37 / 49
第九章 真幸くあらば
三十七、真幸くあらば(一)
しおりを挟む
「異母兄上!! 高市の異母兄上!!」
ドスドスと地面を鳴らし大股で近づいてくる異母弟。その勢い、表情。何を言いたいのかよくわかる、真っ赤に腫らした顔。
以前にもこうして自分の宮に突撃してきたことがあったな。あの時は異母妹と二人、よく似た顔で怒ってやってきたが。
「忍壁、お前はどうしていつも――」
「どうして大津の異母兄上が死ななきゃいけないんですかっ!!」
何の前置きもない文言。
おそらく、それだけ腹を立てているということなのだろう。
各々、宮で行い慎むようにとの触れがあったはずなのに。そんななか、ここまで来るというのはよっぽどだ。
「大津の異母兄上は謀反など企んでません!!」
わかってる。そんなことは言われなくても承知している。
「だが、そのような讒言があったというのだ。大津が謀反を企てているという、な」
「そんな讒言、嘘っぱちです!! そもそも父上がお亡くなりになったのに、誰に対して謀反を企てるっていうんですかっ!?」
この国の主は亡き父帝。
その父帝が先日薨去されたのだから、忍壁の言うことは正論。
強いて言うなら「日嗣の御子とその生母である皇后」に対して、だろうか。
この二人に対して背く。それが謀反とみなされる。だが皇后はともかく、日嗣の御子は決まっていない。草壁は皇后の子ではあるが、日嗣の御子ではない。父は、何も残さず身罷られた。
「謀反を企てるにしても仲間もおりませぬ!! 頼るべき武器も氏族もありません!!」
そう。大津には何もいなかった。
やつの背後にはどの豪族もついていない。過去に蘇我が一族の娘を使って近づいたようだが、それも大津本人が退けている。淡海の者と通じている可能性はあるが、父帝の御世、淡海の者は大津を支えるだけの力を有することは許されてなかった。父が薨去したからといって、即座にそれだけの力を取り戻すとは思い難い。
「だが、皇后が申されたのだ。大津が謀反を企んでいるとの讒言がある。謀反人は速やかに刑に処せと仰せなのだ」
「そんな詮議もなしに……」
「皇后が望まれた。それがすべてだ」
愕然と忍壁が肩を落とす。
「高市の異母兄上は? 異母兄上はそれでいいのですかっ!? 大津の異母兄上がそんなことするはずないと、一番よくご存知なのは異母兄上ではないのですかっ!?」
それでもなお食らいついてくる忍壁。
「知っていたからどうなる? 大津がそんな事するわけないと知っていたからどうなる?」
冷静に話していたはずなのに、知らず、ギュッと拳を握りしめる。
「アイツとその家族を逃がすか? 父上が淡海から逃れたように妻子と一緒に遠くへ逃がすか? それをあの皇后が許すとでも?」
「あ、異母兄上……」
「逃げたところで、あてもない。すぐに追捕の命がくだされて、遅かれ早かれそこで殺される。逃げ果せたとしても、また戦になる」
大津につく者、皇后につく者。
次の戦は、先のものよりもっと凄惨なものになるだろう。兄弟姉妹、どちらに着くか。勝ったとしても負けたとしても、どちらも深く傷つく。
「あいつは、すべてを知って、すべてを受け入れた。俺たちがどうこうできる問題じゃない」
「だからって、だからって……っ!!」
床に泣き崩れる忍壁。小さく丸くなって嗚咽を漏らす弟の肩に触れようとして、自分がどれだけきつく拳を握っていたのかを知る。手のひらに滲んた血。大君につながる忌まわしい血。
(大津……)
どうして死を受け入れた。
どうして助けを求めなかった。
どうして逃げなかった。
訊かずともわかっている。だが、納得いかず、何度も心の中で問いかける。
アイツはいつもそうだ。誰にも心から頼ろうとしない。一人でなんでも解決しようとして突っ走る。
本当は臆病で泣き虫でどうしようもないやつなのに強がる。誰かに愛してほしくて、愛されたくて良い子を演じる。なのに、いざとなると誰にも甘えられず、伸ばしかけた手を引っ込めてしまう。
弱いくせに強いふりをする。
何でもないかのように自分を殺して笑顔をみせる。
だが、ここに来て、死を受け入れるだけの強さをみせた。
(馬鹿……野郎っ!!)
