。なんでもないふりして、慎重に。
「私で、よければ……」
どういうお誘いか見当がつかなくて、おずおずと答える。イタリアンっていったら、そんなシャレオツなところでゴハンっていったら。でもでもでも……!
「よかった。なら、終業後に。楽しみですね、イタリアン」
ホッとしたように、うれしそうに笑った朝比奈さん。
「となったら、僕も頑張らないと」
言い置いて、その場を去っていくけど。
(カッコよすぎでしょうがぁぁっ!)
サラリと誘ってみたり、うれしそうに笑ってみたり。
その一挙手一投足にドキドキバクバクする心臓。時折キュンっとギュギュ~っと、苦しいほどに締め付けられて。
(いつか、朝比奈さんに殺されそう)
心拍乱高下する胸を押さえ、本気でそう思う。
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