上 下
4 / 4

4話:オチンチンのナゾ

しおりを挟む
 もうお日様はたかくなっています。
 ボクのオチンチンは樹液(じゅえき)を吸っているのかもしれません。
 この森には、クヌギやブナなどの、カブトムシやクワガタの集まる木が生えています。
 その木に、ボクのオチンチンも吸い寄せられているはずです。

 だって、あんなに、甘いオシッコを出すんだから。そして、ボクはあまい物がダイスキなんだから。
 だから、ボクのオチンチンもあまい物がダイスキなはず。この森にあるあまい物……
 
 それは、樹液(じゅえき)しかないはずです。
 確かに、花のミツもあるかもしれません。でも、オチンチンの体のつくりから考えて、花のミツは吸えないはずです。

「まてよ…… 本当にそうなのかな」

 ボクは立ち止まって考えました。少し疲れたので、またママの麦茶を飲みます。すごくあまくておいしいです。
 ボクは虫がダイスキで、昆虫図鑑を持っています。
 花のミツをすう昆虫は、ストローみたいな口をしています。
 ボクのオチンチンはっどうだろう?

「花のミツをすうには、ボクのオチンチンは太すぎるよ」

 ボクは考えを口に出していました。
 ふだん見ていたオチンチンではそんなことはできそうにないのです。

「たしか、ボクの小指くらいの太さはあったんだ」

 ボクは自分の手を見ました。
 そして、近くにさいている花を小指でつつきました。
 ボクはその指をなめました。

「あまくないぞ。やっぱり指じゃミツはとれないんだ」

 ということは、同じような太さのオチンチンも花のミツをとることはできないとういうことです。
 ケツロンです。 
 オチンチンが先っちょを花に射し込むことはできない!
 だから、花のミツは吸えない。

「でも、まてよ…… オチンチンの皮(かわ)の中はどうなっているんだ?」

 ボクのオチンチンは皮をかぶっています。どうも、中には、コリコリした本体みたいなものがあるようなのです。
 いぜん、皮をめくって中を見ようとしたこともあります。
 でも、ママにみつかってしまいました。

 ママが「ああん、ボクちゃん、そこをいじるのはもう少し大きくなってからよ、うふ」と少し怒りながらいいました。

 でも、大きくなれば、いじっていいなら、ボクのパパはいじっていいはずです。

 ボクはパパに「ねえ、パパ。パパのオチンチンの皮の中を見せてよ」といいいました。

「パ、パパは皮なんかかぶってないんだ! 本当だぞ!」
「そうなんだ」
「そうだ!」
「じゃあ、見せてよ」

 パパはお風呂でもオチンチンをかくしています。

「だめだ。マサルには早すぎる」

 パパに言われて、ボクはオチンチンの皮の中の姿を知りません。
 
「皮の中だ。おちんちんの皮の中は、どうなっているんだ? ああ、めくって確認しておけばよかった…‥」

 もしかしたら、オチンチンの皮の中には、チョウチョの口のようになっているかもしれないのです。
 ボクはこわくなってきました。
 ボクのオチンチンの皮の中が、チョウチョの口にようになって、そこからシュ―ッとストローみたいに口がのびてきたら……
 あくむです。

「でも、花はおおすぎるんだ」

 もし、オチンチンが花のミツを吸うのであれば、それはサイアクです。
 だって、花はいっぱいさいているのですから。

「いやまてよ……」

 ボクはもう一度、れいせいになって考えました。
 花のミツをすう昆虫はみんな小さくて、とべる昆虫です。
 ボクのオチンチンはどうなのか?

 もし、飛べるなら、逃げる時にオシッコのあとをのこしてにげるなんてしないでしょう。
 とべないはずです。ゴウリテキなケツロンです。

「よし! やっぱり樹液だ! そこにいるはずだ!」

 ボクは、また樹液の出ている木のところにむかいました。
 虫取り網をにぎりしめてです。

 少しあるいて、ボクはそこにつきました。
 草のかげからそっとみます。
 もし、スズメバチがいたら大変だからです。

「ああッ!! いた! ボクのオチンチンが!」

 やっぱりいたのです。ボクのオチンチンはいました。
 クヌギの木にとまって、チュウチュウと樹液をすっていました。

「あ! ノコギリクワガタ!」

 そこにやってきたのは、大きなノコギリクワガタでした。
 いつもなら、飛び出してつかまえにいくところです。
 でも、今はノコギリクワガタではないのです。

 オチンチンです。
 ボクのオチンチンを捕まえるのがいちばん大事なことです。

「あ!! バトルが! ボクのオチンチンとノコギリクワガタがぁ!」

 樹液の場所をあらそって、ボクのオチンチンにノコギリクワガタがおそいかかったのです。
しおりを挟む
感想 11

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(11件)

Ittoh
2016.09.10 Ittoh

完結おめでとうございます。非常に面白い視点で描かれて、楽しかったです。

解除
こねこぽん
2016.09.07 こねこぽん
ネタバレ含む
解除
東国不動
2016.08.23 東国不動

おちんちんは糖尿病なんですかw

中七七三
2016.08.27 中七七三

ちがいます。メルヘンです。あまいにおいのするメルヘンオシッコなのですよ。

解除

あなたにおすすめの小説

少年騎士

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。

がらくた屋 ふしぎ堂のヒミツ

三柴 ヲト
児童書・童話
『がらくた屋ふしぎ堂』  ――それは、ちょっと変わった不思議なお店。  おもちゃ、駄菓子、古本、文房具、骨董品……。子どもが気になるものはなんでもそろっていて、店主であるミチばあちゃんが不在の時は、太った変な招き猫〝にゃすけ〟が代わりに商品を案内してくれる。  ミチばあちゃんの孫である小学6年生の風間吏斗(かざまりと)は、わくわく探しのため毎日のように『ふしぎ堂』へ通う。  お店に並んだ商品の中には、普通のがらくたに混じって『神商品(アイテム)』と呼ばれるレアなお宝もたくさん隠されていて、悪戯好きのリトはクラスメイトの男友達・ルカを巻き込んで、神商品を使ってはおかしな事件を起こしたり、逆にみんなの困りごとを解決したり、毎日を刺激的に楽しく過ごす。  そんなある日のこと、リトとルカのクラスメイトであるお金持ちのお嬢様アンが行方不明になるという騒ぎが起こる。  彼女の足取りを追うリトは、やがてふしぎ堂の裏庭にある『蔵』に隠された〝ヒミツの扉〟に辿り着くのだが、扉の向こう側には『異世界』や過去未来の『時空を超えた世界』が広がっていて――⁉︎  いたずら好きのリト、心優しい少年ルカ、いじっぱりなお嬢様アンの三人組が織りなす、事件、ふしぎ、夢、冒険、恋、わくわく、どきどきが全部詰まった、少年少女向けの現代和風ファンタジー。

【完結】魔法道具の預かり銀行

六畳のえる
児童書・童話
昔は魔法に憧れていた小学5学生の大峰里琴(リンコ)、栗本彰(アッキ)と。二人が輝く光を追って最近閉店した店に入ると、魔女の住む世界へと繋がっていた。驚いた拍子に、二人は世界を繋ぐドアを壊してしまう。 彼らが訪れた「カンテラ」という店は、魔法道具の預り銀行。魔女が魔法道具を預けると、それに見合ったお金を貸してくれる店だ。 その店の店主、大魔女のジュラーネと、魔法で喋れるようになっている口の悪い猫のチャンプス。里琴と彰は、ドアの修理期間の間、修理代を稼ぐために店の手伝いをすることに。 「仕事がなくなったから道具を預けてお金を借りたい」「もう仕事を辞めることにしたから、預けないで売りたい」など、様々な理由から店にやってくる魔女たち。これは、魔法のある世界で働くことになった二人の、不思議なひと夏の物語。

剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?三本目っ!もうあせるのはヤメました。

月芝
児童書・童話
世に邪悪があふれ災いがはびこるとき、地上へと神がつかわす天剣(アマノツルギ)。 ひょんなことから、それを創り出す「剣の母」なる存在に選ばれてしまったチヨコ。 辺境の隅っこ暮らしが一転して、えらいこっちゃの毎日を送るハメに。 第三の天剣を手に北の地より帰還したチヨコ。 のんびりする暇もなく、今度は西へと向かうことになる。 新たな登場人物たちが絡んできて、チヨコの周囲はてんやわんや。 迷走するチヨコの明日はどっちだ! 天剣と少女の冒険譚。 剣の母シリーズ第三部、ここに開幕! お次の舞台は、西の隣国。 平原と戦士の集う地にてチヨコを待つ、ひとつの出会い。 それはとても小さい波紋。 けれどもこの出会いが、後に世界をおおきく揺るがすことになる。 人の業が産み出した古代の遺物、蘇る災厄、燃える都……。 天剣という強大なチカラを預かる自身のあり方に悩みながらも、少しずつ前へと進むチヨコ。 旅路の果てに彼女は何を得るのか。 ※本作品は単体でも楽しめるようになっておりますが、できればシリーズの第一部と第二部 「剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?ただいまお相手募集中です!」 「剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?二本目っ!まだまだお相手募集中です!」 からお付き合いいただけましたら、よりいっそうの満腹感を得られることまちがいなし。 あわせてどうぞ、ご賞味あれ。

魔法が使えない女の子

咲間 咲良
児童書・童話
カナリア島に住む九歳の女の子エマは、自分だけ魔法が使えないことを悩んでいた。 友だちのエドガーにからかわれてつい「明日魔法を見せる」と約束してしまったエマは、大魔法使いの祖母マリアのお使いで魔法が書かれた本を返しに行く。 貸本屋ティンカーベル書房の書庫で出会ったのは、エマそっくりの顔と同じエメラルドの瞳をもつ男の子、アレン。冷たい態度に反発するが、上から降ってきた本に飲み込まれてしまう。

白紙の本の物語

日野 祐希
児童書・童話
 春のある日、小学六年生の総司と葵は図書室で見つけた白紙の本に吸いこまれてしまう。  二人が目を開けると、広がっていたのは一面の銀世界。そこは、魔女の魔法で雪に閉ざされてしまった国だった。 「この国を救って、元の世界に帰る」  心を決めた総司と葵は、英雄を目指す少年・カイと共に、魔女を倒す旅に出る。  雪に隠された真実と、白紙の本につむがれる物語の結末とは。  そして、総司と葵は無事に元の世界へ帰ることができるのか。    今、冒険が幕を開く――。 ※第7回朝日学生新聞社児童文学賞最終候補作を改稿したものです。

【奨励賞】おとぎの店の白雪姫

ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】 母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。 ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし! そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。 小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり! 他のサイトにも掲載しています。 表紙イラストは今市阿寒様です。 絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?二本目っ!まだまだお相手募集中です!

月芝
児童書・童話
世に邪悪があふれ災いがはびこるとき、地上へと神がつかわす天剣(アマノツルギ)。 ひょんなことから、それを創り出す「剣の母」なる存在に選ばれてしまったチヨコ。 天剣を産み、これを育て導き、ふさわしい担い手に託す、代理婚活までが課せられたお仕事。 いきなり大役を任された辺境育ちの十一歳の小娘、困惑! 誕生した天剣勇者のつるぎにミヤビと名づけ、共に里でわちゃわちゃ過ごしているうちに、 ついには神聖ユモ国の頂点に君臨する皇さまから召喚されてしまう。 で、おっちら長旅の末に待っていたのは、国をも揺るがす大騒動。 愛と憎しみ、様々な思惑と裏切り、陰謀が錯綜し、ふるえる聖都。 騒動の渦中に巻き込まれたチヨコ。 辺境で培ったモロモロとミヤビのチカラを借りて、どうにか難を退けるも、 ついにはチカラ尽きて深い眠りに落ちるのであった。 天剣と少女の冒険譚。 剣の母シリーズ第二部、ここに開幕! 故国を飛び出し、舞台は北の国へと。 新たな出会い、いろんなふしぎ、待ち受ける数々の試練。 国の至宝をめぐる過去の因縁と暗躍する者たち。 ますます広がりをみせる世界。 その中にあって、何を知り、何を学び、何を選ぶのか? 迷走するチヨコの明日はどっちだ! ※本作品は単体でも楽しめるようになっておりますが、できればシリーズの第一部 「剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?ただいまお相手募集中です!」から お付き合いいただけましたら、よりいっそうの満腹感を得られることまちがいなし。 あわせてどうぞ、ご賞味あれ。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。