81 / 122
第五章:第二次ノンケ狩り戦争
第八一話:俺の大事な物
しおりを挟む
五身合体ガチホモⅤ(ふぁいぶ)とか、もう嫌な予感しかしない。
俺は心に踏ん張りをかける。
魔力回路から、流れ出す魔力で筋力の強化はできる。
気持ちもハイテンションになってくることは確かだ。
俺の魔力回路、7個をフル回転させれば、狂躁状態といってもいい気持ちになる。
すげぇ、気持ちいいのだ。
しかしだ――
その気持ちになってやったことはたいていろくでもない。
しかも、そんな大量の魔力はこの場では使えない。
狭い塔の中の部屋で、無茶苦茶な力を発揮すれば、ここ全体が吹き飛ぶ。
この下には、俺だけじゃない。
深手を負った、ライサ、エロリィが治療中だ。
千葉もいる。俺の母親であるルサーナもいるんだ。
あと、誰かいたような気がするが、まあ忘れるということはどうでも……
ああ、奴隷だ。エロリィが奴隷にしたガチホモがいたな。
うん、これで全員だ。
俺の親父であるシュバインは、城の中に入る前にルサーナの一撃で地面に埋まっている。
今も埋まっているのだろう。
「雷鳴の勇者」も日本の生活で錆まくりだ。
「さあ、四天王よ! 我が元に来て、合体するのだ!」
響くガチホモ王のバリトンボイス。
「おおおお…… 王。ガチホモ王……」
血まみれで顔が変形しているアナギワ・テイソウタイが立ち上がった。
「カチン」という金属音。そしてコイツが装着していた金属製の貞操帯が外れ、床に落ちた。
見苦しいガチホモの裸体を晒し、ガチホモ王の方にケツを向ける、ガチホモ四天王筆頭の男。
「行くぞぉぉ!! 合体だぁぁ! まず右腕ぇぇ!!」
浅黒い色をして筋肉でパンパンに膨れ上がった腕。
ガチホモ王の腕だ。
そいつを天に向かって突き上げた。
「解放だ! ヤオイゲートを解放するのだ!」
「ああ、今まで戦っていたので…… 汗臭いかもしれないのです。ガチホモ王……」
「それで構わぬ…… もっと汗臭くなるのだからな――」
「しかし――」
「フッ、汗臭いからこそ、いいのだ」
ヤバいセリフの応酬。
それだけで、俺の精神がビシビシとダメージを受ける。
『キタわ。これ。アイン、注目よ』
腐れ精霊のサラームがガチホモのセリフに反応する。
オマエ、ホントに叩きだすよ。
俺の精神はギリギリのところで、戦ってんだから。
オマエの一言でポッキリいったらどーすんの?
そして、ホモ・リンゴも立ち上がった。
コイツもプリプリしたケツをガチホモ王に向けた。
そして、ふんどしを横にずらした。横ずらしだ。
ケツに刺さったままの魔剣:アナル・ビーズがプルプル震えている。
「あ、あ、あ、あ~ 今、王に来られたら…… 頭が変になって……」
「ふッ、ホモ・リンゴよ、オマエは左腕よ…… これを奥までぶち込むのだ」
これまた太すぎる左腕が突き上げられる。
今、ガチホモ王は両手を上げた状態になっている。
無防備といっていい。
しかし、俺は動くことができない。体が見えないオーラで縛られているようだった。
「ああああああああああ~ ガチホモ王。ダメです想像しただけでぇ……」
プルプルと尻を震わせ、ガクガクと膝も震えている。
「ホモ・リンゴよ、お前のヤオイゲートも解放するのだ。120パーセント解放だ!」
バリトンボイスがビリビリと反響する。
「のがががぁぁぁ! 解放! ヤオイゲート解放ぉぉぉ!! あぁぁぁあああ!! アナルビーズが中でぇぇぇ、中でぇぇ~」
見苦しく身をよじるホモ・リンゴ。
もはや、この空間にいるだけで、地獄の罰ゲームのようになってきた。
『これは、なに? ガチホモの5Pなの? 期待できるわ』
ワクワクとした声が脳内に響く。その声で俺の精神がまたダメージを受ける。
俺のHPゲージが真っ赤になってきているんだけど。
俺は、歯を食いしばる。
魔力回路の回転数を上げる。
今は1つだけだ。
全部の魔力回路の連結は、この戦いの場も持たないし、俺の身体が持たない。
俺はすっと指がひん曲がりバラバラになっている右手を見た。
左手で、その指を強引にたたみ込んで、拳を作り上げる。
魔力が流れ込んでいるせいか、痛みだけは無い。
『アイン! 花〇薫みたいだわ! やればできるわね』
大好きなネタに反応するサラーム。こっち方面だけにしてくれ。とにかく、今だけは。
「両足だ! 木冬木風よ! そして、アナル・ドゥーンよ! 立つのだ! 我が足を受け入れるのだ!」
とんでもねぇこと言いだしたよ。このガチホモ。
俺の魔力回路の回転数が落ちてきた。
やばい。心が折れそうになってきている。
『足? 足をどーするのよ?』
さすがのサラームも分からんようだ。
俺は想像がついたけどね。
もう、コイツラのパターンが想像つくよ。
体育座りしていた木冬木風が立ち上がり、またしてもケツをガチホモ王に向けた。
そして、ゆるゆるとふんどしを脱いだ。
はらりと、ふんどしが舞うように動き床に落ちていく。
「ああ、私の尻を―― このヤオイゲートを見ていいのは、ガチホモ王だけなのです」
「うむ。相変わらず、美しいヤオイゲートよ……」
「あああ、奥の更にその奥―― 体の奥底まで、ガチホモ王を刻み込まれたいのです」
会話を聞いているだけで鼓膜が汚染され、聴覚神経が腐ってきそうなやりとりだ。
見たくないし、聞きたくもない。
そもそも、この空間に一緒にいて空気を吸うことが苦痛になってきたヤバい。
ダメだ。
シャラートだ。
俺はシャラート助けるんだ。
俺は、脚に力をいれる。崩れ落ちそうになる体に力を込める。
そして、シャラートの拷問でもはや死ぬ一歩手前。命の寸止め状態だったアナル・ドゥーンがゆっくりと立ち上がる。
フラフラとよろける。
それを木冬木風が支えた。
プラプラとケツに刺さったホースが揺れている。
アナル・ガンという狂った武器だ。まだ装着しているのかよ。
「あああ、す、すまない…… ぐ……」
「さあ、一緒に生まれたままの姿をガチホモ王に見せるのです。これで少しは楽になるでしょう」
そう言うと、木冬木風は、血まみれのアナル・ドゥーンの乳首をクリクリしだした。
「ああああ…… それは、それは…… あああああぁぁ」
汚らしい喘ぎ声を上げながら、ふんどしを脱ぐアナル・ドゥーン。
「ふふ、相変わらず、乳首が感じやすい奴よ――」
ガチホモ王がバリトンボイスできついことを言う。
「キィィィィィーー!!」
甲高い叫び声。
「男色孕ませ牧場」という名の触手と、それに捕えられた男たち。
その上を這いまわる、ガチホモ王の子どもたち。
それが、そろって人外の叫びを上げていた。
股間の小さな槍を振り回し、触手に捕えられた男たちをその槍で突いていた。
虚ろな目の男たちは、血を流しながらもなんの反応もしない。
キツイ。
マジで、キツイ。
地獄。
ここは地獄だった。
「行くぞ! ヤオイゲート解放だ!! 合体するのだ!!」
「「「「はい! ガチホモ王! ヤオイゲート全解放します!」」」」
耳が汚染されそうな音が響き、ヤオイゲートがオープンする。
「右腕だ! アナギワ!」
「あああ、汗臭いのに…… ああ、この身体の奥に――」
唸りを上げて右腕がアナギワテイソウタイのケツにぶち込まれた。
「左腕だ! ホモ・リンゴよ!」
左腕が空間を突き破り、ホモリンゴのケツを穿つ。
「あああああ、熱い―― ガチホモ王の熱を体の奥で――」
ブッとい左腕が湿った音をたて、突き刺さっていく。
グンと両手を持ち上げるガチホモ王。
その両腕には、四天王2人が貫かれ、アヘ顔で涎を垂らしている。
ガチホモというグローブを装着したような状態だ。
股間の長槍が黒光りし、ブルブルと振動している。
「いくぞ! 両足! 一度にだ!」
そのまま、ガチホモ王が跳んだ。
ケツを構えている木冬木風とアナル・ドゥーンの二人に両足をぶち込んだ!!
「「ああああああああ~ 奥に、奥がぁぁぁ」」
「ふ、温かいぞ、二人とも」
無駄に優しげなバリトンボイス。
そしてその異形が立ち上がる。
異形だ。
見ているだけで頭が変になりそうな異形。
心をダイレクトにへし折ってくるような、そんな狂った存在が出現していた。
俺の中に棲んでいる、腐った精霊ですら、言葉を失う存在。
それくらいヤバい奴が出てきた。
『アイン! 魔力回路! 回転が落ちてるわ』
「ああああああ…… 分かって、分かってるけど……」
俺の筋肉組織に流れ込む魔力の量が減ってきている。
魔力回路が、回転しない。
そもそも、第一の魔力回路が回転しなければ、7つ魔力回路があっても意味が無い。
最初の魔力回路の回転、これが急速に勢いを失っていた。
徐々に、砕けた俺の右拳から、うずくような痛みが染み出てきた。
「どうしたのだ? 精霊マスターよ。顔色が悪いぞ――」
巨体が口を開いた。
両手、両足に自分の部下である、ガチホモ四天王を刺し込んだガチホモ王だ。
5人のガチホモが合体し、一つのクリチャーになっていた。
腕はもう肩までずっぽり入っている。
脚はもう太ももまでぶっぽりだった。
「ぬん!!」
気迫のこもったガチホモ王の声。
右腕を突きだす。
ガチホモ四天王の筆頭、アナギワ・テイソウタイの顔が俺の前に付き出された。
そして、そいつが口を開ける。
ヌルヌルとしたよだれを垂れ流しながらだ。
その虚ろな目は、完全に意識を失っているように見えた。
グボッ――
湿った音をたて、アナギワ・テイソウタイの開けっ放しの口から浅黒い何かが出現した。
拳だ。
ガチホモ王の拳だった。
「ふふ、ヤオイゲートを通過し、まさに全身を貫通―― もはや、我らは一体。何人たりとも離すことはできぬ」
言い放つガチホモ王。
そして、同じように左手からも拳が出現する。
「さあ、雌雄を決しようではないか。アイン、精霊マスターよ。ここで、雌雄を決し、オマエは俺の子を孕み、生むのだ――」
折れそうになる俺の心。
歯を食いしばった。
口の中に鉄の様な味が広がってくる。
血だ――
血の味だ。
くそ。俺はシャラートを助ける。
シャラート、俺の大事なメガネのお姉様。クールビューティ。
シャラート、俺の専用の大きくやわらかいおっぱい。
シャラート、痴女でサイコで暗殺者。
シャラート、黒く長く揺れる髪――
「ぬごぉぉぉ!!! くそがぁぁあ!! 殺してやる! このバケモノが!」
叫ぶ。回れ俺の魔力回路。くそ! 回れ!
体の奥から重低音の響きが聞こえる。
俺の魔力回路。その最初の魔力回路が回転を増してきた。
俺の筋肉組織に魔力が流れ込んでくるのが実感できる。
体が軽くなる。
全身にパワーがみなぎってくる。
しかし、骨格までは強化できない。
よって、全力でパンチを撃てばこうなる。
俺はバラバラにひん曲がった右拳を見る。
構わない。
全部の骨が砕けても、コイツを、目の前の悪夢をぶち殺す。
「おう、いいぞぉぉ、抵抗する者を無理やりというのが大好きなのだ。その強気な目。その黒と銀の髪を俺の遺伝子でヌルヌルにしてやろう――」
俺は地を蹴った。
ヌルリとした空気の抵抗を感じる。
全身を一個の弾丸として、奴をぶち抜く。
脚にガチホモを装着したガチホモ王は、俺の倍以上の身長になっている。
俺は跳ぶ。
蹴りだ。全力の蹴り。
技もくそもない。ただ魔力を込めたこの足を顔面に叩きこむ。
俺の足が伸びていく。
どこまでも突き抜けていくようなそんな感覚だ。
顔だ。この尖った頭の顔面に、俺の魔力のこもった蹴りをぶち込む。
ガチホモ王は顔に嫌な笑みを貼りつけたまま俺を見ている。
口の端を釣り上げ、涎を垂らしていやがる。
俺の足に凄まじい衝撃が発生した。
頭の天辺からその衝撃が突き抜けた。
一瞬、視界が真っ白になった。
グシャッという感触が俺の足から伝わってきた。
「やった!! ……あれ? え……」
俺の足は確実にガチホモ王の顔面を捉えていた。
鼻の上を直撃だった。
ツーーっ、と赤い血が流れてくる。
「鼻血が出たな。興奮しているのかもしれぬ」
ガチホモ王は言った。なんのダメージも感じさせないバリトンの声だ。
俺は、視線の焦点を奴の顔面から、俺の脚に移した。
折れ曲がっていた。
俺の膝が変な方向に曲がっていた。
「魔力はあるが、体がついてこないか――」
ガチホモ王はそう言って、俺の脚を握った。
「がはっ!!」
肺の中の空気を根こそぎ吐きだしたような気がした。
そして、吐き気。
凄まじい痛みが俺を貫く。
「いい顔だぞぉぉ! これから、毎晩、そう言う顔になるのだ!」
ガチホモ王はまるで、雑巾のように俺を掴みあげた。
ブン―
風を感じた。
俺の銀と黒の髪が流れていくの感じる。
『アイン!!』
サラームが叫ぶ。
背中に衝撃を感じた。
頭も打った。
壁だ。
壁に叩きつけられたんだ。
その事実を俺の脳が認識する。
「ほう―― 空気の壁で減速して、ダメージを軽減したか。やるな。さすが精霊マスター。詠唱なしで戦いの中でそこまで魔法を使えるか」
壁に背をあずけ、崩れ落ちている俺の視野が黒くなっていく。
『閃風斬!』
サラームだった。
俺の魔力を使って、サラームが攻撃を仕掛けていた。
空気のクッションというのも、この精霊のやったことだろう。
意外に、親切だな。サラーム……
キーンと乾いた音が聞こえる。
俺の魔法が弾かれたのだと想像がついた。
「ほう、そのような状態からでも、魔法を放つのか―― ますます、俺の花嫁に相応しい」
どす黒いバリトンボイスが耳に流れ込む。
俺は壁に背をあずけながら立つ。
片足だった。
右足がひん曲がって、立つのに役に立たない。
「まあ、魔法は危険だからな。まずは意識を刈っておくか――」
黒く染まっていく視界の中、巨大な存在が、拳のようなものを振り上げたのが分かった。
ゴメン――
シャラート。
ダメだ。
なんで、ダメなんだ俺は――
くそ。
結局、この世界でもこんなのか……
コンビニで強盗に撃たれて死んで。
この世界では、ガチホモになぶり殺しになる。
くそ!
ダメだ。
俺は立たなきゃダメだ。
大事な物。
この世界には絶対に守らなきゃいけない俺の大事なものが――
しかし、俺の身体はもう動かない。
体が崩れ落ちていく。
魔力回路の回転も徐々に勢いを失っている。
『アイン! 魔力が薄いわ! なにやってんのよ!』
クソ精霊の声が聞こえる。
ダメなんだよ。動かないんだ――
精霊の泣くような叫びが脳内に反響する。
次の瞬間だった。
熱い風の塊が顔にぶつかってくるのが分かった。
次は―― 実体のある拳――
俺は目をつぶり、その時間を待つしかなかった。
高い音が響いた――
なにか、ぶつかる音だ。
でも、俺はなにもしていない。
なんだ? 生きてるのか? 俺――
「キサマぁぁ!!! ぐぉぉぉ!!」
ガチホモ王の声が響いた。
なにが起きた?
いったいなんだ?