なぜ、そんなところで強くなるんだ。
もっともがけ。父が吉野へ逃げたように。吉野で決起したように。
もっともがけ。もっとあがけ。すがりつけ。
大友のように、運命を受け入れる強さなんてみせるな。泣いて喚いて逃げる弱さをみせろ。もっともっと貪欲に生きろ。もっと我儘に。もっと弱く。
アイツは。アイツは、ずっと望んでいた幸せを手に入れたばかりじゃないか。子も生まれ、これから幸せになるはずだったのに。
「馬鹿……やろ……」
涙が溢れる。
「父上……? どうされましたか?」
眠い目をこすりながら近づいてきた息子、長屋。
おそらく忍壁の騒々しさと、宮を包むただならぬ空気に目が覚めたのだろう。眠さとともに不安の混じった顔をしている。
「弱く生きろ」
震える唇をきつく噛み締め、幼い息子の頭を撫でる。
「弱くなければ生き残れない」
* * * *
(馬鹿野郎、馬鹿野郎……っ!!)
暗く明かりもない夜の道を足早に歩く。背中に受ける炎の熱がジリジリと追いかけてくる。火をかけたのはアイツの舎人。左手の悪い男。宮に火をかけると、自分もその中に飛び込んでいった。
本当は泣いて叫んで走り出したい。でも。
(どうして、子どもだけなんだよっ……!!)
懐には首のすわったばかりの赤子。スヤスヤと眠るその子を起こすわけにも落っことすわけいもいかない。
大事な大事な、親友と異母妹の子。
――この子を頼みます。異母兄さま。
そう言ったのは異母妹山辺。
自分は夫に、大津について逝くからと。子どもを託してきた。
(馬鹿野郎……っ!! お前ら夫婦はそろって大馬鹿野郎だっ!!)
子どもだけじゃない。お前らだって逃げてもいいだろ。
淡海でもいい。それがダメならもっと北へ、東へ。越の国でも蝦夷にでもどこにだって逃げられる。どこかに逃げて、生きることが出来る。
それなのに……っ!!
(チクショウ……ッ!!)
なんでこんな時に変な強さをみせるんだよ。運命を従容と受け入れる強さなんて見たくもねえんだよ。お前、怖いって言ってたじゃないか。大友の異母兄上みたいになりそうで怖いって!!
なのになぜ、同じ道を選ぶんだよ。あの時みたいに、泣いて助けを求めろよ。
本当は弱くて弱くてどうしようもないぐらいヘナチョコのくせに、こういうときにだけ強くなる。
なんだよ、もっと弱く生きてよかったんだぞ。強くなんてならなくてよかったんだ。
でないと、このままじゃあ、オレは妹も親友も守れないヘナチョコの兄貴じゃないか。オレに変な汚名を残していくなよ。
(クソッ!!)
グイッと乱暴に涙を腕で拭う。
「おい、早くその流民のところに案内してくれ」
自分の後ろ、遅れがちになっていた女嬬を急き立てる。これから向かうは海石榴市。そこに、大津が頼る民がいる。何かあった時は助けてくれる約束をしたのだと。
懐の赤子をグッと抱き直す。
こうなったら、この子だけでも生き延びさせてやる。生き延びさせることで、大津の家族が滅びることを願ってる皇后に一矢報いてやる。
この川島、一世一代の大博打。皇后を欺いて子を生かしてやれたらオレの勝ちだ。ヘナチョコ、頼りない、友を見捨てたなんて言わせない。汚名返上だ。ざまあみろ。
父親が見ることを望んでやまなかった世界をこの子に見せてやる。
ドスドスと地面を鳴らし大股で近づいてくる異母弟。その勢い、表情。何を言いたいのかよくわかる、真っ赤に腫らした顔。
以前にもこうして自分の宮に突撃してきたことがあったな。あの時は異母妹と二人、よく似た顔で怒ってやってきたが。
「忍壁、お前はどうしていつも――」
「どうして大津の異母兄上が死ななきゃいけないんですかっ!!」
何の前置きもない文言。
おそらく、それだけ腹を立てているということなのだろう。
各々、宮で行い慎むようにとの触れがあったはずなのに。そんななか、ここまで来るというのはよっぽどだ。
「大津の異母兄上は謀反など企んでません!!」
わかってる。そんなことは言われなくても承知している。
「だが、そのような讒言があったというのだ。大津が謀反を企てているという、な」
「そんな讒言、嘘っぱちです!! そもそも父上がお亡くなりになったのに、誰に対して謀反を企てるっていうんですかっ!?」
この国の主は亡き父帝。
その父帝が先日薨去されたのだから、忍壁の言うことは正論。
強いて言うなら「日嗣の御子とその生母である皇后」に対して、だろうか。
この二人に対して背く。それが謀反とみなされる。だが皇后はともかく、日嗣の御子は決まっていない。草壁は皇后の子ではあるが、日嗣の御子ではない。父は、何も残さず身罷られた。
「謀反を企てるにしても仲間もおりませぬ!! 頼るべき武器も氏族もありません!!」
