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目を覚ますと、そこは知らない場所だった。
…なんて、そろそろ慣れてきた。
目が覚める度に、意識を失う前とは違う場所に居る。
今度はどうやら、ベッドだけが置かれた狭い部屋らしかった。
3畳ぐらいで、シングルベッドを置けばあとは通路しかないような部屋だ。
部屋と言っても、マンションのような綺麗な作りではない。
日本の常識から言えば、素人が日曜大工で作った小屋なんかに近いだろうと思う。
手足を拘束されることもなく、ベッドに寝かされている。
「っ!?」
部屋を見渡そうと体を起こそうとして胸部に激痛が走った。
結局起き上がることは出来ず、もう一度ベッドへ寝転ぶ。
そういえば、焼印を押されたんだったか…
バスローブのようなものを肌蹴させれば胸部には包帯が巻いてあるものの、そこには血が滲んでいる。
こんな処置じゃ、いつ化膿してもおかしくないだろう。
正直、呼吸するのすら痛い。
ただ、この世界での俺の立場で受けられる精一杯の温情なんだろうことも容易に想像出来た。
とりあえず、これからどうするか…
逃げ出したところで土地勘もなければ言葉も常識も分からない、すぐに野垂れ死ぬだろう。
まずは情報を集めなければ。
言葉を理解し、常識を身につける。
その為にはやはり、ここで働くのが1番手っ取り早い。
リーフェに言葉を教わりながら仕事をこなすしか無い。
ここが異世界で、これから男娼として働くしか無いのだと状況は理解していても、中々飲み込めるものでは無かったが。
ようやっと覚悟が決まった。
そういえば、リーフェはどこに行ったのか。
痛む体に鞭を打って無理矢理体を起こすも、彼女の姿は見当たらない。
言葉を理解してくれる唯一の味方である彼女が見当たらないだけでこんなにも心細いものなのか…。
「リーフェ…?」
先程の覚悟は何だったのかと言わんばかりの情けない声に自ら苦笑したのとほぼ同時、部屋の扉がコンコン、と音を立てた。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱
久しぶりの更新になってしまい、申し訳ありません
現在仕事が立て込んでいて、安定した更新の目処がたちません…
のんびりお待ちいただけると嬉しいです泣
…なんて、そろそろ慣れてきた。
目が覚める度に、意識を失う前とは違う場所に居る。
今度はどうやら、ベッドだけが置かれた狭い部屋らしかった。
3畳ぐらいで、シングルベッドを置けばあとは通路しかないような部屋だ。
部屋と言っても、マンションのような綺麗な作りではない。
日本の常識から言えば、素人が日曜大工で作った小屋なんかに近いだろうと思う。
手足を拘束されることもなく、ベッドに寝かされている。
「っ!?」
部屋を見渡そうと体を起こそうとして胸部に激痛が走った。
結局起き上がることは出来ず、もう一度ベッドへ寝転ぶ。
そういえば、焼印を押されたんだったか…
バスローブのようなものを肌蹴させれば胸部には包帯が巻いてあるものの、そこには血が滲んでいる。
こんな処置じゃ、いつ化膿してもおかしくないだろう。
正直、呼吸するのすら痛い。
ただ、この世界での俺の立場で受けられる精一杯の温情なんだろうことも容易に想像出来た。
とりあえず、これからどうするか…
逃げ出したところで土地勘もなければ言葉も常識も分からない、すぐに野垂れ死ぬだろう。
まずは情報を集めなければ。
言葉を理解し、常識を身につける。
その為にはやはり、ここで働くのが1番手っ取り早い。
リーフェに言葉を教わりながら仕事をこなすしか無い。
ここが異世界で、これから男娼として働くしか無いのだと状況は理解していても、中々飲み込めるものでは無かったが。
ようやっと覚悟が決まった。
そういえば、リーフェはどこに行ったのか。
痛む体に鞭を打って無理矢理体を起こすも、彼女の姿は見当たらない。
言葉を理解してくれる唯一の味方である彼女が見当たらないだけでこんなにも心細いものなのか…。
「リーフェ…?」
先程の覚悟は何だったのかと言わんばかりの情けない声に自ら苦笑したのとほぼ同時、部屋の扉がコンコン、と音を立てた。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱
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現在仕事が立て込んでいて、安定した更新の目処がたちません…
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