6 / 11
第一章 リングア・ラティーア学園
第6話 面倒ごと
しおりを挟む
「おい貴様。それはどういう意味だ」
面倒ごとは避けたいと思った矢先。
真後ろから、険のある声が聞こえてきた。
密かにため息をついて、後ろを振り返った。
そこに立っていたのは、小柄な金髪碧眼の美少年と、数人の取り巻きたち。全員、Sクラスのクラスメイトだ。
小柄な彼は天国の神貴家の子息で、名は確かノア・フォン・ルーメンルナーエ、だっただろうか。
自己紹介の時に綺麗な顔だなと思ったその顔は、今セスティールを睨みつけて鬼のようになっている。
…なっている、が、如何せん顔が可愛すぎて似合わない。
「おい貴様、聞いているのか!」
「ああ、すまない。聞いている」
「ならば、なぜ僕の質問に答えない!」
なぜ、と言われてもな、とセスティールは困惑する。
どういう意味だとは、どういう意味だろうか、と。
いや、ルーメンルナーエの怒りの原因はわかる。さっきまでのルイスとの会話からして、きっとセスティールの魔力属性の何かしらの話が彼の逆鱗に触れたのだろう。そこまではなんとなく理解できるのだが、その何かしらが何なのかが全くわからなかった。
適当にあしらってこの場を収めることなど、セスティールにとっては造作もない。しかし困ったことに、相手はこれから学園生活を共にするクラスメイト。確執が残るのは避けたかった。
厄介なことこの上ないが、まあ致し方ないことである。できる限り丁寧に接するとしよう、と決めた。
「申し訳ないが、なぜ貴殿が憤っておられるのかわからない。状況から察するに俺とルイスの会話が原因なのだろうが、何か気分を害する要素があったのだろうか?」
そう答えると、ルーメンルナーエはさらに顔を赤くした。
「貴様、本気で言っているのか?!」
さっきから貴様貴様と少々失礼ではなかろうか、とセスティールは思う。
だがまあ割とどうでもいいことであったので、セスティールは冷静にああ、と返事をした。
「ふざけるなよ。貴様、神聖な光属性を貴様ごときが所有しているなど、許されることではない!聖属性は天使のみが、天使の中でも選ばれしもののみが神から与えられるものなのだ。それを、あまつさえ象徴色も有していながら大したことではない、と抜かすか!我々を愚弄するのも大概にしろ!下賎な魔族めが!」
なるほど、そういうことだったのかと理解する。
要するに光属性は天使のプライドそのもので、魔族であるセスティールが持っていることが絶対に許せないらしい。種族の象徴となる魔法属性に対する感情が、天使と魔族では随分異なっていることに驚きを覚えた。
魔族のうちで、魔法属性はあくまでも種族を超越した存在として捉えられている。そのため、表向きには魔族の象徴とも言える闇属性でさえ「持っていたらすごいもの」でしかない。仮に闇属性を有する天使がいたとて変わったやつもいたもんだ、くらいにしか思わないだろう。天使のことは嫌いだが、それとこれとは全く別の話なのだ。
考えてみれば、セスティールは天使の文化や気質について、正確なことは何も知らない。天使を毛嫌いしている地獄では、何も教えてもらえないからだ。
種族融和を目指している学園に入学するのに、入学前に彼らのことを何も教わらないというのは、考えればおかしな話だと今更ながらに思う。
それはそうとして、とりあえず目の前の赤鬼に対して何か答えを返さなければならない。このままではツノでも生えてきそうである。
何をいうべきか思案しつつ口を開きかけた時、スッと、立ち塞がるようにしてルイスがセスティールの前に立った。
ルイスとセスティールの身長は、ほぼ変わらない。むしろルイスの方が数センチほど高いので、セスティールはルーメンルナーエが見えなくなってしまった。
「先ほどから黙って聞いていれば、私の友人に対してのあまりの無礼、到底看過できません。大体、暴言を吐き散らかすことしかできないあなた方が、彼を愚弄するだけの資格があるのでしょうか?」
ルイスが淡々と責め立てる。気持ちは嬉しいが、さすがに少し言い過ぎだ。
「ルイス、やめろ。もういい」
「でも、セス」
「いいから」
「…わかった」
渋々といった様子で、ルイスが引き下がった。
それとは反対に、セスティールは一歩前に出る。
「おっしゃりたいことはよくわかった。しかし、いくら光属性が天使にとって尊いものであるからといって、俺も、魔族も貶められる必要はないはずだ。これ以上の暴言、到底許すことはできない。」
ここは寮に向かうまでの道の上だ。今は運良く周囲に誰もいないが、いつ誰が来るかわからない。他人に見咎められる前に、騒ぎを収めておきたかった。
だからと言って、ここまでの暴言を吐かれているのだ。貴族として威厳を保つためにも何も言い返さないわけにはいかないので、2度とするなよと釘は指しておく。
「では、お引き取り願おうか」
ルーメンルナーエをひと睨みして、そう告げる。彼は小さく舌打ちをして、
「覚えていろよ、貴様」
と吐き捨てて取り巻きと共に去っていった。
その背中を眺めながらセスティールは一つつぶやいた。
「まさか天使にとって光属性があそこまで大事なものだったとはなあ」
「本当に。全く無礼極まりない。くだらない言いがかりはやめて欲しいよ。2度としてこないだろうと思いたいけれど、まあ、また突っかかって来るだろうなあ」
「はは、さっきの捨て台詞だからな。そんなことより早く寮に行こう。新しい部屋が楽しみで仕方がないんだ」
理不尽に罵倒されたことになど微塵も関心を割かず、セスティールはルイスを催促する。その様子にルイスは、密かにため息をついた。そして、数歩先をいくセスティールを追いかける。
「確か僕とセスは隣の部屋だったよね。最上階の1人部屋の」
「ああ、そうだ。基本2人部屋の決まりのはずなのに上流貴族は1人で平民の似合の広さの部屋を使うとは、全く学園の基本理念が聞いて呆れるな」
「ああ、『全ての生徒はその身分に関わらず平等である』とかいうあれだっけ。まあ仕方がないいんじゃないか?平民と同じ扱いをされたら黙っていない貴族だって多いだろう」
「ふん。自分たちが守れない決まりなど、初めから作らなければ良いものを。…まあ、その部屋を楽しみにしている俺の言えることではないが…」
「はは、まあいいじゃないか。君は新しい部屋が楽しみなだけで特別扱いされることに愉悦を覚えてるわけじゃないんだろう?あ、ほら見えてきたね。あれが寮だ」
道の先に、大きな建物があった。あまりの大きさに愕然とする。
「…学園を見た時も思ったが、まるで王城だな」
「本当だね。中に議会でもありそうだよ」
この四元世界に、王という存在はいない。神と、その信託を告げる教皇がおり、その下に着く大司教たちの助言に沿って政治を行う貴族がいるのみである。しかし、神という“王“につかえ世界を動かす教皇や大司教たちの住む四つの城を王城、と呼ぶのだ。
近づいていってセスティールが見上げた寮は堅牢かつ優美にできていた。中に玉座があるんですよと言われても納得してしまうほどの様相を呈している。
中に入れば、ロビーの天井には無数のシャンデリア、床にはどこぞの最高級品であろう真っ赤な絨毯。
貴族の子弟が暮らす場所であるからある程度質の高い品を使うのは仕方がないのだろうが、これはちょっとやりすぎなのではないかと思ってしまう。
貴族として常に良いものに接してきたセスティールとルイスは、その価値が理解できたため思わず若干引いてしまった。
苦笑いしそうになりながら、2人は上層階に転移するための魔法陣に乗る。
これから卒業までの年月を過ごす自室に得体のしれない不安を覚えつつ、2人は魔法陣の放つ光のなかへと消えていった。
面倒ごとは避けたいと思った矢先。
真後ろから、険のある声が聞こえてきた。
密かにため息をついて、後ろを振り返った。
そこに立っていたのは、小柄な金髪碧眼の美少年と、数人の取り巻きたち。全員、Sクラスのクラスメイトだ。
小柄な彼は天国の神貴家の子息で、名は確かノア・フォン・ルーメンルナーエ、だっただろうか。
自己紹介の時に綺麗な顔だなと思ったその顔は、今セスティールを睨みつけて鬼のようになっている。
…なっている、が、如何せん顔が可愛すぎて似合わない。
「おい貴様、聞いているのか!」
「ああ、すまない。聞いている」
「ならば、なぜ僕の質問に答えない!」
なぜ、と言われてもな、とセスティールは困惑する。
どういう意味だとは、どういう意味だろうか、と。
いや、ルーメンルナーエの怒りの原因はわかる。さっきまでのルイスとの会話からして、きっとセスティールの魔力属性の何かしらの話が彼の逆鱗に触れたのだろう。そこまではなんとなく理解できるのだが、その何かしらが何なのかが全くわからなかった。
適当にあしらってこの場を収めることなど、セスティールにとっては造作もない。しかし困ったことに、相手はこれから学園生活を共にするクラスメイト。確執が残るのは避けたかった。
厄介なことこの上ないが、まあ致し方ないことである。できる限り丁寧に接するとしよう、と決めた。
「申し訳ないが、なぜ貴殿が憤っておられるのかわからない。状況から察するに俺とルイスの会話が原因なのだろうが、何か気分を害する要素があったのだろうか?」
そう答えると、ルーメンルナーエはさらに顔を赤くした。
「貴様、本気で言っているのか?!」
さっきから貴様貴様と少々失礼ではなかろうか、とセスティールは思う。
だがまあ割とどうでもいいことであったので、セスティールは冷静にああ、と返事をした。
「ふざけるなよ。貴様、神聖な光属性を貴様ごときが所有しているなど、許されることではない!聖属性は天使のみが、天使の中でも選ばれしもののみが神から与えられるものなのだ。それを、あまつさえ象徴色も有していながら大したことではない、と抜かすか!我々を愚弄するのも大概にしろ!下賎な魔族めが!」
なるほど、そういうことだったのかと理解する。
要するに光属性は天使のプライドそのもので、魔族であるセスティールが持っていることが絶対に許せないらしい。種族の象徴となる魔法属性に対する感情が、天使と魔族では随分異なっていることに驚きを覚えた。
魔族のうちで、魔法属性はあくまでも種族を超越した存在として捉えられている。そのため、表向きには魔族の象徴とも言える闇属性でさえ「持っていたらすごいもの」でしかない。仮に闇属性を有する天使がいたとて変わったやつもいたもんだ、くらいにしか思わないだろう。天使のことは嫌いだが、それとこれとは全く別の話なのだ。
考えてみれば、セスティールは天使の文化や気質について、正確なことは何も知らない。天使を毛嫌いしている地獄では、何も教えてもらえないからだ。
種族融和を目指している学園に入学するのに、入学前に彼らのことを何も教わらないというのは、考えればおかしな話だと今更ながらに思う。
それはそうとして、とりあえず目の前の赤鬼に対して何か答えを返さなければならない。このままではツノでも生えてきそうである。
何をいうべきか思案しつつ口を開きかけた時、スッと、立ち塞がるようにしてルイスがセスティールの前に立った。
ルイスとセスティールの身長は、ほぼ変わらない。むしろルイスの方が数センチほど高いので、セスティールはルーメンルナーエが見えなくなってしまった。
「先ほどから黙って聞いていれば、私の友人に対してのあまりの無礼、到底看過できません。大体、暴言を吐き散らかすことしかできないあなた方が、彼を愚弄するだけの資格があるのでしょうか?」
ルイスが淡々と責め立てる。気持ちは嬉しいが、さすがに少し言い過ぎだ。
「ルイス、やめろ。もういい」
「でも、セス」
「いいから」
「…わかった」
渋々といった様子で、ルイスが引き下がった。
それとは反対に、セスティールは一歩前に出る。
「おっしゃりたいことはよくわかった。しかし、いくら光属性が天使にとって尊いものであるからといって、俺も、魔族も貶められる必要はないはずだ。これ以上の暴言、到底許すことはできない。」
ここは寮に向かうまでの道の上だ。今は運良く周囲に誰もいないが、いつ誰が来るかわからない。他人に見咎められる前に、騒ぎを収めておきたかった。
だからと言って、ここまでの暴言を吐かれているのだ。貴族として威厳を保つためにも何も言い返さないわけにはいかないので、2度とするなよと釘は指しておく。
「では、お引き取り願おうか」
ルーメンルナーエをひと睨みして、そう告げる。彼は小さく舌打ちをして、
「覚えていろよ、貴様」
と吐き捨てて取り巻きと共に去っていった。
その背中を眺めながらセスティールは一つつぶやいた。
「まさか天使にとって光属性があそこまで大事なものだったとはなあ」
「本当に。全く無礼極まりない。くだらない言いがかりはやめて欲しいよ。2度としてこないだろうと思いたいけれど、まあ、また突っかかって来るだろうなあ」
「はは、さっきの捨て台詞だからな。そんなことより早く寮に行こう。新しい部屋が楽しみで仕方がないんだ」
理不尽に罵倒されたことになど微塵も関心を割かず、セスティールはルイスを催促する。その様子にルイスは、密かにため息をついた。そして、数歩先をいくセスティールを追いかける。
「確か僕とセスは隣の部屋だったよね。最上階の1人部屋の」
「ああ、そうだ。基本2人部屋の決まりのはずなのに上流貴族は1人で平民の似合の広さの部屋を使うとは、全く学園の基本理念が聞いて呆れるな」
「ああ、『全ての生徒はその身分に関わらず平等である』とかいうあれだっけ。まあ仕方がないいんじゃないか?平民と同じ扱いをされたら黙っていない貴族だって多いだろう」
「ふん。自分たちが守れない決まりなど、初めから作らなければ良いものを。…まあ、その部屋を楽しみにしている俺の言えることではないが…」
「はは、まあいいじゃないか。君は新しい部屋が楽しみなだけで特別扱いされることに愉悦を覚えてるわけじゃないんだろう?あ、ほら見えてきたね。あれが寮だ」
道の先に、大きな建物があった。あまりの大きさに愕然とする。
「…学園を見た時も思ったが、まるで王城だな」
「本当だね。中に議会でもありそうだよ」
この四元世界に、王という存在はいない。神と、その信託を告げる教皇がおり、その下に着く大司教たちの助言に沿って政治を行う貴族がいるのみである。しかし、神という“王“につかえ世界を動かす教皇や大司教たちの住む四つの城を王城、と呼ぶのだ。
近づいていってセスティールが見上げた寮は堅牢かつ優美にできていた。中に玉座があるんですよと言われても納得してしまうほどの様相を呈している。
中に入れば、ロビーの天井には無数のシャンデリア、床にはどこぞの最高級品であろう真っ赤な絨毯。
貴族の子弟が暮らす場所であるからある程度質の高い品を使うのは仕方がないのだろうが、これはちょっとやりすぎなのではないかと思ってしまう。
貴族として常に良いものに接してきたセスティールとルイスは、その価値が理解できたため思わず若干引いてしまった。
苦笑いしそうになりながら、2人は上層階に転移するための魔法陣に乗る。
これから卒業までの年月を過ごす自室に得体のしれない不安を覚えつつ、2人は魔法陣の放つ光のなかへと消えていった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
難易度エロ ~俺だけエロい事をしないと経験値が手に入らない世界で、どうやら勇者と一緒に世界を救うようです~
優人和成
ファンタジー
木梨将太は風俗の予約合戦に挑んでいた。
しかし、お気にの予約合戦に敗れた将太は、アダルトゲームをプレイするために覗いたサイトのバナーをクリックした事で、異世界に転生することになる。
女神に誘導されるがままに選んだ難易度エロの世界で、将太はショータとなって、異世界を冒険することになるのだった。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
異世界のおっさんフリー冒険者は固有スキル「傘を刺す」で最強無双だった
中七七三
ファンタジー
なんの恥ずかしげもないテンプレ展開。
超ブラック企業に務めるおっさん、サラリーマンはトッラク(以下略
んで、異世界に転生。
転生したのは、異世界有数の名門貴族。
そして、5歳になると「固有スキル」を与えられるのだ。
降臨の儀式で、天より魔具を授かり、それと一体となるこで「固有スキル」を発揮できる。
異世界に転生したおっさんも、儀式で魔具を授かる。
それは、彼を「異世界最強・無双」にするものだった。
余りに希少な能力に、周囲は騒然、盛り上がる。
しかし――
「いらねーよこんな魔具(もん)!」
転生した元おっさんは、そんなものは要らなかった。
魔具も「異世界最強・無双」の固有スキルもいらない。
めざすのは、まったりゆっくりのスローライフだ。
しかし、付与された魔具と固有スキルはもう切り離せない。
「なにが、高貴なる物の義務だ。クソか! アホウか!」
彼は家を飛び出し気ままな冒険者生活に入った。
それも、楽ちんな採取専門のフリー冒険者。
冒険者ギルドにすら所属していない。
「Sランク? なにそれ。いいよ適当で……」
しかし、彼の「異世界最強・無双」の力は魅力的すぎた。
実家からは、彼の「すご腕の婚約者」たちが、追手として放たれた。
3人の美少女達――
「もうね、彼の子をなせば、名門貴族の正妻確約なのよぉ!」
「あら、そう簡単にいくかしら?」
「愛してます…… 愛しています…… 愛しているのです……」
元おっさん、逃げ切れるのか?
気楽に、ゆったり生活できればそれで十分――
元おっさんサラリーマンにして、転生フリー冒険者に安息の日はやってくるのか?
(表紙は「英雄キャラクタージェネレータ|サクセス」様で作成したものです)
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる