4 / 49
第二章 相し笑みてば
四、相し笑みてば(三)
しおりを挟む
「お帰りなさいませ、大津異母兄さま!!」
「ただいま……って、うわっ、泊瀬部っ!?」
「はい。お邪魔してますっ!!」
それは別にいいのだけれど。
いつもなら帰りを出迎えてくれるのは妻の山辺。
大人しい妻と違って泊瀬部の出迎え方は溌剌としている。しすぎている。ドーンッと勢いをつけて飛びついてくるのだから、受け止めるこちらは気合が必要になる。
「お帰りなさいませ」
「ああ、ただいま。山辺」
少し遅れて、普段どおりの妻の出迎え。
妻の手前、異母妹を受け止めきれず無様に転ぶことなく終わったことに胸をなでおろす。転んだら、妻にも異母妹にも、そして背後にいる兄弟たちにも示しがつかない。
「高市さまたちも。ようこそいらっしゃいました」
「あ、兄さま!! あら、なんだ、川島さまもいらっしゃったの?」
自分の背後、ヒョコッと顔を出した泊瀬部が、実兄と自分の夫、川島を見つけた。喜びと落胆。
「『あら、なんだ』はないだろ」
これでもお前の夫だぞ。
川島が不満そうに言った。
それに対して泊瀬部は「だって、ねえ……」と言うばかり。なにが「だって、ねえ」なのかは知らない。
「大津たちと、一献傾けることになってな。邪魔をする」
「ええ、どうぞ」
異母妹とその夫の漫才など知らぬ。
高市が挨拶を済ませると、山辺に案内されて宮の中に入っていく。その足取りは堂々と迷いがなく、姿だけ見れば誰がこの宮の主かわからなくなる。
「ところで、泊瀬部は今日は何しに来てたの?」
抱きとめたままになっていた異母妹に問う。普段は川島の持つ宮で暮らしている泊瀬部。自分の異母妹なんだから、別に遊びに来て悪いなんてことはないが。
「草壁異母兄さまの赤さまに差し上げる産着について、山辺義姉さまにご相談に参りましたの」
「そうなんだ」
「ええ。これからの季節なら麻であつらえたらいいんじゃないかって、以前、御名部異母姉さまにお教えいただいたので。ちょうど今、布が用意できたので、いっしょに縫い始めたところだったんです」
高市に続いて宮の中へと連れ立って歩いていく。
「へえ、泊瀬部、お前、縫い物得意だっけ」
「オレ、まだ一枚も縫ってもらったことないけどなあ」
忍壁と川島が、妹であり妻である泊瀬部をからかう。
「あまり得意じゃないから、義姉さまに習ってるの!!」
こちらの腕に掴まったまま、泊瀬部がイーッと兄と夫を威嚇する。
「川島さまのものなんて、赤さまの産着のずっとずっとずーっと後なんです!! 今は赤さまの産着で忙しいんです!!」
それは、もっともっと上達してからでないと縫わないのか。そもそも縫うつもりがないのか。
「泊瀬部さまは、お上手ですよ。ただちょっと気が急いていらっしゃるようですけど」
それは、「短慮」「そそっかしい」ということではないのか。
「お早く赤さまに産着を差し上げたいのでしょうね。お優しいですわ」
クスクスと笑う妻。上手く異母妹の技量をごまかされてしまった。
「じゃあ、上手く縫えるようになったら、俺のところにも届けてもらおうか」
高市が会話に加わった。
「高市異母兄さまのところにも赤さまが?」
パアッと泊瀬部が顔を明るくする。
「ああ、秋には生まれる」
おめでとうございます。
妻も自分も忍壁も川島も、そして泊瀬部も。誰もが高市の妻御名部の懐妊を寿ぐ。高市のところには子どもが一人、氷高より年上の長屋王がいる。そこに弟妹が増えるのなら、喜ばしいことこの上ない。
「じゃあ、たくさん産着を縫わなきゃいけないわね。ね。義姉さま」
「そうね。これからたくさん縫っておかなくてはね」
「それはありがたい。だが、泊瀬部。頼むから、袖に手を通すことのできるものを贈ってくれよ。着替えようとして、手が出ないでは困るからな」
――袖口縫い閉じるなよ。
高市はそうからかったのだが。
「あら、秋に生まれるのでしたら、温かいほうがよろしいもの。冷えないように、手が出ないほうが赤さまも喜ぶのではなくって?」
どうやら泊瀬部のほうが一枚上手だったらしい。
思わぬ返答に目を丸くした高市。続いて大笑いした彼に、自分たちも笑い出す。
「さあ、皆様こちらへ。すぐに酒をお持ちいたしますわ」
山辺が案内したのは宮の庭、磐余の池を臨むように設けられた四阿だった。風はまだ冷たいが、日差しには温もりが残る。
ほどなく女嬬たちによって運ばれてきた酒と肴が卓を潤す。
「――では、草壁の子の行く末幸い、弥栄、長久を願って」
掲げた盃。
長兄である高市が飲み干すと、続いて自分たちも盃を空ける。
言祝ぎ終えれば、そこからは普通の酒宴となる。
むしろこちらが本番だとばかりに、くだけた表情で酒を飲み、肴をつまむ忍壁と川島。
「おい、飲みすぎるなよ忍壁」
年長者ぶった川島が言った。
「お前、この間も飲みすぎて酔いつぶれてただろ」
「大丈夫だよ、ボクは川島と違って吐いたりしないもん」
「だからって、飲みすぎて帰れなくなるのはダメだろ」
いくら気心の知れた異母兄の宮だとしても、酔いつぶれて一泊はよろしくない。自分はいいけれど、外聞的によくない。
「まあ、まだ忍壁は飲むことが許されたばかりだからな。たくさん飲んで潰れることで、己の限界を知るのも大切だ」
「高市殿~」
川島が情けない声を上げた。
「だが、それは自分の宮でやれ。大津に迷惑をかけるな」
「……はい、異母兄上」
酒飲みを許されたかと思えば、釘もシッカリ刺された。
「ということで、ほどほどに、ね。忍壁」
笑いたいのをこらえて、落ち込んだ忍壁の肩を軽く叩き、慰める。
「それにしても……。あの草壁が二児の父、かあ」
感慨深げな川島の言葉。
時が経つのが早いと思っているのか。それとも、草壁でも父親になれるのかと思っているのか。
「だってあの草壁だぜ? 忍壁よりも馬に乗るの下手くそだったのにさ」
馬を乗りこなすのと子を成すのは同義ではないと思うが。
馬が下手でも子を成すことはできる。
「なんでボクと比べるのさ」
酔の回り始めた忍壁。比べる対象にされているのが気に食わないらしい。声にムッとした空気が混じる。
「だってお前、年少だし」
ここにいる中では。
忍壁と草壁とでは、四つも年が違う。
本来ここで比べるべきは、一歳差の――。
「それよか、大津異母兄上でしょ? 草壁異母兄上に近いのは大津異母兄上だし。草壁異母兄上よりもすぐ――」
「忍壁」
それ以上言うな。たとえ酒の席でも。
「まあなんだ。父上のもと、誰もが切磋琢磨し、ともに父上の望まれる御世を作り上げるのだ。そのために競い合うのはとても大事なこと。競うことでおのが得意を伸ばし、磨き、父上の役に立つ。誰に優劣があるというわけではないぞ」
「そうですね」
年長者らしい高市の言葉に深く頷く。
そう。
「競い合う」のであって「諍い合う」「争い合う」のではない。
「比べる」など愚かなこと。ましてや比べた相手を「卑下」するなど。
そうであってほしい。
そうであらねばならない。
願うように、盃の酒を飲み干す。
酒は、かすかにほろ苦い味がした。
「ただいま……って、うわっ、泊瀬部っ!?」
「はい。お邪魔してますっ!!」
それは別にいいのだけれど。
いつもなら帰りを出迎えてくれるのは妻の山辺。
大人しい妻と違って泊瀬部の出迎え方は溌剌としている。しすぎている。ドーンッと勢いをつけて飛びついてくるのだから、受け止めるこちらは気合が必要になる。
「お帰りなさいませ」
「ああ、ただいま。山辺」
少し遅れて、普段どおりの妻の出迎え。
妻の手前、異母妹を受け止めきれず無様に転ぶことなく終わったことに胸をなでおろす。転んだら、妻にも異母妹にも、そして背後にいる兄弟たちにも示しがつかない。
「高市さまたちも。ようこそいらっしゃいました」
「あ、兄さま!! あら、なんだ、川島さまもいらっしゃったの?」
自分の背後、ヒョコッと顔を出した泊瀬部が、実兄と自分の夫、川島を見つけた。喜びと落胆。
「『あら、なんだ』はないだろ」
これでもお前の夫だぞ。
川島が不満そうに言った。
それに対して泊瀬部は「だって、ねえ……」と言うばかり。なにが「だって、ねえ」なのかは知らない。
「大津たちと、一献傾けることになってな。邪魔をする」
「ええ、どうぞ」
異母妹とその夫の漫才など知らぬ。
高市が挨拶を済ませると、山辺に案内されて宮の中に入っていく。その足取りは堂々と迷いがなく、姿だけ見れば誰がこの宮の主かわからなくなる。
「ところで、泊瀬部は今日は何しに来てたの?」
