素手ゴロエルフ! 最強喧嘩師が異世界に転生したら最強の超絶美少女エルフになった

中七七三

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46話:そのおっぱいではダメです

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 バガァァァァァ!!!

 50万度を超える高温が空気を膨張させる。爆発ににた現象だ。
 その轟音が響き、一瞬で、教室の壁が融解していた。
 そして――

「てめぇ…… やってくれやがったな」

 ブスブスと髪を焦がし、ジオウが教室の床に膝をついていた。
 おっぱいを揉んでいたエルフの肉奴隷がいないのだ。
 
「今です! ミーナ様! おっぱいを揉んでいないコイツは雑魚です!」

「ぬぅぅ!!」

 ミーナコロシチャルは動かなかった。
 おっぱいを揉まれていたエルフの肉奴隷は突き飛ばされ、教室の壁に叩きつけられ気を失っていた。
 ミルフィーナのドラグブレスは、ジオウを殺すことはできないかもしれなかった。
 しかし、50万度の熱線はおっぱいを揉まれているエルフの肉奴隷をプラズマの渦の中で、消し去ることが可能だった。
 それを理解したジオウは、おっぱいを手放し、ドラグブレスを避けたのだ。 
 
「どうしたんですか! ミーナ様! 早く!」
「フェアじゃねぇ…… ダメだぜ、ミルフィ。これはフェアじゃねぇ」

 絞り出すような声でミーナコロシチャルは言った。

 人間極道兵器――
 素手ゴロ最強ヤクザ――
 地上最強の喧嘩師――

 そのように呼ばれるヤクザだった。
 そして異世界に転生しエルフの美少女となった。
 ただ、その魂は、変わらない。

 喧嘩の美学ともいうべきもの。
 それは、ミーナコロシチャルの中に絶対的な価値観として存在していた。
 己の最強を信じるがゆえの矜持と言ってもよかった。

「おっぱいを揉むんだ。待ってやる――」
「シコルさんの仇をどうするんですか? まあ、どうでもいいかもしれないですけど」

 肉塊となった、シコルノガスキーからは無数のオチンチンが生えていた。
 そして、それが肉に吸収され、また生成される。
 無限のオチンチン性滅の連鎖の中で、うごめくく肉塊となっていたのだ。

「そうじゃねえんだよ。ミルフィ」

 そう言って、ジッと髪の毛が焦げたジオウを見やった。
 そのブルーの瞳にはまだ、濃厚な殺意の光が満ちていた。

「甘いねぇ、甘い…… 甘すぎる…… しかしだ…… おっぱい奴隷を狙われると俺もまずいね――」
「俺は狙ったりしねぇよ」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

 油断なく、ジオウは周囲を見やる。
 教室の中、他の生徒たちはこの戦いを見守るしかなかった。

 ちなみに、ミルフィーナのドラグブレスに巻き込まれ5人の生徒がすでに死んでいた。

「攻撃されねぇ、おっぱいがいるな……」

 そう言った瞬間だった。倶風のように、ジオウが動いたのだ。
 ガッと衝撃音が走った。

「ミルフィ!!」

 ジオウの蹴りがミルフィーナの腹に喰いこんでいた。
 衝撃で、彼女の義手が吹っ飛ぶ。
 かつて戦いの中で、両腕を失っている少女だ。

「接近戦になると、さほどでもねぇな……」

 そう言って意識を失ったミルフィーナを抱きかかえた。
 一気に服を破き、上半身を露わにさせる。

「くッ、ちっぱいというのもはばかられる『胸』かよ…… まあ、大きさよりも感度だ」

 そう言いながらも、おっぱいを揉み始めるジオウだった。
 小さなおっぱいを指先でクリクリされるミルフィーナ。
 ビクンビクンと間欠泉のような痙攣を見せるミルフィーナ。
 そして、桜の花びらのような唇が開いた。

「あ、あ、あ、ああああああ、あはぁぁ、らめぇぇ~ 乳首はぁぁぁ、あ、あ、あ、あ、あ……」
「ミルフィ!!」 

 敵の男に乳首を弄ばれながらもミルフィーナは蕩けるような声を出していた。
 ジオウという男の指テクは、半端なものではなかったのだ。

「これで、おっぱいを攻撃される心配はねぇ……」
「しねぇよ」
「ふふん。それを俺に信じろってか? まあ、いいさ。これで攻撃は俺に向かうしかない」

 おっぱいというか、乳首を弄られ、甘い官能の声を上げるミルフィーナだった。
 いつもの平板な声音からのギャップが大きい。
 しかし、関係ない。

「ぶち殺してやる――」

 ミーナコロシチャルは再び構えた。
 シンプルで骨太な構え。
 ただ、己の右拳を、敵の顔面に叩きこむだけの構え。

 バチバチを大気が帯電したかのように火花を散らす。
 銀髪がブワッと持ちあがり、周囲の光を乱反射する。

 ドラグブレスで、教室の壁が溶解し、赤い炎の光を発している。
 その光すら、銀髪の中に映しこんでいた。

「行くぜ――」
「遠慮することはない。いつでもいいぜ。のおっぱいさえあれば、俺は無敵だよ」
 
 おっぱいを揉んでいる限りは不死身の存在。
 どのような攻撃も受け付けないジオウという男。
 それは、ミーナコロシチャルが初めてであった強敵といってよかった。

 ミーナコロシチャルの拳が防がれた場合。
 おそらく、次の瞬間、奴の「掌底」がその身を襲うだろう。
 彼女はそれを思う。
 自分の弟であるシコルノガスキーをオチンポが生えるだけの肉塊に変えたその一撃。
 それが、自分を襲うのだ。

 構わなかった。
 一撃で倒せばいい。
 いや、その思いすら、雑念だ。
 戦いの純度を下げ、攻撃の純粋さを喪失させる。

 ギリギリと拳を引き絞る。
 その攻撃は相手をぶち殺すことだけを考える。
 殺す。絶対に殺す。それ以外にないのだった。全身が殺意の結晶体になっていく。

「おきゃぁぁぁぁぁ!!」

 叫びと共に、ミーナコロシチャルの渾身の拳が唸りを上げる。
 空間が揺らぎ、粉砕され、真空内のポテンシャルエネルギーが相転移され奔流となり11次元世界を貫く。
 光速で吹っ飛ぶ拳が、無限の質量をまとって、顔面を撃ち貫く――

 空間が破砕されるような、震動で大地が揺れた。
 拳が空間をぶち抜き、その先の彼方まで、プラズマグルーオンスープと化し、膜宇宙の彼方へと吹き飛ばしていくのだ。
 
 拳が、ジオウの顔面に着弾。
 一気に破壊と蹂躙。物質の根本から粉砕する終焉の一撃が威力を解放した。

(あああ、なぜ―― なぜ……)

 おっぱいを揉んでいる間は、不死身のはずのジオウ。
 それが、全く意味をなさなかった。
 なぜだ―― まさか……
 死に行く意識が、一瞬、その答えにたどり着いた気がしたのだ。そして消える。

 ぴゅーーー!!

 首が完全になくなっていた。
 ジオウの首から上はミーナコロシチャルの拳によって消失していた。
 首の断面からビュービューと血を吹き出し、それがミーナコロシチャルにもかかる。
 血まみれの中で、彼女は獰猛な笑みを浮かべていた。

「ミーナ様…… ボクは……」
「いいんだ―― オメエは間違っていねぇ。俺の勝手な流儀だ」
「ミーナ様……」

 上半身の肌を露わにした真紅の髪の美少女も血の中で呟いていた。
 そして、シコルスキーは肉塊となり、その表面に無数のオチンチンを生成し続けているのだった。
 そのオチンチンの先からは間欠的な精液の噴出が行われていた。
 
 ゲドゥ学園の1日は、担任教師の死亡。そして、シコルノガスキーがオチンチンを生やす肉塊となるという形で終わったのであった。
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