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これは「パロディ」か「二次創作」か?
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電動チンチン伯爵に母親をコマされた上に淫売のパンスケにされた『欲野逝漏(ほしの いくろう)』。
謎の美女『らめぇ~てる』に導かれ、銀河リビドー69(シックスナイン)へ。
遥かアンドロメダにあるという機械のオチンチンをくれるという星を目指し。
少年は旅だつ遥かなる大海へ――
全宇宙に伸びる無限の鉄道網。次元閉鎖チューブ無限軌道を銀河リビドー69は走る。
輝く星たちが歌う無限の大宇宙。
どぴゅ、ぴゅぴゅぴゅ――!!
大宇宙の闇の中、迸る性欲の猛りが鳴り響くのであった。
「母(かあ)さぁーーん」
「逝漏、逝漏どうしたの?」
「ボクは…… らめぇ~てる」
逝漏は目を覚ました。周囲を見た。ここは、銀河リビドー69の客室の中。
窓の外には漆黒の大宇宙。星の海を渡る無限軌道――
「夢をみていたようね、逝漏」
優しげな声。
金色の長い髪。影が出来るほどの濃く長いまつ毛。憂いの色をみせる神秘的な瞳。
らめぇ~てる――
少年、欲野逝漏を旅へと導いた謎の美女。
「そうか…… 夢か…… 電動チンコ伯爵―― ボクも機械のチンコをもらって、永遠の童貞じゃなくなるんだ」
「そうね……」
どこか翳りのある瞳が逝漏から視線を外した。
「でも、なんでこの銀河リビドーの男用のイスはこんな形をしているの? らめぇ~てる」
「そうね、それは、地球の輝ける黄金時代の追憶―― かなしい、思い出の詰まった椅子。スケベイスそう呼ばれていたわ」
らめぇ~てるは、窓を見つめる、美しい瞳に星の銀河の輝きが映える。
「スケベイス――」
逝漏は自分の座った椅子を見た。
丸い椅子。真ん中が溝のようなっている。
金色のラメ色のイスであった。
「そうね、昔の地球の―― 思い出。もう人類は思い出の中でしか生きられない。だから、この69には、人の追憶の中にしかない物を再現しているの」
どっぴゅぴゅぴゅぴゅーーーー!!
激しい音が、大宇宙に響いた。
69(シックスナイン)の動力無限リビドーエンジンの迸るエネルギーの奔流だった。
「あ、らめぇ~てる、星が、星に近づいていく」
「そうね。惑星オチンチンパラダイス―― ここは、機械のおちんちんに頼ることなく、おちんちんを進化させた星」
「え! すごいじゃないか。らめぇ~てる。そんな星があるなんて!」
「そうね、逝漏」
らめぇ~てるの瞳が頷いていた。
「人類はおちんちんの機械のおちんちんが無くても、立派にやっていけるんだ! どんな星なんだろう? 楽しみだね、らめぇ~てる」
「そうね、逝漏。そろそろ、オチンチンパラダイスに着くわ」
そして、69(シックスナイン)は惑星オチンチンパラダイスの引力圏、周回軌道から弧を描き、星に降り立つのであった。
◇◇◇◇◇◇
「なんだろうあれ?」
69(シックスナイン)はこの惑星の夜の場所に到着した。
そのため、乗っているときには気が付かなかったのだ。
広がる台地には、ただ無数の長い棒が刺さっているのだった。
夜が明け、逝漏は眼前に広がる光景に驚嘆していたのだ。
無数の長い棒――
それは天空を貫くかのように蒼空高く果てしなく続いているようだった。
いったいなんなのだろうか?