そう。大津には何もいなかった。
やつの背後にはどの豪族もついていない。過去に蘇我が一族の娘を使って近づいたようだが、それも大津本人が退けている。淡海の者と通じている可能性はあるが、父帝の御世、淡海の者は大津を支えるだけの力を有することは許されてなかった。父が薨去したからといって、即座にそれだけの力を取り戻すとは思い難い。
「だが、皇后が申されたのだ。大津が謀反を企んでいるとの讒言がある。謀反人は速やかに刑に処せと仰せなのだ」
「そんな詮議もなしに……」
「皇后が望まれた。それがすべてだ」
愕然と忍壁が肩を落とす。
「高市の異母兄上は? 異母兄上はそれでいいのですかっ!? 大津の異母兄上がそんなことするはずないと、一番よくご存知なのは異母兄上ではないのですかっ!?」
それでもなお食らいついてくる忍壁。
「知っていたからどうなる? 大津がそんな事するわけないと知っていたからどうなる?」
冷静に話していたはずなのに、知らず、ギュッと拳を握りしめる。
「アイツとその家族を逃がすか? 父上が淡海から逃れたように妻子と一緒に遠くへ逃がすか? それをあの皇后が許すとでも?」
「あ、異母兄上……」
「逃げたところで、あてもない。すぐに追捕の命がくだされて、遅かれ早かれそこで殺される。逃げ果せたとしても、また戦になる」
大津につく者、皇后につく者。
次の戦は、先のものよりもっと凄惨なものになるだろう。兄弟姉妹、どちらに着くか。勝ったとしても負けたとしても、どちらも深く傷つく。
「あいつは、すべてを知って、すべてを受け入れた。俺たちがどうこうできる問題じゃない」
「だからって、だからって……っ!!」
床に泣き崩れる忍壁。小さく丸くなって嗚咽を漏らす弟の肩に触れようとして、自分がどれだけきつく拳を握っていたのかを知る。手のひらに滲んた血。大君につながる忌まわしい血。
(大津……)
どうして死を受け入れた。
どうして助けを求めなかった。
どうして逃げなかった。
訊かずともわかっている。だが、納得いかず、何度も心の中で問いかける。
アイツはいつもそうだ。誰にも心から頼ろうとしない。一人でなんでも解決しようとして突っ走る。
本当は臆病で泣き虫でどうしようもないやつなのに強がる。誰かに愛してほしくて、愛されたくて良い子を演じる。なのに、いざとなると誰にも甘えられず、伸ばしかけた手を引っ込めてしまう。
弱いくせに強いふりをする。
何でもないかのように自分を殺して笑顔をみせる。
だが、ここに来て、死を受け入れるだけの強さをみせた。
(馬鹿……野郎っ!!)
なぜ、そんなところで強くなるんだ。
もっともがけ。父が吉野へ逃げたように。吉野で決起したように。
もっともがけ。もっとあがけ。すがりつけ。
大友のように、運命を受け入れる強さなんてみせるな。泣いて喚いて逃げる弱さをみせろ。もっともっと貪欲に生きろ。もっと我儘に。もっと弱く。
アイツは。アイツは、ずっと望んでいた幸せを手に入れたばかりじゃないか。子も生まれ、これから幸せになるはずだったのに。
「馬鹿……やろ……」
涙が溢れる。
「父上……? どうされましたか?」
眠い目をこすりながら近づいてきた息子、長屋。
おそらく忍壁の騒々しさと、宮を包むただならぬ空気に目が覚めたのだろう。眠さとともに不安の混じった顔をしている。
「弱く生きろ」
震える唇をきつく噛み締め、幼い息子の頭を撫でる。
「弱くなければ生き残れない」
* * * *
(馬鹿野郎、馬鹿野郎……っ!!)
暗く明かりもない夜の道を足早に歩く。背中に受ける炎の熱がジリジリと追いかけてくる。火をかけたのはアイツの舎人。左手の悪い男。宮に火をかけると、自分もその中に飛び込んでいった。
本当は泣いて叫んで走り出したい。でも。
(どうして、子どもだけなんだよっ……!!)
懐には首のすわったばかりの赤子。スヤスヤと眠るその子を起こすわけにも落っことすわけいもいかない。
大事な大事な、親友と異母妹の子。
――この子を頼みます。異母兄さま。
そう言ったのは異母妹山辺。
自分は夫に、大津について逝くからと。子どもを託してきた。
(馬鹿野郎……っ!! お前ら夫婦はそろって大馬鹿野郎だっ!!)
子どもだけじゃない。お前らだって逃げてもいいだろ。
淡海でもいい。それがダメならもっと北へ、東へ。越の国でも蝦夷にでもどこにだって逃げられる。どこかに逃げて、生きることが出来る。
それなのに……っ!!
(チクショウ……ッ!!)
なんでこんな時に変な強さをみせるんだよ。運命を従容と受け入れる強さなんて見たくもねえんだよ。お前、怖いって言ってたじゃないか。大友の異母兄上みたいになりそうで怖いって!!
なのになぜ、同じ道を選ぶんだよ。あの時みたいに、泣いて助けを求めろよ。
本当は弱くて弱くてどうしようもないぐらいヘナチョコのくせに、こういうときにだけ強くなる。
なんだよ、もっと弱く生きてよかったんだぞ。強くなんてならなくてよかったんだ。
でないと、このままじゃあ、オレは妹も親友も守れないヘナチョコの兄貴じゃないか。オレに変な汚名を残していくなよ。
(クソッ!!)
グイッと乱暴に涙を腕で拭う。
「おい、早くその流民のところに案内してくれ」
自分の後ろ、遅れがちになっていた女嬬を急き立てる。これから向かうは海石榴市。そこに、大津が頼る民がいる。何かあった時は助けてくれる約束をしたのだと。
懐の赤子をグッと抱き直す。
こうなったら、この子だけでも生き延びさせてやる。生き延びさせることで、大津の家族が滅びることを願ってる皇后に一矢報いてやる。
この川島、一世一代の大博打。皇后を欺いて子を生かしてやれたらオレの勝ちだ。ヘナチョコ、頼りない、友を見捨てたなんて言わせない。汚名返上だ。ざまあみろ。
父親が見ることを望んでやまなかった世界をこの子に見せてやる。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

座頭軍師ー花巻城の夜討ちー
不来方久遠
歴史・時代
関ヶ原の合戦のさなかに起こった覇権を画策するラスボス伊達政宗による南部への侵攻で、花巻城を舞台に敵兵500対手勢わずか12人の戦いが勃発した。
圧倒的な戦力差で攻める敵と少数ながらも城を守る南部の柔よく剛を制す知恵比べによる一夜の攻防戦。
【完結】女神は推考する
仲 奈華 (nakanaka)
歴史・時代
父や夫、兄弟を相次いで失った太后は途方にくれた。
直系の男子が相次いて死亡し、残っているのは幼い皇子か血筋が遠いものしかいない。
強欲な叔父から持ち掛けられたのは、女である私が即位するというものだった。
まだ幼い息子を想い決心する。子孫の為、夫の為、家の為私の役目を果たさなければならない。
今までは子供を産む事が役割だった。だけど、これからは亡き夫に変わり、残された私が守る必要がある。
これは、大王となる私の守る為の物語。
額田部姫(ヌカタベヒメ)
主人公。母が蘇我一族。皇女。
穴穂部皇子(アナホベノミコ)
主人公の従弟。
他田皇子(オサダノオオジ)
皇太子。主人公より16歳年上。後の大王。
広姫(ヒロヒメ)
他田皇子の正妻。他田皇子との間に3人の子供がいる。
彦人皇子(ヒコヒトノミコ)
他田大王と広姫の嫡子。
大兄皇子(オオエノミコ)
主人公の同母兄。
厩戸皇子(ウマヤドノミコ)
大兄皇子の嫡子。主人公の甥。
※飛鳥時代、推古天皇が主人公の小説です。
※歴史的に年齢が分かっていない人物については、推定年齢を記載しています。※異母兄弟についての明記をさけ、母方の親類表記にしています。
※名前については、できるだけ本名を記載するようにしています。(馴染みが無い呼び方かもしれません。)
※史実や事実と異なる表現があります。
※主人公が大王になった後の話を、第2部として追加する可能性があります。その時は完結→連載へ設定変更いたします。

葉桜よ、もう一度 【完結】
五月雨輝
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞特別賞受賞作】北の小藩の青年藩士、黒須新九郎は、女中のりよに密かに心を惹かれながら、真面目に職務をこなす日々を送っていた。だが、ある日突然、新九郎は藩の産物を横領して抜け売りしたとの無実の嫌疑をかけられ、切腹寸前にまで追い込まれてしまう。新九郎は自らの嫌疑を晴らすべく奔走するが、それは藩を大きく揺るがす巨大な陰謀と哀しい恋の始まりであった。
謀略と裏切り、友情と恋情が交錯し、武士の道と人の想いの狭間で新九郎は疾走する。
鬼を討つ〜徳川十六将・渡辺守綱記〜
八ケ代大輔
歴史・時代
徳川家康を天下に導いた十六人の家臣「徳川十六将」。そのうちの1人「槍の半蔵」と称され、服部半蔵と共に「両半蔵」と呼ばれた渡辺半蔵守綱の一代記。彼の祖先は酒天童子を倒した源頼光四天王の筆頭で鬼を斬ったとされる渡辺綱。徳川家康と同い歳の彼の人生は徳川家康と共に歩んだものでした。渡辺半蔵守綱の生涯を通して徳川家康が天下を取るまでの道のりを描く。表紙画像・すずき孔先生。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる