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1.ネズミイルカのニッキー
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サイバーイアグナ社が運営する水族館――
鮒橋海浜水族館は、駅からバスで20分の距離にある。
あの大震災で被災した公園の跡地にできた新しい水族館だった。
数百種を超える魚類、海生生物が飼育されている。
その中にはイルカもいる。
首都圏では最大規模の敷地面積を誇る水族館だ。
水族館には研究所が併設されている。
それ自体は特に珍しくはない。
ただ、その研究所は「イルカの言語解析」の研究に特化していた。
その研究水準は、世界でもトップを走る物であった。
イルカは超音波により、水中でコミュニケーションをとっている。
噴気孔内にある発声器官から、超音波を発生させ、それが独特の波長をもっていることは判明している。
仲間同士で何らかのコミュニケーションをとっているのは確実である。
しかし、その音声に「言語」といえる条件が揃っているのか?
それを解析し、イルカと会話することが可能であるのか?
それは、二一世紀の生物学においても未踏の領域であった。
しかし――
サイバーイアグナ社が運営する「鮒橋海浜水族館」付属の研究所では、ついにその問題の答えに到達していた。
『やぁ、僕、ニッキー』
明らかに機械合成されたと感じられる甲高い声が、その部屋に響いた。
同時に「おおぉ」という言葉にならぬどよめきが起きた。
巨大な水槽の断面が壁と一体化している部屋だ。
一般には公開されていない水槽の中、四〇センチを超える厚さのあるアクリルガラスの向こう――
一頭の海生生物が遊弋していた。
先ほどの声は、その水槽内の生物が発した超音波が人間の「言語」に翻訳されたものだった。
ネズミイルカ――
全長一六〇センチ。小型のイルカだった。絶滅が危惧される希少種である。
そして、その個体は確かに「ニッキー」と名前を付けられていた。
人によってである。
『みんな、どうしたんだい? ビックリして? 僕らは友達だろ?』
再び声が響いた。
「ニッキー、ずいぶんとご機嫌ね」
巨大なアクリル水槽の断面の前にひとりの女性が立った。
ほっそりとした身を白衣に包んだ髪の長い女性だった。
その白衣には黒いピンマイクが取り付けられていた。
『うん、最高だよ! アジの切り身があれば、もっと最高になるよ! 海月さん』
ニッキーはその女性のファーストネームを口にしていた。
いや、正確にいうならば、彼女を個体認識し、固有の名で呼んだのだ。
それが、言語解析システムの中で「海月」と認識され、音声となったのだ。
「アジの切り身―― あげて」
「はい。味の切り身投下 五〇グラム」
「了解、五〇グラム投下します」
越前海月の指示に、研究員が答えた。
アクリルガラスの向こう側。その透明な水の中で、バラバラと何かが撒かれていた。
水の中をゆらゆらと沈下していく。
水槽の上部から、外部に待機したスタッフの手によりアジの切り身が投下されたのだ。
それを素早く口にいれていくネズミイルカのニッキーだった。
「個体認識しているのですか? 室長」
研究員の中の一人が呟くように言った。
「まだ分からないわ」
「まるで、チューリング・テストみたいですね」
「似たようなモノね」
研究員の声を背で受けながら、冷めた声で対応する海月。
その美麗な眼差しは、アクリルガラスの向こうで遊弋するニッキーに向けられていた。
彼女は天才だった。
イルカの言語研究の分野では、注目すべき研究成果をいくつも挙げている。
すでに、その世界ではトップランナーといってもいい存在になっている。
まだ年齢は二〇代にも関わらずだ。海外の大学を飛び級で卒業。一〇代で博士号を得ていた。
『アジの切り身は美味しいよ。海月!』
「そう、よかったわ。頭に付けたシールは邪魔じゃない?」
『え? シール? ああ、この頭にペタペタ貼ってあるやつだね。全然平気だよ』
それは、ネズミイルカであるニッキーの頭部に貼られていた。
脳内各所の電位差や、脳内化学物質の状態を伝達するためのセンサーだった。
「言語(まだ確定できない)」を使用しているときの、脳内の活動部位を確認するためのものだ。
そのデータは全てこの研究室でモニタリングされているのだ。
「いくつか訊いていいかしら?」
『うん、イイよ。海月さん』
「寂しくない?」
『寂しい? 寂しい…… 寂しくないよ。だって、友達がいっぱいいるから』
「友達って?」
『えーー? みんなだよ。みんな、友達だよね』
「そうね…… でも、海に戻って、同じネズミイルカの仲間に会いたいとは思わない」
『うーん…… 思わないって言えばどうかな…… もう、ちょっと無理だと思うんだよね。海は広いし、仲間はどこにいるか分からないし』
彼は数年前に房総沖で漁師の網に誤ってかかり、この水族館にやってきたのだ。
海月はマイクのスイッチをオフにした。
「脳内のニューロン電位活動はどう?」
彼女はニッキーを見つめながら言った。
ニッキーはジッとアクリルガラスを通し、こちらを見ているかのようであった。
「孤核束(NTS)から頭頂葉皮質がかなり活性化しています――」
孤核束(NTS)とは自律神経反射の中継核で、大脳と小脳の中継地点ともいえる。
頭頂葉皮質は空間認識などに関わる部位だ。
あくまでも人間をモデルとした時の話ではあるが。
「側頭葉は?」
「特に大きな変化はみられません」
「そう……」
聴覚、言語活動をした場合、側頭葉が活性化する。あくまでも人間に置いてはという条件がつくが。
このネズミイルカが意志を持っているのか?
自己を自己と認識し、そして他者である人間を個別に認識しているのか?
自己の「意志」で人間とのコミュニケーションをとっているのか?
ただ、偶然そのような現象が表面的に見えただけなのか?
その答えは、今のやり取りだけで分かるものではない。
そして、彼女は再びマイクのスイッチを入れた。
『どうしたの? 急に黙ってしまって。僕は寂しくないよ。確かに海に戻りたいなとは思うこともあるよ。でも、ここで、色々なことを覚えるのも悪くないよ。ボール遊びは好きだし、ジャンプを見せて、それで友達が喜んでくれると嬉しんだ。海月も見たい? 僕のジャンプ』
ニッキーの方から話しかけてきた。
それはいかにも、意志を持った存在にしか思えない会話だった。
「いえ、いいわ。それよりそこで、お腹を上にしてみてくれない?」
『え…… ひっくり返るの?』
「そうよ」
『うーん、恥ずかしいな……』
ニッキーは、そう言うと、ヒレを動かしクルリとお腹を上にした。
それは、明らかに彼女の言葉を理解し、そのように動いたとしか思えなかった。
(え…… なに……)
海月は息を飲んでいた。それは、自分の言葉で、ニッキーが動いたからというだけではなかった。
槍――
ニッキーの下腹部からヌルヌルと肉の槍が伸びてきたのだった。
それは、オスの生殖器官だった。
端的に言えば「ペニス」である。
『あああ、好きな人の前で、お腹を見せるなんて…… おちんちんが大きくなっちゃうよぉぉ。海月さん、なんとかしてよぉぉぉ~』
言語解析システムは生殖器を「おちんちん」と表現した。
ネズミイルカは全長一六〇センチの小型なイルカである。
しかし、その「おちんちん」は軽く八〇センチを超えているように見えた。
つまり全長の半分くらいの長さがありそうなのだ。
『ああああ、海月の身体の中におちんちんを入れたいよぉぉぉ。中でドピュドピュしたいんだよぉぉ。おちんちんがパンパンでつらいよぉぉぉ~』
そう言って、アクリルガラスの壁面におちんちんをぶつけだすニッキーだった。
海月はゴクリと唾を飲みこみ、ただその鋭くとがった肉槍を見つめていた。
硬直したおちんちんは、ガンガンと厚さ四〇センチのアクリルガラスを叩くのだった。
凶器だった。それは生物の一部というよりは、禍々しい凶器に見えた。
海月は二〇代も後半の年齢だ。
当然、男性経験もある。
というより、かなり豊富というか、淫乱・ビッチのやりまん、SASEKOと言っていい存在だった。
セックスが大好きなのだ。おちんちんが大好きなメスブタだったのだった。
しかし、彼女はここ最近は仕事が忙しくセックスをしていなかった。
(ジャックのコックより大きいわ……)
海月は海外留学中に味わった黒人のペニスを思い出す。
週末に欠かさず参加していた、乱交セックス&ドラッグパーティで出逢った黒人のセフレのことを思い出した。
その1フィートを超えるおちんちんより明らかに巨大である。
しかも、鋭くとがり、太いのだ。
海月は天才であったが、性欲も強く、留学中、大学のキャンパスではヤリマン、ロリビッチの「イエロー・キャブ」と称されたものだった。