一陣の風が吹く。
ふわりと、らめぇ~てるの長い長い髪が舞う。惑星オチンチンパラダイスの風の中に。
「そうね、逝漏。近くにいってみればいいわ。自分の目で確かめなさい」
「そうだね、らめぇ~てる」
逝漏は駆けていく。そして、一本の棒の前に立った。
太さは直径5センチくらいだろうか。恐る恐るそれを触ってみた。
不思議な感触だった。鋼鉄の芯に、柔らかいゴムを撒いたような感触――
風の中、その果てしなく長い棒は静かに、そして緩やかに揺れていた。
風と日に晒され、表面は変色したかのようなどす黒い色だ。
「なんだろう? らめぇ~てる。触った感触は、記憶にあるような、無いような…… う~ん」
「そうね、逝漏、それは人の追憶の中に存在するものかもしれないわ」
「そうなんだ。らめぇ~てる」
逝漏はその長い棒を見つめ、そして天空を見あげた。
突き抜けるような蒼空に果てしなく伸びていた。
まるで、天に挑むかのように。
「でも、オチンチンパラダイスの人たちはどこにいるんだろう? やっぱり街かな」
「そうね、逝漏。このオチンチンパラダイスに街はないわ」
「え! らめぇ~てる、街がないだって? じゃあ、この星の人たちはどこに……」
「そうね、逝漏。この星の人たち。機械ではなく、生身のおちんちんで生きていく人たちを見せましょう」
「うん! ボクは尊敬しちゃうよ。機械のおちんちんに頼らないなんて!」
少年・欲野逝漏は、屈託のない笑みを見せる。
その顔から、らめぇ~てるは、すっと視線を外す。憂いと神秘が混ざり合ったような瞳。それは遠くに向けていた。
「そうね、逝漏。ついていらっしゃい」
「うん、らめぇ~てる」
ふたりは惑星オチンチンパラダイスの赤茶けた大地を進む。
ズボッ!!
「わぁ! なんだ!」
逝漏は声あげ、次の瞬間に、精士の銃『コスモドッピーュン』を抜いていた。
地面が割れ、そこから何かが出現していたのだ。
「そうね、逝漏。これが、この惑星オチンチンパラダイスの住民―― 星の大海を目指す男たち」
「え? この人が?」
逝漏は銃をしまった。
「あれ? もしかして、69(シックスナイン)に乗ってきた旅人かい?」
「そうだけど…… キミは、この星の」
「そうだよ。ボクはオチンチンパラダイス人だよ」
その少年は言った。
そう、少年と言っていい年齢だ。おそらくは、逝漏と同じくらいの年齢であろう。
「やっと、地上にでることができた。さあ、ボクは星の海を目指すぞ!」
少年はおちんちんを大地に突き立て、体を地面に平行にして、1メートルくらいの高さに存在していた。
股間から伸びたおちんちんが大地に突き立っている。
おちんちん一本でその身体を支えていたのだった。
「いったいなんなの? 地面から出てきて、おちんちんで体を支えて――」
「あははは、ボクたちオチンチンパラダイス人は、13年間地面の中で成長するんだ」
「え! 13年も、地面の中に……」
「そうね、逝漏」
「そして、地上にでたら、おちんちんを伸ばして、空を目指すんだ。遥か彼方の宇宙に向けて――」
そう言って、オチンチンパラダイス人の少年は、空を見あげた。
夢―― 希望――
そのように言うべきものが、その瞳には溢れていた。
「宇宙に! おちんちんで宇宙に!」
「そうね、逝漏。この星の人たちは、一生おちんちんを伸ばし続け、遥かなる空―― 宇宙を目指すの」
「そんな…… 食事とか? どうなっているの?」
「あははは、おちんちんが聖なる大地から栄養を吸収するんだ。全然食べる必要はないんだ」
屈託のない笑い声とともに、少年は言った。
「おちんちんで、宇宙に…… そんなことできるのかなぁ? らめぇ~てる」
「そうね、逝漏。それはこの星の人たちの夢。旅人である私たちが尋ねることではないわ」
「そうか…… そうだよね」
逝漏は周囲をみやった。周囲に突き立った無数の棒を
(この星の人たちのおちんちんだったんだ――)
逝漏の胸の内にその思いが浮かぶ。
星を目指し、己のおちんちんを伸ばし続ける人たち。
遥かなる星の世界。無限の大宇宙におちんちんで挑む人たち。
逝漏はグッと拳を固めた。
「そうね、逝漏。行きましょう。もう、分かったでしょう」
「うん、らめぇ~てる」
すっと後ろ姿を見せたらめぇ~てるの後を追う逝漏。
逝漏は振り返った。大地にオチンチンを突きたてた少年を振り返ったのであった。
「がんばれよ――」
ただ、その言葉が、逝漏の口から漏れていた。
万感の思いを乗せた言葉だった。
「うん、ボクもオチンチンを伸ばして、いつかアンドロメダに行くよ!」
少年は笑顔の中で、そう言った。
◇◇◇◇◇◇
どゆぴゅピュピューー―ッ!!
