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第六章:禁忌の島とパンゲア王国復興計画
第一〇八話:青き空に叫ぶ
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「この案山子野郎がぁぁ」
「案山子ではなく、死霊ゴーレムですけどね」
「似たようなもんだ」
「死霊兵のアストラル体を集めて、物質化してみました。すごいでしょ?」
ウキウキしたクソ錬金術師・オウレンツの声。
「知るか! クソ野郎!」
俺は、この案山子みたいな「死霊ゴーレム」を見つめる。
邪悪な案山子――
細い手足に、灰色のすだれのようなものが絡みついている。
細い胴体に、不釣り合いな大きな頭。
そこに穴が2つ。目の位置だ。
黒みがかった灰色の頭に、底なしの漆黒の虚ろな穴があいている。
そして、人であれば口がある位置には、細い触手のようなものが何本もぶら下がっている。
ハリガネをよじって作ったような触手だ。
千葉がいたら「うむ、ギーガの影響は明らかであるが、石〇賢の筆致にも似た造形――」と言ったかもしれん。
うかつに、飛びこむのは危険か?
俺はすっと下がる。
「おや? どうしましたか―― 最強の精霊マスター・アインザム・ダートリンク」
俺を挑発する気なのか、揶揄のこもった声音で案山子が言った。
いや、コイツの中にいるクソ錬金術師のオウレンツが言ったんだ。
「中にいるのか。クソ錬金術師」
「はい」
この案山子というか、死霊ゴーレムが出来あがっていくのを俺は見ている。
クソ錬金術師のオウレンツが核になっているのか。
そして、シャラートもこいつの中に……
うかつに手を出せねーか……
俺に迷いがある。コイツを倒さないといかん。それは分かる。
だが、攻撃した場合、中に取り込まれたシャラートが……
俺のシャラート。
俺の許嫁。
俺の姉。
俺の俺専用のおっぱい。揉み放題、チュウチュウし放題。
俺の大切な――
長い黒髪。
涼やかな黒い瞳。
俺の大切な――
『アイン、なにやってんの。攻撃だわ』
『シャラートが取り込まれてんだぞ! サラーム』
『アイン、アンタの許嫁は――』
『黙れ、引きこもりヲタ精霊』
クソが。とにかく、どーする。
コイツを倒さないことには、どーにもならんか。
頭か?
他の部分は細いよな。
首を切り落とすか――
「烈風斬!!」
俺はさけんだ。
風の刃。首を吹っ飛ばす。
キンッ!
「それは効きませんよ」
「魔法障壁か!」
俺の放った魔法は、ハニカム構造の障壁にはね飛ばされた。
魔法を弾き飛ばした一瞬だけ、そいつが見える。
「うぉぉぉぉぉ!!」
魔力回路だ。出力が足らないのか?
もっとだ。もっと回してやる。
重低音の唸りが、体の奥底から響く。灼熱化した巨大な車輪が高速回転をしたような感覚。
連結する。俺の七つの魔力回路が連結していく。
1の魔力が2となり4となり8となり16となり――
二乗倍で魔力が膨れ上がっていくのが分かる。
奔流のような魔力の流れ。それが全身を駆け抜ける。
『すごいわ! 過去最高かも! 魔力量! すごい』
『当たり前だぁぁぁ! 俺はこの世界最強の精霊マスタ―・アインザム・ダートリンクなのだぁぁぁ!! 天才で最強で全宇宙の支配者ぁぁぁ!!』
ああああ、ヤバい。俺のテンションがぁぁぁぁ;;あqqqwせdrftgyふじこlp;;;;;おlp;@:」「
自我が。意識が弾け飛びそうだぁぁ。
くそ、俺は俺だ。くそ。
「がぁぁぁっぁあぁああああ!! シャラート!!」
なんとか、弾き飛びそうな意識を押さえつける。
危うい。荒れ狂うハリケーンのような魔力が俺の身体の中に生じていく。
急上昇するテンションに身を任せるのは危険すぎる。自我が吹っ飛ぶ。
なんとか、俺は俺であることを維持する。
「ほう―― 歪んだ因果の力を使いますか? 攻撃しますか? この身を。く、く、く、く――」
まるで泥水をこねたような声。それが、俺の耳に届く。
攻撃?
ああ、してやる。
殺してやる。
オマエを倒して、ぶち殺して、そこからシャラートを助け出す。
絶対にだ。
「笑ってますよ」
笑ってる? だれが? 知るか!
