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第七章:ぶち抜け!アストラル体!シャラートを救え!

第一一五話:私はアナタを待っていました。アイン――

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 漆黒の核。
 それはシャラートのアストラル界。その奥深くにあった。
 巨大な真球。直径は俺の身長の倍はある。
 大きさと言う概念の意味。
 それがアストラル界でどうなっているのかは分からん。
 それでも、今の感覚的には3メートルを軽く超える感じだった。

「これが【シ】がシャラートに埋め込んだ核なのか……」

「そうみたいなのね」

 俺の言葉にエロリィが答える。
 なにか、うかつに近づけない様な危険な感じがプンプンとする。
 死霊兵のゴーレムに対峙したときですら感じたことのない圧迫感。
 不意に、5歳のときにダンジョンの中で遭遇した「黒い異形」のことを思い出した。
 あれと同質の気を放っていやがる。

「脈動しているのか?」

 それは、ヌルリとしたゼラチンのような質感だった。見た目には。
 そして、まるで心臓のようにリズムを刻んでいた。
 その周囲に、血管のような管を伸ばし、壁にへばりつくように鎮座している。

「あはッ! 要するにコイツをぶっ潰せばいいんだろ! バラバラにしてやる! 殺す! 死なす!」

 ライサは釘バットを振り下ろした。
 ブンッと太い音が響き、風が巻き起こる。
 緋色の髪が風の中を舞い上がる。
 最強の美少女打撃兵器は、いつでも突撃可能だった。

「ぶっ殺してやる! まずはこの玉を砕く! 殺す! ブチ殺してやる! ド畜生がぁぁぁ! 跡形もなく! 粉々にしてやるッ!」

 地を蹴るライサ。その衝撃波を置き去りにして突撃。
 釘バットが竜巻のように振り回されている。そのスイング半径に存在する全てのものを木端微塵に粉砕する勢いだ。空間そのものが破壊されそうだった。
 風切音が衝撃波になり、空間の上げる悲鳴に聞こえる。

「おりゃぁぁぁ!!」

 咆哮をあげ釘バットを振り下ろす。
 直撃――
 俺がそう思った瞬間だった。
 
 甲高い金属音。ライサが後方に跳ぶ。

「なによ…… あれ」
「バット…… 釘バット……」

 俺とエロリィは黒い核を見つめていた。
 いや、正確にはそこから生えているものだ。
 見慣れた物。それは、釘バット。
 ライサのメインウェポンとも言うべき、兇悪な打撃兵器。

「あはッ、上等ぉぉぉ~ ただの止まった玉コロをぶち壊すより、楽しそうだなぁ」
 
 後方に下がったライサが襲撃直前の捕食獣のような姿勢で牙をむく。
 獰猛極まりない笑みとともにだ。
 武装は釘バットだけではなくなっている。
 その指にはいつの間にかメリケンサックが握りこまれているのだった。
 
 ズルッ―― とも ヌルッ―― とも聞こえるような湿った形容しがたい音。
 黒い核。そこから生えた金属バット。それを握った存在。
 それが、姿を現した。人型をした漆黒のような物。
 人の型を黒いゼラチンで作ったような物。

 俺はその原型が何であるか、即わかった。
 その肢体の流麗なライン。
 スラリと伸びた手足に、非対称の長い髪の毛。

 真っ黒な人型は―― その色さえ除けば、彼女そのものだ。  

「ライサ……」

 俺はつぶやいていた。

「なんだぁ? てめぇ…… マネか? 私のマネか? はははは! 殺すかぁ。マネしても殺す。何しても殺すから。同じだ。ぶち殺すぞ、ド畜生がぁッ!」

 牙のような八重歯をむき出しにして、ライサが突っ込む。
 漆黒のライサが迎撃。釘バットが空間を切り裂き、鋼のテンペストがそこでぶつかり合っていた。
 ビリビリとした打撃音が空間を振動させる。もはや音が凶器になっていた。
 大気が風となり、唸りを上げていく。とてもじゃないが、接近できるものじゃない。

 ライサとライサの打撃戦だ。当然だ。

「なにが、起きているんだ……」

『この女の持っているイメージでライサを作ったんじゃないの?』
『なんだって? サラーム』

 俺の中で引きこもっている精霊サラームの言葉。
 それを聞き返す俺。

『この女(シャラート)の心の世界には、この女の記憶の中にいる他人がいるってことだわ。ほら言うじゃない『あいつは、俺たちの心の中に生きているんだ』って感じのセリフ。あれだわ。この核は、記憶をベースに、アストラル界に「実体」を作り上げたんだわ。あれよ、アストラル界なんだから、イメージそのものが実体と同じ意味をもつわけだわ』

『できるのか…… そんなこと』

『実際、目の前で起きていることを説明するならそう考えるしかないわ。イメージを実体化させるのは、格闘家なら普通にやるわ』

 そりゃ、あれやこれやの漫画の話だろうと突っ込もうと思った。
 しかし、ここアストラル界なら、イメージの実体化は普通の話でもおかしくない。
 
 アストラル界は、言ってみればシャラートの心の世界だ。
 その世界に、彼女がイメージする「ライサ」を生みだそうとすれば、それは可能なのかもしれない。
 そして、もしそれが事実なら――

「もうね! なにやってんのよ!」

 エロリィが声を上げた。

「私の禁呪で一気に核を潰すのよぉぉ! 一瞬で葬ってやるのよぉ! きゃはははははは!」

 金色の光子をハラハラと周囲に拡散させながら、エロリィが前に出る。
 長い金髪ツインテールが意志をもったかのように揺れている。

 碧い瞳がすっと細められ、ピンク色のくちびるが開かれる。

「ああああん、らってぇ、らって、ひゅゴイのぉぉぉ、魔素がぁぁ強引に魔力回路に流れてくるのぉぉ、ガンガン来ちゃうのぉ、そんなぁ。わかりゅぅぅ、魔素がどドクドク流れ込んでりゅぅぅ~ らめぇ、そんな急に流し込んだら、魔力回路がパンパンになって、グリグリ回っちゃうのよぉぅ~ ああああああ、クルのぉぉ――」

 エロリィの禁呪の調べが荘厳で華麗な響きをもって空間に満ちていく。
 彼女足もとに、複層魔法陣が展開され、青白い魔力光が立ち上がる。
 精霊の力をかりず、独力で魔法を起動させる「禁呪」が発動を開始しようとしているのだ。

 ぬるぅ――

 漆黒の核が、表面を波立たせたかと思うと、そこから腕が出現する。
 それを見て、一瞬エロリィの詠唱が止まった。
 俺も息を飲む。
 
 腕が漆黒の球体から伸びる。なにかがそこから出てこようとしていた。
 いや、なにかじゃない。
 分かっている。エロリィだ。シャラートがイメージしているエロリィが実体化しようとしているんだ。

「ライサと同じか…… エロリィも」

 精霊・サラームの説明が本当だとすれば、こいつも、シャラートの心象としてのエロリィだ。
 シャラートのアストラル界に作りだされる、エロリィの影のような存在。

「ん…… ぐくうぅぅッ…… あ、アイン、禁呪中断したら、反動が来たのよぉぉぉ」

 エロリィは「ゲホゲホ」とむせながら、白濁した液体を吐き出した。
 可愛らしい口の周りが白濁した液体で汚れていた。

 魔素だ。この白濁した液体は、体内に取り込んだ魔素だ。
 大気中にあるらしいが、正体はなんだかよく分からん。体内に取り込むと白濁した液体となり、魔力の元となる。

「チュウなのよぉぉ、チュウ…… アインがチュウをしてくれないと、苦しいのよぉぉ~」

 そう言って、エロリィはフラフラとやってきた。
 俺は、急いでエロリィを抱きかかえた。信じられないくらい細く小さい身体をギュッとする。
 
「あああん、アイン~ チュウなのぉ。いっぱいチュウをして、アインのを流し込んで欲しいのぉぉ」

 エロリィは貪るようにして俺の唇にベロを挿しこむ。

(ぬがぁぁぁああああ!!! 魔素! 魔素がぁぁぁ!!)

 エロリィの体内で逆流してきた魔素が、俺の中に流れ込んでくる。
 精神体となっているはずなのに、この味と臭いは以前と同じだった。
 北欧の妖精のような可憐な生き物から、臭い味とも最悪のどろどろの白濁液が流れ込んでくる。
 
『魔力回路を回して、魔素を魔力変換して、このビッチに流し込むんだわ。アイン』
『わ、分かっているが…… サラーム』

 俺はかつて、許嫁たちの吐き出す魔素を飲んで、死にそうになったことがある。
 魔素のせいで体が風船のようにパンパンに膨れ上がったのだ。
 とにかく、余剰魔素は危険だ。魔力に変換して、エロリィに流し込むんだ。

 俺は、エロリィの吐き出した魔素を飲み込む。
 こんなときでも、ロロリィはベロを絡めてくるので飲みにくい。エロすぎるんだけどぉ。

『いいわ! 魔力変換順調だわ』

 サラームが言ったが、俺も分かった。俺の魔力回路が魔素を魔力に変換。
 俺はそれを、思いきりエロリィの中に流しこんでやる。
 ベロが絡んでいても関係ない。

 ガクガクと幼い身体を震わせるエロリィ。
 チュウする唇の隙間から「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あふぅ~」と甘い吐息のような声を漏らしている。

 視界の隅では、漆黒の核から、エロリィの偽物が生み出されようとしている。

 腕、脚、身体―― そして長い髪の毛――
 全身が闇のような漆黒であること。
 それ以外は、完全にその存在はエロリィだった。
 体のほとんどが、外に出ている。

 ヒュン――

 風を斬る音。
 チャクラムだ。
 シャラートの無意識体であるシャラート(ミニ)がチャクラムを放っていた。
 それが、外に出た漆黒のエロリィの腕を切断した。

 腕が落下し、床に落ちる。
 ベチャっと潰れ、真っ黒いドロドロした何かになった。
 しかし、それだけだ。それはヌルヌルと動きまた、核に吸収されていく。
 切り落とされた腕先は、再生を開始していた。
 
 チュポンとエロリィが唇を離した。
 荒い呼吸。碧い瞳が蕩けそうな色を残している。
 そのまま、ジッと俺を見つめるエロリィ。しかし、それは一瞬だった。

 釣り上げた若鮎が跳ねるように、俺の身体からエロリィは跳んだ。

「アンタね! それは、私の獲物なのよ! もうね、手を出したら殺すわよ」

 シャラート(ミニ)にいい放つエロリィ。

 腰を落し、両手を広げ、戦闘態勢に入る禁呪のプリンセス。
 その姿は、さっきまでの色狂いのビッチ・オブ・ビッチという感じが一切無かった。

 漆黒のエロリィも同じように構える。

「ふふん、このメガネ乳ホルスタインが描く私のイメージ。その偽物なのよ。アンタ程度に見切られる私じゃないのよぉ」

 エロリィは、相手の正体を見抜いているようだった。
 さすがに、禁呪使いだけのことはある。

「てめぇぇぇ!! ぶち殺す!! 死ね! 殺す! 殺す! 殺す! 死にくされ! このド畜生がぁぁ!」

 その声に俺は、振り返る。

 ビリビリとした叫び、唸りを上げる釘バット。
 その間も、突きと蹴りが吹っ飛び交差する。

 ライサとアストラル界に生み出された、ライサのイメージの戦いは続いていた。
 互角だ。見た感じは互角。ふたつの竜巻がぶつかり合っているようなものだった。

 この漆黒のライサも、シャラートのイメージが生み出したものだ。
 互角であるということは、かなり正確にライサの戦力を測ってことになる。

「過大評価も過小評価もしていないから、互角ってことか……」

 俺はそう言いながら、シャラートの戦力分析能力の高さに舌をまく。
 さすが、超一流の暗殺者だ。あの涼やかな瞳の奥で、冷徹に相手の力を計算していたんだろう。

「つーことは、エロリィもか……」

 俺はエロリィの方を見た。
 エロリィと漆黒のエロリィが向き合い。
 禁呪の詠唱を開始していた。

「「――ああああん。来ちゃうのぉぉ、こんないっぱい魔力を注ぎこまれたら、らめになるのぉぉ。できちゃうのぉ。できるのぉ。絶対にできちゃう。パンパンになちゃうのぉぉ。しゅごぃぃ~
禁呪がきちゃうのぉ。ああああああ、凄いのが、しゅごい禁呪で真っ白になっちゃうぅ~」」

 同時の詠唱だった。
 まるで、輪唱のように響く禁呪の詠唱が、空気を神秘の色に染めていくようだった。

「「らめぇ、まってぇ、まってぇ! そんな急に、私の魔力回路にそんないっぱい流しこまないでぇ! ガンガン来ちゃうのぉ。私の大切な魔力回路がぁ、ビクビクしちゃうのぉぉ―― ビクビクンいってるのぉぉ。ひらくぅぅ、らめぇ! こんなの開いちゃったら、どうかなっちゃうのよぉぉぉ―― ああああああああん、らめぇぇぇぇっぇぇ!!!!」

 同時だった。
 禁呪の完成。

 複層魔法陣が回転する両手を前に突き出す。
 禁呪の閃光が発射され、空中でぶつかり合う。
 青い火花を散らし、空間が帯電したかのように細かく震動を開始する。
  
 禁呪の攻撃のガチのぶつかり合い。
 それも互角だ。
 お互いの作りだした魔力の閃光がお互いを喰らいあい一歩も引かない。

「くそ……」

 加勢しようにも、難しい。

 ライサの超高速打撃戦。
 エロリィの禁呪のぶつかり合い。
 下手に加勢すると、戦いのリズムが狂って、不測の事態が起きそうな気もする。
 それくらい、拮抗しているし、隙のない戦いだった。

「俺は…… コイツを叩けば」

 俺は漆黒の核を見つめる。
 こいついだ。コイツを叩けば、終わる。
 それは確かだ。

『サラーム。叩くぞ――』
『いいいわ! なんでもやれるわ。アストラル界ごと粉々にもできるわ!』
『アホウか! オマエ! 分かってんだろうな!』

 この精霊は、モノの加減とか、必要十分ということが理解できているのか不安だ。
 俺の魔力を使えば、星すら破壊しかねない力を発揮できる。
 
『あの核を叩く! 潰す! それだけだぞ!』
『うーん…… どの程度で、潰れるのかしら?』
『知るか! まずは様子見の攻撃――』

 俺とサラームの脳内の会話が途切れた。
 俺の目が固定された。動かない。視線が動けない。

 そこには、腕と脚が出現していた。
 色は違う。漆黒――
 しかし、そのフォルム。絶対にまちがえるはずのない物だ。
 
 漆黒の球体から、その身体が露わとなってくる。
 脚――
 腰――

 そして、胸――
 おっぱい。おっぱいだ。
 俺が絶対に忘れない。そのおっぱい。
 俺の専用で、俺だけがモミモミして、チュウチュウできるおっぱい。
 そいつが突き出ている。
 
 頭が出現した。 
 そして、その頭を振った。
 ふわりと超ロングの黒髪が空を舞う。

「シャラート……」

 その名を口にする。
 色の無い。漆黒の肉体。しかし、そのフォルムは完全に彼女の物だった。

「ふひゅッ!」

 無意識体のシャラート(ミニ)が突っ込んでいた。
 両手にチャクラムを握り、懐に飛び込んでいく。
 今度は、接近戦での斬撃を挑む気だ。

「シャラート!!」

 反射的に叫ぶ俺。危険だ。ヤバい。
 コイツに近づくのはヤバい! ダメだ。そんな思いが交錯しての叫びだった。

 チャクラムの斬撃が首に喰いこむ。左右からだ。
 挟み込むように、首の切断を狙った斬撃。しかし――
 その刃は、ヌルリとしたゼラチンのような肉体の途中で止まっていた。

「危ない!!」
 
 俺が飛び込む瞬間だった。
 一瞬だ。
 一瞬で、無意識体のシャラートは、漆黒のシャラートに吸収された。
 まるで、消えていくようにだ。

「シャラート!!」

 拳だった。黒い塊。シャラートの姿に似せた黒いなにか。それに俺は拳を走らせていた。
 筋肉に魔力が流れ込み、岩ですら砕く一撃。

 ポン――
 
 柔らかい音をたて、それが何か包み込まれた。
 手だ。漆黒のシャラートの手のひらだった。
 ヌルリとした温度を感じる。

「え…… なんだ…… シャラート……」

 色の無い存在。漆黒のゼラチンのようなシャラートの形をした物。
 それが、次第に色を持っていく。
 俺の触れた拳から、徐々に色がついていく。

 白い肌。その下に血の通う色。
 光りが射し、夜が明けるかのように、その肉体に色がついていく。

 赤い唇――
 涼やかな黒曜石の光をもった瞳――
 流れるように舞う、艶のある黒髪――

 しかし――
 違う。血の色だった。眼球の白めの部分だけが、血の色をしていた。
 その双眸が俺を見つめた。血の色をした視線。
 赤い唇がゆっくりと開く。

「私はアナタを待っていました。アイン―― アナタが来るのを」

 その声は、俺の姉であり婚約者――
 最愛の者の声以外の何ものでもなかった。
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