銀河リビドー69の猛り狂う無限リビドーエネルギーの叫びが響いた。
遠くなって行く、惑星オチンチンパラダイス。
「あ、らめぇ~てる…… あれは……」
「そうね、逝漏。惑星オチンチンパラダイスの人たちは大気圏を突破すると、その命を終わらせてしまう。真空中では人は呼吸ができないから――」
逝漏は見つめていた。
天空に伸びたおちんちん。
成層圏を突破したところで、息絶えている男たちの骸――
それは、宇宙を目指した男たちの夢の残滓のようであった。
逝漏は拳を固め、歯を食いしばる。
あの明るい顔をした少年のことを思い出していた。
あの少年もいつか……
いや、そんなことを決められるはずはない。逝漏は思った。
「でもいつか…… いつか、成層圏を突破して宇宙にでる人がでるかもしれない。そうだよね、らめぇ~てる!」
逝漏は言った。まるで謎の美女らめぇ~てるにすがりつく様な声音だった。
長いまつ毛が揺れ、星から伸びた無数のおちんちんを見つめる謎の美女。
その顔に憂いの色があったのに、逝漏は気づくことはなかった。
なぜなら、この美女のデフォルトの表情には、いつも憂いの色があるからだった。
「そうね、逝漏。いつか―― 人は夢を追い求め、夢に生きる。伸びたおちんちんが夢の残滓だとしても」
らめぇ~てるは伸びきったオチンチンの先にぶら下がっている死体を見つめ、つぶやくように言った。
おちんちんは夢を裏切らない、夢もオチンチンを裏切ってはいけない――
伸びるおちんちん、それはこの星の人たちにとって、宇宙に挑むただ一つの武器。
それしかない。
だから、この星の人たちにとっては、オチンチンこそが宇宙を目指す唯一の方法なのだった。
惑星オチンチンパラダイス――
そこは、生身のおちんちんで、無限の大宇宙に挑む男たちの星。
69(シックスナイン)は行く。
その男たちの夢の残滓を振り返ることなく。
大宇宙の無限軌道を進むのであった。
漆黒の闇、星の輝く大宇宙に、リビドーの叫びがこだましていた。
謎の美女『らめぇ~てる』に導かれ、銀河リビドー69(シックスナイン)へ。
遥かアンドロメダにあるという機械のオチンチンをくれるという星を目指し。
少年は旅だつ遥かなる大海へ――
全宇宙に伸びる無限の鉄道網。次元閉鎖チューブ無限軌道を銀河リビドー69は走る。
輝く星たちが歌う無限の大宇宙。
どぴゅ、ぴゅぴゅぴゅ――!!
大宇宙の闇の中、迸る性欲の猛りが鳴り響くのであった。
「母(かあ)さぁーーん」
「逝漏、逝漏どうしたの?」
「ボクは…… らめぇ~てる」
逝漏は目を覚ました。周囲を見た。ここは、銀河リビドー69の客室の中。
窓の外には漆黒の大宇宙。星の海を渡る無限軌道――
「夢をみていたようね、逝漏」
優しげな声。
金色の長い髪。影が出来るほどの濃く長いまつ毛。憂いの色をみせる神秘的な瞳。
らめぇ~てる――
少年、欲野逝漏を旅へと導いた謎の美女。
「そうか…… 夢か…… 電動チンコ伯爵―― ボクも機械のチンコをもらって、永遠の童貞じゃなくなるんだ」
「そうね……」
どこか翳りのある瞳が逝漏から視線を外した。
「でも、なんでこの銀河リビドーの男用のイスはこんな形をしているの? らめぇ~てる」
「そうね、それは、地球の輝ける黄金時代の追憶―― かなしい、思い出の詰まった椅子。スケベイスそう呼ばれていたわ」
らめぇ~てるは、窓を見つめる、美しい瞳に星の銀河の輝きが映える。
「スケベイス――」
逝漏は自分の座った椅子を見た。
丸い椅子。真ん中が溝のようなっている。
金色のラメ色のイスであった。
「そうね、昔の地球の―― 思い出。もう人類は思い出の中でしか生きられない。だから、この69には、人の追憶の中にしかない物を再現しているの」
どっぴゅぴゅぴゅぴゅーーーー!!
激しい音が、大宇宙に響いた。
69(シックスナイン)の動力無限リビドーエンジンの迸るエネルギーの奔流だった。
「あ、らめぇ~てる、星が、星に近づいていく」
「そうね。惑星オチンチンパラダイス―― ここは、機械のおちんちんに頼ることなく、おちんちんを進化させた星」
「え! すごいじゃないか。らめぇ~てる。そんな星があるなんて!」
「そうね、逝漏」
らめぇ~てるの瞳が頷いていた。
「人類はおちんちんの機械のおちんちんが無くても、立派にやっていけるんだ! どんな星なんだろう? 楽しみだね、らめぇ~てる」
「そうね、逝漏。そろそろ、オチンチンパラダイスに着くわ」
そして、69(シックスナイン)は惑星オチンチンパラダイスの引力圏、周回軌道から弧を描き、星に降り立つのであった。
◇◇◇◇◇◇
「なんだろうあれ?」
69(シックスナイン)はこの惑星の夜の場所に到着した。
そのため、乗っているときには気が付かなかったのだ。
広がる台地には、ただ無数の長い棒が刺さっているのだった。
夜が明け、逝漏は眼前に広がる光景に驚嘆していたのだ。
無数の長い棒――
それは天空を貫くかのように蒼空高く果てしなく続いているようだった。
いったいなんなのだろうか?
一陣の風が吹く。
ふわりと、らめぇ~てるの長い長い髪が舞う。惑星オチンチンパラダイスの風の中に。
「そうね、逝漏。近くにいってみればいいわ。自分の目で確かめなさい」
「そうだね、らめぇ~てる」
逝漏は駆けていく。そして、一本の棒の前に立った。
太さは直径5センチくらいだろうか。恐る恐るそれを触ってみた。
不思議な感触だった。鋼鉄の芯に、柔らかいゴムを撒いたような感触――
風の中、その果てしなく長い棒は静かに、そして緩やかに揺れていた。
風と日に晒され、表面は変色したかのようなどす黒い色だ。
「なんだろう? らめぇ~てる。触った感触は、記憶にあるような、無いような…… う~ん」
「そうね、逝漏、それは人の追憶の中に存在するものかもしれないわ」
「そうなんだ。らめぇ~てる」
逝漏はその長い棒を見つめ、そして天空を見あげた。
突き抜けるような蒼空に果てしなく伸びていた。
まるで、天に挑むかのように。
「でも、オチンチンパラダイスの人たちはどこにいるんだろう? やっぱり街かな」
「そうね、逝漏。このオチンチンパラダイスに街はないわ」
「え! らめぇ~てる、街がないだって? じゃあ、この星の人たちはどこに……」
「そうね、逝漏。この星の人たち。機械ではなく、生身のおちんちんで生きていく人たちを見せましょう」
「うん! ボクは尊敬しちゃうよ。機械のおちんちんに頼らないなんて!」
少年・欲野逝漏は、屈託のない笑みを見せる。
その顔から、らめぇ~てるは、すっと視線を外す。憂いと神秘が混ざり合ったような瞳。それは遠くに向けていた。
「そうね、逝漏。ついていらっしゃい」
「うん、らめぇ~てる」
ふたりは惑星オチンチンパラダイスの赤茶けた大地を進む。
ズボッ!!
「わぁ! なんだ!」
逝漏は声あげ、次の瞬間に、精士の銃『コスモドッピーュン』を抜いていた。
地面が割れ、そこから何かが出現していたのだ。
「そうね、逝漏。これが、この惑星オチンチンパラダイスの住民―― 星の大海を目指す男たち」
「え? この人が?」
逝漏は銃をしまった。
「あれ? もしかして、69(シックスナイン)に乗ってきた旅人かい?」
「そうだけど…… キミは、この星の」
「そうだよ。ボクはオチンチンパラダイス人だよ」
その少年は言った。
そう、少年と言っていい年齢だ。おそらくは、逝漏と同じくらいの年齢であろう。
「やっと、地上にでることができた。さあ、ボクは星の海を目指すぞ!」
少年はおちんちんを大地に突き立て、体を地面に平行にして、1メートルくらいの高さに存在していた。
股間から伸びたおちんちんが大地に突き立っている。
おちんちん一本でその身体を支えていたのだった。
「いったいなんなの? 地面から出てきて、おちんちんで体を支えて――」
「あははは、ボクたちオチンチンパラダイス人は、13年間地面の中で成長するんだ」
「え! 13年も、地面の中に……」
「そうね、逝漏」
「そして、地上にでたら、おちんちんを伸ばして、空を目指すんだ。遥か彼方の宇宙に向けて――」
そう言って、オチンチンパラダイス人の少年は、空を見あげた。
夢―― 希望――
そのように言うべきものが、その瞳には溢れていた。
「宇宙に! おちんちんで宇宙に!」
「そうね、逝漏。この星の人たちは、一生おちんちんを伸ばし続け、遥かなる空―― 宇宙を目指すの」
「そんな…… 食事とか? どうなっているの?」
「あははは、おちんちんが聖なる大地から栄養を吸収するんだ。全然食べる必要はないんだ」
屈託のない笑い声とともに、少年は言った。
「おちんちんで、宇宙に…… そんなことできるのかなぁ? らめぇ~てる」
「そうね、逝漏。それはこの星の人たちの夢。旅人である私たちが尋ねることではないわ」
「そうか…… そうだよね」
逝漏は周囲をみやった。周囲に突き立った無数の棒を
(この星の人たちのおちんちんだったんだ――)
逝漏の胸の内にその思いが浮かぶ。
星を目指し、己のおちんちんを伸ばし続ける人たち。
遥かなる星の世界。無限の大宇宙におちんちんで挑む人たち。
逝漏はグッと拳を固めた。
「そうね、逝漏。行きましょう。もう、分かったでしょう」
「うん、らめぇ~てる」
すっと後ろ姿を見せたらめぇ~てるの後を追う逝漏。
逝漏は振り返った。大地にオチンチンを突きたてた少年を振り返ったのであった。
「がんばれよ――」
ただ、その言葉が、逝漏の口から漏れていた。
万感の思いを乗せた言葉だった。
「うん、ボクもオチンチンを伸ばして、いつかアンドロメダに行くよ!」
少年は笑顔の中で、そう言った。
◇◇◇◇◇◇
どゆぴゅピュピューー―ッ!!
銀河リビドー69の猛り狂う無限リビドーエネルギーの叫びが響いた。
遠くなって行く、惑星オチンチンパラダイス。
「あ、らめぇ~てる…… あれは……」
「そうね、逝漏。惑星オチンチンパラダイスの人たちは大気圏を突破すると、その命を終わらせてしまう。真空中では人は呼吸ができないから――」
逝漏は見つめていた。
天空に伸びたおちんちん。
成層圏を突破したところで、息絶えている男たちの骸――
それは、宇宙を目指した男たちの夢の残滓のようであった。
逝漏は拳を固め、歯を食いしばる。
あの明るい顔をした少年のことを思い出していた。
あの少年もいつか……
いや、そんなことを決められるはずはない。逝漏は思った。
「でもいつか…… いつか、成層圏を突破して宇宙にでる人がでるかもしれない。そうだよね、らめぇ~てる!」
逝漏は言った。まるで謎の美女らめぇ~てるにすがりつく様な声音だった。
長いまつ毛が揺れ、星から伸びた無数のおちんちんを見つめる謎の美女。
その顔に憂いの色があったのに、逝漏は気づくことはなかった。
なぜなら、この美女のデフォルトの表情には、いつも憂いの色があるからだった。
「そうね、逝漏。いつか―― 人は夢を追い求め、夢に生きる。伸びたおちんちんが夢の残滓だとしても」
らめぇ~てるは伸びきったオチンチンの先にぶら下がっている死体を見つめ、つぶやくように言った。
おちんちんは夢を裏切らない、夢もオチンチンを裏切ってはいけない――
伸びるおちんちん、それはこの星の人たちにとって、宇宙に挑むただ一つの武器。
それしかない。
だから、この星の人たちにとっては、オチンチンこそが宇宙を目指す唯一の方法なのだった。
惑星オチンチンパラダイス――
そこは、生身のおちんちんで、無限の大宇宙に挑む男たちの星。
69(シックスナイン)は行く。
その男たちの夢の残滓を振り返ることなく。
大宇宙の無限軌道を進むのであった。
漆黒の闇、星の輝く大宇宙に、リビドーの叫びがこだましていた。
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