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四章 〜原作突入〜
七十七話 『話』
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あれから数日が経った。あの日以来、美穂ちゃんへの嫌がらせは無くなったらしい。まぁ、王子の威圧感に恐れをなしたってところかな?まぁ、そんなことは今はどうでも良くて――
「ねぇ、花音ちゃん~~!」
「げっ。九条香織」
香織様と花音さんが絡んでいるシーンを見てしまった。花音さん、久しぶりに見たわ……嫌そうな顔をしているけれど、香織様は全く気にしていないようだ。
因みに、花音さんは私の実の姉なんだよねー、昔は過激な人だったんだけど今は大人しい性格になったんだよね……何があったのかは知らないけど。
「ねえ、花音ちゃん~」
擦り寄ってる!猫撫で声で甘えている……!香織様ってそんなことするキャラじゃないと思ってたんだけどなあ……人は変わるものだね。
「やめてくれない?あんたがそういう態度取る度に鳥肌立つんだよ」
花音さん、辛辣だなーー、香織様と近づけるのは凄く光栄なことなのにそれを断るとか勇気ある行動すぎる。私なら絶対に無理だよ。
「酷いわ~。私はただ仲良くなりたいだけなのに」
……香織様ってこんなキャラだったっけ……?もっとこう、クールビューティーみたいな感じだったと思うんだけど……なんというか、残念美人みたいになってない?
「あら。透華ちゃん」
不意に、花音さんに声をかけられた!ま、まずい!花音さんと話すのなんて久しぶりすぎて緊張してきた……!
「か、花音さん!お久しぶりです!!」
そう言うと、花音さんは面白くなさそうにため息をついた。……何故!? そして、呆れたような目で見られる。その視線に耐えられなくて思わず俯いた。……やっぱり嫌われてるのかなぁ。
「もうー。実の妹にその言葉はないでしょ?」
「うるさいなあ……」
花音さん……香織様相手に強気すぎませんかねぇ……?最初の頃は怯えていたはずでは……?
「もうひどーい。ところで、透華ちゃんは何してるの?」
「え?私ですか?今日は何も予定ないので家に帰ってのんびりしようかなと思いまして」
これは本当である。最近は忙しくて全然暇がなかったのだ。それで今日はたまの休み。だからゆっくりしたいと思っているわけですよ。
すると、何故か香織様にじっと見つめられる。こわいんですけど……。
「ふーん。なら、一緒に帰らない?久々に話したいし」
「いいですね!帰りましょう!」
香織様と一緒に帰れるなんて幸せすぎるよ。花音さんはめっちゃくちゃ嫌な顔してるなー……
「じゃあ行きますかね」
私たちは3人で下校した。花音さんの機嫌が悪かったわ。
「花音さん。どうして不機嫌なんですか?」
「この女も透華ちゃんもつまらないからだよ」
つまらないって言われても困るんだけど……
「あはは。相変わらず手厳しいね」
「だって事実だし」
本当に仲悪いなー。2人とも笑顔だけど目が笑ってないし。怖いわ。花音さんのことは好きでも嫌いでもないけどさすがに傷つくぞ……!
「もう、そんな言葉遣いはダメよー。せっかく可愛いんだから勿体無いわ」
「可愛いなんて微塵も思ってないくせによく言えるね」
「心外だわー」
2人の会話を聞きながら歩いているうちに家についた。えー。まだ話し足りないんだけどなあ……
「悠真くんと今日約束があるんで悠真くんの部屋にいくわねー」
なんて言って香織様はお兄様の部屋に向かってしまった。……まぁ、あの二人は恋人同士だしなー。邪魔したらいけないよね。
「……やっぱり私の欲しいものは……」
ぽつりと呟かれた声は悲しそうで苦しそうなものだった。
「……あの花音さん?どうかしましたか……?」
恐る恐る聞いてみると花音さんはハッとしたようにこちらを見た。いつもみたいな冷たい表情じゃなくてどこか寂しそうな顔をしていた。
だから私は――、
「あの!花音さん!今度お茶会をしませんか?私、花音さんとお話がしたいです!…香織様のことは協力出来ませんがそれ以外でしたらなんでもします!」
そう言ったら花音さんは驚いたような顔をしている。怒られるかも……と思ったけれど花音さんは優しく微笑みかけてくれた。
「そう……ありがとう。なら、来週悠真と愚痴……じゃなかった話を聞いてくれる?」
……なんて言ってくれたから私はつい嬉しくなってしまった。
「ねぇ、花音ちゃん~~!」
「げっ。九条香織」
香織様と花音さんが絡んでいるシーンを見てしまった。花音さん、久しぶりに見たわ……嫌そうな顔をしているけれど、香織様は全く気にしていないようだ。
因みに、花音さんは私の実の姉なんだよねー、昔は過激な人だったんだけど今は大人しい性格になったんだよね……何があったのかは知らないけど。
「ねえ、花音ちゃん~」
擦り寄ってる!猫撫で声で甘えている……!香織様ってそんなことするキャラじゃないと思ってたんだけどなあ……人は変わるものだね。
「やめてくれない?あんたがそういう態度取る度に鳥肌立つんだよ」
花音さん、辛辣だなーー、香織様と近づけるのは凄く光栄なことなのにそれを断るとか勇気ある行動すぎる。私なら絶対に無理だよ。
「酷いわ~。私はただ仲良くなりたいだけなのに」
……香織様ってこんなキャラだったっけ……?もっとこう、クールビューティーみたいな感じだったと思うんだけど……なんというか、残念美人みたいになってない?
「あら。透華ちゃん」
不意に、花音さんに声をかけられた!ま、まずい!花音さんと話すのなんて久しぶりすぎて緊張してきた……!
「か、花音さん!お久しぶりです!!」
そう言うと、花音さんは面白くなさそうにため息をついた。……何故!? そして、呆れたような目で見られる。その視線に耐えられなくて思わず俯いた。……やっぱり嫌われてるのかなぁ。
「もうー。実の妹にその言葉はないでしょ?」
「うるさいなあ……」
花音さん……香織様相手に強気すぎませんかねぇ……?最初の頃は怯えていたはずでは……?
「もうひどーい。ところで、透華ちゃんは何してるの?」
「え?私ですか?今日は何も予定ないので家に帰ってのんびりしようかなと思いまして」
これは本当である。最近は忙しくて全然暇がなかったのだ。それで今日はたまの休み。だからゆっくりしたいと思っているわけですよ。
すると、何故か香織様にじっと見つめられる。こわいんですけど……。
「ふーん。なら、一緒に帰らない?久々に話したいし」
「いいですね!帰りましょう!」
香織様と一緒に帰れるなんて幸せすぎるよ。花音さんはめっちゃくちゃ嫌な顔してるなー……
「じゃあ行きますかね」
私たちは3人で下校した。花音さんの機嫌が悪かったわ。
「花音さん。どうして不機嫌なんですか?」
「この女も透華ちゃんもつまらないからだよ」
つまらないって言われても困るんだけど……
「あはは。相変わらず手厳しいね」
「だって事実だし」
本当に仲悪いなー。2人とも笑顔だけど目が笑ってないし。怖いわ。花音さんのことは好きでも嫌いでもないけどさすがに傷つくぞ……!
「もう、そんな言葉遣いはダメよー。せっかく可愛いんだから勿体無いわ」
「可愛いなんて微塵も思ってないくせによく言えるね」
「心外だわー」
2人の会話を聞きながら歩いているうちに家についた。えー。まだ話し足りないんだけどなあ……
「悠真くんと今日約束があるんで悠真くんの部屋にいくわねー」
なんて言って香織様はお兄様の部屋に向かってしまった。……まぁ、あの二人は恋人同士だしなー。邪魔したらいけないよね。
「……やっぱり私の欲しいものは……」
ぽつりと呟かれた声は悲しそうで苦しそうなものだった。
「……あの花音さん?どうかしましたか……?」
恐る恐る聞いてみると花音さんはハッとしたようにこちらを見た。いつもみたいな冷たい表情じゃなくてどこか寂しそうな顔をしていた。
だから私は――、
「あの!花音さん!今度お茶会をしませんか?私、花音さんとお話がしたいです!…香織様のことは協力出来ませんがそれ以外でしたらなんでもします!」
そう言ったら花音さんは驚いたような顔をしている。怒られるかも……と思ったけれど花音さんは優しく微笑みかけてくれた。
「そう……ありがとう。なら、来週悠真と愚痴……じゃなかった話を聞いてくれる?」
……なんて言ってくれたから私はつい嬉しくなってしまった。
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