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3話:オシッコをもらしながら、逃げた
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ボクのオチンチンがはいずったアトは真っ黒になっています。
だって、アリたちがビッシリとたかいるのです。
「オチンチンは、オシッコをもらしながら、逃げたんだ――」
小学校二年生になったボクのオチンチンなのに、オシッコをもらすなんて、赤ちゃんのようです。
でも、そのおかげでボクは、オチンチンをさがすことができます。
アリたちでできた黒い道をたどって、ボクは走りました。
はやく、オチンチンを見つけないと。大変なことになります。
オトコノコがオチンチンを無くしたらどうなるのか?
きまっています。
オチンチンが戻ってこなければ、ボクは女の子になってしまうのです。
女の子として「ちょっと、男子、まじめに、そうじしなさいよ。先生にいうわよ」とか言うのです。それは、いやです。
そして、オチンチンの方も心配です。最悪の場合、アリにたかられているかもしれないのです。ガリガリとかじられているかもしれません。
ボクはその光景を思い浮かべて、ぶるっと震えました。
おそろしいことです――
ボクのオシッコのあとは、カブトムシの森の手前でキレていました。
「はぁ、はぁ、はぁ―― 絶対に森の中ににげたんだ。ボクのオチンチン――」
ボクは虫網をギュッと握りました。手があせでべっとりしています。
でも、オチンチンは森に逃げてどうするつもりなんだろう?
「よし! しんちょうにさがすぞ!」
白いワンピースのスカートをヒラヒラさせながら、ボクは森の中を歩きます。
足がスースするのはたよりないし、オチンチンがないので落ちつきません。
木の根本(ねもと)をよくみます。
ボクはカブトムシやクワガタをさがすのが、とくいです。
たぶん、オチンチンも同じように隠れているに違いありません。
この森はカブトムシやクワガタがとれるので「カブトムシの森」と呼ばれています。
家をでたときは7時くらいだから、もう樹液(じゅえき)にはカブトムシやクワガタはいないでしょう。
ボクは、ときどき虫を捕りにこの森に入ることがあります。
「朝から、暑(あつ)いや…… すこし休もう」
ボクはすわって「ふぅ~」と息(いき)をはきました。
そして、リュックサックから、水筒を出します。
ふたをあけて、一気に飲(の)みました。
麦茶(むぎちゃ)です。ママのトクセイ麦茶(むぎちゃ)です。
「とっても、あまくておいしいや! やっぱりママの麦茶(むぎちゃ)は最高だ!」
ボクはもう一回ごくごくと飲(の)みました。
ママのことを思い出しました。
「うふ、ボクちゃんのために、ホウワするまでオサトウとハチミツをいれてあるの。それにママの愛情(あいじょう)もよ。ボクちゃん」
ママが言った「ホウワ」という言葉は二年生でも習っていません。でも、あまくてドロドロの麦茶(むぎちゃ)は大好きです。それに、ママも大好き……
「じゃあ、オチンチンをさがさないと!」
ボクは立ち上がって、スカートをパンパンして土を払います。
白いワンピースが少しよごれてしまいました。
ママの作ってくれた麦茶で元気いっぱいになりました。
やっぱり、甘い飲み物はチョーすごいです。ぼくは甘い物がダイスキです。
「まてよ…… ボクのオチンチンのもらしたオシッコにアリがたかっていたのは……」
オシッコにアリがたかっていたことから、ボクは考えました。
「アリはあまい物がダイスキなんだ…… あ! 分かった!」
ボクはひらめきました。
「ボクのオチンチンのオシッコはやっぱりあまいんだ!」
最初にチラリと思ったとおりです。それはやっぱり正しいんだ。
そして、ボクが甘い物がダイスキなように、ボクのオチンチンもあまい物がダイスキにちがいないのです。
ボクのオチンチンは、あまい物をさがしているのかもしれない。
ボクのオチンチンがあまい物がダイスキで、今はあまい物を探している。
それは、とっても「ゴウリテキ」なケツロンです。
「森の中で甘いものがあるところ…… そうだ! 樹液(じゅえき)きだ! カブトムシのいる木だ!」
ボクはひらめきました。
このカブトムシの森は、カブトムシやノコギリクワガタ、コクワガタなんかがとれる森です。
クヌギやブナの木があって、樹液(じゅえき)が出ている木もあります。
「この森の、樹液(じゅえき)のある場所をさがしていけばいいんだ!」
ボクはさがす場所をきめました。
樹液(じゅえき)のでる場所にこころあたりがありました。
ボクのオチンチンはぜったいにそこにいるような気がしました。
だって、アリたちがビッシリとたかいるのです。
「オチンチンは、オシッコをもらしながら、逃げたんだ――」
小学校二年生になったボクのオチンチンなのに、オシッコをもらすなんて、赤ちゃんのようです。
でも、そのおかげでボクは、オチンチンをさがすことができます。
アリたちでできた黒い道をたどって、ボクは走りました。
はやく、オチンチンを見つけないと。大変なことになります。
オトコノコがオチンチンを無くしたらどうなるのか?
きまっています。
オチンチンが戻ってこなければ、ボクは女の子になってしまうのです。
女の子として「ちょっと、男子、まじめに、そうじしなさいよ。先生にいうわよ」とか言うのです。それは、いやです。
そして、オチンチンの方も心配です。最悪の場合、アリにたかられているかもしれないのです。ガリガリとかじられているかもしれません。
ボクはその光景を思い浮かべて、ぶるっと震えました。
おそろしいことです――
ボクのオシッコのあとは、カブトムシの森の手前でキレていました。
「はぁ、はぁ、はぁ―― 絶対に森の中ににげたんだ。ボクのオチンチン――」
ボクは虫網をギュッと握りました。手があせでべっとりしています。
でも、オチンチンは森に逃げてどうするつもりなんだろう?
「よし! しんちょうにさがすぞ!」
白いワンピースのスカートをヒラヒラさせながら、ボクは森の中を歩きます。
足がスースするのはたよりないし、オチンチンがないので落ちつきません。
木の根本(ねもと)をよくみます。
ボクはカブトムシやクワガタをさがすのが、とくいです。
たぶん、オチンチンも同じように隠れているに違いありません。
この森はカブトムシやクワガタがとれるので「カブトムシの森」と呼ばれています。
家をでたときは7時くらいだから、もう樹液(じゅえき)にはカブトムシやクワガタはいないでしょう。
ボクは、ときどき虫を捕りにこの森に入ることがあります。
「朝から、暑(あつ)いや…… すこし休もう」
ボクはすわって「ふぅ~」と息(いき)をはきました。
そして、リュックサックから、水筒を出します。
ふたをあけて、一気に飲(の)みました。
麦茶(むぎちゃ)です。ママのトクセイ麦茶(むぎちゃ)です。
「とっても、あまくておいしいや! やっぱりママの麦茶(むぎちゃ)は最高だ!」
ボクはもう一回ごくごくと飲(の)みました。
ママのことを思い出しました。
「うふ、ボクちゃんのために、ホウワするまでオサトウとハチミツをいれてあるの。それにママの愛情(あいじょう)もよ。ボクちゃん」
ママが言った「ホウワ」という言葉は二年生でも習っていません。でも、あまくてドロドロの麦茶(むぎちゃ)は大好きです。それに、ママも大好き……
「じゃあ、オチンチンをさがさないと!」
ボクは立ち上がって、スカートをパンパンして土を払います。
白いワンピースが少しよごれてしまいました。
ママの作ってくれた麦茶で元気いっぱいになりました。
やっぱり、甘い飲み物はチョーすごいです。ぼくは甘い物がダイスキです。
「まてよ…… ボクのオチンチンのもらしたオシッコにアリがたかっていたのは……」
オシッコにアリがたかっていたことから、ボクは考えました。
「アリはあまい物がダイスキなんだ…… あ! 分かった!」
ボクはひらめきました。
「ボクのオチンチンのオシッコはやっぱりあまいんだ!」
最初にチラリと思ったとおりです。それはやっぱり正しいんだ。
そして、ボクが甘い物がダイスキなように、ボクのオチンチンもあまい物がダイスキにちがいないのです。
ボクのオチンチンは、あまい物をさがしているのかもしれない。
ボクのオチンチンがあまい物がダイスキで、今はあまい物を探している。
それは、とっても「ゴウリテキ」なケツロンです。
「森の中で甘いものがあるところ…… そうだ! 樹液(じゅえき)きだ! カブトムシのいる木だ!」
ボクはひらめきました。
このカブトムシの森は、カブトムシやノコギリクワガタ、コクワガタなんかがとれる森です。
クヌギやブナの木があって、樹液(じゅえき)が出ている木もあります。
「この森の、樹液(じゅえき)のある場所をさがしていけばいいんだ!」
ボクはさがす場所をきめました。
樹液(じゅえき)のでる場所にこころあたりがありました。
ボクのオチンチンはぜったいにそこにいるような気がしました。
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