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11.監禁された女社長

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「あう……」

 喉の奥から声が漏れる。
 美人社長・佐名木由里は、ベッドの上で緊縛されていた。
 両手には、手錠が嵌められていた。
 両脚は開かれた状態で、棒が固定されている。投じることが出来ず、大きく開かれている。
 服は脱がされており、辛うじて下着だけは身につけていた。濃藍色のブラジャーとパンティーだった。
 ブラジャーに包まれたKカップはあろうかという豊かな胸がゆれる。白磁を思わせる透明感のある白い肌は大きく露出していた。
 開かれた股間は、パンティで隠されていただ、いかにも心細かった。

(一体、何…… こんな……)

 会社から出て、地下駐車場でいきなり拉致されたのだ。
 首の後ろがチリチリとまだ痛い。多分、スタンガンか何かを食らったのだと推測する。
 身体の痺れはまだ残っていた。ただ、動かせないというほどではなかった。

「もう、何よ! これ!」

 少しだけ自由になる上半身を揺らして、由里は叫んだ。
 ムッとする雄の饐えた匂いが鼻腔に流れ込んでくる。

「何よ! これは! いい加減にしてよ!」

 自分を失いかねない驚愕、恐怖の中で、悲鳴じみた叫びを上げる。
 何が起きているのか、良く分らない。心が混乱の中にあり、首を振り回す。
 長い髪が舞い乱れる。意味不明な恐怖の中にあって、まだ叫ぶことができるだけ由里は気丈だった。

「抵抗しても無駄だよ。佐名木社長」

 マスクにサングラスをした男が黒い吐息ともに言葉を発した。
 泥をねたような、不快な声だった。

「アナタ……」

 声には聞き覚えがあったが「誰か」と明確に思い出そうとすると、特定ができない。

「素っ裸に剥いてもよかったんだけど、下着姿もそそるものがあるよな。それにしても高そうな下着だぜ。でっかいおっぱいを包み込む特性のブラなのか。うう~ん」

「伊東ね! アナタ、伊東でしょ!」

 メガネの奥から鋭い視線で男を睨みつける由里。
 身体の自由を奪われ、監禁された状態であることは頭で理解できた。
 恐怖はあった。ただ、それよりも怒りの感情の方が上回ったのだ。
 それでも心臓は割れ鐘のように鳴っていた。脈動がこめかみに響く。
 
「そうだよ。アンタにパワハラの上、クビにされた伊東勇作だよ」
 
 伊東はサングラスを外してマスクを脱いだ。
 腫れぼったい目に、ぼさぼさの髪の毛、年齢は四〇歳以上に見えるが、確かまだ三〇代だったはずだ。

「帰しなさい。今すぐ解いて」

「そんなの無理に決まっているだろ」

 見下すような視線で由里を見やり、口元に下卑た笑いを浮かべる。

「散々人を無能扱いして……このクソ女が、外からやって来てのうのうと社長になりやがってコネと七光りの分際で」

 由里の会社は以前は叔父が社長をしていた。叔父の引退にともない外資系に勤めていた由里が社長になったのは三年前のことだった。
 そのとき、どうみても出来ない社員のクビを切った。
 叔父は部下に対し甘いところがあったが、外資系の文化で育った由里には甘さが皆無だった。
 無駄飯喰いと思われる社員は切った。その分、良く働く社員に報いている。

 そのとき、解雇した者のひとりが伊東勇作だった。
 とにかく、怠惰で不潔でどうしようもない社員だった。

「わたしを監禁してどうするつもりなの?」

 声が震えそうになるのを堪え、由里は言った。
 由里は周囲を見やる。窓はあるのだろうが、大きな本棚で完全に隠されていた。
 天井に突っ張り固定するタイプで、簡単に移動できそうにない。

「大声を出そうが、暴れようが、無駄だぜ」

 喉の奥で「ひひひ」と笑いを発しながら、勇作は言った。

「試してみるかい。このアパートはボロだけど、もう住んでいるのは俺だけなんだよ。隣も上も下も空き室だ。いくら騒ごうが、近所にも聞こえやしねぇよ。離れているし、車の音がうるさいからな」

「この下司!」

「ひひひ、その気の強さがたまらねぇぜ。男を誘うようなデカイ乳しやがって」

 勇作は「ムにゅ」っと由里のおっぱいを握った。ブラの中に手を突っ込んでだった。
 力任せの乱暴な扱い。指が深く食い込んでいく。

「あうッ! 触らないで! ダメ! やめて!」

 猛禽の爪のようなものが、バストに食い込んでいく。気持ちよさなど欠片もない。ただ、おぞましい思いだけがあった。
 辛うじて動くことの出来る上半身を捻る。
 が、後ろから首に太い腕が巻きつく。逃げることなど出来なかった。

「うッ……」

「大人しく、揉まれていればいいんだよ。それにしても、たまらねぇおっぱいしてやがるぜ」
 
 ブラがずれ、白い双丘が露となる。柔肌に食い込む芋虫を思わせる黒く太い指。
 乳房を弄び、乳首を扱いていく。

「嫌ぁぁ! いや!」

 由里は一七〇センチに近い長身で女性とすれば背が高い。
 しかし、伊東の方は一八〇センチを軽く超えるかという大男だった。
 身を捩じらせるが、片手で押さえつけられどうにもならない。

「こんな…… あうッ、やめてぇぇ! ああああ、舐めないでぇ」

「嫌だね」

 剥がれたブラから露になったピンクの乳首が震える。
 伊東は乳首ギュッとつまみ上げ、薄い唇の間に挟さみ、吸い上げていく。

「じゅるぅぅぅ、じゅるぅぅぅ、ひひ、なんだコリコリに勃ってるじゃねぇか。感じてるのかい?」

 キッと鋭い眼差しを向ける由里。零れそうになる涙を堪えながら伊東をにらみみつけた。

「良い目だ……そそられるよ」

「あうッ! ダメぇぇ! あうッ!」

 恐怖がある。屈辱感がある。それでも、乳首を舐められ、吸われ蹂躙されていく。
 どうしても、肉の奥底からビリビリとした快感がわきあがってくる。
 由里の豊かな双丘は、大きさだけでなく、敏感すぎた。乳首が感じすぎた。

(はうぅぅ、あああ、だめなのに、感じちゃだめなのにぃ)

 キュッと歯を食いしばり、身を貫く快感を押さえ込もうとする。理性を保とうとする。

「ふふひっひ、こっちはどうだい?」

 伊東は股間に手を伸ばす。パンティの中に節くれだった手をいれ、指でヴァギナを弄る。
 ヌルヌルとしたメス汁が漏れ零れていた。

「スケベな女だ。こんなに濡れてるじゃねぇか」

「違う! 生理現象よ」

「そうかい」

 伊東は口元に下卑た笑みを浮かべ、由里の上半身を倒した。

「あうッ」

 仰向けにされ、手足を緊縛されている。抵抗が難しかった。漏れ出す声が上擦った。
 伊東が体重をかけ、胸を揉みしだく。柔らかな乳房が変形し白い肌が仄かに朱に染まっていった。
 脚は棒に固縛され、開かれたままだった。屈辱的なポーズにであることを改めて自覚する。

「はぁぁ、止めて、あああぁ。ダメ! ダメって行ってるでしょッ。あぅぅぅッ」

「ダメって……感じてるんじゃねぇのか。ここは――びしょびしょじゃねえか! うひひひひ」

 ブラを上の方に剥がされ、白さの中に微かに色づいた乳房が露となった。
 
「乳首はピンコ勃ちじゃねぇか」

「あふぁぁ! ダメ、止めてぇ、やめろぉぉ! バカ! 死ね!」

 首をブンブン振って罵倒するが、伊東にとっては罵倒すらご褒美のようなものだった。
 優位は完全に自分にあるのだ。メス犬の遠吠えは、発情を促す要素にしかすぎなかった。

「うふぃ~ 乳首が、コリコリしてらぁ」

 薄桜色の乳首にムチュっと吸い付く伊東。
 舌先で蹂躙し、鬱血するほどの強さで吸った。歯を立て甘噛みというには強い力で噛む。

「あっ……くぅぅ。あはっ、止めてぇぇ、あああ、やめろぉぉ。このぉぉ~」

 片手で乳房を弄ぶ。しっとりと汗ばんだ肌が吸い付くようだった。
 最高級ゼリーのような柔らかな乱暴に弄ぶ。
 もう片方の手は股間の割れ目に指を突っ込んだ。

「あふぁッ!!」
  
 美人社長は、白い喉を見せ、身を反らした。
 潤んだ瞳は中空を見つめ、虚ろで焦点が合わなくなってくる。
 唇はあえかに開きメスの喘ぎが漏れ出してくる。

「美人社長もこうなると、ただのメスだな」

「あう……こんなことをして、只で済むと――」

「思ってるさ。ここは郊外だし、どんなに騒ごうが近所には誰もいねぇ。空き室ばっかのアパートだからな」

「警察が動く――、あぅッ、あふぅ~」

 膣内を掻き回され、由里は言葉を最後まで言えずよがり声を上げてしまう。

「どうだろうなぁ。会社の人間は騒ぐだろうが、国内の行方不明者は毎年九万人近いんだ。そんなに熱心に探しちゃいないよ。事件性があるかどうかも分らんからなぁ」

 由里は恐怖と恥辱、屈辱にまみれながらも、メガネの奥から伊東を尖った視線を投げる。
 
「この屑! 死ね!」

 強気を見せながらも、細身で儚げな肢体は震えていた。

「いいさ。どんどん罵ればいい。その罵倒も俺を気持ちよくさせるぜ。うひひひ。無力な女の罵倒は好物なんだ」

 屑の極みともいえる台詞を吐いて、伊東は、パンティを横にずらす。
 女陰が露となった。ぬるぬると濡れそぼり、メス穴が指を咥え込んでいる。

「そうだ。キスだな。接吻をしておこうかぁ。んん~ん」

「嫌よ! 止めて! あうッ」

 肉壷から太い指が抜かれた。ドロドロに濡れた指だった。中指である。
 由里の奥底まで穿っていた指だ。

「まずは、これを舐めてろ」

「あうッ」

 強引に指を口に突っ込まれた。顎を強力ごうりきで押さえ込まれ拒否することが出来なかった。
 乱暴に指がねじ込まれ、舌を弄くられ、なす術もなく口腔粘膜を蹂躙される。

「うひひ、どうだい自分の蜜汁の味は。ひひひ」

「くはッ」

(やめて、あああ、いやぁぁ)

 長いまつ毛が沈み込み、潤んだ瞳に翳りを作り出す。それもゾクゾクする艶っぽさだった。

「たまらねぇ。俺を馘首くびにした女だけど、やっぱ良い女だぜぇ」

 伊東は頭を押さえつけ、強引に唇を奪った。思い切り口を吸う。唾液が流れ込んできて、それを己の唾液と混ぜ合わせる。
 飲んだ。吸って飲んだ。更に吸って飲んだ。 
 由里の唾液ならいくらでも飲めそうだった。

(あふぅ、ああああ、なにを…… あああ)

 クビがへし折れるかという程、顔を押し付けられた。
 唇を貪られ、犯されていく。いったいどのくらい唇を吸われているのか?
 吸われた唾液が逆流し、伊東の舌とともに、流れこんでくる。
 口の端から、唾液が溢れ出し、糸を引いていく。顎がドロドロになっていった。

 伊東の強制接吻は、永遠に続くかと思われた。口の中を徹底的に嬲られ穢されていった。
 太くヌルリとした舌が口腔細胞を汚していく。

「ああああ。いや……ちゅぷッ、じゅるぅぅ、はぱぁぁ」

 呼吸が苦しくなり、頭が真っ白になりかけている。
 
 ちゅぷッと、水分の多い音をたて、ようやく唇が解放された。
 そのとき、由里は朦朧となっていた。
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