16 / 31
第16話 日本語は難しい。
しおりを挟む
「今日の夕飯は、食べに行くからいらないよ」
朝、出勤間際に一条くんが言った。
「誰かと飲んでくるの?」
よくある飲みニケーション。もしくは接待かなにか?
「違うよ。世那と高階と。ゴハンを食べに行きたいなって思ったんだけど」
一条くんが笑った。
誰かと食べに行く――ではなく、私達と食べに行くだったらしい。日本語って難しい。二十九年日本人やってるけど、未だに間違える。
「せっかく東京に出てきたのに、高階、全然遊べてないだろ? だから、そのお詫びと、日頃世那の世話をしてくれてる感謝をこめて。この間も、結局早く帰ってきてもらったし」
「そんなの別によかったのに」
なんか気をつかってもらって申し訳ない。
「それと、世那の一歳半記念も兼ねて。先輩にさ、ちょっといい場所を教えてもらったから。期待してて」
じゃあね。
軽く手を振って出勤していった一条くん。
その日の夕方、少し早めに帰宅した彼に連れてきてもらったのは――りょっ、料亭っ!?
ちょっといい場所どころじゃない。すっごくお高そうで、すっごくいい場所。
実家から持ってきた中で一番いい、小花柄ワンピを着てきたけど……。うう、もうちょっと良いもの着てくればよかった。
敷居が高いどころじゃないわよ。敷居、棒高跳びレベルで高い。それかそびえ立つ壁。
仕事帰りのスーツ姿、ザ・都会の男!!って感じ、ビシッとカッコいい一条くんにはお似合いかもしれないけどさ。田舎出の冴えない私にはなかなか……。
「一条さまですね。どうぞこちらへ」
これまた上品そうな仲居さんが案内してくれたのは、上品すぎる和室。掛け軸つきの床の間には華やかにお花が活けられ、開け放たれた障子の向こうには、緑と池と石灯籠の和風庭園が広がってる。
「ね、ねえ。本当にこんなところ、いいの?」
私、場違い過ぎない?
「気に入らない?」
「ううん、そんなことない!! 絶対に!!」
そこは即答の強調。緊張するけど、ステキなお部屋だと思う。
「ならよかった」
一条くんが笑った。
仲居さんが運んでくれたのは、お祝い用の鯛の塩焼き、牛フィレの香草焼き、エビと貝柱の茶碗蒸し、蛤のお吸い物など、とっても豪華。枡?のような木の器に入ったご飯は、もち米を混ぜて炊いているのか、モチッとして美味しい。
もちろん、世那くんのメニューも凝ってる。柔らかめに炊いたご飯、里芋や人参を使った煮物、蒸し鯛のあんかけ、バナナやいちごのカットフルーツ盛り合わせ。
「美味しいね、世那くん」
「ねー」っと顔を傾けると、世那くんも「ねー」っと返してくれた。用意されたスプーンを持って、満面の笑顔。いつもよりパクパクいっぱい食べてくれているような気がする。
「アッ、ウ~、バッ!!」
机に手をつき、立ち上がった世那くん。
「こら、世那。お行儀悪いぞ」
向かいに座る一条くんがたしなめるけど、世那くんが座る気配はナシ。隣の私の御膳、尾頭付きの鯛を興味深そうに覗き込こみ、「ア~、ウ~」と声を上げ続ける。
和食系のファミレスの座敷だと、他のお客さんの迷惑になるから、世那くんを止めなきゃだけど、個室になってるから少しぐらい騒いでもいいだろう。悪代官と越後屋がこういう部屋で「お主も悪よのう」をするのは、誰にも聴かれないメリットがあるからだと思った。
「――食べてみる? って、食べさせてもいいかな?」
「ああ、いいけど」
保護者に確認。了承。
離乳食課程もほぼ終了してるし。ちょっとぐらいなら、食べても問題ないだろう。
しっかり身をほぐしなるべく細かくして、骨のないことを確認してから世那くんの口元へ持っていく。
パクリ。
「どう? おさかなおいしい?」
初めての鯛。初めての大人と一緒のメニュー。
モグモグ咀嚼しながら、思案する世那くん。ゴクンと飲み下すと、ピョコピョコと体を前後に動かし、また口を開けた。
「バー、ウッ!!」
もっと欲しい。催促された。
「おさかな、おいしいね~」
手を添え、ほぐした身を箸で運ぶ。待ちきれなかった世那くんの口が、箸に食らいつく。
「よっぽど気に入ったんだね、世那くん」
その食いっぷりに感心する。なんか、鯛で世那くんを釣れそうな勢いですよ? 「海老で鯛を釣る」のではなく、「鯛で世那を釣る」。
「ステキなお部屋だし、お料理すっごく美味しいし。ありがと、一条くん」
連れてきてもらったことに感謝。
自分には場違いなほど高級な料亭だけど、これだけ世那くんが喜んでくれてるのなら、連れてきてもらえてよかったって思える。
「いや、僕の方こそ。いつも助けてもらって、本当に感謝してる」
一条くんが微笑む。
「高階のおかげで、こうして世那のことを祝う余裕ができた。あの時は……、誕生日のころは、それどころじゃなかったから」
世那くんの誕生日の頃、奥さんが出ていったせいで、一条くんは仕事に育児にてんてこ舞いだったんだろう。誕生日を祝う気持ちがあっても、実行する余裕はなかった。
つまり、これは半年遅れの世那くんのお誕生会。だから、こんなに豪勢な食事で豪華な場所なのか。
「世那くん。おめでとう」
遅れたけど、ちゃんと祝ってあげることができてよかった。
「デッ、トォ?」
本人は理解してないけど。
「アウッ、バッ!!」
それよりも、さらなる鯛を要求し始めたけど。
「おいしいね~、おさかな」
「オッ、カ、ナッ」
おしい。「おさかな」まであと一歩。
そうだ。
「おいしいね~、あ~、おいし」
キュルンッとかわいく頬に手を当て体を傾げて、「美味しい」を表現。ああ、美味しすぎてほっぺた落ちる~、みたいな。
「ン~」
真似っ子好きの世那くん。
すぐに、同じ仕草をやってくれた。
口の中の鯛をこぼさないように、唇を引き結んで。でもニコッと口角をあげての笑顔。全身でクネッと「キュルンッ」を表現。
「うわあ、かわいい~」
ムギュッてしたい!! そのかわいさを永久保存しておきたい!!
マナーとか行儀とか知るか。かわいいものはかわいいんでい。
何度でも世那くんに「キュルンッ」やってほしい。
ほらほら、私が「キュルンッ」ってするから、世那くんも真似して、クネッて――。
「――失礼いたします」
一条くんの後ろ、襖がスッと開いた。入ってきたのは、お盆を持った仲居さん。
って、もしかして、もしかしなくても、私の「キュルンッ」見られた?
世那くんの「キュルンッ」はいいけど、二十九にもなる女の「キュルンッ」は……イタい。いろんな意味でイタい。
「おかわいらしい奥様ですね」
笑い声を抑えた営業スマイル。着物の袂さばきも優雅に、机にデザートとスプーンを並べていく。
いや、「かわいい」じゃなくて「バカっぽい」「イタい」でしょ。
これ、絶対厨房で笑いのネタにされる案件だわ。「あそこの部屋の嫁さんさあ、すっごいブリっ子してたんだよ~、ウケる~」みたいな。
もう料理が運ばれてくることはないだろう。
誰も来ないと思ったからこその「キュルンッ」だったんだけど。まさかラスト、「チョコレートムース」というデザートがあったとは。不覚。
「悪巧みもそこまでだ」
スターンと勝手に襖を開けて押し入られ、成敗シーンに突入された代官気分。うつむくしかない。
「そうですね。彼女の明るさにいつも癒やされてます」
一条くんの声に、弾かれたように顔を上げる。
「育児に家事に頑張ってくれて。その上、楽しくて優しくて。僕には過ぎた妻ですよ」
ニッコリ笑ってこちらを見られた。
「あらあら。ごちそうさまです」
クスクスと今度は声をあげて笑った仲居さん。――けど。
(一条くん、それは言い過ぎっ!!)
焦る。恥ずかしい。うれしい。困る。
そもそも私、「妻」じゃないし。
幼なじみのシッターなんて、説明めんどくさいからの「妻」発言なんだろうけど。
微笑んで受け止めたら「妻」らしいかもしれないけど、シッターでしかない私は恥ずかしくて、微妙な面持ちで目の前のスプーンを凝視する。
「では、ごゆっくり」
仲居さんが部屋から出ていく。
あ、これ、一条くんも厨房ネタにされるやつだ。「あそこの旦那さん、奥さんにべた惚れでさ~、こっちに惚気けてくるのよね~」ってやつ。リア充爆発しろって願われるやつ。
高級料亭であっても、裏で噂のネタにされることは、普通のファミレスと大差ない。
「――ごめんね」
襖が閉められたことを確認してから一条くんが言った。
勝手に「妻」にしたことを謝ってるのかな。
「いいよ、気にしないで」
あの場は、ああして偽装したほうがいいし。笑われた私をフォローしてくれたわけだし。
「さあ、世那くん。デザートだよ。一緒に食べる?」
軽くスプーンですくって、世那くんに見せる。パクッと食らいついた世那くん。おお。チョコムースで世那くんが釣れました。
「マッマ~」
世那くん満面の笑み。どうやらこれも気に入ったみたい。次から次へ、差し出すムースをパクパク食べる。
「おいしいね~、世那くん」
今は、世那くんのお世話に全集中。チョコムースは、美味しい。
――彼女の明るさにいつも癒やされてます。
向けられた言葉と優しい眼差し。
油断すると、何度も何度も、頭の中で勝手に自動再生されてしまう。――なんでか、わかんないけど。
朝、出勤間際に一条くんが言った。
「誰かと飲んでくるの?」
よくある飲みニケーション。もしくは接待かなにか?
「違うよ。世那と高階と。ゴハンを食べに行きたいなって思ったんだけど」
一条くんが笑った。
誰かと食べに行く――ではなく、私達と食べに行くだったらしい。日本語って難しい。二十九年日本人やってるけど、未だに間違える。
「せっかく東京に出てきたのに、高階、全然遊べてないだろ? だから、そのお詫びと、日頃世那の世話をしてくれてる感謝をこめて。この間も、結局早く帰ってきてもらったし」
「そんなの別によかったのに」
なんか気をつかってもらって申し訳ない。
「それと、世那の一歳半記念も兼ねて。先輩にさ、ちょっといい場所を教えてもらったから。期待してて」
じゃあね。
軽く手を振って出勤していった一条くん。
その日の夕方、少し早めに帰宅した彼に連れてきてもらったのは――りょっ、料亭っ!?
ちょっといい場所どころじゃない。すっごくお高そうで、すっごくいい場所。
実家から持ってきた中で一番いい、小花柄ワンピを着てきたけど……。うう、もうちょっと良いもの着てくればよかった。
敷居が高いどころじゃないわよ。敷居、棒高跳びレベルで高い。それかそびえ立つ壁。
仕事帰りのスーツ姿、ザ・都会の男!!って感じ、ビシッとカッコいい一条くんにはお似合いかもしれないけどさ。田舎出の冴えない私にはなかなか……。
「一条さまですね。どうぞこちらへ」
これまた上品そうな仲居さんが案内してくれたのは、上品すぎる和室。掛け軸つきの床の間には華やかにお花が活けられ、開け放たれた障子の向こうには、緑と池と石灯籠の和風庭園が広がってる。
「ね、ねえ。本当にこんなところ、いいの?」
私、場違い過ぎない?
「気に入らない?」
「ううん、そんなことない!! 絶対に!!」
そこは即答の強調。緊張するけど、ステキなお部屋だと思う。
「ならよかった」
一条くんが笑った。
仲居さんが運んでくれたのは、お祝い用の鯛の塩焼き、牛フィレの香草焼き、エビと貝柱の茶碗蒸し、蛤のお吸い物など、とっても豪華。枡?のような木の器に入ったご飯は、もち米を混ぜて炊いているのか、モチッとして美味しい。
もちろん、世那くんのメニューも凝ってる。柔らかめに炊いたご飯、里芋や人参を使った煮物、蒸し鯛のあんかけ、バナナやいちごのカットフルーツ盛り合わせ。
「美味しいね、世那くん」
「ねー」っと顔を傾けると、世那くんも「ねー」っと返してくれた。用意されたスプーンを持って、満面の笑顔。いつもよりパクパクいっぱい食べてくれているような気がする。
「アッ、ウ~、バッ!!」
机に手をつき、立ち上がった世那くん。
「こら、世那。お行儀悪いぞ」
向かいに座る一条くんがたしなめるけど、世那くんが座る気配はナシ。隣の私の御膳、尾頭付きの鯛を興味深そうに覗き込こみ、「ア~、ウ~」と声を上げ続ける。
和食系のファミレスの座敷だと、他のお客さんの迷惑になるから、世那くんを止めなきゃだけど、個室になってるから少しぐらい騒いでもいいだろう。悪代官と越後屋がこういう部屋で「お主も悪よのう」をするのは、誰にも聴かれないメリットがあるからだと思った。
「――食べてみる? って、食べさせてもいいかな?」
「ああ、いいけど」
保護者に確認。了承。
離乳食課程もほぼ終了してるし。ちょっとぐらいなら、食べても問題ないだろう。
しっかり身をほぐしなるべく細かくして、骨のないことを確認してから世那くんの口元へ持っていく。
パクリ。
「どう? おさかなおいしい?」
初めての鯛。初めての大人と一緒のメニュー。
モグモグ咀嚼しながら、思案する世那くん。ゴクンと飲み下すと、ピョコピョコと体を前後に動かし、また口を開けた。
「バー、ウッ!!」
もっと欲しい。催促された。
「おさかな、おいしいね~」
手を添え、ほぐした身を箸で運ぶ。待ちきれなかった世那くんの口が、箸に食らいつく。
「よっぽど気に入ったんだね、世那くん」
その食いっぷりに感心する。なんか、鯛で世那くんを釣れそうな勢いですよ? 「海老で鯛を釣る」のではなく、「鯛で世那を釣る」。
「ステキなお部屋だし、お料理すっごく美味しいし。ありがと、一条くん」
連れてきてもらったことに感謝。
自分には場違いなほど高級な料亭だけど、これだけ世那くんが喜んでくれてるのなら、連れてきてもらえてよかったって思える。
「いや、僕の方こそ。いつも助けてもらって、本当に感謝してる」
一条くんが微笑む。
「高階のおかげで、こうして世那のことを祝う余裕ができた。あの時は……、誕生日のころは、それどころじゃなかったから」
世那くんの誕生日の頃、奥さんが出ていったせいで、一条くんは仕事に育児にてんてこ舞いだったんだろう。誕生日を祝う気持ちがあっても、実行する余裕はなかった。
つまり、これは半年遅れの世那くんのお誕生会。だから、こんなに豪勢な食事で豪華な場所なのか。
「世那くん。おめでとう」
遅れたけど、ちゃんと祝ってあげることができてよかった。
「デッ、トォ?」
本人は理解してないけど。
「アウッ、バッ!!」
それよりも、さらなる鯛を要求し始めたけど。
「おいしいね~、おさかな」
「オッ、カ、ナッ」
おしい。「おさかな」まであと一歩。
そうだ。
「おいしいね~、あ~、おいし」
キュルンッとかわいく頬に手を当て体を傾げて、「美味しい」を表現。ああ、美味しすぎてほっぺた落ちる~、みたいな。
「ン~」
真似っ子好きの世那くん。
すぐに、同じ仕草をやってくれた。
口の中の鯛をこぼさないように、唇を引き結んで。でもニコッと口角をあげての笑顔。全身でクネッと「キュルンッ」を表現。
「うわあ、かわいい~」
ムギュッてしたい!! そのかわいさを永久保存しておきたい!!
マナーとか行儀とか知るか。かわいいものはかわいいんでい。
何度でも世那くんに「キュルンッ」やってほしい。
ほらほら、私が「キュルンッ」ってするから、世那くんも真似して、クネッて――。
「――失礼いたします」
一条くんの後ろ、襖がスッと開いた。入ってきたのは、お盆を持った仲居さん。
って、もしかして、もしかしなくても、私の「キュルンッ」見られた?
世那くんの「キュルンッ」はいいけど、二十九にもなる女の「キュルンッ」は……イタい。いろんな意味でイタい。
「おかわいらしい奥様ですね」
笑い声を抑えた営業スマイル。着物の袂さばきも優雅に、机にデザートとスプーンを並べていく。
いや、「かわいい」じゃなくて「バカっぽい」「イタい」でしょ。
これ、絶対厨房で笑いのネタにされる案件だわ。「あそこの部屋の嫁さんさあ、すっごいブリっ子してたんだよ~、ウケる~」みたいな。
もう料理が運ばれてくることはないだろう。
誰も来ないと思ったからこその「キュルンッ」だったんだけど。まさかラスト、「チョコレートムース」というデザートがあったとは。不覚。
「悪巧みもそこまでだ」
スターンと勝手に襖を開けて押し入られ、成敗シーンに突入された代官気分。うつむくしかない。
「そうですね。彼女の明るさにいつも癒やされてます」
一条くんの声に、弾かれたように顔を上げる。
「育児に家事に頑張ってくれて。その上、楽しくて優しくて。僕には過ぎた妻ですよ」
ニッコリ笑ってこちらを見られた。
「あらあら。ごちそうさまです」
クスクスと今度は声をあげて笑った仲居さん。――けど。
(一条くん、それは言い過ぎっ!!)
焦る。恥ずかしい。うれしい。困る。
そもそも私、「妻」じゃないし。
幼なじみのシッターなんて、説明めんどくさいからの「妻」発言なんだろうけど。
微笑んで受け止めたら「妻」らしいかもしれないけど、シッターでしかない私は恥ずかしくて、微妙な面持ちで目の前のスプーンを凝視する。
「では、ごゆっくり」
仲居さんが部屋から出ていく。
あ、これ、一条くんも厨房ネタにされるやつだ。「あそこの旦那さん、奥さんにべた惚れでさ~、こっちに惚気けてくるのよね~」ってやつ。リア充爆発しろって願われるやつ。
高級料亭であっても、裏で噂のネタにされることは、普通のファミレスと大差ない。
「――ごめんね」
襖が閉められたことを確認してから一条くんが言った。
勝手に「妻」にしたことを謝ってるのかな。
「いいよ、気にしないで」
あの場は、ああして偽装したほうがいいし。笑われた私をフォローしてくれたわけだし。
「さあ、世那くん。デザートだよ。一緒に食べる?」
軽くスプーンですくって、世那くんに見せる。パクッと食らいついた世那くん。おお。チョコムースで世那くんが釣れました。
「マッマ~」
世那くん満面の笑み。どうやらこれも気に入ったみたい。次から次へ、差し出すムースをパクパク食べる。
「おいしいね~、世那くん」
今は、世那くんのお世話に全集中。チョコムースは、美味しい。
――彼女の明るさにいつも癒やされてます。
向けられた言葉と優しい眼差し。
油断すると、何度も何度も、頭の中で勝手に自動再生されてしまう。――なんでか、わかんないけど。
11
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
雪井しい
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい
恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳
大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。
でも、これはただのお見合いではないらしい。
初出はエブリスタ様にて。
また番外編を追加する予定です。
シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。
表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる