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43話:教室の中をフルチンで跳べ!

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「学級委員ですと?」

 全裸――
 アサガオの蕾のような射精器官を股間にぶら下げた存在はそう呟いた。
 異世界に転生してきた高校生・増田部瞬(ますたべしゅん)。
 この物語の主人公でもなんでもない。
 美しき最強エルフであるミーナコロシチャルの弟であった。
 今の名は、シコルノガスキーだ。

 その小さな金色のバッチは外道学園の学級委員長であることを示すものだ。
 自分の精液の匂いの染み込んだ手で、バッチをつまみ見つめるシコルノガスキー。
 そのシコルノガスキーを、クラスの全員が見つめていた。


 学級委員長――
 通常の学校であれば、それは投票で選ばれ、基本的には真面目な生徒がなるものであろう。
 少なくとも、全裸でフルチンで異世界の日常を過ごす者はなれない。
 というより、現実世界では日常をフルチンで過ごすことが不可能であった。
 
 しかし――
 違うのだ。
 ここは異世界であった。
 しかも、無法の街「ゲドゥ・ポリス」である。
 暴力が支配する世紀末的な価値観の支配する世界だった。

「テメェを殺せばぁぁぁ、俺が学級委員長だぁぁぁ!! あひゃぁッ! はぁぁぁ!!」

 三白眼で左右の目が別々の方向を向いている男がいきなり立ち上がった。
 その手にはアイスピックのような武器が握られている。鋭い切っ先が冷たい輝きを放っていた。

「シコル!」
「お姉さま」

 姉に名を呼ばれたことで、歓喜のあまり、アサガオの蕾器官を扱きはじめるスコルノガスキー。
 一瞬の声ですら、オカズにしようとする貪欲さだった。

 ミーナコロシチャルは、一瞬、弟を助けるために立ちあがろうとする。
 しかし、ゆくりと椅子に座りなおした。

 この世界で唯一の弟である。
 この自分に欲情し、常に精液をぶちまける弟だ。
 その太ももには、シコルノガスキーの熱い精液をかけられたこともある。
 
(ふとももが孕んじまうかと思ったぜ――)

 便所でふたりきり、白濁した奔流のような射精をその太ももで受けた。
 一瞬「牝堕ち」すら想起させる濃厚な匂いが、記憶に残っている。

 現世では素手ゴロ最強のヤクザであり、極道兵器と呼ばれた存在。
 しかし、転生し美しきエルフの美少女となった今では、その精神も徐々に肉体とシンクロしているのではないかと思わせた。

「いいんですか? ミーナ様。ボクはどうでもいいですけど」

 心底どうでもいいという平坦な言葉で、ミルフィーナが言った。
 その間も、教室の中の連中はガタガタと立ちあがっていた。
 座っているのは、ミーナコロシチャル、ミルフィーナ、ポチルオくらいなものだ。

「白濁神様は、結構強いですから、平気ですよねぇ~ ミーナ様」

 ポチルオ、チョコンとミーナコロシチャルの膝の上に乗ってきた。
 ふさふさした髪の毛をかき分け、イヌ耳が突きだしている。
 その耳がピクピクと動き、ミーナコロシチャルの薄い布の下にある乳首を刺激してきていた。

(ぬぅ~ イヌ耳で、ち、乳首を微妙に刺激してくるか……)

 ポチルオがそれをわざとやっているのか?
 それは分からない。

 しかし、このような技術があるのか?
 という問いが胸の奥にあることは事実だった。
 イヌ耳の微妙な動きと、成長途上のエルフ乳首、その組み合わせの中でしか成立しないような技術だ。

 ポチルオは、愛玩用性奴隷として訓練を受けたている。
 身に刻まれた、技術は意識しなくとも出てしまうものかもしれない。
 この可愛らしいイヌ耳少年はそれを無意識にそれをやってもおかしくない存在だった。

(ぬぅぅ、たてねぇ、立てば…… 漏れる――)
 
 ミーナコロシチャルはエルフ汁で濡れそうになるのをこらえた。
 全身の筋肉をフル稼働し、その身を固く締め付けることで、エルフ汁のお漏らしをがまんしていた。
 しかし、乳首刺激がこれ以上続けばどうなる変わらない。
 ミーナコロシチャルの身の内からエルフ汁が一気に吹き出る可能性もあった。
 
「はぁ、はぁ、お、俺の弟だぜ―― ここで、不覚を取るはずがねぇ」

 そう言って、ミーナコロシチャルは、キュッとポチルオを抱きかかえるのだった。
 上手い動きだった。自然な動作で、耳から乳首を外した。
 ミーナコロシチャルは「はひぃ~」と大きく息を吐いた。

「わーい、ミーナさま、大好きぃ」
 
 命の恩人であり、最愛のご主人様に抱きかかえられ、ポルチオは喜びをあわらにする。
 尻尾をパタパタと振り、身をよじるのであった。 
 そして、無邪気に笑うポチルオ。その愛らしさは、まさしくひとつの武器であり凶器であった。

「ああああああ、お姉さまぁぁぁ、ポチルオをぉぉぉ、そいつだけを抱っこしてぇ! ボクも抱っこして欲しいのであります!!」

 右手が、アサガオの蕾を扱き、皮が伸びたり縮んだりしている。
 シコルノガスキーは教室内の険悪な空気に関係なく、己が快楽を追及していた。
 
「てめぇ、いつまでも教室で全裸オナニーしてんじゃねぇ!」

 アイスピックをもった兇悪なツラをした同級生が襲い掛かってきた。
 
「あぎゃぱぱあああああああああはぁぁ♡♡、お姉さまぁぁぁ」

 跳んでいた。アサガオの蕾器官を握しめ宙を舞うシコルノガスキ。
 上空から、座った姉に抱き着くこと。
 そしてどこでもいい――

 己の白濁液を姉にぶっかける。
 失敗してもいい、なんどもかけることで、やがて、己の精液の味と匂いを姉が覚える可能性があった。
 美しいエルフの姉を牝とすること。
 そして、自分のものにして、種付け、孕ませさせること――

 それは、夢といっていいかもしれない。
 しがない高校生。しかも引きこもり、登校拒否中だった増田部瞬という存在にとって、それは果てしない夢であった。
 そして、叶う可能性もある夢だと彼は思っていた。

「この野郎ぉぉぉ!!!」
「ぬぅぅぅ!!」

 眼中に無かったクラスの男。アイスピックを持った男。
 それが、反応していたのをシコルノガスキーは視界にいれた。
 だが、関係なかった。
 
 フルスイングだった。アイスピックのような武器を握った腕を一気に振りぬいた。
 ガッとその男は手ごたえを感じた。
 確実にアイスピックが何かを捉えた。
 その鋭い切っ先がからズブズズと肉の中に沈み込む感触。

 男はその感触を手の内に感じていた。
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