指導教官とも当然、性的な関係にあったが、彼女の強烈な性欲について行けず、健康を害し、大学を去ることになったほどだった。
それは、天才と呼ばれる人間にありがちな人格のアンバランスさの一端であったかもしれない。
「室長! 危ないです。止めさせないと、ニッキーのおちんちんが折れます!」
研究員の言葉で我に返った海月だった。
ネズミイルカは希少種だ。その生殖器官が傷つけば繁殖が不可能となってしまう。
おちんちんは大事なのである。
「ニッキー止めて、おちんちんが折れるわ」
『あああ、おちんちんが気持ち良くて止まらないよぉぉぉ』
「ダメよ。そんな――」
ニッキーの動きが、アクリルガラスに己のおちんちんをぶつけるものから、こすり付ける形に変わった。
透明なアクリルガラスの向こうで巨大な軟体動物がへばりついているようだった。
おちんちんがヌルヌルとアクリルガラスの壁面を動く。
それはオナニーだった。イルカのオナニーだったのだ。
『ああああ♡、見てよぉぉ、海月ぃぃ、あ♡、あ♡、あ♡、あ♡、この刺激が結構気持ちいいよぉぉぉ、ああ、出そうだぁぁ、出しちゃうよぉぉぉ♡、海月、海月の顔に精液を出しちゃうよおぉぉぉぉ♡』
海月は言葉も無く、ニッキーのおちんちんを見つめるだけだった。
美麗な横顔が火照るかのように赤く染まっていく。
股間が熱くなっていくのを、海月も感じていたのだった。
(あんな、大きなモノをいれたらどうなってしまうの…… そう…… これは研究だわ。おちんちんが欲しいわけじゃないの。研究なの…… ああ―― おちんちん。イルカのおちんちん……)
見ているだけで膝が震え、その場に崩れ落ちてしまいそうになる。ショーツのクロッチはすでにズブズブのヌルヌルに濡れている。
『ああああ。イクゥゥゥ♡!! いっちゃうよぉぉぉぉ♡、あああ♡、海月ぃ♡ぃ、僕の射精を見てぇぇ♡』
その瞬間、肉槍の先から大量の白濁液が噴出した。
濃厚な精液だった。
イルカの精液――
それは人間の300倍の濃度をもつドロドロのゲル状のものだった。
白い塊となって流れるニッキーの精液を海月はジッと見つめていた。
その身体の芯――
彼女のメス証である子宮がうずくような熱を持っていた。
鮒橋海浜水族館は、駅からバスで20分の距離にある。
あの大震災で被災した公園の跡地にできた新しい水族館だった。
数百種を超える魚類、海生生物が飼育されている。
その中にはイルカもいる。
首都圏では最大規模の敷地面積を誇る水族館だ。
水族館には研究所が併設されている。
それ自体は特に珍しくはない。
ただ、その研究所は「イルカの言語解析」の研究に特化していた。
その研究水準は、世界でもトップを走る物であった。
イルカは超音波により、水中でコミュニケーションをとっている。
噴気孔内にある発声器官から、超音波を発生させ、それが独特の波長をもっていることは判明している。
仲間同士で何らかのコミュニケーションをとっているのは確実である。
しかし、その音声に「言語」といえる条件が揃っているのか?
それを解析し、イルカと会話することが可能であるのか?
