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7.ベットに誘われる

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「もう出ましょうか」

 裕介に後ろから抱っこされる感じで由里は浴槽に浸かっている。

(結構、逞しくて当たりかも……)

 マッチングアプリを使ったのは初めてだった。本来性欲が強すぎる由里。
 が、会社の経営が多忙すぎ、性欲を発散する機会が中々なかったのだ。

(これからも楽しめそうだわ)

 由里が裕介に一度身を預けた。男の身体の硬さが身体の芯を振るわせる。
 名残惜しそうに、由里は立ち上がった。

「いつまでも浸かっていたらのぼせてしまうわ」

「そうですね――」

 裕介も由里に合わせて立ち上がった。
 広いバスタブの湯が大きく波打った。

(それにしてもエロい身体だなぁ。やっぱり)

 無駄の一切ない、絞り込まれたフォルムでありなが、女としての柔らかを持つ肉体―― 
 それが由里だった。

(初めてが由里さんで、最高だ)

 裕介の股間はまたしても硬くなってくのだった。
 思わず、後ろからキュッと抱きしめてしまう。
 ヌルリとした肌――肩を舐める。
 
(汗がしょっぱくて美味しい……)

 雌汗を味わい、更にペニスを硬くする裕介だった。

「あぅうんッ、もう、お風呂を出てから、焦らないで」

「うん」

「ふふ、素直な子は好きよ」

 由里は軽くチュッと頬にキスをした。
 濡れた唇が心地よかった。

        ◇◇◇◇◇◇

 由里と裕介は、バスルームを出た。
 
「これを着てちょうだい」

「わ、こんなのも……」
 
 高級そうなバスローブだった。

「ちょと小さいかもしれないけど、我慢してね」

 男用ではなく女性用のバスローブを身に纏った。
 そして、ふたりでリビングに入った。
 由里はメガネをかけなおす。

(素顔の由里さんも素敵だけど、メガネが似合っているよなぁ~)

 知的さと妖艶さの混沌カオスの存在――。
 それが由里だった。
  
 由里は高級そうなソファーに腰を下ろす。
 背もたれに身を預け、身体全体を沈めた。

「あふぅッ~」

 由里は火照った身体から、熱い吐息を外に漏らした。
 
「ねえ。ビールを取ってきてくれない」

「ええ」

 裕介はキッチンにある冷蔵庫を見やる。

(大きな冷蔵庫だなぁ。独り暮らし……なんだよな)

 冷蔵庫を開けると缶ビールがびっしりと詰まっていた。

(酒屋みたいだ……)

 美女のイメージとはちょっと違う冷蔵庫の中身に少し驚く。
 女社長、由里のイメージからすると「ワイン」と高い洋酒のような気がするのだが。

 あらためて冷蔵庫の中を見やる。

 後、ビーフジャーキなどのおつまみ類もあった。
 他に自炊に必要な食材の類は見つからなかった。卵もないし、肉も何もない。
 圧倒的な缶ビールの存在感に圧倒される。他の存在は許さん!っというかのような威圧感すら感じる。
 
「由里さん。コップは……」

「いいわ、そのままで」

 裕介はロング缶を手に取り、由里に渡す。

「ふふ、裕介も飲めるでしょ。いいのよ自分のも一本取りなさい」

「はぁ、いただきます」

 裕介も飲めなくはないし、ビールは嫌いでない。むしろ好きだ。
 普段は安い発泡酒ばかり飲んでいるので、遠慮なくビールを手に取る。

「隣に座りなさい」

 優しげな声ながら逆らうことを許さない声風こわぶりで由里は言った。

(このひとにいっぱい射精したんだ……)

 数えてみれば由里のなかに三回放って、オスの潮吹きまでいれると五回も出してしまったことになる。
 隣に座る由里の攻撃的なほどに淫らな香りが鼻腔に流れ込んでくる。
 汗の匂いがオスの脳を狂わせるフェロモンのようだった。

