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第七章:ぶち抜け!アストラル体!シャラートを救え!
第一一〇話:緊縛!禁呪! らめぇ~♪ アストラル体が飛んじゃうのぉぉ
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「もうね、駄肉乳メガネのパイオツは、なにが詰ってるのよッ! 寝てるのに生意気なのよぉ」
エロリィが吐き捨てるように言った。で、ペッと唾を吐いた。床に。
北欧の妖精のような美しい外見とはかけ離れた中身と言動。まあ、それがエロリィだ。
シャラートが寝ている。それでもそのおっぱいは天を突いていた。
型崩れがない。それでいて固いわけではない。触れば信じられない弾力と柔らかさで指を包み込む至高のおっぱいなのだ。
鑑賞しても揉んでも、そして吸っても超一級品のおっぱいだった。
「シャラートを裸にして、俺らも裸になるって…… 本当に必要なのか?」
俺らはマッパである。一糸もまとってない。とりあえず俺は前を手で隠す。
「必要なのよ! もうね、この駄肉乳メガネのアストラル体(精神)に侵入するには直に接触しないとダメなのよ」
エロリィもマッパなのである。ツルンとした流麗なボディ。
空力的な極限を求めたデザインは美しいのと同じだ。エロリィの身体もある種の美の極限だった。
地に着きそうなほどの長い黄金色のツインテールが揺れる。金色の光子をまとっているようだ。
「あはッ、別にいいだろ? なんだ? アインは照れてるのか?」
「いや、まあ風呂とかならいいけどな。この状況は……」
ライサもスパーンとマッパ。小麦色した輝くような肌をさらしまくり。
緋色の長い髪、ルビーのような瞳の超絶級の美少女。
全く照れることなく、スラリと伸びる肢体をさらしまくりなのだった。
「ルサーナお義母様も、来ればよかったのにな。あはッ、な、アイン」
「もうね、シュバイン義父様も来れないからしかたないのよ」
あっけらからんとライサが言った。でもって、エロリィも俺の顔と精神をぐんにゃりさせることを言った。
俺のオヤジのシュバインは公務が忙しい。いまだに、パンゲア王国は復興途上だ。一応、オヤジは将軍様なのだ。
実の娘という「私事」に時間を割くわけにはいかない立場がある。
でもって、母親―― 一瞬思考まで「ママ」となりそうになったわ! ――のルサーナは、俺を溺愛しているのだ。
ルサーナは『ああん、行くのよ。ママも一緒に行ってあげる。私のかわいいアインちゃんと、シャラートのために。かわいくて超天才で無敵で無双でも、ママはアインちゃんが心配なの。スリスリスリスリ!』と、俺たちに同行することを望んだ。
俺は、その言葉をスリスリされながら聞いたわけだけど。
ルサーナは俺が必死で説得した。でもって、やっと諦めてくれた。
説得に失敗していたら、許嫁と自分の母親とマッパで集合する。カオスな状況になっていたわけだ。
そうなったら確実に、俺の精神的な安定が崩れたと思う。
ましてや、オヤジまで全裸でここにいたら、もはや犯罪である。
ということで、ここにいるのは、俺と俺の許嫁たちだけだ。
エロリィとライサ。そして寝ているシャラートだ。
「あれ、許嫁――」
俺は小さく独り語ちた。
なにか、忘れているような気がした。
なんだ? まあ、思いだせないので多分重要ではないのだろう。
「もうね、アストラル体をつなげるから、肌を密着させるのよ。もうね、しっかり密着させるのよ」
エロリィがピョーンと飛んで真正面から俺に抱き着いてきた。
白くスベスベの肌が俺に密着。幼女特有の高い体温を感じる。
「もうね、チュウしたくなるのよ。アインが悪いのよ……」
一瞬で今やるべきことを忘れるエロリィ。
ブルーの瞳が一瞬で、淫靡な色に染まる。北欧ビッチ。ナチュラルボーンビッチだった。
俺のくちびるに、ピンクのくちびるを重ねようとする。チロチロと可愛らしい舌先が見え隠れする。
そして、指で俺の乳首をクリクリするのを忘れない。もはや手管が娼婦レベル。
「あはッ、私も! ねえ、チュウ! チュウしようか!」
ライサが後ろから抱きつく。首にスラリとした腕をからめてくる。
この腕にどこに、鋼すら粉砕するパワーがあるのか。柔らかく心地よい体温が染み込む。
あ、あ、あ、あ至福――
すごく気持ちいい。なんでコイツら気持ちいいんだろう……
しかし、我に返る俺。
「おい! 違うだろ。エロリィ、ライサ! シャラートだよ! シャラートのアストラル体に侵入するんだろ」
危うく俺まで目的を忘れるとこだったわ。マジで。恐ろしい許嫁たちだよ…… やれやれ。
「そうなのよ。もうね、アインがかっこよすぎるのがいけないのよ! プンスカ!」
エロリィがピョーンと俺の身体から離れて着地。ふわりと金髪ツインテールが放物線を描く。
「あはッ、そうだな。まずは、このクソ乳メガネを中心に密着しないとな。起きたら、ぶっ殺してやるからな」
牙の様な犬歯を見せてライサが言った。
「エロリィ、俺たちは裸で密着するよな。シャラートを中心にして――」
「そうなのよ! それで私が禁呪を唱えるのよ。そうすれば、シャラートのアストラル体(精神体)に入れるのよ」
それは分かっている。もう何回か訊いたことだ。
でだ。質問には続きがあるのだ。
「アストラル体に入っている間に、体の接触が離れたらどうなるんだ?」
「それは、まずいのよ。肉体に精神が戻れなくなるのよ。もうね、そうなったら私の禁呪でも無理なのよ」
「それまずいよな……」
肉体を接触してアストラル体に侵入。でもって、シャラートの中にいる【シ】を倒す。
でだ、その間、肉体は意識がない。当然だ。意識の方は別行動しているわけだから。
何かの拍子に、シャラートとの接触が離れるのはまずいよな…‥
こう、ただくっつくだけじゃなく、離れない様な工夫というか。そういったものが必要ではないか。俺は思った。
「アストラル体に侵入している間、俺たちの肉体が離れない様な工夫が必要じゃね。こう、お互いの身体をなにか食いこませるとか――」
俺がシャラートの上に乗って、左右にライサとエロリィ。
ライサとエロリィは指かな。俺は自分の中指を見た。これで固定できるかな。
残りのシャラートはどうする?
これか? 俺は視線を落した。
しかしだ―― 寝ているのをなぁ……
なんか、それもなぁ。俺も記憶を無くして「シュレディンガーのDT」だし……
俺にとっての初めてかもしれんし……
でも、体を固定しなきゃいけないしなぁ。どうすべきか。
「ご心配には及びません。アインザム様」
「ぎゃぁぁああああああああああああああああ!! セバスチャン!! なんでここに! いつからここに!! しかも全裸ぁぁあ!!」
俺絶叫。部屋の壁がビリビリ震え、埃が舞い上がるくらいの叫び。
「私めは、寝ている間の皆様の安全の確保と、固定を行います」
「あばあばばッ! てめえ、服着ろ! なんで、オマエまで全裸だ!」
おっさんというか、初老の男のしょぼくれた全裸など見たくないのだ。
しかも、なんでオマエはロープを持っている。つーか、荒縄か?
「皆様が全裸で、私だけ服を切るというのは不遜ではないかと愚考いたしました」
平坦な言葉で言ったセバスチャン。相変わらず感情こもってない。どこにもない。
「本気で、愚考以外のなにものでもないな!」
「おそれいります。アインザム様」
「褒めてねーよ!」
「アイン、落ちつくのよ」
「エロリィ、どうなってんだよ。これ」
「もうね、私が頼んだのよ。セバスチャンが私たちの身体を固定するのよ」
「え? なんで?」
なにを言っているんだエロリィちゃん。
つーか、この野郎に、エロリィとライサとシャラートの肌を見せるのはすごく嫌なんだけど。
俺だけしか見ちゃいけないんじゃね。もう、俺専用だよ君たちは。
「恐れながら、縛りには少々。自信がございます。菱縄、亀甲、高小手、お望みであれば、いかようにも」
「のぞまねーよ!」
荒縄をにぎりしめた全裸のおっさん。そして俺と美少女たち。これも全裸。
なにこれ? なにが始まるの?
「もうね、固定するのよ。肌を密着して固定なのよ。アストラル体に侵入している間に離れないようにするのよ」
「さようにございます」
もはや、状況は俺の想像を超えていた。なにこれ?
「あはッ、とにかく早くしようぜ。このクソ乳メガネの中の【シ】をぶち殺して、それから、コイツをぶち殺すんだよ」
ライサがスタスタとシャラートの寝ているベッドの方に歩く。そして、添い寝するように横に寝た。
「ぶっ殺してやるからな。待ってろ」
小さくつぶやく。誰を殺すのか分からんけど。
「もうね、焦らなくてもやるわよ」
エロリィもベッドに寝転がる、ライサと反対側。
つーことは、俺はやはり、シャラートの上に乗っかるのか?
おっぱいに顔をうずめておけば、ズレる心配もないよな。そうだよな。
俺は、シャラートの上に乗った。身を重ねた。
触れあった肌。冷んやりとした温度が流れ込んでくる。
高揚していた気分まで、静かに冷たくなってくるような気がした。
彼女の顔を見た。メガネがない顔を見つめた。綺麗な顔。
いつも俺を見つめていた涼やかな瞳は今は閉じている。
「シャラート…… 助ける。絶対に」
辛うじて感じられるシャラートの呼気。そして体の中の鼓動。
「では、私めが、固定させていただきます」
感傷に酔っていた俺を現実にひき戻す言葉。
つーか、それ以外の方法でも固定できるだろうに。
この中指で―― それに――
俺の思いとは関係なく、荒縄で固定される、俺とシャラートとライサとエロリィ。
いや、なんかセバスチャンの手際が良すぎてドンビキレベル。
「もうね、さすがね。『鋼の緊縛師』といわれただけはあるのよ」
白い肌に荒縄を喰いこませているエロリィが言った。
なにそれ『鋼の緊縛師』って?
「古い、話にございます。エロリィ姫――」
セバスチャンが感情のこもらない声で言った。目だけが遠くを見つめている。
しかし、ここに至って、まだ全裸かよオマエは。
しかし、すごい。身動き一つできない。
がっちり縛られている。
俺の顔は、シャラートのおっぱいに挟まれ固定されていた。
この点では、セバスチャンを認めてもいいかと思った。
「あはッ、ほら、クソロリビッチ姫よ、はじめろよ」
ライサが言った。彼女もグルグル巻の緊縛状態。つーか、四人が荒縄で縛られて固定されているのだ。
「もうね、いくのよ――」
細い身体に荒縄を喰いこませた北欧幼女紀行の表紙が言った。エロリィだ。
すうっと息を吸いこむ。青い魔力光の粒子が空中に生じ始める。
「ああああん、らめぇ♪ 飛んじゃうのぉぉ。このままガンガンやられたら、意識がトンじゃうぅ。そんなに魔力回路の大事なところをガンガンしないでぇ。魔素が流れ込んでくるのよぅ。パンパンになっちゃう。そんなにいっぱい一気に魔素を流し込まないでぇ。私の魔力回路が堕ちちゃうのぉぉ。回転しちゃうぅ。あああ、もう、意識がぁぁ、アストラル体が飛んじゃうのよぉぉ~」
エロリィの禁呪が荘厳な調べを奏でる。
全裸。しかも荒縄で縛り付けられた俺たちを魔力光が包み込む。
俺の意識が遠くなってきた――
「シャラート。待ってろ」
俺は薄れいく意識の中。口の中でつぶやいたのだった。
エロリィが吐き捨てるように言った。で、ペッと唾を吐いた。床に。
北欧の妖精のような美しい外見とはかけ離れた中身と言動。まあ、それがエロリィだ。
シャラートが寝ている。それでもそのおっぱいは天を突いていた。
型崩れがない。それでいて固いわけではない。触れば信じられない弾力と柔らかさで指を包み込む至高のおっぱいなのだ。
鑑賞しても揉んでも、そして吸っても超一級品のおっぱいだった。
「シャラートを裸にして、俺らも裸になるって…… 本当に必要なのか?」
俺らはマッパである。一糸もまとってない。とりあえず俺は前を手で隠す。
「必要なのよ! もうね、この駄肉乳メガネのアストラル体(精神)に侵入するには直に接触しないとダメなのよ」
エロリィもマッパなのである。ツルンとした流麗なボディ。
空力的な極限を求めたデザインは美しいのと同じだ。エロリィの身体もある種の美の極限だった。
地に着きそうなほどの長い黄金色のツインテールが揺れる。金色の光子をまとっているようだ。
「あはッ、別にいいだろ? なんだ? アインは照れてるのか?」
「いや、まあ風呂とかならいいけどな。この状況は……」
ライサもスパーンとマッパ。小麦色した輝くような肌をさらしまくり。
緋色の長い髪、ルビーのような瞳の超絶級の美少女。
全く照れることなく、スラリと伸びる肢体をさらしまくりなのだった。
「ルサーナお義母様も、来ればよかったのにな。あはッ、な、アイン」
「もうね、シュバイン義父様も来れないからしかたないのよ」
あっけらからんとライサが言った。でもって、エロリィも俺の顔と精神をぐんにゃりさせることを言った。
俺のオヤジのシュバインは公務が忙しい。いまだに、パンゲア王国は復興途上だ。一応、オヤジは将軍様なのだ。
実の娘という「私事」に時間を割くわけにはいかない立場がある。
でもって、母親―― 一瞬思考まで「ママ」となりそうになったわ! ――のルサーナは、俺を溺愛しているのだ。
ルサーナは『ああん、行くのよ。ママも一緒に行ってあげる。私のかわいいアインちゃんと、シャラートのために。かわいくて超天才で無敵で無双でも、ママはアインちゃんが心配なの。スリスリスリスリ!』と、俺たちに同行することを望んだ。
俺は、その言葉をスリスリされながら聞いたわけだけど。
ルサーナは俺が必死で説得した。でもって、やっと諦めてくれた。
説得に失敗していたら、許嫁と自分の母親とマッパで集合する。カオスな状況になっていたわけだ。
そうなったら確実に、俺の精神的な安定が崩れたと思う。
ましてや、オヤジまで全裸でここにいたら、もはや犯罪である。
ということで、ここにいるのは、俺と俺の許嫁たちだけだ。
エロリィとライサ。そして寝ているシャラートだ。
「あれ、許嫁――」
俺は小さく独り語ちた。
なにか、忘れているような気がした。
なんだ? まあ、思いだせないので多分重要ではないのだろう。
「もうね、アストラル体をつなげるから、肌を密着させるのよ。もうね、しっかり密着させるのよ」
エロリィがピョーンと飛んで真正面から俺に抱き着いてきた。
白くスベスベの肌が俺に密着。幼女特有の高い体温を感じる。
「もうね、チュウしたくなるのよ。アインが悪いのよ……」
一瞬で今やるべきことを忘れるエロリィ。
ブルーの瞳が一瞬で、淫靡な色に染まる。北欧ビッチ。ナチュラルボーンビッチだった。
俺のくちびるに、ピンクのくちびるを重ねようとする。チロチロと可愛らしい舌先が見え隠れする。
そして、指で俺の乳首をクリクリするのを忘れない。もはや手管が娼婦レベル。
「あはッ、私も! ねえ、チュウ! チュウしようか!」
ライサが後ろから抱きつく。首にスラリとした腕をからめてくる。
この腕にどこに、鋼すら粉砕するパワーがあるのか。柔らかく心地よい体温が染み込む。
あ、あ、あ、あ至福――
すごく気持ちいい。なんでコイツら気持ちいいんだろう……
しかし、我に返る俺。
「おい! 違うだろ。エロリィ、ライサ! シャラートだよ! シャラートのアストラル体に侵入するんだろ」
危うく俺まで目的を忘れるとこだったわ。マジで。恐ろしい許嫁たちだよ…… やれやれ。
「そうなのよ。もうね、アインがかっこよすぎるのがいけないのよ! プンスカ!」
エロリィがピョーンと俺の身体から離れて着地。ふわりと金髪ツインテールが放物線を描く。
「あはッ、そうだな。まずは、このクソ乳メガネを中心に密着しないとな。起きたら、ぶっ殺してやるからな」
牙の様な犬歯を見せてライサが言った。
「エロリィ、俺たちは裸で密着するよな。シャラートを中心にして――」
「そうなのよ! それで私が禁呪を唱えるのよ。そうすれば、シャラートのアストラル体(精神体)に入れるのよ」
それは分かっている。もう何回か訊いたことだ。
でだ。質問には続きがあるのだ。
「アストラル体に入っている間に、体の接触が離れたらどうなるんだ?」
「それは、まずいのよ。肉体に精神が戻れなくなるのよ。もうね、そうなったら私の禁呪でも無理なのよ」
「それまずいよな……」
肉体を接触してアストラル体に侵入。でもって、シャラートの中にいる【シ】を倒す。
でだ、その間、肉体は意識がない。当然だ。意識の方は別行動しているわけだから。
何かの拍子に、シャラートとの接触が離れるのはまずいよな…‥
こう、ただくっつくだけじゃなく、離れない様な工夫というか。そういったものが必要ではないか。俺は思った。
「アストラル体に侵入している間、俺たちの肉体が離れない様な工夫が必要じゃね。こう、お互いの身体をなにか食いこませるとか――」
俺がシャラートの上に乗って、左右にライサとエロリィ。
ライサとエロリィは指かな。俺は自分の中指を見た。これで固定できるかな。
残りのシャラートはどうする?
これか? 俺は視線を落した。
しかしだ―― 寝ているのをなぁ……
なんか、それもなぁ。俺も記憶を無くして「シュレディンガーのDT」だし……
俺にとっての初めてかもしれんし……
でも、体を固定しなきゃいけないしなぁ。どうすべきか。
「ご心配には及びません。アインザム様」
「ぎゃぁぁああああああああああああああああ!! セバスチャン!! なんでここに! いつからここに!! しかも全裸ぁぁあ!!」
俺絶叫。部屋の壁がビリビリ震え、埃が舞い上がるくらいの叫び。
「私めは、寝ている間の皆様の安全の確保と、固定を行います」
「あばあばばッ! てめえ、服着ろ! なんで、オマエまで全裸だ!」
おっさんというか、初老の男のしょぼくれた全裸など見たくないのだ。
しかも、なんでオマエはロープを持っている。つーか、荒縄か?
「皆様が全裸で、私だけ服を切るというのは不遜ではないかと愚考いたしました」
平坦な言葉で言ったセバスチャン。相変わらず感情こもってない。どこにもない。
「本気で、愚考以外のなにものでもないな!」
「おそれいります。アインザム様」
「褒めてねーよ!」
「アイン、落ちつくのよ」
「エロリィ、どうなってんだよ。これ」
「もうね、私が頼んだのよ。セバスチャンが私たちの身体を固定するのよ」
「え? なんで?」
なにを言っているんだエロリィちゃん。
つーか、この野郎に、エロリィとライサとシャラートの肌を見せるのはすごく嫌なんだけど。
俺だけしか見ちゃいけないんじゃね。もう、俺専用だよ君たちは。
「恐れながら、縛りには少々。自信がございます。菱縄、亀甲、高小手、お望みであれば、いかようにも」
「のぞまねーよ!」
荒縄をにぎりしめた全裸のおっさん。そして俺と美少女たち。これも全裸。
なにこれ? なにが始まるの?
「もうね、固定するのよ。肌を密着して固定なのよ。アストラル体に侵入している間に離れないようにするのよ」
「さようにございます」
もはや、状況は俺の想像を超えていた。なにこれ?
「あはッ、とにかく早くしようぜ。このクソ乳メガネの中の【シ】をぶち殺して、それから、コイツをぶち殺すんだよ」
ライサがスタスタとシャラートの寝ているベッドの方に歩く。そして、添い寝するように横に寝た。
「ぶっ殺してやるからな。待ってろ」
小さくつぶやく。誰を殺すのか分からんけど。
「もうね、焦らなくてもやるわよ」
エロリィもベッドに寝転がる、ライサと反対側。
つーことは、俺はやはり、シャラートの上に乗っかるのか?
おっぱいに顔をうずめておけば、ズレる心配もないよな。そうだよな。
俺は、シャラートの上に乗った。身を重ねた。
触れあった肌。冷んやりとした温度が流れ込んでくる。
高揚していた気分まで、静かに冷たくなってくるような気がした。
彼女の顔を見た。メガネがない顔を見つめた。綺麗な顔。
いつも俺を見つめていた涼やかな瞳は今は閉じている。
「シャラート…… 助ける。絶対に」
辛うじて感じられるシャラートの呼気。そして体の中の鼓動。
「では、私めが、固定させていただきます」
感傷に酔っていた俺を現実にひき戻す言葉。
つーか、それ以外の方法でも固定できるだろうに。
この中指で―― それに――
俺の思いとは関係なく、荒縄で固定される、俺とシャラートとライサとエロリィ。
いや、なんかセバスチャンの手際が良すぎてドンビキレベル。
「もうね、さすがね。『鋼の緊縛師』といわれただけはあるのよ」
白い肌に荒縄を喰いこませているエロリィが言った。
なにそれ『鋼の緊縛師』って?
「古い、話にございます。エロリィ姫――」
セバスチャンが感情のこもらない声で言った。目だけが遠くを見つめている。
しかし、ここに至って、まだ全裸かよオマエは。
しかし、すごい。身動き一つできない。
がっちり縛られている。
俺の顔は、シャラートのおっぱいに挟まれ固定されていた。
この点では、セバスチャンを認めてもいいかと思った。
「あはッ、ほら、クソロリビッチ姫よ、はじめろよ」
ライサが言った。彼女もグルグル巻の緊縛状態。つーか、四人が荒縄で縛られて固定されているのだ。
「もうね、いくのよ――」
細い身体に荒縄を喰いこませた北欧幼女紀行の表紙が言った。エロリィだ。
すうっと息を吸いこむ。青い魔力光の粒子が空中に生じ始める。
「ああああん、らめぇ♪ 飛んじゃうのぉぉ。このままガンガンやられたら、意識がトンじゃうぅ。そんなに魔力回路の大事なところをガンガンしないでぇ。魔素が流れ込んでくるのよぅ。パンパンになっちゃう。そんなにいっぱい一気に魔素を流し込まないでぇ。私の魔力回路が堕ちちゃうのぉぉ。回転しちゃうぅ。あああ、もう、意識がぁぁ、アストラル体が飛んじゃうのよぉぉ~」
エロリィの禁呪が荘厳な調べを奏でる。
全裸。しかも荒縄で縛り付けられた俺たちを魔力光が包み込む。
俺の意識が遠くなってきた――
「シャラート。待ってろ」
俺は薄れいく意識の中。口の中でつぶやいたのだった。
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