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2.狙いは「恋愛ジャンル」だ!
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とにかくインセンティブだ。
ボクはオメガポリスの「小説」のランキングを見て思う。
つまるところ「24Hポイント」を稼ぐことが一番の目的となる。
一日の「24Hポイント」がそのまま(おそらく1日の平均が)、インセンティブのポイントに交換されるのだろう。
となると、24Hポイントを稼ぐ方法を考えねばならん。
というわけで、ランキングだ。
「恋愛がつえーなぁ。後はファンタジーかぁ……」
恋愛小説がランキングTOP10の過半数を占めている。
「ボクも書いたことはあるけど、『婚約破棄』とか『悪役令嬢』とかはなぁ……」
ボクは悩む。
このパワーワードの意味は知っている。
乙女ゲームから派生した言葉であって、ヒロインの恋愛を妨害をして最後に悲惨なルートをたどるのが悪役令嬢だ。
で、その悲惨さのひとつに「婚約パーティ」がある。
ぼくは、ざっと上位の作品を読んでみる。
数少ないぼくの特技が速読だ。
ネットでも本でも、活字を読むスピードには自信がある。
「二種類だな」
ぼくは概ね、物語の構造を分類する。
1.悪役令嬢が婚約破棄を回避するため何かを行う
2.悪役令嬢が婚約破棄され、その後で「ざまぁ」に展開に向かう
概ねこんな感じだ。
でもって、問題は――
(台詞中心かと思ったらそうでもないなぁ)
ファンタジーなどは台詞中心でイベントがどんどん進む話が多い。
が、恋愛ジャンルの方は以外にキャラどうしの絡みとか性格描写とか、心情描写とか多い気がした。
性別の差だろうか?
とまあ、ぼくは別にジェンダー論者でもないので「性差」について考える。
女性は、キャラ同士のコミュニケーションを楽しみ、男性はアクションなど動きのある描写、何か形のある達成を目指す描写を好むとか……
そんな感じだろうか?
「とりあえず、悪役令嬢が婚約破棄され、王子とヒロインに復讐する話でどうだろうか?」
と、ぼくは誰もない真っ白な部屋でつぶやく。
なにもしないで時間が過ぎれば、餓えて死ぬ。
とにかく何でもいいから書いて、書いて書きまくっていくしかないというのが、ぼくのおかれた現状だ。
「まあ、書いてみて方向を確認してみりゃいいかぁ」
というわけで、ぼくは1作書いてみたのだった。
◇◇◇◇◇◇
「あああああああ、10万ポイントは遠すぎるぅぅぅ!! なんでや? なにがあかんのや!」
なぜか上方言葉になりながらぼくは白い部屋で転げまわる。
いきんで書いた新作は、最初二〇〇〇ポイントくらい。
で、あかんな――ということで、早々にまとめて完結。
最初の1話の一〇〇〇文字くらいで「HITランキング」に入らないと厳しい。
10万ポイントなど夢なのだ。
「完結させてやっとこと4000ポイントかぁ」
と、思うわけだけど、これでも投稿作品全体からみれば健闘した方だ。
普通なら喜ぶべきだけど、ぼくの場合10万ポイントいかないと、死ぬ。
餓えて死ぬ。乾いて死ぬ。まあ、最悪便所の水を飲めば、水分はなんとかなるが……
(うう、もう喉が渇いてきた)
もはや、これはある種の拷問ではないか――と、思った瞬間、見えないスピーカーから声が聞こえた。
『えー、1作完結おめでとうございます。最初の1作完結を祝しまして、食料と水をお送りします。なお、これは初回だけの特典です』
うぃーんと音がして、搬入用の箱が動いた。
ぼくは箱にの場所まで跳んだ。電撃に警戒してちょぴちょいと指で触る。
(大丈夫だ)
箱の中には煎餅とペットボトルの水2リットルのやつが六本あった。
煎餅は二袋しかない。
「ほぼ水だけで一週間か……」
やばい。死ぬかもしれん。
借金するにしてもポイントを稼いで、ポイントの前払いという形で得ないと自分の首を絞める。
ぼくはまた、ランキング上位の恋愛小説を読み始めたのだった。
ボクはオメガポリスの「小説」のランキングを見て思う。
つまるところ「24Hポイント」を稼ぐことが一番の目的となる。
一日の「24Hポイント」がそのまま(おそらく1日の平均が)、インセンティブのポイントに交換されるのだろう。
となると、24Hポイントを稼ぐ方法を考えねばならん。
というわけで、ランキングだ。
「恋愛がつえーなぁ。後はファンタジーかぁ……」
恋愛小説がランキングTOP10の過半数を占めている。
「ボクも書いたことはあるけど、『婚約破棄』とか『悪役令嬢』とかはなぁ……」
ボクは悩む。
このパワーワードの意味は知っている。
乙女ゲームから派生した言葉であって、ヒロインの恋愛を妨害をして最後に悲惨なルートをたどるのが悪役令嬢だ。
で、その悲惨さのひとつに「婚約パーティ」がある。
ぼくは、ざっと上位の作品を読んでみる。
数少ないぼくの特技が速読だ。
ネットでも本でも、活字を読むスピードには自信がある。
「二種類だな」
ぼくは概ね、物語の構造を分類する。
1.悪役令嬢が婚約破棄を回避するため何かを行う
2.悪役令嬢が婚約破棄され、その後で「ざまぁ」に展開に向かう
概ねこんな感じだ。
でもって、問題は――
(台詞中心かと思ったらそうでもないなぁ)
ファンタジーなどは台詞中心でイベントがどんどん進む話が多い。
が、恋愛ジャンルの方は以外にキャラどうしの絡みとか性格描写とか、心情描写とか多い気がした。
性別の差だろうか?
とまあ、ぼくは別にジェンダー論者でもないので「性差」について考える。
女性は、キャラ同士のコミュニケーションを楽しみ、男性はアクションなど動きのある描写、何か形のある達成を目指す描写を好むとか……
そんな感じだろうか?
「とりあえず、悪役令嬢が婚約破棄され、王子とヒロインに復讐する話でどうだろうか?」
と、ぼくは誰もない真っ白な部屋でつぶやく。
なにもしないで時間が過ぎれば、餓えて死ぬ。
とにかく何でもいいから書いて、書いて書きまくっていくしかないというのが、ぼくのおかれた現状だ。
「まあ、書いてみて方向を確認してみりゃいいかぁ」
というわけで、ぼくは1作書いてみたのだった。
◇◇◇◇◇◇
「あああああああ、10万ポイントは遠すぎるぅぅぅ!! なんでや? なにがあかんのや!」
なぜか上方言葉になりながらぼくは白い部屋で転げまわる。
いきんで書いた新作は、最初二〇〇〇ポイントくらい。
で、あかんな――ということで、早々にまとめて完結。
最初の1話の一〇〇〇文字くらいで「HITランキング」に入らないと厳しい。
10万ポイントなど夢なのだ。
「完結させてやっとこと4000ポイントかぁ」
と、思うわけだけど、これでも投稿作品全体からみれば健闘した方だ。
普通なら喜ぶべきだけど、ぼくの場合10万ポイントいかないと、死ぬ。
餓えて死ぬ。乾いて死ぬ。まあ、最悪便所の水を飲めば、水分はなんとかなるが……
(うう、もう喉が渇いてきた)
もはや、これはある種の拷問ではないか――と、思った瞬間、見えないスピーカーから声が聞こえた。
『えー、1作完結おめでとうございます。最初の1作完結を祝しまして、食料と水をお送りします。なお、これは初回だけの特典です』
うぃーんと音がして、搬入用の箱が動いた。
ぼくは箱にの場所まで跳んだ。電撃に警戒してちょぴちょいと指で触る。
(大丈夫だ)
箱の中には煎餅とペットボトルの水2リットルのやつが六本あった。
煎餅は二袋しかない。
「ほぼ水だけで一週間か……」
やばい。死ぬかもしれん。
借金するにしてもポイントを稼いで、ポイントの前払いという形で得ないと自分の首を絞める。
ぼくはまた、ランキング上位の恋愛小説を読み始めたのだった。
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