「あはッ、やっぱり美味しいわ。ビール好き?」

「ええ、好きです」

「ふふ、わたしも……」

 バスルームでの淫蕩な行為の結果に揺蕩うようにして、由里は裕介に身を寄せてくる。
 淫らなフェロモンが濃くなってくる。

「由里さん」

 裕介はたまらず、由里の胸に触れる。バスローブの隙間に手を突っ込んでだ。
 たわわな乳房に指が包まれ、沈み込んでいく。

(ああ、すごい柔らかくて……)

「ああん、いやらしい子ね。ふふ」

 由里は胸を揉ませるにまかる。メガネの奥から蕩けそうな瞳で裕介を見やる。
 
(ああん。上手……でも……)
 
「エッチな、男の子は好きよ。でも、続きはもう少し休憩してからにしましょう」

「あ、はい。すいません」

 裕介は手を引っ込める。由里の言葉に慌てる裕介を由里は面白そうに見つめた。

「由里さんの会社ってすごく儲かっているんですか」

 裕介は照れ隠しに話題を転換した。由里はキュッと唇を繊月の形にした。妖艶な笑みだ。

「そうね。アラサー女ひとりが好き放題やって、暮らしていけるだけは、儲かっているのかしら」

 ビールを片手にもって、マンションの中に視線を泳がせる。
 豪華なマンションで、調度品も一級品だろう。

「そうなんですね」としか、言いようがなく、裕介はそのままの言葉を返す。

「ねえ、裕介」

「あ、はいッ」

 呼び捨てにされ、ドギマギして答える。
 親密さを隠そうともしない甘い呼び方に思えた。

「今日は泊まっていけるかしら?」

「はい」

「いずれは、ここに住んでもらいたいの」

「え? ずっとここに」

(そう言えば、マッチングアプリでもペットか奴隷で人生飼い殺し希望って、あったよな~)

 裕介は今更ながらに思い出す。

「そうよ。アナタを養ってあげる。ふふ、飼ってあげると言った方がいいかしら」

「あッ、それは……いいですけど」

「わたし、すこし性欲が強いわよ。分っていると思うけど。大丈夫かしら?」

「問題ないっすッ!」

 裕介は勢い込んで言い放つ。

「ふふ、元気でいいわ。好きよ。裕介」

「ボクも、ボクも好きです。由里さんを」

「あら、嬉しいわ」

(ペット……、ヒモかなぁ。それはそれで男としてのひとつの夢だよなぁ~)

 裕介は豪華なマンション内を舐めるように見ると「悪くない」と思う。
 マッチングアプリの段階では冗談半分かと思っていた。
 が、由里の獰猛で奔放なセックスと、ハイソな生活ぶりを見ると本当に悪く無いと思った。

(どうせ、無職の身だしなぁ)

 美人女社長に飼われ、セックス三昧の日々を送るのは悪くないと思った。
 
「どうする、ピザでも取る?」

「はい」

 結構庶民的なチョイスだったが、配達であればピザが無難だろうと、裕介も思う。

「携帯は、あ、あったわ」

 由里はスマホを手に取り、ピザを注文した。
 
「二本目、裕介もいる?」

「あ、ボクはまだ残っていますから」

「そう」

 由里は裕介の返答と同時に立ち上がり、二本目のビールを取りに向かう。

(ピザを食べたら、ベッドで……いや、そのままリビングで)

 今日は五回も射精しているにも関わらず、裕介の股間はまだ元気だった。
 初体験から淫らなセックスをして、Sクラス、最上級の女体を味わったことで、興奮が冷めないのだ。

「うふふ、凄く元気ね。でも、ちょっと待ってね」

 由里は股間をすっと撫でる。
 焦らすような触り方だった。

「あうッ、由里さん……」

「いいのよ、由里って呼んで」

「由里」

 その名を口にした。口の中に甘い感触が広がっていくかのようだった。

        ◇◇◇◇◇◇

 ピザが来た。食べながらビールを飲む。
 何本目かのビールを口にすると、由里は妖しくねっとりとした双眸を裕介に向ける。
 ちゅぷっと、缶から口を離すと唇が言葉を発した。