それは、二一世紀の生物学においても未踏の領域であった。
しかし――
サイバーイアグナ社が運営する「鮒橋海浜水族館」付属の研究所では、ついにその問題の答えに到達していた。
『やぁ、僕、ニッキー』
明らかに機械合成されたと感じられる甲高い声が、その部屋に響いた。
同時に「おおぉ」という言葉にならぬどよめきが起きた。
巨大な水槽の断面が壁と一体化している部屋だ。
一般には公開されていない水槽の中、四〇センチを超える厚さのあるアクリルガラスの向こう――
一頭の海生生物が遊弋していた。
先ほどの声は、その水槽内の生物が発した超音波が人間の「言語」に翻訳されたものだった。
ネズミイルカ――
全長一六〇センチ。小型のイルカだった。絶滅が危惧される希少種である。
そして、その個体は確かに「ニッキー」と名前を付けられていた。
人によってである。
『みんな、どうしたんだい? ビックリして? 僕らは友達だろ?』
再び声が響いた。
「ニッキー、ずいぶんとご機嫌ね」
巨大なアクリル水槽の断面の前にひとりの女性が立った。
ほっそりとした身を白衣に包んだ髪の長い女性だった。
その白衣には黒いピンマイクが取り付けられていた。
『うん、最高だよ! アジの切り身があれば、もっと最高になるよ! 海月さん』
ニッキーはその女性のファーストネームを口にしていた。
いや、正確にいうならば、彼女を個体認識し、固有の名で呼んだのだ。
それが、言語解析システムの中で「海月」と認識され、音声となったのだ。
「アジの切り身―― あげて」
「はい。味の切り身投下 五〇グラム」
「了解、五〇グラム投下します」
越前海月の指示に、研究員が答えた。
アクリルガラスの向こう側。その透明な水の中で、バラバラと何かが撒かれていた。
水の中をゆらゆらと沈下していく。
水槽の上部から、外部に待機したスタッフの手によりアジの切り身が投下されたのだ。
それを素早く口にいれていくネズミイルカのニッキーだった。
「個体認識しているのですか? 室長」
研究員の中の一人が呟くように言った。
「まだ分からないわ」
「まるで、チューリング・テストみたいですね」
「似たようなモノね」
研究員の声を背で受けながら、冷めた声で対応する海月。
その美麗な眼差しは、アクリルガラスの向こうで遊弋するニッキーに向けられていた。
彼女は天才だった。
イルカの言語研究の分野では、注目すべき研究成果をいくつも挙げている。
すでに、その世界ではトップランナーといってもいい存在になっている。
まだ年齢は二〇代にも関わらずだ。海外の大学を飛び級で卒業。一〇代で博士号を得ていた。
『アジの切り身は美味しいよ。海月!』
「そう、よかったわ。頭に付けたシールは邪魔じゃない?」
『え? シール? ああ、この頭にペタペタ貼ってあるやつだね。全然平気だよ』
それは、ネズミイルカであるニッキーの頭部に貼られていた。
脳内各所の電位差や、脳内化学物質の状態を伝達するためのセンサーだった。
「言語(まだ確定できない)」を使用しているときの、脳内の活動部位を確認するためのものだ。
そのデータは全てこの研究室でモニタリングされているのだ。
「いくつか訊いていいかしら?」
『うん、イイよ。海月さん』
「寂しくない?」
『寂しい? 寂しい…… 寂しくないよ。だって、友達がいっぱいいるから』
「友達って?」
『えーー? みんなだよ。みんな、友達だよね』
「そうね…… でも、海に戻って、同じネズミイルカの仲間に会いたいとは思わない」
『うーん…… 思わないって言えばどうかな…… もう、ちょっと無理だと思うんだよね。海は広いし、仲間はどこにいるか分からないし』
彼は数年前に房総沖で漁師の網に誤ってかかり、この水族館にやってきたのだ。
海月はマイクのスイッチをオフにした。
「脳内のニューロン電位活動はどう?」
彼女はニッキーを見つめながら言った。
ニッキーはジッとアクリルガラスを通し、こちらを見ているかのようであった。
「孤核束(NTS)から頭頂葉皮質がかなり活性化しています――」
孤核束(NTS)とは自律神経反射の中継核で、大脳と小脳の中継地点ともいえる。
頭頂葉皮質は空間認識などに関わる部位だ。
あくまでも人間をモデルとした時の話ではあるが。
「側頭葉は?」
「特に大きな変化はみられません」
「そう……」
聴覚、言語活動をした場合、側頭葉が活性化する。あくまでも人間に置いてはという条件がつくが。
このネズミイルカが意志を持っているのか?
自己を自己と認識し、そして他者である人間を個別に認識しているのか?
自己の「意志」で人間とのコミュニケーションをとっているのか?
ただ、偶然そのような現象が表面的に見えただけなのか?
