異世界のおっさんフリー冒険者は固有スキル「傘を刺す」で最強無双だった

1.コンビニ行く途中で、トラックに（以下略

　特に語ることない前世だった――

　俺はサラリーマンでそろそろ４０のおっさん。
「有休？　残業代？　なんですかそれ？」と言う企業に勤めていた。
　で、徹夜２日目の明け方だったと思う。
　
　前世の記憶なので曖昧だよな――
　なんか、コンビニ行く途中で、トラックに（以下略

　で、死んで転生した。
　異世界に転生した。

　今日こんにち、今現在、ここまでの「テンプレ」と言うか工夫のない展開でいいのか？
　ってくらい、完全に異世界転生。

　で、もうテンプレ要素をこれでもかと煮詰めたような世界だ。

　当然、世界はなんとなく、薄らぼんやりとしたゲーム的中世ヨーロッパ風だし。
　当然、剣と魔法があった。
　当然、王国とかある。

　あはははは。
　
　バカじゃね？
　って俺は思ったけど、転生して赤ん坊なので黙っていた。

　言えば「バブバブ」くらいは言えたかもしれないけど。

　とにかく、俺は異世界に赤ん坊として転生した。

　神様に会うことも無かったし、何か特殊なスキルを得ることも無かった。

　ふつうに、赤ん坊の日常を繰り返すだけだったわけだ。

　おっさんだった俺の第二の人生の始まりだった。