「おい、アイン、どうした? 相当やられたじゃないか?」
聞き覚えのありすぎる声がした。
まさか――
おい。本当か……
「父さん……」
ゆっくりと目を開けた俺の前にいた。
俺の親父。
切れるような笑みを浮かべている。十数年は見たこともない表情。
「雷鳴の勇者」シュバイン・ダートリンク。
世界を救った勇者。
俺の父親。
その存在が、ガチホモの拳を片手で止めていた。
俺は心に踏ん張りをかける。
魔力回路から、流れ出す魔力で筋力の強化はできる。
気持ちもハイテンションになってくることは確かだ。
俺の魔力回路、7個をフル回転させれば、狂躁状態といってもいい気持ちになる。
すげぇ、気持ちいいのだ。
しかしだ――
その気持ちになってやったことはたいていろくでもない。
しかも、そんな大量の魔力はこの場では使えない。
狭い塔の中の部屋で、無茶苦茶な力を発揮すれば、ここ全体が吹き飛ぶ。
この下には、俺だけじゃない。
深手を負った、ライサ、エロリィが治療中だ。
千葉もいる。俺の母親であるルサーナもいるんだ。
あと、誰かいたような気がするが、まあ忘れるということはどうでも……
ああ、奴隷だ。エロリィが奴隷にしたガチホモがいたな。
うん、これで全員だ。
俺の親父であるシュバインは、城の中に入る前にルサーナの一撃で地面に埋まっている。
今も埋まっているのだろう。
「雷鳴の勇者」も日本の生活で錆まくりだ。
「さあ、四天王よ! 我が元に来て、合体するのだ!」
響くガチホモ王のバリトンボイス。
「おおおお…… 王。ガチホモ王……」
血まみれで顔が変形しているアナギワ・テイソウタイが立ち上がった。
「カチン」という金属音。そしてコイツが装着していた金属製の貞操帯が外れ、床に落ちた。
見苦しいガチホモの裸体を晒し、ガチホモ王の方にケツを向ける、ガチホモ四天王筆頭の男。
「行くぞぉぉ!! 合体だぁぁ! まず右腕ぇぇ!!」
浅黒い色をして筋肉でパンパンに膨れ上がった腕。
ガチホモ王の腕だ。
そいつを天に向かって突き上げた。
「解放だ! ヤオイゲートを解放するのだ!」
「ああ、今まで戦っていたので…… 汗臭いかもしれないのです。ガチホモ王……」
「それで構わぬ…… もっと汗臭くなるのだからな――」
「しかし――」
「フッ、汗臭いからこそ、いいのだ」
ヤバいセリフの応酬。
それだけで、俺の精神がビシビシとダメージを受ける。
『キタわ。これ。アイン、注目よ』
腐れ精霊のサラームがガチホモのセリフに反応する。
オマエ、ホントに叩きだすよ。
俺の精神はギリギリのところで、戦ってんだから。
オマエの一言でポッキリいったらどーすんの?
そして、ホモ・リンゴも立ち上がった。
コイツもプリプリしたケツをガチホモ王に向けた。
そして、ふんどしを横にずらした。横ずらしだ。
ケツに刺さったままの魔剣:アナル・ビーズがプルプル震えている。
「あ、あ、あ、あ~ 今、王に来られたら…… 頭が変になって……」
「ふッ、ホモ・リンゴよ、オマエは左腕よ…… これを奥までぶち込むのだ」
これまた太すぎる左腕が突き上げられる。
今、ガチホモ王は両手を上げた状態になっている。
無防備といっていい。
しかし、俺は動くことができない。体が見えないオーラで縛られているようだった。
「ああああああああああ~ ガチホモ王。ダメです想像しただけでぇ……」
プルプルと尻を震わせ、ガクガクと膝も震えている。
「ホモ・リンゴよ、お前のヤオイゲートも解放するのだ。120パーセント解放だ!」
バリトンボイスがビリビリと反響する。
「のがががぁぁぁ! 解放! ヤオイゲート解放ぉぉぉ!! あぁぁぁあああ!! アナルビーズが中でぇぇぇ、中でぇぇ~」
見苦しく身をよじるホモ・リンゴ。
もはや、この空間にいるだけで、地獄の罰ゲームのようになってきた。
『これは、なに? ガチホモの5Pなの? 期待できるわ』
ワクワクとした声が脳内に響く。その声で俺の精神がまたダメージを受ける。
俺のHPゲージが真っ赤になってきているんだけど。
俺は、歯を食いしばる。
魔力回路の回転数を上げる。
今は1つだけだ。
全部の魔力回路の連結は、この戦いの場も持たないし、俺の身体が持たない。
俺はすっと指がひん曲がりバラバラになっている右手を見た。
左手で、その指を強引にたたみ込んで、拳を作り上げる。
魔力が流れ込んでいるせいか、痛みだけは無い。
『アイン! 花〇薫みたいだわ! やればできるわね』
大好きなネタに反応するサラーム。こっち方面だけにしてくれ。とにかく、今だけは。
「両足だ! 木冬木風よ! そして、アナル・ドゥーンよ! 立つのだ! 我が足を受け入れるのだ!」
とんでもねぇこと言いだしたよ。このガチホモ。
俺の魔力回路の回転数が落ちてきた。
やばい。心が折れそうになってきている。
『足? 足をどーするのよ?』
さすがのサラームも分からんようだ。
俺は想像がついたけどね。
もう、コイツラのパターンが想像つくよ。
体育座りしていた木冬木風が立ち上がり、またしてもケツをガチホモ王に向けた。
そして、ゆるゆるとふんどしを脱いだ。
はらりと、ふんどしが舞うように動き床に落ちていく。
「ああ、私の尻を―― このヤオイゲートを見ていいのは、ガチホモ王だけなのです」
「うむ。相変わらず、美しいヤオイゲートよ……」
「あああ、奥の更にその奥―― 体の奥底まで、ガチホモ王を刻み込まれたいのです」
会話を聞いているだけで鼓膜が汚染され、聴覚神経が腐ってきそうなやりとりだ。
見たくないし、聞きたくもない。
そもそも、この空間に一緒にいて空気を吸うことが苦痛になってきたヤバい。
ダメだ。
シャラートだ。
俺はシャラート助けるんだ。
俺は、脚に力をいれる。崩れ落ちそうになる体に力を込める。
そして、シャラートの拷問でもはや死ぬ一歩手前。命の寸止め状態だったアナル・ドゥーンがゆっくりと立ち上がる。
フラフラとよろける。
それを木冬木風が支えた。
プラプラとケツに刺さったホースが揺れている。
アナル・ガンという狂った武器だ。まだ装着しているのかよ。
「あああ、す、すまない…… ぐ……」
「さあ、一緒に生まれたままの姿をガチホモ王に見せるのです。これで少しは楽になるでしょう」
そう言うと、木冬木風は、血まみれのアナル・ドゥーンの乳首をクリクリしだした。
「ああああ…… それは、それは…… あああああぁぁ」
汚らしい喘ぎ声を上げながら、ふんどしを脱ぐアナル・ドゥーン。
「ふふ、相変わらず、乳首が感じやすい奴よ――」
ガチホモ王がバリトンボイスできついことを言う。
「キィィィィィーー!!」
甲高い叫び声。
「男色孕ませ牧場」という名の触手と、それに捕えられた男たち。
その上を這いまわる、ガチホモ王の子どもたち。
それが、そろって人外の叫びを上げていた。
股間の小さな槍を振り回し、触手に捕えられた男たちをその槍で突いていた。
虚ろな目の男たちは、血を流しながらもなんの反応もしない。
キツイ。
マジで、キツイ。
地獄。
ここは地獄だった。
「行くぞ! ヤオイゲート解放だ!! 合体するのだ!!」
「「「「はい! ガチホモ王! ヤオイゲート全解放します!」」」」
耳が汚染されそうな音が響き、ヤオイゲートがオープンする。
「右腕だ! アナギワ!」
「あああ、汗臭いのに…… ああ、この身体の奥に――」
唸りを上げて右腕がアナギワテイソウタイのケツにぶち込まれた。
「左腕だ! ホモ・リンゴよ!」
左腕が空間を突き破り、ホモリンゴのケツを穿つ。
「あああああ、熱い―― ガチホモ王の熱を体の奥で――」
ブッとい左腕が湿った音をたて、突き刺さっていく。
グンと両手を持ち上げるガチホモ王。
その両腕には、四天王2人が貫かれ、アヘ顔で涎を垂らしている。
ガチホモというグローブを装着したような状態だ。
股間の長槍が黒光りし、ブルブルと振動している。
「いくぞ! 両足! 一度にだ!」
そのまま、ガチホモ王が跳んだ。
ケツを構えている木冬木風とアナル・ドゥーンの二人に両足をぶち込んだ!!
「「ああああああああ~ 奥に、奥がぁぁぁ」」
「ふ、温かいぞ、二人とも」
無駄に優しげなバリトンボイス。
そしてその異形が立ち上がる。
異形だ。
見ているだけで頭が変になりそうな異形。
心をダイレクトにへし折ってくるような、そんな狂った存在が出現していた。
俺の中に棲んでいる、腐った精霊ですら、言葉を失う存在。
それくらいヤバい奴が出てきた。
『アイン! 魔力回路! 回転が落ちてるわ』
「ああああああ…… 分かって、分かってるけど……」
俺の筋肉組織に流れ込む魔力の量が減ってきている。
魔力回路が、回転しない。
そもそも、第一の魔力回路が回転しなければ、7つ魔力回路があっても意味が無い。
最初の魔力回路の回転、これが急速に勢いを失っていた。
徐々に、砕けた俺の右拳から、うずくような痛みが染み出てきた。
「どうしたのだ? 精霊マスターよ。顔色が悪いぞ――」
巨体が口を開いた。
両手、両足に自分の部下である、ガチホモ四天王を刺し込んだガチホモ王だ。
5人のガチホモが合体し、一つのクリチャーになっていた。
腕はもう肩までずっぽり入っている。
脚はもう太ももまでぶっぽりだった。
「ぬん!!」
気迫のこもったガチホモ王の声。
右腕を突きだす。
ガチホモ四天王の筆頭、アナギワ・テイソウタイの顔が俺の前に付き出された。
そして、そいつが口を開ける。
ヌルヌルとしたよだれを垂れ流しながらだ。
その虚ろな目は、完全に意識を失っているように見えた。
グボッ――
湿った音をたて、アナギワ・テイソウタイの開けっ放しの口から浅黒い何かが出現した。
拳だ。
ガチホモ王の拳だった。
「ふふ、ヤオイゲートを通過し、まさに全身を貫通―― もはや、我らは一体。何人たりとも離すことはできぬ」
言い放つガチホモ王。
そして、同じように左手からも拳が出現する。
「さあ、雌雄を決しようではないか。アイン、精霊マスターよ。ここで、雌雄を決し、オマエは俺の子を孕み、生むのだ――」
折れそうになる俺の心。
歯を食いしばった。
口の中に鉄の様な味が広がってくる。
血だ――
血の味だ。
くそ。俺はシャラートを助ける。
シャラート、俺の大事なメガネのお姉様。クールビューティ。
シャラート、俺の専用の大きくやわらかいおっぱい。
シャラート、痴女でサイコで暗殺者。
シャラート、黒く長く揺れる髪――
「ぬごぉぉぉ!!! くそがぁぁあ!! 殺してやる! このバケモノが!」
叫ぶ。回れ俺の魔力回路。くそ! 回れ!
体の奥から重低音の響きが聞こえる。
俺の魔力回路。その最初の魔力回路が回転を増してきた。
俺の筋肉組織に魔力が流れ込んでくるのが実感できる。
体が軽くなる。
全身にパワーがみなぎってくる。
しかし、骨格までは強化できない。
よって、全力でパンチを撃てばこうなる。
俺はバラバラにひん曲がった右拳を見る。
構わない。
全部の骨が砕けても、コイツを、目の前の悪夢をぶち殺す。
「おう、いいぞぉぉ、抵抗する者を無理やりというのが大好きなのだ。その強気な目。その黒と銀の髪を俺の遺伝子でヌルヌルにしてやろう――」
俺は地を蹴った。
ヌルリとした空気の抵抗を感じる。
全身を一個の弾丸として、奴をぶち抜く。
脚にガチホモを装着したガチホモ王は、俺の倍以上の身長になっている。
俺は跳ぶ。
蹴りだ。全力の蹴り。
技もくそもない。ただ魔力を込めたこの足を顔面に叩きこむ。
俺の足が伸びていく。
どこまでも突き抜けていくようなそんな感覚だ。
顔だ。この尖った頭の顔面に、俺の魔力のこもった蹴りをぶち込む。
ガチホモ王は顔に嫌な笑みを貼りつけたまま俺を見ている。
口の端を釣り上げ、涎を垂らしていやがる。
俺の足に凄まじい衝撃が発生した。
頭の天辺からその衝撃が突き抜けた。
一瞬、視界が真っ白になった。
グシャッという感触が俺の足から伝わってきた。
「やった!! ……あれ? え……」
俺の足は確実にガチホモ王の顔面を捉えていた。
鼻の上を直撃だった。
ツーーっ、と赤い血が流れてくる。
「鼻血が出たな。興奮しているのかもしれぬ」
ガチホモ王は言った。なんのダメージも感じさせないバリトンの声だ。
俺は、視線の焦点を奴の顔面から、俺の脚に移した。
折れ曲がっていた。
俺の膝が変な方向に曲がっていた。
「魔力はあるが、体がついてこないか――」
ガチホモ王はそう言って、俺の脚を握った。
「がはっ!!」
肺の中の空気を根こそぎ吐きだしたような気がした。
そして、吐き気。
凄まじい痛みが俺を貫く。
「いい顔だぞぉぉ! これから、毎晩、そう言う顔になるのだ!」
ガチホモ王はまるで、雑巾のように俺を掴みあげた。
ブン―
風を感じた。
俺の銀と黒の髪が流れていくの感じる。
『アイン!!』
サラームが叫ぶ。
背中に衝撃を感じた。
頭も打った。
壁だ。
壁に叩きつけられたんだ。
その事実を俺の脳が認識する。
「ほう―― 空気の壁で減速して、ダメージを軽減したか。やるな。さすが精霊マスター。詠唱なしで戦いの中でそこまで魔法を使えるか」
壁に背をあずけ、崩れ落ちている俺の視野が黒くなっていく。
『閃風斬!』
サラームだった。
俺の魔力を使って、サラームが攻撃を仕掛けていた。
空気のクッションというのも、この精霊のやったことだろう。
意外に、親切だな。サラーム……
キーンと乾いた音が聞こえる。
俺の魔法が弾かれたのだと想像がついた。
「ほう、そのような状態からでも、魔法を放つのか―― ますます、俺の花嫁に相応しい」
どす黒いバリトンボイスが耳に流れ込む。
俺は壁に背をあずけながら立つ。
片足だった。
右足がひん曲がって、立つのに役に立たない。
「まあ、魔法は危険だからな。まずは意識を刈っておくか――」
黒く染まっていく視界の中、巨大な存在が、拳のようなものを振り上げたのが分かった。
ゴメン――
シャラート。
ダメだ。
なんで、ダメなんだ俺は――
くそ。
結局、この世界でもこんなのか……
コンビニで強盗に撃たれて死んで。
この世界では、ガチホモになぶり殺しになる。
くそ!
ダメだ。
俺は立たなきゃダメだ。
大事な物。
この世界には絶対に守らなきゃいけない俺の大事なものが――
しかし、俺の身体はもう動かない。
体が崩れ落ちていく。
魔力回路の回転も徐々に勢いを失っている。
『アイン! 魔力が薄いわ! なにやってんのよ!』
クソ精霊の声が聞こえる。
ダメなんだよ。動かないんだ――
精霊の泣くような叫びが脳内に反響する。
次の瞬間だった。
熱い風の塊が顔にぶつかってくるのが分かった。
次は―― 実体のある拳――
俺は目をつぶり、その時間を待つしかなかった。
高い音が響いた――
なにか、ぶつかる音だ。
でも、俺はなにもしていない。
なんだ? 生きてるのか? 俺――
「キサマぁぁ!!! ぐぉぉぉ!!」
ガチホモ王の声が響いた。
なにが起きた?
いったいなんだ?
「おい、アイン、どうした? 相当やられたじゃないか?」
聞き覚えのありすぎる声がした。
まさか――
おい。本当か……
「父さん……」
ゆっくりと目を開けた俺の前にいた。
俺の親父。
切れるような笑みを浮かべている。十数年は見たこともない表情。
「雷鳴の勇者」シュバイン・ダートリンク。
世界を救った勇者。
俺の父親。
その存在が、ガチホモの拳を片手で止めていた。
0
お気に入りに追加
684
あなたにおすすめの小説
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる