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四章 〜原作突入〜
八十九話 『緑川<瑛太くん』
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あれから一ヶ月が経ち、やってきたのはテスト勉強だ。彼氏が出来たものの、勉強は疎かにできない。なので必死に頑張っているところだ。それに瑛太くんも今年受験だし……瑛太くんを支えるために頑張らないと!
だから――。
「今年も勝負するわよ!城ヶ崎透華!」
メラメラ、と炎をまとってこちらにやってきたのは……緑川だ。テストに向けて気合が入ってるなぁ……と、私は他人事のように思っていた。
「……そうですか」
年々、私の熱は引いていくんだよねぇ……勝負する度に、勝った、負けた、を繰り返していたら嫌でも飽きるし……それに今年に関しては私彼氏いますし~~?
「な、何よ。その反応は!張り合いがないじゃない!」
それはそうだ。反対の立場だったら私も腹が立つと思うし。でも仕方ないよ。飽きたんだから……
私の素っ気ない態度にイライラしているのか、緑川は分かりやすく地団駄を踏んでいた。
「もう辞めない?伊集院様や月坂さんレベルの勝負ならともかく、私達じゃレベルが低いわよ」
王子と美穂ちゃんレベル……学年一位や二位を争うくらいのレベルならともかく、私達は平均点争いをしているようなもんなんだよね……順位は二十位から三十位をウロチョロしてるような感じだし。
正直言ってこのレベルの低い争いは見苦しいものがある。
「……レベルが低い?」
ピクリ、と眉を動かす緑川。そして彼女は勢いよく机を叩き、立ち上がった。
急に立ち上がるものだから周りの人達が驚いているではないか。
「……じゃあ、何?私はレベルが低いから勝負したくないの?」
「そうとは言ってないわ」
緑川の声が一段と低くなる。まるで怒りを耐えているかのようだが、私としては正論を言ったつもりだ。いつまでも、くだらないことに時間をかけるぐらなら勉強なりなんなりした方が有意義だと思う。
それに緑川だって分かっているはずだ。こんな争いになんの意味もないことを。
「……分かってるわよ。親の張り合いを続ける為にやっても意味が無いことなんて。でも、それじゃあ私の気が収まらないのよ!」
「……親、ねぇ……私達には関係無いでしょう。最初の頃は張り合ってたけど、最近は貴方に張り合う理由も見つからないし……」
「……」
「……もう辞めましょうよ。こんなの無意味だわ」
そう言うと、緑川は何も反応を示さない。怒りも感じないし、逆に喜びも感じない。ただただ無表情だった。
少し怖いくらいだ。
「………そうね」
緑川がボソリ、と呟いた。表情は変わらない。笑っているのか怒っているのかも分からない。
「……じゃあ、辞めない?こんな無意味なこと……」
そんなことより私は瑛太くんに勉強を教えたいし。緑川に構っている暇なんてなーい! 早く帰ってテスト勉強しないと……!
「………分かったわよ」
と、彼女は承諾した。
△▼△▼
そして――。
「よ、よろしくお願いします……!透華さん!僕頑張りますから!」
ふんっと、鼻息を荒くしながら、やる気に満ち溢れた顔で宣言した瑛太くん。……かわいいー!恋は盲目というが、好きな人の全てをかっこよく、そしてかわいいと思えてしまう。
「ええ!頑張りましょう!」
ちなみに、今は瑛太くんの家でやっている。今日は家族がいないらしく、二人きりなのだ。……まぁ、家族がいたら気まずいだろうし。気持ちはわかる。
家族がいたら揶揄われるだろうし。恐らく、家族にも言ってないだろうなぁ。私も言ってないからね! ……ということで二人きりである。
ただ勉強をするだけじゃない。楽しい時間でもあるのだ!……そして、私達には一切他意はない。無いったら無いのだ。……ないよね?
「じゃあ、早速始めましょうか!」
「……はい!」
と、やる気に満ち溢れている私達。私達は、お菓子やら飲み物を机に置き、勉強を開始した。
だから――。
「今年も勝負するわよ!城ヶ崎透華!」
メラメラ、と炎をまとってこちらにやってきたのは……緑川だ。テストに向けて気合が入ってるなぁ……と、私は他人事のように思っていた。
「……そうですか」
年々、私の熱は引いていくんだよねぇ……勝負する度に、勝った、負けた、を繰り返していたら嫌でも飽きるし……それに今年に関しては私彼氏いますし~~?
「な、何よ。その反応は!張り合いがないじゃない!」
それはそうだ。反対の立場だったら私も腹が立つと思うし。でも仕方ないよ。飽きたんだから……
私の素っ気ない態度にイライラしているのか、緑川は分かりやすく地団駄を踏んでいた。
「もう辞めない?伊集院様や月坂さんレベルの勝負ならともかく、私達じゃレベルが低いわよ」
王子と美穂ちゃんレベル……学年一位や二位を争うくらいのレベルならともかく、私達は平均点争いをしているようなもんなんだよね……順位は二十位から三十位をウロチョロしてるような感じだし。
正直言ってこのレベルの低い争いは見苦しいものがある。
「……レベルが低い?」
ピクリ、と眉を動かす緑川。そして彼女は勢いよく机を叩き、立ち上がった。
急に立ち上がるものだから周りの人達が驚いているではないか。
「……じゃあ、何?私はレベルが低いから勝負したくないの?」
「そうとは言ってないわ」
緑川の声が一段と低くなる。まるで怒りを耐えているかのようだが、私としては正論を言ったつもりだ。いつまでも、くだらないことに時間をかけるぐらなら勉強なりなんなりした方が有意義だと思う。
それに緑川だって分かっているはずだ。こんな争いになんの意味もないことを。
「……分かってるわよ。親の張り合いを続ける為にやっても意味が無いことなんて。でも、それじゃあ私の気が収まらないのよ!」
「……親、ねぇ……私達には関係無いでしょう。最初の頃は張り合ってたけど、最近は貴方に張り合う理由も見つからないし……」
「……」
「……もう辞めましょうよ。こんなの無意味だわ」
そう言うと、緑川は何も反応を示さない。怒りも感じないし、逆に喜びも感じない。ただただ無表情だった。
少し怖いくらいだ。
「………そうね」
緑川がボソリ、と呟いた。表情は変わらない。笑っているのか怒っているのかも分からない。
「……じゃあ、辞めない?こんな無意味なこと……」
そんなことより私は瑛太くんに勉強を教えたいし。緑川に構っている暇なんてなーい! 早く帰ってテスト勉強しないと……!
「………分かったわよ」
と、彼女は承諾した。
△▼△▼
そして――。
「よ、よろしくお願いします……!透華さん!僕頑張りますから!」
ふんっと、鼻息を荒くしながら、やる気に満ち溢れた顔で宣言した瑛太くん。……かわいいー!恋は盲目というが、好きな人の全てをかっこよく、そしてかわいいと思えてしまう。
「ええ!頑張りましょう!」
ちなみに、今は瑛太くんの家でやっている。今日は家族がいないらしく、二人きりなのだ。……まぁ、家族がいたら気まずいだろうし。気持ちはわかる。
家族がいたら揶揄われるだろうし。恐らく、家族にも言ってないだろうなぁ。私も言ってないからね! ……ということで二人きりである。
ただ勉強をするだけじゃない。楽しい時間でもあるのだ!……そして、私達には一切他意はない。無いったら無いのだ。……ないよね?
「じゃあ、早速始めましょうか!」
「……はい!」
と、やる気に満ち溢れている私達。私達は、お菓子やら飲み物を机に置き、勉強を開始した。
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