その答えは、今のやり取りだけで分かるものではない。
そして、彼女は再びマイクのスイッチを入れた。
『どうしたの? 急に黙ってしまって。僕は寂しくないよ。確かに海に戻りたいなとは思うこともあるよ。でも、ここで、色々なことを覚えるのも悪くないよ。ボール遊びは好きだし、ジャンプを見せて、それで友達が喜んでくれると嬉しんだ。海月も見たい? 僕のジャンプ』
ニッキーの方から話しかけてきた。
それはいかにも、意志を持った存在にしか思えない会話だった。
「いえ、いいわ。それよりそこで、お腹を上にしてみてくれない?」
『え…… ひっくり返るの?』
「そうよ」
『うーん、恥ずかしいな……』
ニッキーは、そう言うと、ヒレを動かしクルリとお腹を上にした。
それは、明らかに彼女の言葉を理解し、そのように動いたとしか思えなかった。
(え…… なに……)
海月は息を飲んでいた。それは、自分の言葉で、ニッキーが動いたからというだけではなかった。
槍――
ニッキーの下腹部からヌルヌルと肉の槍が伸びてきたのだった。
それは、オスの生殖器官だった。
端的に言えば「ペニス」である。
『あああ、好きな人の前で、お腹を見せるなんて…… おちんちんが大きくなっちゃうよぉぉ。海月さん、なんとかしてよぉぉぉ~』
言語解析システムは生殖器を「おちんちん」と表現した。
ネズミイルカは全長一六〇センチの小型なイルカである。
しかし、その「おちんちん」は軽く八〇センチを超えているように見えた。
つまり全長の半分くらいの長さがありそうなのだ。
『ああああ、海月の身体の中におちんちんを入れたいよぉぉぉ。中でドピュドピュしたいんだよぉぉ。おちんちんがパンパンでつらいよぉぉぉ~』
そう言って、アクリルガラスの壁面におちんちんをぶつけだすニッキーだった。
海月はゴクリと唾を飲みこみ、ただその鋭くとがった肉槍を見つめていた。
硬直したおちんちんは、ガンガンと厚さ四〇センチのアクリルガラスを叩くのだった。
凶器だった。それは生物の一部というよりは、禍々しい凶器に見えた。
海月は二〇代も後半の年齢だ。
当然、男性経験もある。
というより、かなり豊富というか、淫乱・ビッチのやりまん、SASEKOと言っていい存在だった。
セックスが大好きなのだ。おちんちんが大好きなメスブタだったのだった。
しかし、彼女はここ最近は仕事が忙しくセックスをしていなかった。
(ジャックのコックより大きいわ……)
海月は海外留学中に味わった黒人のペニスを思い出す。
週末に欠かさず参加していた、乱交セックス&ドラッグパーティで出逢った黒人のセフレのことを思い出した。
その1フィートを超えるおちんちんより明らかに巨大である。
しかも、鋭くとがり、太いのだ。
海月は天才であったが、性欲も強く、留学中、大学のキャンパスではヤリマン、ロリビッチの「イエロー・キャブ」と称されたものだった。
指導教官とも当然、性的な関係にあったが、彼女の強烈な性欲について行けず、健康を害し、大学を去ることになったほどだった。
それは、天才と呼ばれる人間にありがちな人格のアンバランスさの一端であったかもしれない。
「室長! 危ないです。止めさせないと、ニッキーのおちんちんが折れます!」
研究員の言葉で我に返った海月だった。
ネズミイルカは希少種だ。その生殖器官が傷つけば繁殖が不可能となってしまう。
おちんちんは大事なのである。
「ニッキー止めて、おちんちんが折れるわ」
『あああ、おちんちんが気持ち良くて止まらないよぉぉぉ』
「ダメよ。そんな――」
ニッキーの動きが、アクリルガラスに己のおちんちんをぶつけるものから、こすり付ける形に変わった。
透明なアクリルガラスの向こうで巨大な軟体動物がへばりついているようだった。
おちんちんがヌルヌルとアクリルガラスの壁面を動く。
それはオナニーだった。イルカのオナニーだったのだ。
『ああああ♡、見てよぉぉ、海月ぃぃ、あ♡、あ♡、あ♡、あ♡、この刺激が結構気持ちいいよぉぉぉ、ああ、出そうだぁぁ、出しちゃうよぉぉぉ♡、海月、海月の顔に精液を出しちゃうよおぉぉぉぉ♡』
海月は言葉も無く、ニッキーのおちんちんを見つめるだけだった。
美麗な横顔が火照るかのように赤く染まっていく。
股間が熱くなっていくのを、海月も感じていたのだった。
(あんな、大きなモノをいれたらどうなってしまうの…… そう…… これは研究だわ。おちんちんが欲しいわけじゃないの。研究なの…… ああ―― おちんちん。イルカのおちんちん……)
見ているだけで膝が震え、その場に崩れ落ちてしまいそうになる。ショーツのクロッチはすでにズブズブのヌルヌルに濡れている。
『ああああ。イクゥゥゥ♡!! いっちゃうよぉぉぉぉ♡、あああ♡、海月ぃ♡ぃ、僕の射精を見てぇぇ♡』
その瞬間、肉槍の先から大量の白濁液が噴出した。
濃厚な精液だった。
イルカの精液――
それは人間の300倍の濃度をもつドロドロのゲル状のものだった。
白い塊となって流れるニッキーの精液を海月はジッと見つめていた。
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