「裕介はお尻が気持ちいいのかしら」

 潤んだ瞳がレンズの向こうから覗き込むようにして言った。
 普段はクールビューティと言っていい。
 が、今は妖艶さを漂わせ、切れ長の瞳は魂を吸い込まれそうなほどに、妖しく光っていた。

「それは、確かに気持ちよかったです……」

 隠すこともない、裕介は生じに吐露した。

「ふふん、いいわ、素直でとってもいいの。お姉さん嬉しくなっちゃうかも」

 由里はソファーの背に持たれかかった。
 しなやかに動く肢体が柔らかなクッションの中に沈んでいく。

(わー、おっぱいが見えそう……)

 散々セックスをしているのに、バスローブの隙間から見えそうな双丘はまた格別だった。
 裕介は、たまらず手を伸ばす。
 隙間から手を入れ、由里の胸を問題。しっとりと指先に吸い付き、蕩けてしまいそうな感触だ。

「あんッ♥」
 
 小さく、喘ぐ由里。空気を甘々とした色に変える吐息と一緒に。

「由里……気持ちいいの?」

 指先がピンク色の乳首に触れる。そのまま欲望にまかせ掌の上で躍らせる。

「あん、えっちぃ~」

(あふぁん、感じてきちゃう。おっぱいが感じてきちゃう……)

 乳首から生起する、疼くような快感に身をまかせ、あえかに開いた唇から、桃色の呼気を零すのだった。
 女肉の喜びが媚電流となって、由里の身体を振るわせていく。
 由里は裕介に撓垂しなだれかかる。艶めくフェロモンの薫りが脳内に流れ込んでくるようだった。

「エッチすぎるよ。なんで、そんなにエロいの……」

「アナタといると、エッチになってしまうの。ふふ」

 火照った肌の温度が掌にしみこみ、細胞を蕩かしてしまいそうだ。

「あふぁぁん。続きは……、続きはベッドでしましょう」
 
 ぬるりとした粘度の高い声音が鼓膜に絡みつく。
 耳が痺れそうになる。

(ベッド…… うん、リビングでっていうのもいいけど。やっぱりベッドだよなぁ)

 由里が立ち上がった。裕介はすっと手を離す。動作の邪魔に成ると思ったのだ。

「うふふ、触ったままでもいいのよ」
 
 由里が振り返る。ふわりと柔らかな長髪が揺れた。 
 既に、乾ききった髪が、かすかに裕介の腕に触れた。

「こっちよ、来て」

 由里は裕介をベッドルームに誘う。それは、サキュバスの誘いのようであったかもしれない。
 ふたりは、抱き合うようにして、ベッドルームに入る。

(広いなぁ、ここも……)

 仄暗い間接照明の底に、ベッドが白く浮き上がっていた。
 
「思い切りセックスしましょう。夜は長いわ」

 由里はベッドに倒れこむと長い黒髪が白いベッドに広がった。
 ほんのりとした柔らかな明かりの中で、幻想的な存在がそこにあった。
 ゆっくりと由里がバスローブを脱いでいく。
 白い肌は燐光を放っているかのように浮き上がっていく。

(あああ、凄い)

 裕介はゴクリと唾を飲み込んだ。

「さあ、来て……」

 両手を広げ、裕介を誘惑する。

「あ、はい!」  

 裕介は逆らえるはずもなく、逆らうつもりもなく、言われるままにベッドに向かう。
 脱ぎ捨てるかのように自身のバスローブを剥がした。

「あんッ、もうそんなに元気になってるのね。素敵よ」

 裕介の股間は薄明かりの中でそそり立っていた。
 童貞を失ったばかりでありながら、弱さを微塵も感じさせない肉槍だった。
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