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1話:マサル君のオチンチンがない

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 朝おきると、ボクのおオチンチンがなくなっていました。

「ない! ない! ボクのオチンチンがないよお! ママ、ママ、おぼくのオチンチンが!」

「あらあら、どうしたのかしら、うふ」

 ママはボクにいいました。
 おっぱいのおおきなママです。
 ボクは二年生になったので、ママのおっぱいをさわったり、のんだりはしません。
 でも、ときどき、いっしょにおふろに入ったときに、ちょっとだけさわらせてくれます。
 そんなママがボクは大好きです。

「どうしよう、ママ。ボクのオチンチンがなくなっちゃったよ」

「ああん、ボクちゃんの、オチンチンがなくなってしまったのね。それはたいへんだわ、うふ」

「どこに行ったんだろう」

 ボクはふとんの中をさがしました。
 そこに、おちんちんはありません。
 
 もしかしたら、つくえのひきだしに、入れっぱなしだったのかな。
 ボクは、つくえをしらべました。
 ランドセルの中もしらべました。
 でも、どこにもオチンチンはありませんでした。

「ママー、ママー、どうしよう。おちんちんがないと、ボクは女の子になっちゃうの?」

「ううん、オチンチンがなくても、ボクちゃんは、オトコノコなの―― ママが知っているのよ、うふ」

 ママはやさしそうにいいました。でも、ボクはコマります。
 オチンチンがないと、やっぱりコマります。だって、おしっこがうまくできないからです。

「あら、これはなにかしら?」

「あっ!!」

 ボクはびっくりしました。
 だって、おふとんの上がおしっこでぬれていたからです。

「うふふ、ボクちゃんは、二年生になっても、おねしょをしちゃう悪い子なのかしら? こんなにぬらしてしまって…… うふ」

 ママがいいました。すこしおこっているかもしれません。
 ママはヤサシイけど、怒るとすごく怖いです。

「ボク、しらないよ! おねしょなんかしてないよ!」

「じゃあ、これはなにかしら」

 ママはタオルケットをバサッとはがしました。

「あれ? これは……」

「これは、ママ、なんか書いてある。おしっこでなんか書いてあるんだよ」

 おふとんの上には、オシッコで文字が書かれていました。

『わたしは、マサル君のオチンチンです。二年生になるまでお世話になりました。でも、わたしは旅にでます。決して汚い手で皮をめくろうとしたことが、理由ではありません』

 それは、おしっこで書かれた手紙でした。
 読めない漢字はママに読んでもらいました。まだ、二年生なのでそんなに漢字をしりません。
 ボクは手紙の内容がわかると、大きな声でさけびました。

「大変だ! ボクのおちんちんが、家出しちゃったんだ!」

 どうしよう……
 いったいボクはどうすればいいんだろう。
 
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