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18.万之介の思い
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「ま、後はまんすけの好きにすればいい」
北斎は万之介を真正面から見つめて言った。
ここから先、鬼狂に関わるのかどうか――
北斎の話を聞いた上で万之介自身で決めろということだ。
「師匠は?」
思わず万之介は北斎に尋ねていた。
鬼狂との関わりの長さでは万之介以上だ。
「ま、俺(おり)ゃ、もう降りることはできねーし、降りる気もねぇんだ」
北斎は覚悟とか決意という思いとは程遠い、気軽な調子で言った。
――人間を書きたい。鬼も人間の一面で分けることはできない。
と、万之介に語ったのだった。
「てめぇのことはてめぇで決めるんだな。それしかねぇ」
本当に当然のことを当たり前のように、北斎は言った。
◇◇◇◇◇◇
万之介は鬼狂を思う。
童女のようでいて、妖艶な色香をもつ鬼祓師だ。
人に憑いた鬼を喰らう。
鬼を喰らった後の鬼狂の身体を鎮めるのが万之介の役割であった。
挺孔(さね)吸う。
それを思うだけで己が一物が硬くなる。
いつか、鬼狂と交わりたい、己が欲望を鬼狂の細く美麗な肉の内に放ちたいと思う。
が――
それをすれば――そそも可能であるかどうかも分からぬが――鬼狂との縁は切れる。
(俺は無垢であるから、挺孔(さね)を吸えるのだ)
これは鬼狂が言っていたことだ。
だから、万之介は女を買うことも控えている。
本当の意味で女を知らない。
また、そのような万之介でなければ鬼狂は必要としないであろう。
手にはいらぬ女への恋慕を募らせ、死ぬかもしれぬ道を行くのか?
それを己に問う。何度も問うていた。
しかし、答えは出ない。
「鬼狂様がすきなのだ。俺は好きなのだ」
それで良いではないかという思いもあるにはあるのだ。
が、狂しい媚肉への渇望もあった。
悶々としながら、万之介は己が一物を扱くしかなかった。
北斎は万之介を真正面から見つめて言った。
ここから先、鬼狂に関わるのかどうか――
北斎の話を聞いた上で万之介自身で決めろということだ。
「師匠は?」
思わず万之介は北斎に尋ねていた。
鬼狂との関わりの長さでは万之介以上だ。
「ま、俺(おり)ゃ、もう降りることはできねーし、降りる気もねぇんだ」
北斎は覚悟とか決意という思いとは程遠い、気軽な調子で言った。
――人間を書きたい。鬼も人間の一面で分けることはできない。
と、万之介に語ったのだった。
「てめぇのことはてめぇで決めるんだな。それしかねぇ」
本当に当然のことを当たり前のように、北斎は言った。
◇◇◇◇◇◇
万之介は鬼狂を思う。
童女のようでいて、妖艶な色香をもつ鬼祓師だ。
人に憑いた鬼を喰らう。
鬼を喰らった後の鬼狂の身体を鎮めるのが万之介の役割であった。
挺孔(さね)吸う。
それを思うだけで己が一物が硬くなる。
いつか、鬼狂と交わりたい、己が欲望を鬼狂の細く美麗な肉の内に放ちたいと思う。
が――
それをすれば――そそも可能であるかどうかも分からぬが――鬼狂との縁は切れる。
(俺は無垢であるから、挺孔(さね)を吸えるのだ)
これは鬼狂が言っていたことだ。
だから、万之介は女を買うことも控えている。
本当の意味で女を知らない。
また、そのような万之介でなければ鬼狂は必要としないであろう。
手にはいらぬ女への恋慕を募らせ、死ぬかもしれぬ道を行くのか?
それを己に問う。何度も問うていた。
しかし、答えは出ない。
「鬼狂様がすきなのだ。俺は好きなのだ」
それで良いではないかという思いもあるにはあるのだ。
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悶々としながら、万之介は己が一物を扱くしかなかった。
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