爆発した。からだ中で荒れ狂う暴風が爆風になった。
灼熱の温度をもった爆風だ。
七つの魔力回路の唸りが全身を震わせる。俺の魂が千切れそうになる。
「ぶち殺してやるぅぅ!!」
『アイン!!』
もうとまらねぇ。俺は最強で無敵だから。
なんだ? こいつか。この目の前のアホウをぶち殺せばいいのか。
世界を焼き尽くそうが、なんだろうが、関係ねー。
殺してやる。
殺してやる。
殺してやる。
「おう、凄まじいものです。そのアナタの血肉があれば、この――」
「うるせぇぇ! 死にさらせ」
地を蹴る。砕けた。床の構造材が、バラバラに吹っ飛んだ。
それが感触で分かった。
空気が粘りつく。顔にだ。空気の壁を突き破る。甲高い衝撃音。
俺は右拳をふりぬいた。
細い―― いや、全体のバランスからして細いだけだ。ドラム缶より太い。
そいつをぶん殴った。魔力のこもった拳だ。
吹っ飛ぶ案山子。死霊ゴーレム。
壁に叩きつけられ、鈍い光をはなつ構造材が、砕け瓦礫となる。
壁に半分めり込み、動きが止まった。
頭から下がっている、ハリガネをよじったような触手が揺れている。
そいつを引きちぎってやろうか――
「直接打撃。接近戦ですか―― これは障壁を張れませんね」
オウレンツの声で、俺は我にかえった。
右手は青白い光をまとっている。今までになかったことだ。
魔力光だ。凄まじい魔力をまとった一撃だ。
一撃じゃ倒せないのか――
空間をつぶす。間合いを詰めた。
奴が言った。あの障壁は本体から少し離れた空間に展開するんだろう。
接近戦だ。遠距離攻撃はキツイってことだ。
とにかく、ぶん殴り続ける。魔力のこもったこの拳で。
「俺のシャラートをぉぉぉ!!」
右の拳を突き出した瞬間。なにかが吹っ飛んできた。黒いなにか。
衝撃――
一瞬、意識が暗転する。視界が真っ黒。
視界がもどる。
「あれ?」
めりこんどる……
こんどは、俺が壁にめり込んでるじゃねーか。
正面を見た。
なんか、丸い黒いもんが、近づいてきているんだけど。
なにこれ?
『アイン! よけて!』
サラームの声で体が反射的反応をする。
しかし、抜けねぇ! 体がめり込んだままぁぁぁ。
どがぁぁぁぁぁぁぁぁ――
轟音。
そして、全身の骨が軋むような衝撃。
踏みつぶされた。
さっきの黒くて丸いのは死霊ゴーレムの足の裏じゃねーか。
俺は、壁と死霊ゴーレムの足の裏でサンドイッチ状態。
グリグリと足の裏がプレスしてくる。
「潰れても、肉は肉―― 血は血です――」
食の見た目にこだわりがない。
俺を喰らう宣言をしたクソ錬金術師。
そいつの死霊ゴーレムの足が俺の全身をつぶしにかかる。
やばい。死ぬ。痛い。やばい。あばばばばばば――
体の中から、ひっきりなしに「ベキベキ」という音が聞こえてくるんだけど。
なにこれ、骨が砕けてんじゃね?
痛みよりも、全身が凄まじく熱いんだけどぉぉぉ!
「あがががががぁぁぁぁぁ!!」
俺、必死。もう、死にもの狂いの叫びをあげた。
両手の骨が軋み、筋肉繊維がビチビチと切れる。
俺の魔力回路ぉぉぉ! 回れぇぇぇ!
重低音の響きと、爆風が俺の体内を駆け巡る。意識が遠のく。
かまわねぇ! 死ぬよりマシだぁぁぁ!
暗転――
「おおッ! 嘘ですよね……」
俺はゴーレムの足をはねのけていた。
そのまま、足をつかんでやった。
「てめぇ…… この最強で無敵で無双の精霊マスターを足の裏でグリグリとか。殺すぞぉぉ!」
あれ? なんか、自分の声が遠くに聞こえる。
しかし、丸太みたいな足だな。象の足みたいだな。
象ってなんだ? まあ、なんでもいいか。
ぶち殺せばいい。破壊してやる。
俺はぶん回した。死霊ゴーレムの足を掴んで振り回す。
遠心力すげぇぇぇ。あははははっははは!!
「ふっとべ! クソが!」
手を放す。投げた。すっ飛んでいく。
一直線だ。凄まじい破壊音をたて、壁に激突。
それくらいじゃ、壊れないか? 死なないか? 上等だ。
「これほどの力。ここまで世界の因果を歪めますか」
「しるかボケ!」
立ち上がるボロ案山子。死霊ゴーレムだ。
突っ込む。遠間の攻撃は、魔力障壁に阻まれる。
くそ、全身が痛い。骨が折れたか?
俺は歯を食いしばる。奥歯が軋み音を上げてる。
「なにを!?」
体勢を立て直そうとしていた死霊ゴーレム。
その核となっているオウレンツが言った。
「烈風斬!!」
ゼロ距離の魔法。結界を張る事のできない至近からの魔法。
それをぶっ放した。
足が根元から吹っ飛ばしてやった。
ざまぁぁぁぁぁ!!
千切れた足がクルクル回って、落っちる。
「強いですね。本当に強い――」
「ああ、テメェをぶち殺す程度には強いぜ」
痛みだ。俺の体にある痛みが、精神を正気に繋ぎ止めているのか。
危うい高テンションの精神状態にはなっていない。
この状態を保って―― シャラートを――
「因果の―― 運命を歪め、永遠を刈り取る。滅びをもたらす呪われた力です」
なにを言っている――
滅び?
それはテメェの復活させようとしている【シ】がやろうとしていることだろうが!
てめぇぇぇは、とにかく、シャラートを俺に返せ。
でもって、死ね。
「【シ】の受肉化―― 真の永遠の獲得――」
祈りをささげるような。いや、呪詛か。
ドロドロとした声がその空間に流れ出す。
死霊ゴーレムのどこから声がでているのか?
それとも、声ではなく、俺の思念に直接流れ込んでいるのか?
1本の脚でフラフラとバランスを取りながら、立ち上がる。
ある種の悪夢の光景。こいつはバランスをとっているが、見ている方の精神のバランスは崩れそうな異様な光景。
「さて、少しだけ、手段を選ばないことをしてみましょう」
それは、オウレンツの声だ。どこか、人を馬鹿にしたような、愉悦の混じった声。
案山子のような細い右手がスッともちあがる。
すだれの様な、なにかが絡みついている細い腕だ。
指も細い。そして、異様に長い。針金細工のような指がニョロニョロと生えている。
それが、蠢いている。
まるで、拳を作るように、それが固まっていく。
体積を増す。膨らんでいく。まるで、なにかの繭のようなものが腕の先にできてくる。
俺は息を飲んで見ているだけだった。なぜか、踏み込めない。
その繭のような塊が破れた。破片がハラハラと落ちていく。
「シャラートォォ!!」
俺はその名を叫んでいた。
黒く長い髪が風の中で揺れる。それ自体が生きているように――
細い針金のような死霊ゴーレムの指が絡みつく。
シャラートの肌に喰いこむ。
俺だけが揉んだり、吸ったりできる、俺専用のおっぱいにも喰いこんでいく。
「シャラート、起きろぉぉ!! シャラート」
目を閉じ、斜めに首をかしいでいる。まるで、静かに寝ているように見える。
「彼女は、今は私と溶け合っています。私の肉体と死霊ゴーレムを通し一体となっているのです。どうですか?」
どす黒い鼻歌を歌うような言葉。
俺の心に墨汁のような真っ黒なものが流れていく。
意識が薄れていく。まずい――
ハリガネのような、指が蠢きシャラートの更に身体に絡みついていく。
その細い肢体が、ハリガネで緊縛されいく。
『アイン――』
俺の頭の中に声が響いた。
サラーム?
『私じゃない―― 私じゃない…… これ、アストラル体に直接干渉―― アンタの許嫁……』
シャラートかッ!!
意識が――
「シャラートぉぉ!! 返事をしろ! オマエの最愛の良人で無敵のアインが助けにきた!」
絶叫していた。生きている。絶対にだ。まだ、心は死んでいない。
シャラートはそこにいる。
シャラートがゆっくりと目をあけていく。真紅の血のような色をした眼が徐々に露わとなっていく。
その唇が微かに動いた。
「アイン―― 殺して―― 私を――」
「ほう…… まだ微かに残ってましたか……」
「てめぇ!!」
シャラートがガクンと崩れるように顔を下げた。
黒く長い髪が舞うように揺れた。
「ごあぁぁぁぁ!!」
意味不明な叫び声を俺は上げていた。
貫かれていた。
細い刃――
なんだこれは?
