ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました

中七七三

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2話:背徳の追憶に耽る

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 志木城 響しきしろ ひびきはベッドの上であられもない恰好となっていた。
 
 掛布団の下で、大人となったひびきは白くたおやかな指を動かす。

「あふぅッ、ん、ん……」
 
 声が漏れないように、響は自分の掛布団を噛んだ。
 同居している母親に聞こえないように。

 薄いオレンジ色の光の下。響の部屋の明かり。
 響の長く黒髪が滑るような色で乱れていく。

 彼女はリアルの視覚情報を遮断して、その行為にふけっていた。
 目を閉じていた。
 何もつけていないのがウソのような長いまつ毛をしている。
 
 完全にスイッチが入る。もし、ここで、母親に踏み込まれて――
 そして、この行為が中断されたら……

(多分、わたし、狂う―― 絶対、おかしくなる)

 ふと、そんなことを思いながらも、彼女のクオリアはときをさかのぼる。

 その情景、響が「子どもだった」とき。小学六年生だった時のことを思う。

 子どもの情景――
 それは、響がそのとき「子ども」であったゆえに、今の響とっても大切な「道具」になっていた。
 もう、何度も何度も何度も何度も、ベッド上で思い。そして使っている光景だった。
 日常の中の非日常、たった一回だけの経験。

 セピア色に色ずく光景は―― 響のその行為のためになくてはならなかった。
 子どもであり、背徳的であるがゆえに、かけがえのない「道具」だった。

「あうッ」

 大きく肢体が爆ぜるように動いた。脳に突き抜けるような刺激――
 たまらず、響は掛布団から、唇を離してた。

 白い喉を天井にむける。オレンジの光に照らされた顔をのけ反らせていた
 痺れるような感覚が尾てい骨から上昇してくる。

 響は感じる。
 指を動かす。
 湿った音は掛布団の外までは漏れることは無かった。

(あ…… イク…… あうぅッ)
 
 一瞬、息が止まる。声なんて、出ない。ただ横隔膜が痺れた。
 頭が痺れ真っ白になる。
 混濁と白濁が同時に脳をグズグズに溶かしていく。そして、快楽だけを残していく。
 
 一瞬の硬直―― 直後、全身がまるで液体になったかのような感覚。
 ベッドの中にいながら、宙に舞いあがるような錯覚、上下左右それも分からないし、どうでもよくなる。

 一度目の大きな快感が、響に訪れた。響が欲していた物だ。

 ゆくっりと――
 まるで、響の血の流れが、全身に蕩けるような快感を広げているようだった。

「ん、ん、いい…… あふぁぁ……」

 彼女は吐息とともに、静かに声を出した。

 まだ、心の臓が鐘打つち、生じる波紋が響の全身に流れていた。
 響は、快楽の波が静まるのを待たなかった。

 動きを止めていた指が動きだす。
 濡れたその部分を撹拌するかのように――
 再び熱の塊が、響のお腹の奥に生じる。

 蕩ける熱を持った塊――
 響は、優しく育てるかのように白い指をゆっくりと動かす。
 
(あ、あ―― 気持ちいい……)

 尾てい骨がうずき、痺れるような感覚の中、自分の体まで溶けてなくなってしまいそうなる。
 
 彼女の意識――
 その思いはまた時を超えて行く。
 当たり前のように、当然のようにだった。

 背徳に染まった追憶。
 響は、その中にいる『小学六年生の響』に意識を重ね合わせる。
 
        ◇◇◇◇◇◇

『これが、そうなんだ……』

『あうッ!』

『もう、そんな大きな声出して、それに…… こんなに、ビクビクさせないで』

『だって、そんなことされたら…… 志木城さん。ボク……』

『ふふ、ダメ。わたしがさわるんだからぁ。手を出さないで』

『あふぅ――』

『ねえ、ちゃんと…… あ、あ、あ―― いい…… そこ。そこすごくいい』

『すごい濡れてる…… これが女の子――』

『男の子だってヌルヌル…… あは、ふふ、ああ、アッ! アッ!、アッ!』

『どうしたの!? 志木城さん。ボクがなにか――』

『大丈夫…… なんか…… なんか、急にビクンってきちゃったの』

『ビクンってくるんだ』

『そう、凄く気持ちいの』

『ねえ、志木城さん』

『あふ…… なに?』

『もっと、強く……』

『強く? 強くって?』

『お願い…… 志木城さん……もっと強くこすってよ。お願いだから』

 すでに、トロイメライは止まっていた。
 防音された、放課後の放送室の中に、子どもふたりがその身体を弄りあっていた――

 小学五年生――
 響よりひとつ下の男の子は、激しく切なそうな息をしていた。
 
(すごい…… 固くて―― 別の生き物みたい)

 小学六年生の響が思う。
 それは『今』の情欲の生み出した幻想の思い――
 ただ、その手にある温もり固さ、脈動みゃくどうすら響は感じる。

『あ、出そうだよ、出そうなんだぁぁ』

『出そうなの? 精子』

『う、うん…… あ、あ、あ―― だから、もっと強く、お願いだからぁ」

『もう、男の子ってダメね。あッ、あは、あふぅ……』

『あああ、いいよぉ、もっと、もっとぎゅとしていいから』

 湿った音が激しさを増す。

『ふふ、わたし、すごく気持ちいい。ねえ、○○君は、気持ちいい?』

『ああ、いいよぉぉ、ずっといいんだよぉ。出ちゃう。ああ、出そうだよ……』

『本当?』
 
 響は指を止めた。なぜだろう?
 そのときの思い――
 感情――

『今』なら『嗜虐』という言葉でその胸のうちに生じたモノを名づけられる。

 ただ、そのとき『小学六年生の響』には胸に湧きだす感情の意味は分からなかった。
 指を止めた。

 男の子が射精する瞬間を見たいとも思った。
 でも、寸前で止められる男の子の顔を見る方が、お腹の奥が熱くなる。

 気持ちいい。
 気持ちよかった。と思う。
 響は身体の奥から、溶けるような気持になった。

『まだ、ダメ。あ、自分で触っちゃだめだからね』

『お願い。志木城さん。触ってよ。ボク触ってるよね。おっぱいも…… そ、そこも……』

 男の子の指は、初めて触るひとつ年上の女の子の濡れた肉の中で動いていた。
 先ほど響が『あっ』と痛みを感じたかのような声を出したからだろうか?
 小学五年生の男の子の指の動きは遠慮がちで、響には少し物足りなくなった。

『そこ?』
『うん、そこ』
『なんていうか知ってる? そこ』

 響は男のが触り濡れそぼっている自分の身体の一部の名を口にした。
 男の子との耳元で、息をかけるように。
 
 息を飲む音――

 男の子の手が響の『そこ』から離れた。
 自分の固く勃っている器官に伸びる――

『ダメ』

『し、志木城さん』

 響は男の子の手首をギュッと握っていた。
 華奢きゃしゃな細い手だったと思う。

『ねえ、もっと触って』

『でも、ボクも……』

『だって、出ちゃうと男の子はおしまいなんでしょ。知ってるわ』

『え、でも…… あっ、志木城さん!』

 響は少年の腕を握り、いざなった。 
 男の子の指を『そこ』に当てる

『これ? ここは……』

『ここなの、ここが、女の子のすごく、気持ちよくなる場所――』

 六年生の響は言った。

 その言葉は『永遠の六年生の響』から未来へと、突き抜け『今の響』を痺れさせた。
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