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第四章 海石榴市
十六、海石榴市(五)
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みもろの山の緑に吸い込まれるように、高らかに鳴らされる楽。
大和川のほとりの桜が風に花びらを散らせ、色とりどりの肩巾を振り踊る女性たちを彩る。
川の向こうに広がるのは、遥か飛鳥の地。淡く茫洋とした空。霞の向こう、深く藍色に染まり、幾重にも重なる遠くの山々。
人々の賑わい。喧騒。市の匂い。海と山と里が入り混じる。
その伶に混じって舞う妻。不慣れなせいで、真似をしようと必死なせいで、少し拍がずれた舞。その顔は困惑。
クルリと回った時、笛を鳴らす自分と目が合う。
すると、うれしそうに口元がゆるんだ。こちらも目を細めて呼応する。
彼女の髪に挿した簪、赤い瑪瑙が春の光に映える。
大宮で見かけるような、金や銀、数々の玉で飾った簪ではない。木でできた柄、小さな瑪瑙をはめ込んだだけの簪。
だが、肩巾を翻し、うれしそうに舞う山辺によく似合っていた。
* * * *
「いやあ、お二人ともご苦労さん」
舞台を終えると、八尋が労いながら近づいてきた。
「いやあ、あんな即興だったのに、なかなか上手かったよ。このまま一緒に歌って舞いをやってもらいたいぐらいだ」
「そんな。笛が良かったからですわ。わたくしのようなものでも舞えたのは、あの笛のおかげです」
「いや、舞い手に素質があったからだよ。笛は舞の添え物だからね。あんな素晴らしい舞になったのは、きみに素質があったからだ」
「どっちも上手かったって。息がピッタリだったしよ」
さすが夫婦だよな。
謙遜しあってたら、八尋が勝手に納得して頷いた。
「さて。ここまで上手く舞えたお方に、笛吹は『素晴らしい』しかねえのか?」
「え?」
「だーかーらー。一緒に楽しんだ記念とか、素敵な舞を見せてくれたお礼だよとかなんとかで、とにかくなんか贈れっての。気が利かねえ旦那だなあ」
八尋にグリグリと肘鉄をくらった。
「いえ、そんな。わたくしにはお褒めいただいただけで充分ですし、それに……」
恥ずかしそうにうつむいた山辺が、髪に挿した簪に手をやる。
(本当に気に入ってくれてるんだな)
そう思うと、こちらも嬉しくなる。
「お気持ちだけでってやつかあ。坊っちゃんの嫁さん、謙虚だな」
「それが彼女の美徳だよ」
「だとしても、あ、え、て、贈り物をするのが男ってもんだろ。気持ちを伝えろよ、朴念仁」
その辺の花でもいいからさ、贈ってやれよ。
八尋にコッソリ耳打ちされた。
(じゃあ……)
花と言われて、舞台のそば、河原の土手に咲く花に視線をやる。
生い茂る緑の草に負けじと競い咲く花。
そこに混じる、薄い砂色のニョキッと伸びたものが目に止まった。
「あのな。いくらなんでも土筆はねえぞ?」
「わかってるよ」
いくらなんでも土筆は贈らない。
「菜の花もダメだからな。腹減ってたのなら別だが」
「わかってるってば」
先程から食用の草花ばかり言ってくる八尋。いくらそういうことに疎い自分でも、食用の花ばかり贈る気はない。
土手に手を伸ばし手折ったのは濃い紫の花。緑の葉の合間から幾筋もの茎を伸ばし、愛らしい花をつけていた。それを一輪手折って山辺のもとに戻る。
「お、菫か。やるねえ」
八尋にも納得してもらえたらしい。
「本当は紫草を贈りたいんだけどね。今はこれしか咲いてないから」
はい、と山辺に差し出す。
紫草は、緑の葉に埋もれるように白く小さな花を咲かせる。群れて咲くから「群れ咲き」とも、紫の染料になるから「紫」とも言われている。
紫草で染めるには椿の灰汁が必要。
紫草を贈るのは、「きみには僕が必要、僕にはきみが必要なんだ」という意味が含まれる。どちらも欠けていたら布を染められない。恋人に贈るのに最適な花だけど、春には咲いていない。だから、代わりに「紫花」である菫を選んでみた。
「いえ、これで充分です。わたくし、大切にいたしますわ」
手の内にスッポリ収まってしまうような小さな花。それでも山辺は頬を染め、そっと受け取ってくれた。
「なあ、坊っちゃん、アンタもっと奥さんに贈り物してやれよ。アンタが滅多に贈らないから、そんな花ぐらいで大喜びしてしまうんだぜ?」
「いえ、そんなことは……。いただけるだけで幸せですので」
「ってことで、その花が枯れるより前に坊っちゃんは次の贈り物をすること!! いいな?」
山辺が恐縮するが、八尋はどこ吹く風。
勝手に夫婦のことを決められてしまった。
「いけません、そんなにたくさんいただいたら、その……わたくし、嬉しすぎてどうにかなってしまいます。ですから、贈り物は、なるべくゆっくりと折りをみてで充分です」
菫を手に、山辺が肩巾を被り直す。日差しよけというより、言い切ったことへの気恥ずかしさ隠し。
「……愛されてんなあ、坊っちゃん」
「――うん」
僕も初めて知った。
* * * *
それから、山辺と八尋、三人で市を回る。
市の見世物は八尋たちの舞だけではない。不思議な業を披露する者、朗々と物語を語って聞かせる者。
高らかに効用を語る薬売りの、流れるようにとどまることを知らない口上。いくつもの華やかな染め布の前には、女性の人だかり。
香ばしい焼き菓子。木簡。酒。米、豆。採れたての川魚。瓶。須恵器。墨。市の端では牛馬まで並べ、売られている。荷を担ぎ過ぎ去る者。あちらこちらの店を見て回るだけの者。人々の間を縫うように走っていく子供。杖つき歩く年寄り。
「すごいですわね」
被り物の向こう、山辺が感嘆の声を上げる。
いつもは宮の奥深くで暮らす彼女には、市は驚きに満ち溢れている。あちらの店、こちらの見世物と山辺がその足を止めた。最初はシッカリ被って顔を隠していたのに、いつの間にか前へ前へと顔をのぞかせていた。
「なあ、坊っちゃんたち、腹空かねえか?」
少し先を行っていた八尋が腹をさすった。
「お前、また奢られるつもりか?」
「いいじゃん。市を案内してやってるお礼だよ。楽しませてやってるんだ。嫁さんだけじゃなくって、俺にもお礼をしてくれよ」
「別に市ぐらい、案内されなくても歩けるけど」
「まあ、そう言うなって」
まったく。
どうしてくっついてきたのかと不思議に思っていたが、奢られる気満々だったらしい。
「山辺もお腹空いてる?」
「え、あの、その……」
「坊っちゃんよぉ。女に腹空いてるかなんて訊くなよ。空いてたって『平気です』って顔するのが女ってもんだぜ?」
そうなのか。
「じゃあ、僕もお腹空いてるし。一緒になにか食べよう」
言い直すと、八尋がウンウンと頷いた。こういう言い方なら良いらしい。
「それじゃあ……あれだ!! あれ、食おう!!」
八尋が指差す。
「蛤か」
先程から漂う香ばしい香りはその店からのものだった。強い磯の香り。店の脇で火を起こし焼いて提供していた。香りにつられて人も集まっている。
「あれは……伊勢から来たものなのか?」
「へ? 伊勢? そんなわけねえだろ。遠すぎる。貝が腐ってしまう」
キョトンと驚いた八尋。その後笑われた。
「そっか、伊勢は遠いか」
「あれはおそらく難波津のやつだよ」
難波津なら川を遡上してくるだけでいい。伊勢より近い。
「蛤は蛤だ。どこで採れた蛤だって、蛤に違いない。美味かったらいいんだよ」
正論だな。
「……炭で焼いてるんだな」
店先で焼かれていた蛤。その下にあるのは黒の中に赤い火が灯った炭。炭が蛤を焼き、たまらず蛤が殻をパカリと開ける。溢れた汁が炭に落ちてジュッと音を立てた。
「何言ってんだ?」
普通だろ?
八尋だけでなく山辺までもが怪訝な顔をした。
「いや、なんでもない」
――蛤はですな、松ぼっくりで焼くのが最高なんでございますよ。
遠く昔に聞いた食べ方。
松ぼっくりで焼くと貝の毒に当たらない。松に元気が無い時は蛤の殻を砕いて根本に撒いてやると良い。蛤と松は共に支え合って生きている。
「美味いな」
「だろ? 蛤は焼き立てが一番なんだって」
買い求め、三人で、ハフハフと貝の身を頬張る。
熱々の美味さは、いつも変わらない。
大和川のほとりの桜が風に花びらを散らせ、色とりどりの肩巾を振り踊る女性たちを彩る。
川の向こうに広がるのは、遥か飛鳥の地。淡く茫洋とした空。霞の向こう、深く藍色に染まり、幾重にも重なる遠くの山々。
人々の賑わい。喧騒。市の匂い。海と山と里が入り混じる。
その伶に混じって舞う妻。不慣れなせいで、真似をしようと必死なせいで、少し拍がずれた舞。その顔は困惑。
クルリと回った時、笛を鳴らす自分と目が合う。
すると、うれしそうに口元がゆるんだ。こちらも目を細めて呼応する。
彼女の髪に挿した簪、赤い瑪瑙が春の光に映える。
大宮で見かけるような、金や銀、数々の玉で飾った簪ではない。木でできた柄、小さな瑪瑙をはめ込んだだけの簪。
だが、肩巾を翻し、うれしそうに舞う山辺によく似合っていた。
* * * *
「いやあ、お二人ともご苦労さん」
舞台を終えると、八尋が労いながら近づいてきた。
「いやあ、あんな即興だったのに、なかなか上手かったよ。このまま一緒に歌って舞いをやってもらいたいぐらいだ」
「そんな。笛が良かったからですわ。わたくしのようなものでも舞えたのは、あの笛のおかげです」
「いや、舞い手に素質があったからだよ。笛は舞の添え物だからね。あんな素晴らしい舞になったのは、きみに素質があったからだ」
「どっちも上手かったって。息がピッタリだったしよ」
さすが夫婦だよな。
謙遜しあってたら、八尋が勝手に納得して頷いた。
「さて。ここまで上手く舞えたお方に、笛吹は『素晴らしい』しかねえのか?」
「え?」
「だーかーらー。一緒に楽しんだ記念とか、素敵な舞を見せてくれたお礼だよとかなんとかで、とにかくなんか贈れっての。気が利かねえ旦那だなあ」
八尋にグリグリと肘鉄をくらった。
「いえ、そんな。わたくしにはお褒めいただいただけで充分ですし、それに……」
恥ずかしそうにうつむいた山辺が、髪に挿した簪に手をやる。
(本当に気に入ってくれてるんだな)
そう思うと、こちらも嬉しくなる。
「お気持ちだけでってやつかあ。坊っちゃんの嫁さん、謙虚だな」
「それが彼女の美徳だよ」
「だとしても、あ、え、て、贈り物をするのが男ってもんだろ。気持ちを伝えろよ、朴念仁」
その辺の花でもいいからさ、贈ってやれよ。
八尋にコッソリ耳打ちされた。
(じゃあ……)
花と言われて、舞台のそば、河原の土手に咲く花に視線をやる。
生い茂る緑の草に負けじと競い咲く花。
そこに混じる、薄い砂色のニョキッと伸びたものが目に止まった。
「あのな。いくらなんでも土筆はねえぞ?」
「わかってるよ」
いくらなんでも土筆は贈らない。
「菜の花もダメだからな。腹減ってたのなら別だが」
「わかってるってば」
先程から食用の草花ばかり言ってくる八尋。いくらそういうことに疎い自分でも、食用の花ばかり贈る気はない。
土手に手を伸ばし手折ったのは濃い紫の花。緑の葉の合間から幾筋もの茎を伸ばし、愛らしい花をつけていた。それを一輪手折って山辺のもとに戻る。
「お、菫か。やるねえ」
八尋にも納得してもらえたらしい。
「本当は紫草を贈りたいんだけどね。今はこれしか咲いてないから」
はい、と山辺に差し出す。
紫草は、緑の葉に埋もれるように白く小さな花を咲かせる。群れて咲くから「群れ咲き」とも、紫の染料になるから「紫」とも言われている。
紫草で染めるには椿の灰汁が必要。
紫草を贈るのは、「きみには僕が必要、僕にはきみが必要なんだ」という意味が含まれる。どちらも欠けていたら布を染められない。恋人に贈るのに最適な花だけど、春には咲いていない。だから、代わりに「紫花」である菫を選んでみた。
「いえ、これで充分です。わたくし、大切にいたしますわ」
手の内にスッポリ収まってしまうような小さな花。それでも山辺は頬を染め、そっと受け取ってくれた。
「なあ、坊っちゃん、アンタもっと奥さんに贈り物してやれよ。アンタが滅多に贈らないから、そんな花ぐらいで大喜びしてしまうんだぜ?」
「いえ、そんなことは……。いただけるだけで幸せですので」
「ってことで、その花が枯れるより前に坊っちゃんは次の贈り物をすること!! いいな?」
山辺が恐縮するが、八尋はどこ吹く風。
勝手に夫婦のことを決められてしまった。
「いけません、そんなにたくさんいただいたら、その……わたくし、嬉しすぎてどうにかなってしまいます。ですから、贈り物は、なるべくゆっくりと折りをみてで充分です」
菫を手に、山辺が肩巾を被り直す。日差しよけというより、言い切ったことへの気恥ずかしさ隠し。
「……愛されてんなあ、坊っちゃん」
「――うん」
僕も初めて知った。
* * * *
それから、山辺と八尋、三人で市を回る。
市の見世物は八尋たちの舞だけではない。不思議な業を披露する者、朗々と物語を語って聞かせる者。
高らかに効用を語る薬売りの、流れるようにとどまることを知らない口上。いくつもの華やかな染め布の前には、女性の人だかり。
香ばしい焼き菓子。木簡。酒。米、豆。採れたての川魚。瓶。須恵器。墨。市の端では牛馬まで並べ、売られている。荷を担ぎ過ぎ去る者。あちらこちらの店を見て回るだけの者。人々の間を縫うように走っていく子供。杖つき歩く年寄り。
「すごいですわね」
被り物の向こう、山辺が感嘆の声を上げる。
いつもは宮の奥深くで暮らす彼女には、市は驚きに満ち溢れている。あちらの店、こちらの見世物と山辺がその足を止めた。最初はシッカリ被って顔を隠していたのに、いつの間にか前へ前へと顔をのぞかせていた。
「なあ、坊っちゃんたち、腹空かねえか?」
少し先を行っていた八尋が腹をさすった。
「お前、また奢られるつもりか?」
「いいじゃん。市を案内してやってるお礼だよ。楽しませてやってるんだ。嫁さんだけじゃなくって、俺にもお礼をしてくれよ」
「別に市ぐらい、案内されなくても歩けるけど」
「まあ、そう言うなって」
まったく。
どうしてくっついてきたのかと不思議に思っていたが、奢られる気満々だったらしい。
「山辺もお腹空いてる?」
「え、あの、その……」
「坊っちゃんよぉ。女に腹空いてるかなんて訊くなよ。空いてたって『平気です』って顔するのが女ってもんだぜ?」
そうなのか。
「じゃあ、僕もお腹空いてるし。一緒になにか食べよう」
言い直すと、八尋がウンウンと頷いた。こういう言い方なら良いらしい。
「それじゃあ……あれだ!! あれ、食おう!!」
八尋が指差す。
「蛤か」
先程から漂う香ばしい香りはその店からのものだった。強い磯の香り。店の脇で火を起こし焼いて提供していた。香りにつられて人も集まっている。
「あれは……伊勢から来たものなのか?」
「へ? 伊勢? そんなわけねえだろ。遠すぎる。貝が腐ってしまう」
キョトンと驚いた八尋。その後笑われた。
「そっか、伊勢は遠いか」
「あれはおそらく難波津のやつだよ」
難波津なら川を遡上してくるだけでいい。伊勢より近い。
「蛤は蛤だ。どこで採れた蛤だって、蛤に違いない。美味かったらいいんだよ」
正論だな。
「……炭で焼いてるんだな」
店先で焼かれていた蛤。その下にあるのは黒の中に赤い火が灯った炭。炭が蛤を焼き、たまらず蛤が殻をパカリと開ける。溢れた汁が炭に落ちてジュッと音を立てた。
「何言ってんだ?」
普通だろ?
八尋だけでなく山辺までもが怪訝な顔をした。
「いや、なんでもない」
――蛤はですな、松ぼっくりで焼くのが最高なんでございますよ。
遠く昔に聞いた食べ方。
松ぼっくりで焼くと貝の毒に当たらない。松に元気が無い時は蛤の殻を砕いて根本に撒いてやると良い。蛤と松は共に支え合って生きている。
「美味いな」
「だろ? 蛤は焼き立てが一番なんだって」
買い求め、三人で、ハフハフと貝の身を頬張る。
熱々の美味さは、いつも変わらない。
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