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五、美濃の強力娘、牛車をかりて活躍するの語
(五)
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「あとは、その唐櫃と、唐櫛笥かしら。硯筥もいるわよね。蒔絵のそれも持っていって。丁重にね」
周囲にいる雑仕たちに、あれでもないこれでもないと指示を出す。
「ああ、その蹴鞠も持っていくわよ。そこの手筥に入ってるのも全部。宮の猫さまが使うのよ」
あれやこれやそれやどれや。
今日の桐壺は、以前の大掃除のとき以来、バタバタと忙しない。
「やあ、菫野。支度はできたかい?」
「安積さま。おかげさまでかなりの荷を運ぶことができましたわ」
「それはよかった」
安積さまが手配してくれた雑仕のおかげで、順調に運び出される桜花さまの道具。今、桜花さまのお手元には新しい道具がそろえられてるだろうけど、やっぱり手に馴染んだもののほうが、安心されるでしょうし。
几帳とか、畳はさすがに持っていけないので、あちらで用意いただいたものを使うとしても、それ以外の、運べる物はなるべく持っていきたい。
そういう意味じゃ、書とか絵巻物も持っていったほうがいいかな。
「なんか、家移りでもするみたいだね」
「すみません、持って行き過ぎですか?」
「いや、そんなことはないよ。ただ、桜花が嫁入りする時もこんな感じなのかなって、思っただけ」
うーん。どうだろ。
お嫁入りとなったら、新調したお道具を持参されるんじゃないかなあ。
「宮。こちらにおられましたか。おっと、女房どのもご一緒か」
「中将さま」
荷物を運ぶため、巻き上げっぱなしの御簾をくぐって現れたのは、近衛中将さま。あの宇治での別れ以来の再会だけど。
「姫宮がお戻りあそばしたのかと思いましたが、違ったのですね」
「ええ。桜花は今、僕の屋敷におります」
「三条の……」
「旅の疲れが出たのでしょう。具合が良くないので、しばらくあちらで休ませようと思っております」
「なるほど」
それで、桜花さまの荷物を三条の安積さまの屋敷に運んでいる。どの荷物を運んだらいいのか男の安積さまにはわからないので、こうして女房のわたしが連れてこられた。
そういう説明。
中将さまは、それで納得してくださったけど。
(本当のこと、話すわけにはいかないのよねえ)
宇治の荘で、桜花さまから安積さまを引き離すため、嘘の言伝を持ってきたのは、中将さまの荘の家司。そして、桜花さまの牛車につけられた侍は、中将さまの務める近衛府から借り受けたもの。
中将さまの父、先の左大臣は、孫娘である女一の宮さまを東宮につけた。けど、女性を東宮にすることを良く思ってない連中もいる。皇子である安積さまのほうが東宮にふさわしいと。先の左大臣からしてみれば、安積さまは目の上のデッカいタンコブ。これ以上安積さまに力をつけられないためにも、妹、桜花さまを有力な後ろ盾となる公達と結婚させるわけにはいかない。
そう考えると、この中将さまって、とっても、とぉぉぉぉっても怪しい方なのよねえ。
だって、先の左大臣の三男だし? 宇治に誘ったのも中将さまだし? 急に慌ただしく離れたのだって、そういう計画を実行するためだったって、思えなくもないし?
だから、本当のことを全部話すわけにはいかない。
用心、用心。ニッコリ笑って用心、用心。にこやかに話しかけてきたとしても、用心を忘れちゃいけないの。
「あの、女房どの……」
荷を運んでいた雑仕が、遠慮がちに声をかけてきた。
「さきほど梅壺の女房どのから、女東宮さまがこちらに参られると」
え? 女東宮さまが?
「いかがいたしましょう」
いや、いかがいたしましょうって。そんなのわたしじゃなくて、安積さまか中将さまに聞いて!
「――とりあえず、お前たちは、一旦下がって。後でまた呼ぶから」
えっと、それからそれから……。ああ、安積さまたち、立ちっぱなしじゃない! 円座! 円座をお出しして! 女東宮さまは、一番上座だろうから、この場合、いつも桜花さまが座しておられる畳の上、茵にお座りいただいたらいいのよね? 女東宮さまと、安積さま中将さまが向かい合うように座ったら。後は几帳をどうにかしてって、あ! もうそこまで先導女房が来てるじゃない! まーにーあーわーなーいー! とりあえず、円座二枚、確保!
「落ち着いて、菫野」
軽くポンッと肩を叩いてくださった安積さま。
「女東宮さまのお成りでございます」
声と同時にズカズカと入ってきたのは、すっごく派手な袿の女性。キレイな顔立ちだし、美人だって思うけど。
「主なき 殿に塵の つもりぬる。なに? 桐壺は大掃除でもしてたの? あの子が帰ってくる支度でもしてたのかしら」
キッツい言い方。嫌味?
そんな桐壺に塵が積もるほど、桜花さまは留守にしてないわよ。プンスカ。
「いえ、桜花は旅の帰りに体調を崩しましたので、僕の屋敷に留まっております」
「アナタの屋敷に? そんなの、内裏の目と鼻の先じゃない」
「ええ。でも、具合が悪いまま内裏に戻ることはできませんので」
言いながら、室に入ってきた女東宮さまが、当然のように茵に腰を下ろす。続いて安積さまと中将さまも、わたしが用意した円座に座られるけど。……なんだろう。なんか「ムッ!」としてしまう。
「遊びに行っておいて具合が悪くなるって」
「申し訳ございません。妹は、桜花は暑気に弱いらしく……」
「それは、アナタが甘やかすからでしょう、安積。あの子を甘やかし過ぎなのよ」
「申し訳ございません」
プンプンと怒り続ける女東宮に、ひたすら謝罪を続ける安積さま。
女東宮さまは、安積さまの一個上の異母姉。姉と弟、東宮と式部卿って身分が全然違うからって、そこまでギャースカ怒んなくってもいいんじゃない?
ってか、何しに来たのよ、この女東宮。嫌味を言いに来たの?
「そういう女東宮さまも、妹君を大切に思っていらっしゃるのでは?」
「――は?」
「ここまでいらしたということは、大切な妹宮の身を案じて、出迎えようとなさったのでは」
思いっきり眉をしかめた女東宮。でもおかまいなしに、中将さまは持論をくり広げる。
「お優しいですね」
「ちっ、違うわよ! 私は、別に……」
プイッてそっぽを向いた女東宮。
あ、なんだ。
久々に妹に会いに来たら、妹が不在で。それがちょっと悔しくて嫌味を言っただけ?
女東宮さまのお住まいは、梅壺。
そこからこの桐壺までは、藤壺、清涼殿(をちょっと)、弘徽殿、常寧殿、宣燿殿、それから桐壷と、かなりの場所を通らないとやって来れない。
(妹思いのいいお姉さんってとこかな?)
ちょっとツンツンしてるだけで。
横向いた、ちょっと赤いふくれっ面が、かわいく思えた。
「わ、私は、アナタに宿直を命じに来ただけです、中将」
「宿直?」
軽く首をかしげた中将さまの後ろで、一人、ウンウンと頷く。
そう、そうよね。「妹に会いに来たの」って素直に言えないんだよね。そういう性分じゃないっていうのか。だから、取ってつけたように理由をこさえた。
わたしより年上なのに。かわいいなあ、この女東宮さまって。
「何笑ってんのよ、そこの女房」
「申し訳ございません」
笑ったつもりはないんだけど。頬の緩みに気づかれてしまった。キッとにらまれ、顔を戻す。
「鬼女が現れたって噂を聞いたのよ」
ギク。
「鬼女……ですか」
「そうよ。なんでも、宇治のあたりで鬼女が現れたとか。通りすがりの牛車を打ち壊して、なかにいた姫も、守る侍も何もかも、片っ端からバリボリ食べたって話よ」
ギクギク。
「それは恐ろしいですね」
答える安積さま。でも全然怖がってない。むしろ、微笑んでる。
「全部たいらげた鬼女は、高らかに笑って、北に向かって空を飛んでいったとか。もしかしたら、この都に来てるかもしれないじゃない。だから宿直を頼みたいの」
ギクギクギク――!
「でも、この内裏に現れるとは限りませんよ」
「そんなのわからないじゃない。鬼ってのはね、どこにだって現れることのできる魔物なんだから」
そんなぐらいわらかないの?
女東宮さまが中将さまを叱る。
(……すみません。その噂の鬼女は、アナタのすぐそばにいます)
心の中で謝罪する。
姫を食べたりしてないけど、鬼女はアナタのそばにいます。ちゃっかり内裏に入り込んでます。
「東宮である私を守るのは、アナタの務めでしょう? フラフラ遊びに行ってるヒマがあるなら、私を守りなさい、中将」
「――承知いたしました」
「ねえ、ところで。そこの女房、顔が青いけど。鬼女が怖いの?」
目ざといな、女東宮。
「そ、そそそ、ソウデスネ。鬼は大変恐ろしゅうゴザイマス」
冷や汗ダラダラ。両手の指をモニョモニョ絡める。
鬼女は、鬼がとっても怖いであります。そういうことにしておきます。
「――ブフッ」
安積さまが、笑いをこらえきれずに吹き出した。
周囲にいる雑仕たちに、あれでもないこれでもないと指示を出す。
「ああ、その蹴鞠も持っていくわよ。そこの手筥に入ってるのも全部。宮の猫さまが使うのよ」
あれやこれやそれやどれや。
今日の桐壺は、以前の大掃除のとき以来、バタバタと忙しない。
「やあ、菫野。支度はできたかい?」
「安積さま。おかげさまでかなりの荷を運ぶことができましたわ」
「それはよかった」
安積さまが手配してくれた雑仕のおかげで、順調に運び出される桜花さまの道具。今、桜花さまのお手元には新しい道具がそろえられてるだろうけど、やっぱり手に馴染んだもののほうが、安心されるでしょうし。
几帳とか、畳はさすがに持っていけないので、あちらで用意いただいたものを使うとしても、それ以外の、運べる物はなるべく持っていきたい。
そういう意味じゃ、書とか絵巻物も持っていったほうがいいかな。
「なんか、家移りでもするみたいだね」
「すみません、持って行き過ぎですか?」
「いや、そんなことはないよ。ただ、桜花が嫁入りする時もこんな感じなのかなって、思っただけ」
うーん。どうだろ。
お嫁入りとなったら、新調したお道具を持参されるんじゃないかなあ。
「宮。こちらにおられましたか。おっと、女房どのもご一緒か」
「中将さま」
荷物を運ぶため、巻き上げっぱなしの御簾をくぐって現れたのは、近衛中将さま。あの宇治での別れ以来の再会だけど。
「姫宮がお戻りあそばしたのかと思いましたが、違ったのですね」
「ええ。桜花は今、僕の屋敷におります」
「三条の……」
「旅の疲れが出たのでしょう。具合が良くないので、しばらくあちらで休ませようと思っております」
「なるほど」
それで、桜花さまの荷物を三条の安積さまの屋敷に運んでいる。どの荷物を運んだらいいのか男の安積さまにはわからないので、こうして女房のわたしが連れてこられた。
そういう説明。
中将さまは、それで納得してくださったけど。
(本当のこと、話すわけにはいかないのよねえ)
宇治の荘で、桜花さまから安積さまを引き離すため、嘘の言伝を持ってきたのは、中将さまの荘の家司。そして、桜花さまの牛車につけられた侍は、中将さまの務める近衛府から借り受けたもの。
中将さまの父、先の左大臣は、孫娘である女一の宮さまを東宮につけた。けど、女性を東宮にすることを良く思ってない連中もいる。皇子である安積さまのほうが東宮にふさわしいと。先の左大臣からしてみれば、安積さまは目の上のデッカいタンコブ。これ以上安積さまに力をつけられないためにも、妹、桜花さまを有力な後ろ盾となる公達と結婚させるわけにはいかない。
そう考えると、この中将さまって、とっても、とぉぉぉぉっても怪しい方なのよねえ。
だって、先の左大臣の三男だし? 宇治に誘ったのも中将さまだし? 急に慌ただしく離れたのだって、そういう計画を実行するためだったって、思えなくもないし?
だから、本当のことを全部話すわけにはいかない。
用心、用心。ニッコリ笑って用心、用心。にこやかに話しかけてきたとしても、用心を忘れちゃいけないの。
「あの、女房どの……」
荷を運んでいた雑仕が、遠慮がちに声をかけてきた。
「さきほど梅壺の女房どのから、女東宮さまがこちらに参られると」
え? 女東宮さまが?
「いかがいたしましょう」
いや、いかがいたしましょうって。そんなのわたしじゃなくて、安積さまか中将さまに聞いて!
「――とりあえず、お前たちは、一旦下がって。後でまた呼ぶから」
えっと、それからそれから……。ああ、安積さまたち、立ちっぱなしじゃない! 円座! 円座をお出しして! 女東宮さまは、一番上座だろうから、この場合、いつも桜花さまが座しておられる畳の上、茵にお座りいただいたらいいのよね? 女東宮さまと、安積さま中将さまが向かい合うように座ったら。後は几帳をどうにかしてって、あ! もうそこまで先導女房が来てるじゃない! まーにーあーわーなーいー! とりあえず、円座二枚、確保!
「落ち着いて、菫野」
軽くポンッと肩を叩いてくださった安積さま。
「女東宮さまのお成りでございます」
声と同時にズカズカと入ってきたのは、すっごく派手な袿の女性。キレイな顔立ちだし、美人だって思うけど。
「主なき 殿に塵の つもりぬる。なに? 桐壺は大掃除でもしてたの? あの子が帰ってくる支度でもしてたのかしら」
キッツい言い方。嫌味?
そんな桐壺に塵が積もるほど、桜花さまは留守にしてないわよ。プンスカ。
「いえ、桜花は旅の帰りに体調を崩しましたので、僕の屋敷に留まっております」
「アナタの屋敷に? そんなの、内裏の目と鼻の先じゃない」
「ええ。でも、具合が悪いまま内裏に戻ることはできませんので」
言いながら、室に入ってきた女東宮さまが、当然のように茵に腰を下ろす。続いて安積さまと中将さまも、わたしが用意した円座に座られるけど。……なんだろう。なんか「ムッ!」としてしまう。
「遊びに行っておいて具合が悪くなるって」
「申し訳ございません。妹は、桜花は暑気に弱いらしく……」
「それは、アナタが甘やかすからでしょう、安積。あの子を甘やかし過ぎなのよ」
「申し訳ございません」
プンプンと怒り続ける女東宮に、ひたすら謝罪を続ける安積さま。
女東宮さまは、安積さまの一個上の異母姉。姉と弟、東宮と式部卿って身分が全然違うからって、そこまでギャースカ怒んなくってもいいんじゃない?
ってか、何しに来たのよ、この女東宮。嫌味を言いに来たの?
「そういう女東宮さまも、妹君を大切に思っていらっしゃるのでは?」
「――は?」
「ここまでいらしたということは、大切な妹宮の身を案じて、出迎えようとなさったのでは」
思いっきり眉をしかめた女東宮。でもおかまいなしに、中将さまは持論をくり広げる。
「お優しいですね」
「ちっ、違うわよ! 私は、別に……」
プイッてそっぽを向いた女東宮。
あ、なんだ。
久々に妹に会いに来たら、妹が不在で。それがちょっと悔しくて嫌味を言っただけ?
女東宮さまのお住まいは、梅壺。
そこからこの桐壺までは、藤壺、清涼殿(をちょっと)、弘徽殿、常寧殿、宣燿殿、それから桐壷と、かなりの場所を通らないとやって来れない。
(妹思いのいいお姉さんってとこかな?)
ちょっとツンツンしてるだけで。
横向いた、ちょっと赤いふくれっ面が、かわいく思えた。
「わ、私は、アナタに宿直を命じに来ただけです、中将」
「宿直?」
軽く首をかしげた中将さまの後ろで、一人、ウンウンと頷く。
そう、そうよね。「妹に会いに来たの」って素直に言えないんだよね。そういう性分じゃないっていうのか。だから、取ってつけたように理由をこさえた。
わたしより年上なのに。かわいいなあ、この女東宮さまって。
「何笑ってんのよ、そこの女房」
「申し訳ございません」
笑ったつもりはないんだけど。頬の緩みに気づかれてしまった。キッとにらまれ、顔を戻す。
「鬼女が現れたって噂を聞いたのよ」
ギク。
「鬼女……ですか」
「そうよ。なんでも、宇治のあたりで鬼女が現れたとか。通りすがりの牛車を打ち壊して、なかにいた姫も、守る侍も何もかも、片っ端からバリボリ食べたって話よ」
ギクギク。
「それは恐ろしいですね」
答える安積さま。でも全然怖がってない。むしろ、微笑んでる。
「全部たいらげた鬼女は、高らかに笑って、北に向かって空を飛んでいったとか。もしかしたら、この都に来てるかもしれないじゃない。だから宿直を頼みたいの」
ギクギクギク――!
「でも、この内裏に現れるとは限りませんよ」
「そんなのわからないじゃない。鬼ってのはね、どこにだって現れることのできる魔物なんだから」
そんなぐらいわらかないの?
女東宮さまが中将さまを叱る。
(……すみません。その噂の鬼女は、アナタのすぐそばにいます)
心の中で謝罪する。
姫を食べたりしてないけど、鬼女はアナタのそばにいます。ちゃっかり内裏に入り込んでます。
「東宮である私を守るのは、アナタの務めでしょう? フラフラ遊びに行ってるヒマがあるなら、私を守りなさい、中将」
「――承知いたしました」
「ねえ、ところで。そこの女房、顔が青いけど。鬼女が怖いの?」
目ざといな、女東宮。
「そ、そそそ、ソウデスネ。鬼は大変恐ろしゅうゴザイマス」
冷や汗ダラダラ。両手の指をモニョモニョ絡める。
鬼女は、鬼がとっても怖いであります。そういうことにしておきます。
「――ブフッ」
安積さまが、笑いをこらえきれずに吹き出した。
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