抱きとめたままになっていた異母妹に問う。普段は川島の持つ宮で暮らしている泊瀬部。自分の異母妹なんだから、別に遊びに来て悪いなんてことはないが。
「草壁異母兄さまの赤さまに差し上げる産着について、山辺義姉さまにご相談に参りましたの」
「そうなんだ」
「ええ。これからの季節なら麻であつらえたらいいんじゃないかって、以前、御名部異母姉さまにお教えいただいたので。ちょうど今、布が用意できたので、いっしょに縫い始めたところだったんです」
高市に続いて宮の中へと連れ立って歩いていく。
「へえ、泊瀬部、お前、縫い物得意だっけ」
「オレ、まだ一枚も縫ってもらったことないけどなあ」
忍壁と川島が、妹であり妻である泊瀬部をからかう。
「あまり得意じゃないから、義姉さまに習ってるの!!」
こちらの腕に掴まったまま、泊瀬部がイーッと兄と夫を威嚇する。
「川島さまのものなんて、赤さまの産着のずっとずっとずーっと後なんです!! 今は赤さまの産着で忙しいんです!!」
それは、もっともっと上達してからでないと縫わないのか。そもそも縫うつもりがないのか。
「泊瀬部さまは、お上手ですよ。ただちょっと気が急いていらっしゃるようですけど」
それは、「短慮」「そそっかしい」ということではないのか。
「お早く赤さまに産着を差し上げたいのでしょうね。お優しいですわ」
クスクスと笑う妻。上手く異母妹の技量をごまかされてしまった。
「じゃあ、上手く縫えるようになったら、俺のところにも届けてもらおうか」
高市が会話に加わった。
「高市異母兄さまのところにも赤さまが?」
パアッと泊瀬部が顔を明るくする。
「ああ、秋には生まれる」
おめでとうございます。
妻も自分も忍壁も川島も、そして泊瀬部も。誰もが高市の妻御名部の懐妊を寿ぐ。高市のところには子どもが一人、氷高より年上の長屋王がいる。そこに弟妹が増えるのなら、喜ばしいことこの上ない。
「じゃあ、たくさん産着を縫わなきゃいけないわね。ね。義姉さま」
「そうね。これからたくさん縫っておかなくてはね」
「それはありがたい。だが、泊瀬部。頼むから、袖に手を通すことのできるものを贈ってくれよ。着替えようとして、手が出ないでは困るからな」
――袖口縫い閉じるなよ。
高市はそうからかったのだが。
「あら、秋に生まれるのでしたら、温かいほうがよろしいもの。冷えないように、手が出ないほうが赤さまも喜ぶのではなくって?」
どうやら泊瀬部のほうが一枚上手だったらしい。
思わぬ返答に目を丸くした高市。続いて大笑いした彼に、自分たちも笑い出す。
「さあ、皆様こちらへ。すぐに酒をお持ちいたしますわ」
山辺が案内したのは宮の庭、磐余の池を臨むように設けられた四阿だった。風はまだ冷たいが、日差しには温もりが残る。
ほどなく女嬬たちによって運ばれてきた酒と肴が卓を潤す。
「――では、草壁の子の行く末幸い、弥栄、長久を願って」
掲げた盃。
長兄である高市が飲み干すと、続いて自分たちも盃を空ける。
言祝ぎ終えれば、そこからは普通の酒宴となる。
むしろこちらが本番だとばかりに、くだけた表情で酒を飲み、肴をつまむ忍壁と川島。
「おい、飲みすぎるなよ忍壁」
年長者ぶった川島が言った。
「お前、この間も飲みすぎて酔いつぶれてただろ」
「大丈夫だよ、ボクは川島と違って吐いたりしないもん」
「だからって、飲みすぎて帰れなくなるのはダメだろ」
いくら気心の知れた異母兄の宮だとしても、酔いつぶれて一泊はよろしくない。自分はいいけれど、外聞的によくない。
「まあ、まだ忍壁は飲むことが許されたばかりだからな。たくさん飲んで潰れることで、己の限界を知るのも大切だ」
「高市殿~」
川島が情けない声を上げた。
「だが、それは自分の宮でやれ。大津に迷惑をかけるな」
「……はい、異母兄上」
酒飲みを許されたかと思えば、釘もシッカリ刺された。
「ということで、ほどほどに、ね。忍壁」
笑いたいのをこらえて、落ち込んだ忍壁の肩を軽く叩き、慰める。
「それにしても……。あの草壁が二児の父、かあ」
感慨深げな川島の言葉。
時が経つのが早いと思っているのか。それとも、草壁でも父親になれるのかと思っているのか。
「だってあの草壁だぜ? 忍壁よりも馬に乗るの下手くそだったのにさ」
馬を乗りこなすのと子を成すのは同義ではないと思うが。
馬が下手でも子を成すことはできる。
「なんでボクと比べるのさ」
酔の回り始めた忍壁。比べる対象にされているのが気に食わないらしい。声にムッとした空気が混じる。
「だってお前、年少だし」
ここにいる中では。
忍壁と草壁とでは、四つも年が違う。
本来ここで比べるべきは、一歳差の――。
「それよか、大津異母兄上でしょ? 草壁異母兄上に近いのは大津異母兄上だし。草壁異母兄上よりもすぐ――」
「忍壁」
それ以上言うな。たとえ酒の席でも。
「まあなんだ。父上のもと、誰もが切磋琢磨し、ともに父上の望まれる御世を作り上げるのだ。そのために競い合うのはとても大事なこと。競うことでおのが得意を伸ばし、磨き、父上の役に立つ。誰に優劣があるというわけではないぞ」
「そうですね」
年長者らしい高市の言葉に深く頷く。
そう。
「競い合う」のであって「諍い合う」「争い合う」のではない。
「比べる」など愚かなこと。ましてや比べた相手を「卑下」するなど。
そうであってほしい。
そうであらねばならない。
願うように、盃の酒を飲み干す。
酒は、かすかにほろ苦い味がした。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
【完結】女神は推考する
仲 奈華 (nakanaka)
歴史・時代
父や夫、兄弟を相次いで失った太后は途方にくれた。
直系の男子が相次いて死亡し、残っているのは幼い皇子か血筋が遠いものしかいない。
強欲な叔父から持ち掛けられたのは、女である私が即位するというものだった。
まだ幼い息子を想い決心する。子孫の為、夫の為、家の為私の役目を果たさなければならない。
今までは子供を産む事が役割だった。だけど、これからは亡き夫に変わり、残された私が守る必要がある。
これは、大王となる私の守る為の物語。
額田部姫(ヌカタベヒメ)
主人公。母が蘇我一族。皇女。
穴穂部皇子(アナホベノミコ)
主人公の従弟。
他田皇子(オサダノオオジ)
皇太子。主人公より16歳年上。後の大王。
広姫(ヒロヒメ)
他田皇子の正妻。他田皇子との間に3人の子供がいる。
彦人皇子(ヒコヒトノミコ)
他田大王と広姫の嫡子。
大兄皇子(オオエノミコ)
主人公の同母兄。
厩戸皇子(ウマヤドノミコ)
大兄皇子の嫡子。主人公の甥。
※飛鳥時代、推古天皇が主人公の小説です。
※歴史的に年齢が分かっていない人物については、推定年齢を記載しています。※異母兄弟についての明記をさけ、母方の親類表記にしています。
※名前については、できるだけ本名を記載するようにしています。(馴染みが無い呼び方かもしれません。)
※史実や事実と異なる表現があります。
※主人公が大王になった後の話を、第2部として追加する可能性があります。その時は完結→連載へ設定変更いたします。

葉桜よ、もう一度 【完結】
五月雨輝
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞特別賞受賞作】北の小藩の青年藩士、黒須新九郎は、女中のりよに密かに心を惹かれながら、真面目に職務をこなす日々を送っていた。だが、ある日突然、新九郎は藩の産物を横領して抜け売りしたとの無実の嫌疑をかけられ、切腹寸前にまで追い込まれてしまう。新九郎は自らの嫌疑を晴らすべく奔走するが、それは藩を大きく揺るがす巨大な陰謀と哀しい恋の始まりであった。
謀略と裏切り、友情と恋情が交錯し、武士の道と人の想いの狭間で新九郎は疾走する。
鬼を討つ〜徳川十六将・渡辺守綱記〜
八ケ代大輔
歴史・時代
徳川家康を天下に導いた十六人の家臣「徳川十六将」。そのうちの1人「槍の半蔵」と称され、服部半蔵と共に「両半蔵」と呼ばれた渡辺半蔵守綱の一代記。彼の祖先は酒天童子を倒した源頼光四天王の筆頭で鬼を斬ったとされる渡辺綱。徳川家康と同い歳の彼の人生は徳川家康と共に歩んだものでした。渡辺半蔵守綱の生涯を通して徳川家康が天下を取るまでの道のりを描く。表紙画像・すずき孔先生。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる