百均怪盗ハンドレット

千音 兎輝

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4.急接近

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 なに言ってんだこの女!
「戒場君?」
 まずいまずいまずい!
 とりあえず俺は何とか逃れようと言い訳を探した。
「あー、えー、んー、お、親父に教えてもらうよ」
 ナイス俺!
「あれ? 確か今は一人暮らしだったのでは?」
「あっ、そーだったねー、うん。忘れてたよ、あは、あはは」
 何で知ってんの!?
「では、おとなしく勉強を教わってくれますか?」
「・・・・・・はい」
 これ以外何も言えなかった。
「じゃあ今日の放課後、一緒に図書館に行きますよ」
 そい言ってトタタタッと駆けて行った。
「くそぅ」
 かなり面倒なことになった。
「こうなったら俺が勉強出来るところを見せて、放課後勉強を終わらせてやる!!」
 見てろよ、俺の本気、見せてやるぜ!




「いいですか? ここの数式はこれをYに置き換えて解くのですよ」
「・・・・・・はい」
 いっけね、自分のテスト順位を忘れてた! てへぺろ! え? 何位だって? 354人中、291番だよ!
 しかしこの女、教えるのがうまい。頭にするっと公式が入ってくる。しかも字も綺麗。
「ほら、手が止まってますよ」
 しかし綺麗な肌をしてんな。シミ一つ無い。顔立ちも整っているし、文句なしの美少女ですよ。しかもこのでかいおっー
「戒場君!」 
「ぱい!」
 やっべー、ぱいってなんだよぱいって。
「ぱい?」
「わ、忘れてくれ!」
「少し惜しいですよ」
「へ?」
「Xを忘れてます。答えはXπですよ」
「あ、ああ」
 あっぶねー! 運いいな俺!
「では、少し休憩しましょうか」
 やっと一息つける。
 グー、俺のお腹が鳴った。
「あはははっ、おやつ食べますか?」
 中将さんは鞄からクッキーを取り出した。
「友達と食べようと思っていたのですが、思ったより多く作ってしまったのでどうぞ」
「な、なんか悪いな」
「いえいえ」
 中将さんと話していると前の自分が恥ずかしい。その人の内面を見ないで苦手とか言ってたなんて。
 俺はクッキーをポリポリかじりながらそんなことを考えていた。
「このクッキーうまいな」
「えっ? あ、ありがとうございます・・・・・・」
 頬を赤らめてもじもじする中将さんはとても可愛いかった。
「あの、中将さー」
「彩香って呼んで欲しいな」
 イタズラっぽく微笑んだ中将、いや、彩香に胸がときめいた。胸キュン! ・・・・・・いや、胸キュンじゃねえよ俺。
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