背中から、俺の腹にむけ、細い尖った金属製のなにかが飛び出していた。
『アイン! 回復!』
サラームが水の精霊を使い回復水を生成させる。
しかし、まだ凶器が喰いこんだままだ。
腸(はらわた)が焼けるように熱い。
「無駄ですよ―― 死霊ゴーレムの爪が抜けないかぎり、回復はできません」
その声が遠くから聞こえる。視界がかすむ。
その視界の中、死霊ゴーレムの指先から細い針金がのびているのが分かった。
そいつか……
それが、俺の後ろに回り込んで、それで――
ブズ――
口の中に鉄さびの味が流れ込んでくる。生暖かくヌルヌルした――
血だ。
血の味か。
2本目が刺さった。いたぶる気か?
心臓は外れてる。
「烈風斬ッ――」
ゴボっと血を吐いた。しかし、風の刃が爪を切断する。
俺は、転がるようにして立ち位置を変えた。
手でつかんで、体に刺さった爪を無理やりひっこ抜いた。
また、血を吐いた。
回復の水が傷の周囲にまとわりつく。少し呼吸が楽になる。
「しぶといですが…… そろそろですか」
オウレンツの声。
片足となった死霊ゴーレムがぐらぐらゆれながら、足を引きずり移動してくる。
倒れ込みそうになるベクトルを前に進む運動エネルギーに変換しているかのような動きだ。
『アイン! 落ちてる! 出力落ちてるわ!』
サラームの声。魔力回路の回転力が落ちている。くそ、なにかやりやがったのか?
さっきの攻撃か? 魔力回路がダメージうけたか。
『魔力回路の最初の連動経路が断たれたわ。魔力回路が連携しない!』
『連携しない?』
『七つの魔力回路があっても意味ないわ。ひとつしかないのと同じだわ』
要するに、元にもどったってことじゃねーか。
なんか、よく分からん存在になった真央先生に強制的に流し込まれた魔力回路だ。
ひとつでも動けば上等だ。くそ、それで勝てるか――
俺の頭の中に、一瞬で相反する思いがよぎった。
『ぶっ壊れるまで、回す―― サラーム、いくぞ』
大気中の魔素を思い切り吸いこむ。
俺のオリジナル。残っているたったひとつの魔力回路。そいつを限界まで回す。
一気にレッドゾーンまで叩きこむ。
とにかくだ。
遠距離からの魔法攻撃は、全て障壁で弾かれる。突っ込む。
体当たりか? 魔力をまとって、ぶつかっていく。
策はないか。出来ることは―― もうない気がする。
そういえば、前世で死んだ時も強盗に体当たりしたなぁ……
デブニートの贅肉でも、それなりに威力はあったしな。
「うぉぉぉぉおおおおお!!」
足が地を蹴った。
俺は突っ込んだ。思い切りだ。視界があっという間に後方にながれる。
目の前に死霊ゴーレムが迫る。グラグラしやがって――
「魔力をまとって、突撃ですか――」
声と同時に、正角形が連なるハニカム構造の結界が出現する。
構わん。突っ込む。
全身で衝撃を感じた。体がバラバラになるかと思った。
なにかが砕ける。
そのまま、突っ込む。
ぶち抜いていた。
振り返る。
バラバラだ。奴が――
死霊ゴーレムがバラバラに吹っ飛んだ。
その、細い腕も千切れている。
シャラートが捕えられた、その腕だ。
その動きがスローモーションのように見えた。
「シャラート!!」
俺はその腕の方へ飛んだ。両手をのばす。届いた。
抱える。抱きかかえた。
シャラートだ。ハリガネみたいな細い爪が絡みつき、肌に喰いこんでいる。
それを引きちぎる。
「因果と運命がゆがむ―― その歪みは、人を断罪する刃となる―― 滅びの歩みを進めたのです――」
崩れていく死霊ゴーレム。どこからか、オウレンツに声が響く。
俺は飛んだ。シャラート抱きかかえてだ。
細い腰に手を回す。ヒンヤリした感触。体温が――
カクンと力なく、首が傾いた。
「がぁぁぁ!!」
風をまとって、俺は飛んだ。鈍い光を放つ天井が迫ってくる。
どこだっていい。ぶち抜く。
俺は天井をぶち抜いた。この構造物。ピラミッドの天井か?
視界に青い光が差し込む。空だ。空が見えた。
そのまま、一直線に俺は天に向かって飛んだ。
「シャラートォォォォ!!」
青い空の中、俺は彼女を抱え、その名を叫んでいた――
「案山子ではなく、死霊ゴーレムですけどね」
「似たようなもんだ」
「死霊兵のアストラル体を集めて、物質化してみました。すごいでしょ?」
ウキウキしたクソ錬金術師・オウレンツの声。
「知るか! クソ野郎!」
俺は、この案山子みたいな「死霊ゴーレム」を見つめる。
邪悪な案山子――
細い手足に、灰色のすだれのようなものが絡みついている。
細い胴体に、不釣り合いな大きな頭。
そこに穴が2つ。目の位置だ。
黒みがかった灰色の頭に、底なしの漆黒の虚ろな穴があいている。
そして、人であれば口がある位置には、細い触手のようなものが何本もぶら下がっている。
ハリガネをよじって作ったような触手だ。
千葉がいたら「うむ、ギーガの影響は明らかであるが、石〇賢の筆致にも似た造形――」と言ったかもしれん。
うかつに、飛びこむのは危険か?
俺はすっと下がる。
「おや? どうしましたか―― 最強の精霊マスター・アインザム・ダートリンク」
俺を挑発する気なのか、揶揄のこもった声音で案山子が言った。
いや、コイツの中にいるクソ錬金術師のオウレンツが言ったんだ。
「中にいるのか。クソ錬金術師」
「はい」
この案山子というか、死霊ゴーレムが出来あがっていくのを俺は見ている。
クソ錬金術師のオウレンツが核になっているのか。
そして、シャラートもこいつの中に……
うかつに手を出せねーか……
俺に迷いがある。コイツを倒さないといかん。それは分かる。
だが、攻撃した場合、中に取り込まれたシャラートが……
俺のシャラート。
俺の許嫁。
俺の姉。
俺の俺専用のおっぱい。揉み放題、チュウチュウし放題。
俺の大切な――
長い黒髪。
涼やかな黒い瞳。
俺の大切な――
『アイン、なにやってんの。攻撃だわ』
『シャラートが取り込まれてんだぞ! サラーム』
『アイン、アンタの許嫁は――』
『黙れ、引きこもりヲタ精霊』
クソが。とにかく、どーする。
コイツを倒さないことには、どーにもならんか。
頭か?
他の部分は細いよな。
首を切り落とすか――
「烈風斬!!」
俺はさけんだ。
風の刃。首を吹っ飛ばす。
キンッ!
「それは効きませんよ」
「魔法障壁か!」
俺の放った魔法は、ハニカム構造の障壁にはね飛ばされた。
魔法を弾き飛ばした一瞬だけ、そいつが見える。
「うぉぉぉぉぉ!!」
魔力回路だ。出力が足らないのか?
もっとだ。もっと回してやる。
重低音の唸りが、体の奥底から響く。灼熱化した巨大な車輪が高速回転をしたような感覚。
連結する。俺の七つの魔力回路が連結していく。
1の魔力が2となり4となり8となり16となり――
二乗倍で魔力が膨れ上がっていくのが分かる。
奔流のような魔力の流れ。それが全身を駆け抜ける。
『すごいわ! 過去最高かも! 魔力量! すごい』
『当たり前だぁぁぁ! 俺はこの世界最強の精霊マスタ―・アインザム・ダートリンクなのだぁぁぁ!! 天才で最強で全宇宙の支配者ぁぁぁ!!』
ああああ、ヤバい。俺のテンションがぁぁぁぁ;;あqqqwせdrftgyふじこlp;;;;;おlp;@:」「
自我が。意識が弾け飛びそうだぁぁ。
くそ、俺は俺だ。くそ。
「がぁぁぁっぁあぁああああ!! シャラート!!」
なんとか、弾き飛びそうな意識を押さえつける。
危うい。荒れ狂うハリケーンのような魔力が俺の身体の中に生じていく。
急上昇するテンションに身を任せるのは危険すぎる。自我が吹っ飛ぶ。
なんとか、俺は俺であることを維持する。
「ほう―― 歪んだ因果の力を使いますか? 攻撃しますか? この身を。く、く、く、く――」
まるで泥水をこねたような声。それが、俺の耳に届く。
攻撃?
ああ、してやる。
殺してやる。
オマエを倒して、ぶち殺して、そこからシャラートを助け出す。
絶対にだ。
「笑ってますよ」
笑ってる? だれが? 知るか!
爆発した。からだ中で荒れ狂う暴風が爆風になった。
灼熱の温度をもった爆風だ。
七つの魔力回路の唸りが全身を震わせる。俺の魂が千切れそうになる。
「ぶち殺してやるぅぅ!!」
『アイン!!』
もうとまらねぇ。俺は最強で無敵だから。
なんだ? こいつか。この目の前のアホウをぶち殺せばいいのか。
世界を焼き尽くそうが、なんだろうが、関係ねー。
殺してやる。
殺してやる。
殺してやる。
「おう、凄まじいものです。そのアナタの血肉があれば、この――」
「うるせぇぇ! 死にさらせ」
地を蹴る。砕けた。床の構造材が、バラバラに吹っ飛んだ。
それが感触で分かった。
空気が粘りつく。顔にだ。空気の壁を突き破る。甲高い衝撃音。
俺は右拳をふりぬいた。
細い―― いや、全体のバランスからして細いだけだ。ドラム缶より太い。
そいつをぶん殴った。魔力のこもった拳だ。
吹っ飛ぶ案山子。死霊ゴーレム。
壁に叩きつけられ、鈍い光をはなつ構造材が、砕け瓦礫となる。
壁に半分めり込み、動きが止まった。
頭から下がっている、ハリガネをよじったような触手が揺れている。
そいつを引きちぎってやろうか――
「直接打撃。接近戦ですか―― これは障壁を張れませんね」
オウレンツの声で、俺は我にかえった。
右手は青白い光をまとっている。今までになかったことだ。
魔力光だ。凄まじい魔力をまとった一撃だ。
一撃じゃ倒せないのか――
空間をつぶす。間合いを詰めた。
奴が言った。あの障壁は本体から少し離れた空間に展開するんだろう。
接近戦だ。遠距離攻撃はキツイってことだ。
とにかく、ぶん殴り続ける。魔力のこもったこの拳で。
「俺のシャラートをぉぉぉ!!」
右の拳を突き出した瞬間。なにかが吹っ飛んできた。黒いなにか。
衝撃――
一瞬、意識が暗転する。視界が真っ黒。
視界がもどる。
「あれ?」
めりこんどる……
こんどは、俺が壁にめり込んでるじゃねーか。
正面を見た。
なんか、丸い黒いもんが、近づいてきているんだけど。
なにこれ?
『アイン! よけて!』
サラームの声で体が反射的反応をする。
しかし、抜けねぇ! 体がめり込んだままぁぁぁ。
どがぁぁぁぁぁぁぁぁ――
轟音。
そして、全身の骨が軋むような衝撃。
踏みつぶされた。
さっきの黒くて丸いのは死霊ゴーレムの足の裏じゃねーか。
俺は、壁と死霊ゴーレムの足の裏でサンドイッチ状態。
グリグリと足の裏がプレスしてくる。
「潰れても、肉は肉―― 血は血です――」
食の見た目にこだわりがない。
俺を喰らう宣言をしたクソ錬金術師。
そいつの死霊ゴーレムの足が俺の全身をつぶしにかかる。
やばい。死ぬ。痛い。やばい。あばばばばばば――
体の中から、ひっきりなしに「ベキベキ」という音が聞こえてくるんだけど。
なにこれ、骨が砕けてんじゃね?
痛みよりも、全身が凄まじく熱いんだけどぉぉぉ!
「あがががががぁぁぁぁぁ!!」
俺、必死。もう、死にもの狂いの叫びをあげた。
両手の骨が軋み、筋肉繊維がビチビチと切れる。
俺の魔力回路ぉぉぉ! 回れぇぇぇ!
重低音の響きと、爆風が俺の体内を駆け巡る。意識が遠のく。
かまわねぇ! 死ぬよりマシだぁぁぁ!
暗転――
「おおッ! 嘘ですよね……」
俺はゴーレムの足をはねのけていた。
そのまま、足をつかんでやった。
「てめぇ…… この最強で無敵で無双の精霊マスターを足の裏でグリグリとか。殺すぞぉぉ!」
あれ? なんか、自分の声が遠くに聞こえる。
しかし、丸太みたいな足だな。象の足みたいだな。
象ってなんだ? まあ、なんでもいいか。
ぶち殺せばいい。破壊してやる。
俺はぶん回した。死霊ゴーレムの足を掴んで振り回す。
遠心力すげぇぇぇ。あははははっははは!!
「ふっとべ! クソが!」
手を放す。投げた。すっ飛んでいく。
一直線だ。凄まじい破壊音をたて、壁に激突。
それくらいじゃ、壊れないか? 死なないか? 上等だ。
「これほどの力。ここまで世界の因果を歪めますか」
「しるかボケ!」
立ち上がるボロ案山子。死霊ゴーレムだ。
突っ込む。遠間の攻撃は、魔力障壁に阻まれる。
くそ、全身が痛い。骨が折れたか?
俺は歯を食いしばる。奥歯が軋み音を上げてる。
「なにを!?」
体勢を立て直そうとしていた死霊ゴーレム。
その核となっているオウレンツが言った。
「烈風斬!!」
ゼロ距離の魔法。結界を張る事のできない至近からの魔法。
それをぶっ放した。
足が根元から吹っ飛ばしてやった。
ざまぁぁぁぁぁ!!
千切れた足がクルクル回って、落っちる。
「強いですね。本当に強い――」
「ああ、テメェをぶち殺す程度には強いぜ」
痛みだ。俺の体にある痛みが、精神を正気に繋ぎ止めているのか。
危うい高テンションの精神状態にはなっていない。
この状態を保って―― シャラートを――
「因果の―― 運命を歪め、永遠を刈り取る。滅びをもたらす呪われた力です」
なにを言っている――
滅び?
それはテメェの復活させようとしている【シ】がやろうとしていることだろうが!
てめぇぇぇは、とにかく、シャラートを俺に返せ。
でもって、死ね。
「【シ】の受肉化―― 真の永遠の獲得――」
祈りをささげるような。いや、呪詛か。
ドロドロとした声がその空間に流れ出す。
死霊ゴーレムのどこから声がでているのか?
それとも、声ではなく、俺の思念に直接流れ込んでいるのか?
1本の脚でフラフラとバランスを取りながら、立ち上がる。
ある種の悪夢の光景。こいつはバランスをとっているが、見ている方の精神のバランスは崩れそうな異様な光景。
「さて、少しだけ、手段を選ばないことをしてみましょう」
それは、オウレンツの声だ。どこか、人を馬鹿にしたような、愉悦の混じった声。
案山子のような細い右手がスッともちあがる。
すだれの様な、なにかが絡みついている細い腕だ。
指も細い。そして、異様に長い。針金細工のような指がニョロニョロと生えている。
それが、蠢いている。
まるで、拳を作るように、それが固まっていく。
体積を増す。膨らんでいく。まるで、なにかの繭のようなものが腕の先にできてくる。
俺は息を飲んで見ているだけだった。なぜか、踏み込めない。
その繭のような塊が破れた。破片がハラハラと落ちていく。
「シャラートォォ!!」
俺はその名を叫んでいた。
黒く長い髪が風の中で揺れる。それ自体が生きているように――
細い針金のような死霊ゴーレムの指が絡みつく。
シャラートの肌に喰いこむ。
俺だけが揉んだり、吸ったりできる、俺専用のおっぱいにも喰いこんでいく。
「シャラート、起きろぉぉ!! シャラート」
目を閉じ、斜めに首をかしいでいる。まるで、静かに寝ているように見える。
「彼女は、今は私と溶け合っています。私の肉体と死霊ゴーレムを通し一体となっているのです。どうですか?」
どす黒い鼻歌を歌うような言葉。
俺の心に墨汁のような真っ黒なものが流れていく。
意識が薄れていく。まずい――
ハリガネのような、指が蠢きシャラートの更に身体に絡みついていく。
その細い肢体が、ハリガネで緊縛されいく。
『アイン――』
俺の頭の中に声が響いた。
サラーム?
『私じゃない―― 私じゃない…… これ、アストラル体に直接干渉―― アンタの許嫁……』
シャラートかッ!!
意識が――
「シャラートぉぉ!! 返事をしろ! オマエの最愛の良人で無敵のアインが助けにきた!」
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シャラートはそこにいる。
シャラートがゆっくりと目をあけていく。真紅の血のような色をした眼が徐々に露わとなっていく。
その唇が微かに動いた。
「アイン―― 殺して―― 私を――」
「ほう…… まだ微かに残ってましたか……」
「てめぇ!!」
シャラートがガクンと崩れるように顔を下げた。
黒く長い髪が舞うように揺れた。
「ごあぁぁぁぁ!!」
意味不明な叫び声を俺は上げていた。
貫かれていた。
細い刃――
なんだこれは?
背中から、俺の腹にむけ、細い尖った金属製のなにかが飛び出していた。
『アイン! 回復!』
サラームが水の精霊を使い回復水を生成させる。
しかし、まだ凶器が喰いこんだままだ。
腸(はらわた)が焼けるように熱い。
「無駄ですよ―― 死霊ゴーレムの爪が抜けないかぎり、回復はできません」
その声が遠くから聞こえる。視界がかすむ。
その視界の中、死霊ゴーレムの指先から細い針金がのびているのが分かった。
そいつか……
それが、俺の後ろに回り込んで、それで――
ブズ――
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血だ。
血の味か。
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心臓は外れてる。
「烈風斬ッ――」
ゴボっと血を吐いた。しかし、風の刃が爪を切断する。
俺は、転がるようにして立ち位置を変えた。
手でつかんで、体に刺さった爪を無理やりひっこ抜いた。
また、血を吐いた。
回復の水が傷の周囲にまとわりつく。少し呼吸が楽になる。
「しぶといですが…… そろそろですか」
オウレンツの声。
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『アイン! 落ちてる! 出力落ちてるわ!』
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さっきの攻撃か? 魔力回路がダメージうけたか。
『魔力回路の最初の連動経路が断たれたわ。魔力回路が連携しない!』
『連携しない?』
『七つの魔力回路があっても意味ないわ。ひとつしかないのと同じだわ』
要するに、元にもどったってことじゃねーか。
なんか、よく分からん存在になった真央先生に強制的に流し込まれた魔力回路だ。
ひとつでも動けば上等だ。くそ、それで勝てるか――
俺の頭の中に、一瞬で相反する思いがよぎった。
『ぶっ壊れるまで、回す―― サラーム、いくぞ』
大気中の魔素を思い切り吸いこむ。
俺のオリジナル。残っているたったひとつの魔力回路。そいつを限界まで回す。
一気にレッドゾーンまで叩きこむ。
とにかくだ。
遠距離からの魔法攻撃は、全て障壁で弾かれる。突っ込む。
体当たりか? 魔力をまとって、ぶつかっていく。
策はないか。出来ることは―― もうない気がする。
そういえば、前世で死んだ時も強盗に体当たりしたなぁ……
デブニートの贅肉でも、それなりに威力はあったしな。
「うぉぉぉぉおおおおお!!」
足が地を蹴った。
俺は突っ込んだ。思い切りだ。視界があっという間に後方にながれる。
目の前に死霊ゴーレムが迫る。グラグラしやがって――
「魔力をまとって、突撃ですか――」
声と同時に、正角形が連なるハニカム構造の結界が出現する。
構わん。突っ込む。
全身で衝撃を感じた。体がバラバラになるかと思った。
なにかが砕ける。
そのまま、突っ込む。
ぶち抜いていた。
振り返る。
バラバラだ。奴が――
死霊ゴーレムがバラバラに吹っ飛んだ。
その、細い腕も千切れている。
シャラートが捕えられた、その腕だ。
その動きがスローモーションのように見えた。
「シャラート!!」
俺はその腕の方へ飛んだ。両手をのばす。届いた。
抱える。抱きかかえた。
シャラートだ。ハリガネみたいな細い爪が絡みつき、肌に喰いこんでいる。
それを引きちぎる。
「因果と運命がゆがむ―― その歪みは、人を断罪する刃となる―― 滅びの歩みを進めたのです――」
崩れていく死霊ゴーレム。どこからか、オウレンツに声が響く。
俺は飛んだ。シャラート抱きかかえてだ。
細い腰に手を回す。ヒンヤリした感触。体温が――
カクンと力なく、首が傾いた。
「がぁぁぁ!!」
風をまとって、俺は飛んだ。鈍い光を放つ天井が迫ってくる。
どこだっていい。ぶち抜く。
俺は天井をぶち抜いた。この構造物。ピラミッドの天井か?
視界に青い光が差し込む。空だ。空が見えた。
そのまま、一直線に俺は天に向かって飛んだ。
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